任意後見契約の3つの型──将来型・移行型・即効型はどう違う?

この記事の要点 将来型・移行型・即効型は、任意後見契約を「いつ結び、いつ効力を生じさせるか」による使い方の呼び分けで、法律上の分類ではない どの型でも、契約は法務省令で定める様式の公正証書で結ぶ必要があり(任意後見契約に関する法律3条)、効力が生じるのは家庭裁判所が任意後見監督人を選任した時から(同法2条1号・4条1項) 移行型は判断能力があるうちから財産管理を任せられる一方、誰も監督人の選任を申し立てないまま委任契約の代理権だけが使われ続けることが、形の上では起こりえる構造になっている点に注意が必要 将来型・移行型・即効型の違いは、「契約を結ぶ時期」と「効力を生じさせる時期」の組み合わせの違いです。3つとも同じ任意後見契約であり、法律に3つの型が書かれているわけではなく、実務や文献で使われている呼び分けです。制度の全体像は任意後見契約とは──元気なうちに「将来の後見人」を自分で選ぶで解説していますので、この記事では「型の使い分け」に絞って整理します。本記事は、執筆時点(2026年07月)の制度に基づく一般的な解説です。 ...

2026年7月31日 · ひぐらしさとし

成年後見制度支援信託とは──本人の財産を守るためのもうひとつの仕組み

この記事の要点 後見制度支援信託・支援預貯金は、本人の財産のうち普段使わない金銭を信託銀行等や金融機関に預け、後見人の手元管理を最小限にする仕組み 対象は「成年後見」と「未成年後見」に限られ、保佐・補助・任意後見では利用できない 信託・預貯金からお金を動かすときは、家庭裁判所が発行する指示書が必要になる 「後見人になると、本人の財産をすべて自分の口座や手元で管理するのだろうか」——そう思われがちですが、実際には財産の額によって、家庭裁判所がもう一つの仕組みを提案することがあります。それが後見制度支援信託・後見制度支援預貯金です。本記事は、執筆時点(2026年07月)の制度・運用に基づく一般的な解説です。 ...

2026年7月27日 · ひぐらしさとし

成年後見人になったら何をする?財産管理と家庭裁判所への報告の流れ

この記事の要点 成年後見人になったら、まず本人の財産を調べて「財産目録」を作ることから始まる 財産目録ができるまでの間は、急を要する行為を除き代理権の行使が制限される その後は日常の財産管理を行いながら、家庭裁判所へ定期的に事務の状況を報告する 「成年後見人に選ばれたら、すぐに本人の財産を自由に動かせるのだろうか」——制度を調べ始めた方から、こうした疑問を伺うことがあります。実際には、就任後すぐに自由な財産管理が始まるわけではなく、まず財産を確定させる手続きを経てから、家庭裁判所の目が届く形で事務が続いていきます。本記事は、執筆時点(2026年07月)の制度に基づく一般的な解説です。 ...

2026年7月23日 · ひぐらしさとし

後見監督人とは?成年後見人を見守る仕組みと選ばれるケース

この記事の要点 後見監督人(こうけんかんとくにん)は、成年後見人がきちんと本人のために事務をしているかを見守るため、家庭裁判所が選任する人 すべての後見に必ず付くわけではなく、家庭裁判所が「必要がある」と判断した場合に選任される 保佐・補助にも同様の仕組み(保佐監督人・補助監督人)があり、任意後見の「任意後見監督人」とは別の制度 「後見人が決まったのに、さらに『後見監督人』という人が出てきた」——後見の手続きを進める中で、こうした戸惑いの声を聞くことがあります。後見監督人は、後見人に代わって本人を支援する人ではなく、後見人の仕事ぶりをチェックする役割の人です。本記事は、執筆時点(2026年07月)の制度に基づく一般的な解説です。 ...

2026年7月19日 · ひぐらしさとし

成年後見人が『できないこと』とは──医療同意・身元保証・自宅の売却で知っておきたい限界

この記事の要点 成年後見人は本人の財産管理や契約を広く代理できるが、「何でもできる」わけではなく、法律上できないことがある 医療への同意、本人の身元保証、婚姻などの身分行為は、後見人が本人に代わって行うことはできない 本人が住む自宅の売却など、影響の大きい行為には家庭裁判所の許可が必要 「成年後見人になれば、本人のことは何でも代わりに決められる」——そう思われがちですが、実際には後見人にも「できないこと」があります。本記事は、執筆時点(2026年07月)の制度に基づく一般的な解説です。後見・保佐・補助の違いについては、法定後見の3類型『後見・保佐・補助』はどう違う?もあわせてご覧ください。 ...

2026年7月15日 · ひぐらしさとし

法定後見の3類型『後見・保佐・補助』はどう違う?──判断能力の程度で決まる仕組み

この記事の要点 法定後見(ほうていこうけん)は、判断能力が不十分になった方を法律面で支える制度で、本人の状態に応じて「後見・保佐・補助」の3類型に分かれる 分かれ目は、判断能力がどの程度低下しているか。重い順に後見・保佐・補助となり、支援する人の呼び名や権限も変わる どの類型にあたるかは、最終的に家庭裁判所が診断書などをもとに判断する 「親の物忘れが進んできた。成年後見を考えたいが、後見・保佐・補助という言葉が出てきてよく分からない」——こうした声は少なくありません。この3つは別々の制度ではなく、判断能力の程度に応じた法定後見の3つの型です。本記事は、執筆時点(2026年07月)の制度に基づく一般的な解説です。 ...

2026年7月11日 · ひぐらしさとし