相続の相談後に「やることリスト」を作る──聞いた話を行動に変える4つの区分と書き方

この記事の要点 初回相談で聞いた話は、帰宅後その日のうちに「①期限があること ②自分で集める書類 ③家族と決めること ④次に相談する日までに確認すること」の4区分でメモに書き分けると、行動に変わります 各項目に「誰が」「いつまでに」を添え、分からないことは空欄にせず「分からない」と書き残します このリストを2回目の相談に持っていくと、前回の説明をなぞり直す時間が減り、話が早く進みます 相続の初回相談を終えて帰宅すると、「いろいろ聞いたけれど、結局まず何をすればいいのか」がぼんやりしている、ということがよくあります。相談で聞いた内容は、そのままでは「情報」であって「行動」ではありません。この記事では、聞いた話を帰宅後に行動の形へ整理する、ごく一般的なメモの作り方を紹介します。同席しなかった家族への伝え方は聞いた話を同席しなかった家族にどう伝える?で扱っていますので、この記事は「自分たちが次に動くためのリスト」に絞ります。 ...

2026年9月11日 · ひぐらしさとし

相続の話し合い、全部を一度に決めなくていい──『期限があること』と『保留していいこと』の分け方

この記事の要点 相続の話し合いは「その場で全部決める」ものではなく、期限があることと、時間をかけてよいことを分けると気持ちが楽になる 相続放棄(3か月)・相続税の申告(10か月)・相続登記の申請(3年)など、期限があることは優先して話す必要がある 実家をどうするか、遺品をどう分けるかなど期限のない話題は、期限のある手続きを先に進めたうえで「今回は保留」と決めてよい 家族が亡くなったあと、「早く話し合わなければ」という気持ちに追われて、実家の将来のことまで一度の集まりで結論を出そうとしてしまう方が少なくありません。しかし、相続の話し合いに必要なのは「全部を一度で決めること」ではなく、「何を先に決めるべきかを分けること」です。※執筆時点(2026年09月)の制度に基づく一般的な解説です。 ...

2026年9月7日 · ひぐらしさとし

相続の相談前に「家族構成メモ」を手書きで用意すると話が早い理由──書く項目と、分からなくてもいいこと

この記事の要点 相談前に用意すると役に立つのは、正式な図ではなく亡くなった方を中心に家族の名前を並べただけの手書きメモで十分 書く項目の目安は、配偶者/子/先に亡くなった人/(子がいなければ)親・兄弟姉妹/再婚・養子縁組・認知の有無/連絡が取れない人 分からないところは空欄のままでよい。戸籍を取り寄せて相続人を確定するのは司法書士側の仕事で、メモはその出発点になる 相続の相談に行く前に、紙一枚に家族の名前を書き出しておくと、初回相談の話は目に見えて早く進みます。用意するのは、きれいに整った図である必要はまったくありません。亡くなった方を真ん中に置いて、配偶者と子の名前を線でつないだだけの走り書きで十分です。 ...

2026年9月3日 · ひぐらしさとし

相続の初回相談、聞いた話を同席しなかった家族にどう伝える?──言った言わないを防ぐ共有のしかた

この記事の要点 面談で聞いた「まだ条件付きの話」は、伝言を重ねるうちに「もう決まったこと」に変わってしまいやすい メモは「聞いた要点」「今後すべきこと」「まだ未確定の点」の3つを分けて書き留めると、伝えるときの誤解を減らせる 口頭だけに頼らず資料をそのまま見せる、その場で答えを作らずに持ち帰る、という2つの姿勢が役に立つ 相続の相談に、家族の代表者だけで、あるいは一部の家族だけで行くことは珍しくありません。誰と一緒に行くかを決めた後、実は同じくらい大事なのが、聞いてきた内容を同席しなかった家族へどう伝えるかです。結論から言うと、ここで工夫をしておかないと、「言った」「言っていない」という行き違いが起きやすくなります。この記事では、紛争になったときの言い分の話ではなく、あくまで正確に情報を共有するためのコツとして整理します。 ...

2026年8月30日 · ひぐらしさとし

相続の相談で言いにくいこと──借金・疎遠な相続人・再婚歴ほど先に伝えたい理由

この記事の要点 借金・疎遠な相続人・前婚の子など「言いにくい事情」ほど、最初の相談で伝えたほうが手続きがスムーズに進みます 戸籍や登記を集める過程で明らかになることが多く、後から分かると段取りがやり直しになりかねません 司法書士には法律上の守秘義務があり、正当な事由がある場合でなければ、業務上知ることのできた秘密を他に漏らすことはできません(司法書士法24条) 相続の相談、何から話せばいいか分からないときは、話す中身をどう整理するかという「順序」の記事でした。今回はその一歩手前、「言いにくいけれど、実は最初に伝えたほうがよい事情」に絞って整理します。 ...

2026年8月26日 · ひぐらしさとし

相続の相談、本人が体調不良や遠方で行けないときは家族だけでもいい?

この記事の要点 本人が体調や距離の事情で同行できないときも、まず家族だけで状況や進め方を聞いてもらうこと自体は一般的にできる ただし正式に手続きを依頼する段階では、原則として本人の意思確認が必要になる 家族だけで相談に行くときは、本人が同行できない理由と、本人がこれまでどう考えているかを整理しておくとスムーズ 入院中や施設入所中、あるいは遠方に住んでいるなどの事情で、本人が相談の場に同行できないことは珍しくありません。結論から言うと、こうした場合でもまずは家族だけで相談に行き、状況や今後の進め方について話を聞いてもらうこと自体は、多くの事務所で一般的に対応してもらえます。相続や登記の相談は、その場で契約を結ぶ場に限らず、状況整理や見通しを聞く場でもあるためです(相談と依頼の違いについては相談したら必ず依頼しないといけない?もあわせてご覧ください)。 ...

2026年8月22日 · ひぐらしさとし

遺言の相談・作成は家族に内緒にできる?──単独でできる理由と、あとで困らない伝え方

この記事の要点 遺言の作成は本人一人の意思でできる行為であり、家族に伝えずに相談・作成を進めても法的な問題はない 公正証書遺言の証人は家族でなくてよく、むしろ推定相続人や受遺者にあたる家族は証人になれない決まりがある 内緒のまま進める場合は、死後に遺言の存在に気づかれないリスクへの備えを合わせて考えておきたい 遺言を考え始めたものの、「家族に知られずに相談だけでもしたい」と迷う方は少なくありません。結論から言うと、遺言の相談や作成は家族に内緒で進めてかまいません。遺言は本人一人の意思で成立させる行為であり、家族の同意や立ち会いを法律上必要とする場面はないからです。とはいえ、内緒のまま完結させることには実務上の注意点もあります。この記事では、その理由と、あとで困らないための工夫を整理します。 ...

2026年8月18日 · ひぐらしさとし

相続の初回相談、どれくらい時間を見ておけばいい?──当日の時間の使い方

この記事の要点 初回相談にどれくらい時間がかかるかは事務所や相談内容によって幅があり、共通の決まった時間はない 聞きたいことや持参できる書類を事前に整理しておくと、限られた時間を有効に使える 時間内に話が終わらなくても、その場で無理に結論を出す必要はなく、日をあらためて相談することもできる 「相続の相談に行きたいが、どれくらい時間を空けておけばいいか分からない」と、予約の前に迷う方は少なくありません。結論から言うと、初回相談にかかる時間は事務所や相談内容によって幅があり、決まった標準時間があるわけではありません。移動時間も含めて、その日の予定に余裕を持たせておくと安心です。 ...

2026年8月14日 · ひぐらしさとし

相続の初回相談では何を聞かれる?──聞き取りの一般的な流れ

この記事の要点 初回相談では、家族構成・これまでの経緯・分かっている財産の状況・困りごとや希望、といった項目を順に聞かれるのが一般的な流れ 答えられない項目があっても相談は成立する。「分からない」とそのまま伝えてよい 聞く順番や項目は事務所や相談内容によって多少異なる。ここで紹介するのはあくまで一般的な目安 「相談に行ったら、いきなり難しいことを聞かれるのではないか」——初めて相談する方の不安として、これはよくあるものです。結論から言うと、初回相談は事実を一つずつ確認しながら状況を把握していく聞き取りが中心で、事前に完璧な答えを用意しておく必要はありません。一般的な流れの目安を知っておくだけで、当日の身構えはかなり軽くなります。 ...

2026年8月10日 · ひぐらしさとし

相談したら必ず依頼しないといけない?──相談と依頼の違い、その場で決めないための準備

この記事の要点 相談と依頼は別のもので、相談したからといってその場で依頼を決めなければならないわけではない 一般には、相談で見通しと費用の説明を受け、納得したうえで委任契約(仕事をお願いする約束)を結んで初めて依頼になる 「持ち帰って考えます」と伝えてよい。そのために聞いておくとよいことがいくつかある 「一度相談に行ったら、そのまま頼まないといけない雰囲気になるのではないか」——相談をためらう理由として、これはとても多いものです。結論から言うと、相談と依頼は別のものです。相談しただけで手続きが始まるわけではなく、その場で結論を出さずに持ち帰ることもできます。 ...

2026年8月6日 · ひぐらしさとし