第1問(測量法・公共測量)

問: 測量法に基づく公共測量に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(ア)公共測量とは、基本測量以外の測量で、国又は公共団体が費用の全部もしくは一部を負担又は補助して実施する測量等をいう。 (イ)測量計画機関は、公共測量を実施しようとするときは、あらかじめ、目的、地域及び期間並びに精度及び方法を記載した計画書を提出して、国土地理院の長の技術的助言を求めなければならない。 (ウ)公共測量で得られた測量成果を使用して測量を実施しようとする者は、当該測量成果を得た計画機関等の承認を得なければならない。 (エ)公共測量の測量成果を得た測量計画機関は、その写しを国土地理院の長に送付する必要はない。

答: (エ)

解説:

  • ア:正しい。測量法5条の定義。
  • イ:正しい。測量法36条:計画書を提出して国土地理院の長の技術的助言を求める。
  • ウ:正しい。測量法44条:成果の使用承認。
  • エ:誤り。測量法40条1項:測量計画機関は、公共測量の測量成果を得たときは、遅滞なく、その写しを国土地理院の長に送付しなければならない。送付を受けた国土地理院の長が審査・公表(41条)、写しの保管・一般閲覧(42条1項)を行う。

第2問(多角測量①)— 基準点測量の作業区分

問: 公共測量における基準点測量に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(ア)公共測量における基準点測量は、1級・2級・3級・4級に区分される。 (イ)下位の等級の基準点測量は、上位の等級の基準点測量の成果を既知点として使用することができる。 (ウ)1級基準点測量における水平角の観測は、2対回観測である。 (エ)4級基準点測量における水平角の観測は、原則として3対回観測である。

答: (エ)

解説:

  • ア:正しい。公共測量作業規程準則における等級区分。
  • イ:正しい。基準点測量は上位等級の成果を既知点として使う。
  • ウ:正しい。1級基準点測量の水平角観測は2対回(準則第37条の表。2級基準点測量は1級TS使用なら2対回、2級TS使用なら3対回)。
  • エ:誤り。準則第37条の表では、3級・4級基準点測量の水平角観測も2対回(水平目盛位置0°、90°)。3対回(0°、60°、120°)となるのは2級トータルステーションを用いる2級基準点測量だけで、4級ではない。

第3問(多角測量②)— 観測値の調整

問: 多角測量における閉合差および誤差調整に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(ア)方向角の閉合差は、観測点数nが多いほど許容範囲が大きくなる。 (イ)方向角の閉合差は、各観測点に均等に配分する方法で調整できる。 (ウ)座標の閉合差は、各測線の距離に比例して配分するコンパス法則(Bowditch法)が一般的である。 (エ)多角測量の観測順序は、必ず時計回りに行わなければならない。

答: (エ)

解説:

  • ア:正しい。方向角の閉合差の許容範囲は観測点数の平方根(√n)に比例して大きくなる。
  • イ:正しい。最も簡易な配分方法(点数等分)。
  • ウ:正しい。コンパス法則:座標の閉合差を各測線の距離に比例配分(経度・緯度方向それぞれ)。
  • エ:誤り。多角測量の観測順序(観測点を回る方向)は時計回り・反時計回りのどちらでもよく、規定されていない。各観測点での水平角観測において正観測(正位)と反観測(反位)を行うこと(対回観測)は必要であるが、これは「観測順序」とは別の話。

第4問(多角測量③)— TS観測の倍角差・観測差

問: TS(トータルステーション)による2対回観測に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(ア)対回観測とは、望遠鏡を正位(正方向)と反位(180度反転した方向)で観測することをいう。 (イ)2対回観測では、1つの目標方向について4つの観測値(正・反×2セット)を得る。 (ウ)倍角差とは、第1対回における正反の合計(倍角)と、第2対回における正反の合計との差をいう。 (エ)観測差とは、各対回の正位と反位の平均値を対回間で比較した差をいう。

答: (エ)

解説:

  • ア:正しい。対回観測の基本定義。
  • イ:正しい。2対回 = 対回(正+反)×2 = 観測値4つ。
  • ウ:正しい。倍角差 = 第1対回の倍角 − 第2対回の倍角。観測精度の判定指標。
  • エ:誤り。観測差は、各対回の正位と反位の差(較差)を対回間で比較した差をいう。正反の平均値の対回間の差は倍角差の2分の1にすぎず、観測差ではない(準則第38条の表は倍角差と観測差を別個の点検項目として許容範囲を定める)。

第5問(水準測量①)— 往復観測の許容範囲

問: 公共測量における水準測量の往復観測値の差(往復差)の許容範囲に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。Sは片道の観測距離(km)とする。

(ア)1級水準測量:おおむね 2.5 mm√S (イ)2級水準測量:おおむね 5 mm√S (ウ)3級水準測量:おおむね 5 mm√S (エ)4級水準測量:おおむね 20 mm√S

答: (ウ)

解説:

  • 公共測量作業規程準則による標準的な往復差の許容範囲(おおむね):
    • 1級水準測量:2.5 mm√S
    • 2級水準測量:5 mm√S
    • 3級水準測量:10 mm√S
    • 4級水準測量:20 mm√S
  • (ウ)3級水準測量を5 mm√Sとするのは2級と同じ値で誤り。正しくは10 mm√S。

第6問(水準測量②)— 標尺・観測の誤差処理

問: 水準測量における誤差処理に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(ア)標尺は、円形気泡管(水準器)を用いて鉛直に立てる。 (イ)標尺の0目盛位置と標尺底面のずれを「標尺改正数(標尺定数)」と呼ぶ。 (ウ)レベルの視準線が水準器軸と平行でないことによる誤差(視準線誤差)は、後視と前視の視準距離を等しくとることで消去できる。 (エ)後視・前視の視準距離を等しくとることは、地球の曲率と大気の屈折による誤差の消去にも寄与する。

答: (イ)

解説:

  • ア:正しい。
  • イ:誤り。「標尺改正数(標尺定数)」は標尺目盛の表示長と真の長さとの差を1mあたりで表した補正値(準則第67条の標尺補正に用いる)であり、0目盛位置と底面のずれそのものは「0点誤差(零点誤差)」と呼ばれて区別される。
  • ウ:正しい。等距離観測による視準線誤差の消去。
  • エ:正しい。地球曲率および大気屈折の誤差も、後視と前視の距離が等しければ相殺される。

第7問(GNSS測量)— 基本原理と観測方法

問: GNSS測量に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(ア)GNSS測量では、原則として4個以上の衛星からの信号を同時受信して、受信機の3次元位置を決定する。 (イ)スタティック法は、複数の受信機を観測点に長時間据え付けて、衛星からの信号を同時受信する方法である。 (ウ)キネマティック法は、移動する受信機の位置を連続的に決定する方法である。 (エ)GNSS測量で受信される衛星電波は対流圏や電離層の影響を受けないため、これらに係る補正は不要である。

答: (エ)

解説:

  • ア:正しい。位置3未知数+受信機時計誤差の合計4未知数を解くため、最低4衛星が必要。
  • イ:正しい。スタティック法は基準点測量で用いられる。
  • ウ:正しい。RTK-GNSS等が代表例。
  • エ:誤り。衛星電波は電離層遅延(自由電子の影響)と対流圏遅延(水蒸気・大気密度の影響)を受けるため、これらの補正は不可欠である。多周波受信や数学モデルによる補正が行われる。

第8問(写真測量)— 空中写真の縮尺

問: 空中写真測量に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(ア)連続撮影において、隣接する空中写真同士には十分な重複(オーバーラップ)が必要である。 (イ)標準的なオーバーラップは約60%、隣接コース間のサイドラップは約30%である。 (ウ)空中写真の縮尺は、「撮影高度 ÷ 焦点距離」で求められる。 (エ)標定点は、同時調整に必要な水平位置及び標高の基準となる点であり、写真間を連結するパスポイント・タイポイントとは区別される。

答: (ウ)

解説:

  • ア:正しい。立体視に必要。
  • イ:正しい。標準値:オーバーラップ約60%、サイドラップ約30%。
  • ウ:誤り。空中写真の縮尺は 「焦点距離 ÷ 撮影高度」(f / H)で求められる。問題文は分母分子が逆。
  • エ:正しい。準則第171条(標定点)・第152条(パスポイント・タイポイント)。パスポイント・タイポイントの水平位置・標高は調整計算で求める(第154条)。

第9問(地形測量)— 等高線の標高間隔

問: 地形測量および地形図に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(ア)数値地形図データには、地物(建物・道路・水部等)の形状や位置情報が記録される。 (イ)等高線には、計曲線・主曲線・補助曲線の区別がある。 (ウ)縮尺1/25,000の地形図における主曲線の標高間隔は、20mが標準である。 (エ)数値地形測定では、トータルステーション・GNSS・UAV(ドローン)等を用いて測定値を直接デジタル化する。

答: (ウ)

解説:

  • ア:正しい。
  • イ:正しい。計曲線(5本ごとの太線)・主曲線・補助曲線(点線)の区別。
  • ウ:誤り。縮尺1/25,000の地形図における主曲線間隔は10m(計曲線は50m)。20mは縮尺1/50,000の地形図の主曲線間隔である。
  • エ:正しい。

第10問(地図編集)— 総描と取捨選択

問: 地図編集に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(ア)地図編集とは、既存の地図データから縮尺・図郭・主題等を変更して、新たな地図を作成する作業をいう。 (イ)縮尺を小さくする方向の地図編集(例:1/2,500から1/25,000へ)では、すべての地物をそのまま縮小して表示する。 (ウ)地図編集における「総描(総合描示)」とは、複数の細部地物を簡略化してまとめて表現する作業をいう。 (エ)地図編集の優先順位は、一般に「真位置の保持→正確な接続→明瞭な表現」の順となる。

答: (イ)

解説:

  • ア:正しい。地図編集の定義。
  • イ:誤り。縮尺を小さくする際には取捨選択を行い、表示できない細部地物は除去・統合・簡略化する(総描)。すべて縮小して表示すると地物が重なり判読不能になる。
  • ウ:正しい。総描(総合描示、generalization):複数地物の簡略表現(準則第341条)。
  • エ:正しい。地図編集の優先順位の原則。

出題分野

問 分野 中心論点
第1問 測量法・公共測量 測量法5条・36条・40条・44条
第2問 多角測量(基準点測量) 水平角は1〜4級とも2対回(2級TS使用の2級のみ3対回)
第3問 多角測量(誤差調整) 閉合差の許容範囲・コンパス法則
第4問 多角測量(観測精度) 倍角差・観測差の意味
第5問 水準測量(許容範囲) 1〜4級水準測量の往復差(mm√S)
第6問 水準測量(誤差処理) 標尺改正数と零点誤差の区別/等距離観測
第7問 GNSS測量 4衛星原理/スタティック・キネマティック/対流圏・電離層遅延
第8問 写真測量 縮尺=焦点距離÷撮影高度
第9問 地形測量 1/25,000主曲線10m
第10問 地図編集 総描・取捨選択