相続・不動産登記・商業登記など、暮らしと手続きに関するお役立ちコラムをお届けします。あわせて、司法書士試験・土地家屋調査士試験の対策情報も雑記として掲載しています。
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この記事の要点 相談前に用意すると役に立つのは、正式な図ではなく亡くなった方を中心に家族の名前を並べただけの手書きメモで十分 書く項目の目安は、配偶者/子/先に亡くなった人/(子がいなければ)親・兄弟姉妹/再婚・養子縁組・認知の有無/連絡が取れない人 分からないところは空欄のままでよい。戸籍を取り寄せて相続人を確定するのは司法書士側の仕事で、メモはその出発点になる 相続の相談に行く前に、紙一枚に家族の名前を書き出しておくと、初回相談の話は目に見えて早く進みます。用意するのは、きれいに整った図である必要はまったくありません。亡くなった方を真ん中に置いて、配偶者と子の名前を線でつないだだけの走り書きで十分です。 ...
この記事の要点 住宅用家屋証明書は、マイホームの登記にかかる登録免許税を軽い税率にするために、登記申請書に添付する書類です 発行するのは税務署でも法務局でもなく、その家屋がある市区町村(役所の資産税課・税務課など)です 軽減は自動では受けられません。登記を申請する前に証明書を用意しておく必要があります マイホームを新築したり買ったりすると、所有権の登記や住宅ローンの抵当権の登記をすることになり、国に**登録免許税(とうろくめんきょぜい)を納めます。一定の要件を満たす「自分が住むための家」については、この税率が本来より軽くなる仕組みがあり、その軽減を受けるための入場券にあたるのが住宅用家屋証明書(じゅうたくようかおくしょうめいしょ)**です。 ...
この記事の要点 滞納から競売までは、督促・催告 → 期限の利益の喪失 → 保証会社の代位弁済 → 一括請求 → 競売の申立て、という順で段階を踏んで進むのが一般的です 競売の開始決定が出ると、登記簿の甲区(所有権の欄)に「差押」が入り、乙区の抵当権は代位弁済をした保証会社へ移ります。登記簿を見れば手続がどこまで進んだかが分かります 任意売却は競売より高く売れる可能性がある一方、債権者の同意が必要で、売っても残った借金(残債)が消えるわけではありません 返済の交渉や債務整理は弁護士、抵当権抹消や名義の登記は司法書士と、相談先が分かれます 住宅ローンを滞納すると、ある日突然家を失うわけではありません。滞納から競売による明渡しまでには、督促・催告、期限の利益の喪失、保証会社の代位弁済、一括請求、競売の申立て、差押えの登記、期間入札、売却許可、代金納付、明渡しという段階があり、それぞれに数週間から数か月の時間がかかります。そして、その進み具合の多くは登記簿(登記事項証明書)に記録されます。 ...
この記事の要点 親と実家に同居してきた子には、配偶者居住権にあたる法定の居住権制度はありません。配偶者居住権は、その名のとおり配偶者のための制度です ただし裁判例には、被相続人の許諾を得て同居していた相続人について、遺産分割が終わるまでの間は無償で使い続けられる関係が推認されると判断したものがあります 住み続けたい場合の調整は、遺産分割の話し合いの中で行うのが基本です(現物分割・代償分割・換価分割・共有) 代償金をどう用意するか、長年の同居や介護を寄与分(民法904条の2)としてどう位置づけるかが論点になりやすく、相続開始から10年の期間制限にも注意が必要です 相続人どうしで意見が対立している場合は弁護士へ。名義変更(相続登記)の手続きについては、お近くの司法書士にご相談ください 結論から──「同居していた」だけで住み続けられる権利は生じません まず結論です。実家に何十年同居していても、その事実だけで「その家に住み続ける権利」が法律上あたえられるわけではありません。実家(建物と土地)は相続財産に含まれ、他の相続人と分け合う対象になります。 ...
この記事の要点 登記されている建物を取り壊したときは、取り壊した日(滅失した日)から1か月以内に建物滅失登記を申請する義務がある 期限内に申請しないと過料の対象になり得る 未登記の建物には建物滅失登記そのものが不要で、自治体への届出だけで足りる場合がある 本文 相続した実家が古くなり、住む人もいないまま取り壊しを決めるケースは珍しくありません。ここで見落とされやすいのが、建物を取り壊したあとの「建物滅失登記」という手続きです。取り壊し工事そのものは業者が進めてくれますが、その後の登記手続きは所有者側で対応する必要があり、しかも期限が定められています。 ...
この記事の要点 古い戸籍には「戸主」「前戸主」という記載が出てくることがあり、これは家制度のもとで一家の代表者とされた人を指す かつては「家督相続」という制度があり、戸主の地位や財産は、原則として一人の相続人に単独で引き継がれる仕組みだった 家督相続は、昭和22年(1947年)5月3日=日本国憲法の施行日以降に開始した相続には適用されなくなっており、相続がいつ開始したかによって適用される制度が変わる(ただし、切り替わりの前後については経過規定による例外も置かれている) 本文 数次相続が絡む案件で、被相続人の出生まで戸籍を遡っていくと、明治・大正・昭和初期に編製された戸籍にたどり着くことがあります。そこに記載されている「戸主(こしゅ)」「前戸主」という文字を見て、いまの戸籍にはない言葉に戸惑う方は少なくありません。この記事では、戸主とは何か、そして戸主制度と結びついていた「家督相続」という古い相続の仕組みについて整理します。 ...
この記事の要点 離婚は夫婦間の話し合いにすぎず、金融機関との契約(連帯保証・連帯債務)を当然に変更する効力はない 連帯保証人と連帯債務者は法的な立場が異なるが、「離婚後も原則そのまま残る」という点は共通している 地位を外れるには、一般的に金融機関の承諾を得た契約変更・借り換え・代わりの保証人を立てる、といった手続きが必要になる(ローンが完済されれば、その時点で義務はなくなる) 放置すると、相手の返済が滞った場合に自分へ請求が及ぶリスクが残る 話し合いが難航する場合は弁護士、契約内容の確認や書類の整理は司法書士が窓口になる 離婚しても、住宅ローンの連帯保証人・連帯債務者という立場は、当然には外れません。これが最初に押さえておきたい結論です。離婚届を出しても、財産分与の話し合いがまとまっても、金融機関との契約はそのまま残ります。外れるためには、これから説明する一定の手続きが別途必要です。 ...
この記事の要点 二世帯住宅の登記には「単独登記」「共有登記」「区分登記」の3方式があり、選び方で将来の相続の進み方が変わる 単独登記・共有登記は建物全体または持分が遺産分割の対象になり、共有登記は相続のたびに持分がさらに細かく分かれやすい 区分登記は各世帯の専有部分ごとに独立した登記になるため、片方の世帯の相続がもう一方の世帯に直接影響しにくい 区分登記にするには構造上・利用上の独立性など一定の要件を満たす必要がある 住宅ローンの組み方や税務上の取り扱いにも関わるため、建築・取得の段階で早めに検討しておくことが望ましい 二世帯住宅を建てる、あるいは購入するとき、建物の登記をどの形にするかは「今の暮らしやすさ」だけでなく「将来の相続の進み方」にも直結します。結論からいうと、登記の方式には大きく分けて「単独登記」「共有登記」「区分登記」の3つがあり、どれを選ぶかによって、親世代に相続が発生したときの手続きの進み方や、家族間で調整が必要になる範囲が変わってきます。 ...
この記事の要点 公益信託とは、自分の財産を奨学金・助成・文化振興などの「公益目的」のために使ってもらう信託の仕組みです 2026年(令和8年)4月1日に新しい「公益信託に関する法律」が施行され、約100年ぶりに制度が全面的に生まれ変わりました 行政庁(内閣総理大臣または都道府県知事)の認可制になり、公益法人やNPO法人なども受託者(財産を託される側)になれることが明確になりました 信託財産は金銭だけでなく、不動産や美術品なども託せるようになりました 財団法人を作るほどの規模ではないけれど社会貢献に財産を役立てたい、という方の新しい選択肢です 公益信託とは、ひとことで言えば「自分の財産を、特定の誰かのためではなく、社会のために使ってもらう信託」です。たとえば「亡くなった後、遺産の一部を地元の学生の奨学金に役立ててほしい」「長年集めた美術品を文化振興のために活かしてほしい」──そんな希望を形にするための制度で、2026年(令和8年)4月1日から新しい法律のもとで運用が始まっています。 ...
この記事の要点 成年後見人は、家庭裁判所の許可(嘱託)があれば、本人あての郵便物等を自分の住所に配達してもらうことができます(民法860条の2) 配達された郵便物等は、後見人が開いて見ることができます。ただし後見の事務に関係ないものは、速やかに本人へ渡さなければなりません(民法860条の3) 本人は、後見人が受け取った郵便物等(すでに本人に渡されたものを除く)について、後見人に閲覧を求めることができます 結論からお伝えします。成年後見人は、家庭裁判所の許可(嘱託)なしに本人あての郵便物を受け取れるわけではありません。嘱託を経て配達を受けられるようになると、受け取った郵便物等を開いて見ること自体はできますが、後見の事務に関係のないものは速やかに本人へ渡さなければならず、本人から閲覧を求められればそれに応じる必要があります。入口に家庭裁判所の関与を置き、受け取った後は交付義務と閲覧請求権で歯止めをかける、という組み立てになっています。 ...