「その他」と「その他の」の違い──「の」一文字で条文の読み方が変わる【相続の条文で解説】

この記事の要点 法令では「A、B その他の C」と「A、B その他 C」は書き分けられており、「の」が付くと、前に並んだ言葉は後ろの言葉の例示(代表例)になる 「の」が付かない場合は、前に並んだ言葉と後ろの言葉が対等な列挙で、後ろの言葉は「それ以外のもの」を受け止める役割になる ただしこれは法令を作るときの一般的な用語法であり、最終的な意味はその条文ごとの解釈で決まる 条文を読んでいると、「〇〇その他の□□」という言い回しと、「〇〇その他□□」という言い回しの両方が出てきます。日常の文章なら気に留めない「の」一文字ですが、法令ではこの2つは使い分けられています。本記事は執筆時点(2026年7月)の制度に基づく一般的な解説です。 ...

2026年7月30日 · ひぐらしさとし

「直ちに」「速やかに」「遅滞なく」の違い──法令の時間表現を条文例で読み分ける

この記事の要点 一般には「直ちに」がもっとも急ぎ、「速やかに」「遅滞なく」の順にゆるやかになると説明される ただしこれは一般的な用語法であり、実際の意味はその条文の解釈で決まる 「三年以内」のように数字で区切る期限の定めとは、性質の異なる書き方である 法律の条文は、いつまでにやるべきかを「直ちに」「速やかに」「遅滞なく」という言葉で示すことがあります。日常では似た意味ですが、法令では書き分けられており、急ぎの度合いが異なるとされています。 ...

2026年7月26日 · ひぐらしさとし

「以上・以下」と「超える・未満」の違い──境界の数字を含むか含まないかで読み分ける【会社法の条文で解説】

この記事の要点 「以上」「以下」は、境界となる数字(基準の数)そのものを含む 「超える」「未満(=満たない)」は、基準の数を含まない 「過半数」は「半数を超える」という意味で、ちょうど半分では足りない 法律の条文には、「〜以上」「〜以下」「〜を超える」「〜未満」といった数の区切りがよく登場します。日常会話ではどれもあいまいに使いがちですが、条文では基準となる数そのものを含むか含まないかがきっちり決まっています。結論から言うと、「以上」「以下」は基準の数を含み、「超える」「未満」は含みません。 ...

2026年7月22日 · ひぐらしさとし

「又は」と「若しくは」、「及び」と「並びに」の違い──条文の接続詞は階層で読み分ける

この記事の要点 「又は」と「若しくは」はどちらも「〜か〜か」の選択。大きいくくりが「又は」、その内側の小さいくくりが「若しくは」 「及び」と「並びに」はどちらも「〜と〜」の並列。小さいくくりが「及び」、大きいくくりが「並びに」 選択は「又は」が基本形、並列は「及び」が基本形。組み合わせの向きが逆なので注意 法律の条文では、「又は」と「若しくは」、「及び」と「並びに」がはっきり使い分けられています。日常の文章ではどれも同じように使いますが、条文では言葉のかかり方の階層(大きいくくりか、小さいくくりか)を示す記号として働きます。結論から言うと、選択(〜か〜か)では大きいくくりが「又は」・小さいくくりが「若しくは」、並列(〜と〜)では小さいくくりが「及び」・大きいくくりが「並びに」です。 ...

2026年7月18日 · ひぐらしさとし

「善意」と「悪意」は良い悪いではない──法律用語としての意味をやさしく解説

この記事の要点 法律でいう「善意」「悪意」は、良い心・悪い心のことではない 「善意」=ある事情を知らないこと、「悪意」=ある事情を知っていること 不動産や取引のトラブルでは、この「知っていたか・知らなかったか」で結論が変わる場面がある 法律の条文や司法書士・弁護士の説明に、「善意の第三者」「悪意の占有者」といった言葉が出てくることがあります。日常の感覚では、善意は「親切な気持ち」、悪意は「悪だくみ」を思い浮かべますが、法律の世界での意味はまったく違います。結論から言うと、善意=ある事情を知らないこと、悪意=ある事情を知っていることを指します。良い・悪いという道徳の話ではなく、「知っていたかどうか」という事実の問題です。 ...

2026年7月14日 · ひぐらしさとし

「みなす」と「推定する」の違い──反証で覆るかどうかで読み分ける【相続の条文で解説】

この記事の要点 「みなす」は反対の証拠があっても覆らない(法律が事実として確定させる言葉) 「推定する」は反対の証拠があれば覆る(一応そう扱うだけの言葉) 相続の条文にも両方が登場し、どちらの言葉かで結論の覆しやすさが変わる 法律の条文を読んでいると、「〜とみなす」「〜と推定する」という言い回しに出会います。日常ではどちらも「そう考える」くらいの意味で使いますが、法律の世界でははっきり区別されています。結論から言うと、反対の証拠(反証)を出して覆せるかどうかが分かれ目です。 ...

2026年7月10日 · ひぐらしさとし