この記事の要点
- 取締役になれない人(欠格事由)は会社法331条1項に定められています。現在の条文に挙がっているのは「法人」と「一定の罪を犯して刑に処せられた人」で、成年被後見人・被保佐人は含まれていません
- 成年被後見人が取締役に就任するには、成年後見人が本人の同意を得たうえで、本人に代わって就任を承諾する必要があります(会社法331条の2第1項)
- 一方、在任中の取締役が後見開始の審判を受けると、会社との委任の関係が終わり、取締役を退任します(会社法330条・民法653条3号)。保佐・補助の開始では退任しません
- 退任したら2週間以内に退任の登記が必要です(会社法915条1項)。この退任は「後任が決まるまで務め続ける」仕組みの対象外なので、人数が足りなくなるなら後任選びを急ぐ必要があります
- 成年後見制度を見直す改正法が公布されていますが、成年後見の見直しの部分は2026年10月時点では未施行です。この記事は現在の条文で説明しています
経営者の方に知っておいてほしいのは、「取締役になれない人」と「取締役を続けられなくなる場面」は、条文上は別の話だということです。
取締役になれない人(欠格事由)は会社法331条1項に並んでいますが、成年被後見人(せいねんひこうけんにん。家庭裁判所の審判で成年後見人が付いた人)は、今はこのリストに入っていません。ところが、すでに取締役を務めている人が在任中に後見開始の審判を受けると、別の条文の組み合わせによって、その時点で取締役を退任することになります。
この記事では、①取締役の欠格事由の全体像と、②在任中に成年後見が始まったときに会社側で何が起きるか(退任・再任・登記)を、条文に沿って整理します。成年後見を受ける側から見た「欠格条項」の見直しの経緯は、成年後見を受けると資格や仕事を失う?──『欠格条項』はどう変わったかで扱っていますので、あわせてご覧ください。
取締役の欠格事由──会社法331条1項
会社法331条1項は、「次に掲げる者は、取締役となることができない」として、次の各号を挙げています(2026年10月時点の現行条文)。
| 号 | 内容 | ポイント |
|---|---|---|
| 1号 | 法人 | 取締役は個人(人)でなければならない |
| 2号 | 削除 | かつては成年被後見人・被保佐人などがここに挙がっていたが、現在は削除されている |
| 3号 | 会社法・一般社団法人及び一般財団法人に関する法律の規定に違反した人や、金融商品取引法・民事再生法・会社更生法・破産法などに定められた特定の罪を犯した人で、刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなった日から2年を経過しない人 | 「刑に処せられ」とあり、刑の種類は限定されていない |
| 4号 | 3号以外の法令の規定に違反し、拘禁刑(こうきんけい)以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又はその執行を受けることがなくなるまでの人(刑の執行猶予中の人を除く) | 「拘禁刑以上」なので、罰金刑はここには含まれない。執行猶予中の人も除かれている |
4号の「拘禁刑以上の刑」とは、刑法9条・10条の刑の順序でいうと死刑と拘禁刑のことで、罰金はそれより軽い刑です。これに対して3号は「刑に処せられ」とだけ書かれているため、会社法などの特定の罪であれば、罰金刑でも欠格事由にあたります。
「破産した人」は欠格事由に入っていない
331条1項には、破産手続開始の決定を受けた人は挙がっていません。そのため、破産したことだけを理由に取締役になれないわけではありません。
ただし、すでに取締役を務めている人が破産手続開始の決定を受けた場合は、後で説明する成年後見の場合と同じく、民法653条(委任の終了事由)の問題になります。同条2号は「委任者又は受任者が破産手続開始の決定を受けたこと」を委任の終了事由として定めています。
欠格事由とは別の「取締役のルール」
331条には、欠格事由とは別に、取締役の資格や人数に関するルールもあります。
- 株主に限る定款の定め:株式会社は、取締役は株主でなければならない旨を定款で定めることができません。ただし、公開会社でない株式会社(すべての株式について、譲渡に会社の承認が必要と定款で定めている会社)は、この限りではありません(331条2項)
- 取締役会を置く会社の人数:取締役会設置会社では、取締役は3人以上でなければなりません(331条5項)
この人数のルールは、後で説明する「退任で人数が足りなくなる」場面にかかわってきます。
成年被後見人・被保佐人が取締役に「就任する」とき──会社法331条の2
現在の会社法では、成年被後見人や被保佐人(ひほさにん。家庭裁判所の審判で保佐人が付いた人)であることは、取締役になれない理由ではありません。その代わり、就任するときの手続きが331条の2に定められています。
成年被後見人が取締役に就任するには、その成年後見人が、成年被後見人の同意(後見監督人がある場合にあっては、成年被後見人及び後見監督人の同意)を得た上で、成年被後見人に代わって就任の承諾をしなければならない。(会社法331条の2第1項)
被保佐人が取締役に就任するには、その保佐人の同意を得なければならない。(同条2項)
ポイントは次のとおりです。
- 成年被後見人の場合:就任を承諾するのは成年後見人です。ただし、本人の同意(後見監督人がいる場合は、本人と後見監督人の同意)を得ることが前提になっています
- 被保佐人の場合:本人が就任を承諾し、それに保佐人の同意を得ます。保佐人に就任の承諾についての代理権が与えられている場合には、保佐人が本人の同意を得て代わりに承諾することもできます(同条3項)
- 就任後の行為:成年被後見人や被保佐人が取締役としてした行為は、「行為能力の制限」(判断能力が不十分な人を保護するための取消しの仕組み)を理由に取り消すことはできません(同条4項)。会社の取引の相手方が不安定な立場に置かれないようにするための規定です
在任中に後見開始の審判があったら──取締役は退任する
ここからが、会社にとって実際に問題になりやすい場面です。すでに取締役を務めている人について、在任中に後見開始の審判があった場合です。
条文の組み合わせで「委任の終了」となる
会社法330条は、会社と取締役などの役員との関係について、次のように定めています。
株式会社と役員及び会計監査人との関係は、委任に関する規定に従う。(会社法330条)
そして、民法653条は委任の終了事由として、次の3つを挙げています。
一 委任者又は受任者の死亡 二 委任者又は受任者が破産手続開始の決定を受けたこと。 三 受任者が後見開始の審判を受けたこと。(民法653条)
取締役は、委任でいう「受任者」(仕事を任された側)にあたります。そのため、取締役が後見開始の審判を受けると、民法653条3号により会社との委任の関係が終わり、取締役を退任することになります。331条1項2号が削除されても、この民法653条3号はそのまま残っているため、「就任はできるのに、在任中に後見が始まると退任する」という形になっています。
いつ退任するのか
後見開始の審判は、即時抗告(そくじこうこく。不服申立て)ができる審判です(家事事件手続法123条1項1号)。即時抗告ができる審判は、確定しなければ効力を生じません(同法74条2項ただし書)。したがって、取締役が退任するのは、後見開始の審判が確定して効力を生じたときです。
保佐・補助の開始では退任しない
民法653条3号が挙げているのは「後見開始の審判」だけです。そのため、取締役が保佐開始や補助開始の審判を受けても、それだけで退任することにはなりません。
代表取締役だった場合
代表取締役は、取締役の中から定められます(会社法349条3項、取締役会設置会社では362条3項)。取締役を退任すれば、取締役であることを前提とする代表取締役の地位も失うことになります。社長が後見開始の審判を受けた場合には、代表取締役の交代も同時に問題になります。
会社側で必要になること
2週間以内に退任の登記をする
取締役の退任は、登記事項の変更にあたります。会社は、変更が生じたときから2週間以内に、本店の所在地で変更の登記をしなければなりません(会社法915条1項)。退任による変更の登記の申請書には、退任を証する書面を添付する必要があります(商業登記法54条4項)。後見開始による退任の場合に具体的にどの書面を用意するかは、申請先の法務局や司法書士に確認してください。
登記を怠ると、過料(かりょう。行政上の制裁金)の対象となることがあります(会社法976条1号。100万円以下)。また、登記すべき事項は、登記の後でなければ善意の第三者に対抗することができません(会社法908条1項)。
人数が足りなくなるときは、後任選びを急ぐ
取締役が辞任したり任期が満了したりして人数が足りなくなった場合には、後任が就任するまで、退任した人が取締役としての権利義務を持ち続ける仕組みがあります(会社法346条1項)。しかし、この条文が対象としているのは「任期の満了又は辞任により退任した役員」だけです。後見開始の審判による退任はこのどちらにもあたらないため、この仕組みは働きません。
つまり、後見開始で取締役の人数が法律や定款で定めた人数を下回る場合は、その時点で欠員になります。株主総会で後任を選ぶ手続きを早めに進める必要があり、すぐに株主総会を開けない事情がある場合には、裁判所に一時取締役(一時役員の職務を行うべき者)の選任を申し立てる方法も会社法に用意されています(会社法346条2項)。同じく「権利義務」の仕組みが働かない死亡による退任の場合と考え方が近いので、平取締役が亡くなった──死亡による退任登記と、員数が足りなくなるときも参考になります。
取締役が1人だけの会社や、社長が唯一の代表者である会社では、会社を代表する人がいなくなるため、手続きの進め方そのものが難しくなることがあります。このような場合は、早めにお近くの司法書士にご相談ください。
同じ人に引き続き取締役を務めてもらいたいとき
後見開始によっていったん退任した人に、引き続き取締役を務めてもらうことも、条文上は可能です。成年被後見人であることは欠格事由ではないためです。
その場合は、改めて株主総会の決議で取締役に選任し(会社法329条1項)、331条の2第1項の手続き、つまり成年後見人が本人の同意(後見監督人がいる場合は本人と後見監督人の同意)を得たうえで、本人に代わって就任を承諾する必要があります。就任の登記の申請書には、就任を承諾したことを証する書面を添付します(商業登記法54条1項)。取締役の就任登記の添付書類の全体像は、取締役を新しく選んだときの登記で整理しています。
なお、「この人に取締役を続けてもらうべきか」は、会社の経営判断であり、本人の状態や会社の事情によって答えが変わります。取締役の地位をめぐって関係者の間で争いになっている場合は、弁護士へのご相談をおすすめします。
成年後見制度の改正について(2026年10月時点で未施行)
成年後見制度そのものを見直す「民法等の一部を改正する法律」(令和8年法律第45号)と、これに伴う「民法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律」(令和8年法律第46号)が、2026年6月24日に公布されています。
e-Gov法令検索の改正履歴で確認すると、この改正により、民法653条3号の「後見開始の審判」の部分や、会社法331条の2の内容が書き換えられることになっています。ただし、民法653条3号を含む成年後見制度の見直しの部分は「公布の日から起算して2年6月を超えない範囲内において政令で定める日」に施行されることになっており、会社法の該当部分の施行日も、令和8年法律第45号の施行の日とされています。いずれも2026年10月時点ではまだ施行されていません。この記事の説明は、現在施行されている条文に基づくものです。改正の概要は、冒頭で紹介した欠格条項の見直しの記事の末尾でも触れています。
まとめ
取締役になれない人は会社法331条1項に定められており、現在は「法人」と「一定の罪を犯して刑に処せられた人」が対象です。成年被後見人・被保佐人は欠格事由ではなくなり、就任するときの手続きが331条の2に定められています。
一方で、在任中の取締役が後見開始の審判を受けると、会社法330条と民法653条3号により退任となります。会社は2週間以内に退任の登記をする必要があり、この退任では「後任が決まるまで務め続ける」仕組みが働かないため、人数が足りなくなる場合は後任選びを急ぐ必要があります。引き続き務めてもらう場合は、改めて選任し、成年後見人による就任承諾の手続きを踏みます。
役員の退任や後任の選任、登記の進め方で迷ったときは、お近くの司法書士にご相談ください。
よくある質問
Q. 取締役の退任の登記には、どのくらい費用がかかりますか? 登録免許税(とうろくめんきょぜい)は、役員変更の登記1件につき3万円、資本金の額が1億円以下の会社は1万円です(登録免許税法別表第一第24号(一)カ)。退任と後任の就任を1つの申請書でまとめて申請する場合も、同じ区分の登記であれば1件分です。司法書士に依頼する場合は、別途報酬がかかります。
Q. 退任の登記をしないで放置すると、どうなりますか? 変更が生じてから2週間以内に登記をしないと、過料(100万円以下)の対象となることがあります(会社法915条1項・976条1号)。また、登記をするまでは、事情を知らない第三者に対して「その人はもう取締役ではない」と主張できない場合があります(会社法908条1項)。人数が足りなくなっている場合は、欠員の状態が続くことにもなります。
Q. 自分で登記できますか?どこに相談すればいいですか? 会社自身で申請することも制度上は可能です。ただし、後見開始による退任は、退任を証する書面の用意や、後任の選び方・代表取締役の交代などが重なりやすい手続きです。登記の手続きはお近くの司法書士に、取締役の地位をめぐって争いがある場合は弁護士にご相談ください。
【さらに深掘り】後見開始による退任と、代表取締役の後任・一時役員・改めての選任の登記
ご注意 以下は執筆時点(2026年10月)の法令・通達・実務運用に基づく一般的な解説です。個別事情により判断が分かれる論点を含みます。実務適用は最新情報と個別事情を踏まえ、お近くの司法書士にご相談ください。 ここから先は専門的な内容です。一般の方はここまでの内容で十分です。
法務省の通達での位置づけ
取締役等の欠格条項を削除した会社法の改正(令和元年法律第70号)の施行に伴う法務省民事局長通達(令和3年1月29日付け法務省民商第14号「会社法の一部を改正する法律等の施行に伴う商業・法人登記事務の取扱いについて」)は、取締役等として現に在任している者が後見開始の審判を受けたときは、委任の終了事由に該当するため、後見開始の審判により退任すると整理しています(会社法330条、民法653条3号)。同じ箇所で、保佐開始の審判を受けたときは委任の終了事由に該当せず、当然には地位を失わないことも示されています。本文の説明は、この通達の整理に沿ったものです。
なお、令和元年改正の審議の際の部会資料等では、後見開始による終任を会社法に明文で定めない理由として、会社法330条を通じて民法653条3号が適用されることで対応できることなどとあわせて、民法653条3号が任意規定か(当事者の特約で排除できるか)については解釈に争いがあり、後見開始を終任事由としない旨の特約を排除するために、あえて会社法に明文の規定を設ける必要まではないことが挙げられていました(上山泰・内田千秋「会社法と成年後見法の交錯問題(2)──取締役の欠格条項削除に関する争点を中心に」法政理論52巻4号(2020年)4〜5頁の紹介による)。定款や会社との合意で「後見開始を退任の理由としない」と定めた場合の扱いは、この解釈の争いにかかわる論点として残っています。本文の説明は、こうした定めがない場合を前提としています。
代表取締役を兼ねていた場合
代表取締役にも、取締役についての346条1項と同じ形の規定があります(会社法351条1項)。この条文も、対象を「任期の満了又は辞任により退任した代表取締役」に限っています。そのため、後見開始で取締役を退任し、代表取締役の地位も失った場合には、代表取締役としての権利義務も残りません。
取締役会設置会社では、代表取締役の選定は取締役会の職務です(会社法362条2項3号・3項)。退任後も取締役が3人以上(会社法331条5項)残っていて、その取締役会で後任の代表取締役を選定した場合、その就任の登記の申請書には、取締役会の議事録を添付します(商業登記法46条2項)。あわせて、出席した取締役と監査役が議事録に押した印鑑について、市町村長の作成した証明書(印鑑証明書)が必要です(商業登記規則61条6項3号)。
これに対し、退任によって取締役が3人を下回った状態のまま、残った取締役だけで行った取締役会の決議の効力をどう考えるかは、条文の文言だけからは一義的に決まらない論点です(代表取締役が亡くなった場面での整理は代表取締役が亡くなったときの登記──会社が最初にすべき手続きの順番をご覧ください)。員数を欠く場合の対応は、次の見出しで扱います。
商業登記規則61条6項のただし書は、議事録に押された印鑑が「変更前の代表取締役(取締役を兼ねる者に限る。)」の登記所に提出している印鑑と同じであれば、この証明書を不要としています。しかし、後見開始で退任した前任者はすでに取締役ではないため、取締役会に出席して議事録に押印する立場にありません。条文の文言からすると、後見開始で退任した前任者の印鑑によってただし書を使うことはできないことになります。
員数を欠くときの一時取締役・一時代表取締役と、その登記
後見開始による退任で、法律(取締役会設置会社では3人以上。会社法331条5項)や定款で定めた取締役の員数を下回った場合、346条1項の権利義務は生じないため、そのまま欠員の状態になります。員数を欠くこととなった場合に選任の手続をすることを怠ったときは、過料の対象として会社法976条22号に規定されています。
対応は、株主総会で後任の取締役を選任すること(会社法329条1項)が基本です。そのうえで、株主総会をすぐに開けないなど必要があるときは、利害関係人が裁判所に、一時取締役の職務を行うべき者の選任を申し立てることができます(会社法346条2項)。代表取締役が欠けた場合についても、一時代表取締役の職務を行うべき者の選任の申立てが用意されています(会社法351条2項)。申立先は、会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所です(会社法868条1項)。裁判所は、会社がその者に支払う報酬の額を定めることができます(会社法346条3項・351条3項)。
登記の面で押さえておきたいのは、これらの選任の裁判があったときは、裁判所書記官が職権で、遅滞なく、本店の所在地を管轄する登記所に登記を嘱託するとされている点です(会社法937条1項2号イ)。一時取締役・一時代表取締役の選任の登記は、会社の申請ではなく、この嘱託によって行われます。嘱託の対象として同号イに掲げられているのは選任の裁判なので、後見開始による前任者の退任の登記は、これとは別に、会社が915条1項に基づいて申請する変更の登記として扱うことになります。
同じ人を改めて取締役に選任する場合の添付書面
本文で触れた、後見開始で退任した人を改めて取締役に選任する場合について、前記の通達は、成年被後見人が取締役等に就任した場合の変更の登記の申請書に添付する書面として、次のものを挙げています(株主総会議事録など、選任についての通常の添付書面とは別に必要になるもの)。
- 成年後見人の就任承諾書(商業登記法54条1項)
- 成年被後見人についての、後見登記等に関する法律10条に規定する登記事項証明書(成年後見登記事項証明書)(商業登記法54条1項)。通達は、この証明書が、就任承諾書に記載した氏名・住所と同じ氏名・住所が記載された公的な証明書(本人確認証明書。商業登記規則61条7項)を兼ねるとしています
- 成年被後見人(後見監督人がある場合は、成年被後見人と後見監督人)の同意書(商業登記法54条1項)
- 成年後見人が就任承諾書に押した印鑑についての印鑑証明書。取締役会を置かない会社では成年被後見人が取締役に就任する場合、取締役会設置会社では成年被後見人が代表取締役に就任する場合に必要とされています(商業登記規則61条4項・5項)
成年後見制度の改正との関係
ここで紹介した通達と条文は、2026年10月時点で施行されている現行法を前提としたものです。令和8年法律第45号・第46号の施行後の取扱いは、施行時の条文と、その際に示される法務省の通達等で確認する必要があります。
参考資料
この記事は、次の資料を参照して内容を確認しています(確認日:2026年10月)。
- 会社法 第2条・第329条〜第331条の2・第346条・第349条・第351条・第362条・第868条・第908条・第915条・第937条・第976条(e-Gov法令検索): https://laws.e-gov.go.jp/law/417AC0000000086
- 民法 第653条(e-Gov法令検索): https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089
- 刑法 第9条・第10条(e-Gov法令検索): https://laws.e-gov.go.jp/law/140AC0000000045
- 商業登記法 第46条・第54条(e-Gov法令検索): https://laws.e-gov.go.jp/law/338AC0000000125
- 商業登記規則 第61条(e-Gov法令検索): https://laws.e-gov.go.jp/law/339M50000010023
- 家事事件手続法 第74条・第123条(e-Gov法令検索): https://laws.e-gov.go.jp/law/423AC0000000052
- 登録免許税法 別表第一第24号(一)カ(e-Gov法令検索): https://laws.e-gov.go.jp/law/342AC0000000035
- 会社法の改正履歴(令和元年法律第70号・令和8年法律第46号の公布日と施行期日。e-Gov法令検索 法令API): https://laws.e-gov.go.jp/api/2/law_revisions/417AC0000000086
- 民法の改正履歴(令和8年法律第45号の公布日と施行期日。e-Gov法令検索 法令API): https://laws.e-gov.go.jp/api/2/law_revisions/129AC0000000089
- 民法 改正後第653条(令和8年法律第45号による改正後・未施行。e-Gov法令検索 法令API): https://laws.e-gov.go.jp/api/2/law_data/129AC0000000089_20281223_508AC0000000045
- 会社法 改正後第331条の2(令和8年法律第46号による改正後・未施行。e-Gov法令検索 法令API): https://laws.e-gov.go.jp/api/2/law_data/417AC0000000086_20281223_508AC0000000046
- 法務省民事局長通達 令和3年1月29日付け法務省民商第14号「会社法の一部を改正する法律等の施行に伴う商業・法人登記事務の取扱いについて」(第4 取締役等の欠格条項の削除): https://www.moj.go.jp/content/001416561.pdf
- 法務省「『民法等の一部を改正する法律』(成年後見及び遺言の制度の見直し)について」(令和8年法律第45号・第46号の公布日・施行期日): https://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00410.html
※ 次の資料は一次情報ではなく、論文などの二次資料ですが、内容確認の参考にしたため一次情報と区別して掲載しています。
- 上山泰・内田千秋「会社法と成年後見法の交錯問題(2)──取締役の欠格条項削除に関する争点を中心に」法政理論52巻4号(2020年)1〜33頁(新潟大学学術リポジトリ): https://niigata-u.repo.nii.ac.jp/records/34102