この記事の要点

  • 条文は「条 → 項 → 号 → イ・ロ・ハ」の階層でできている(項は算用数字、号は漢数字)
  • 「第213条の2」の「の2」は枝番号で、独立したひとつの「条」。「第213条第2項」とは別の条文
  • 枝番号や「削除」の表示は、改正のときに後ろの条文番号をずらさないための立法の工夫

条文を調べていて「民法第213条の2」という表記に出会ったとき、「213条の2番目の項(=第2項)のことかな」と読んでしまう方が少なくありません。結論から言うと、これは誤りです。「第213条の2」は、第213条と第214条の間に挟まれた独立したひとつの条であり、「第213条第2項」とはまったく別の条文です。

なお、この記事は執筆時点(2026年8月)の法令に基づく一般的な解説です。

まず基本──条・項・号の階層

法律の条文は、次の階層で組み立てられています。

  • ……条文の基本単位。「第213条」のように数え、見出し(かっこ書きのタイトル)が付くのもこの単位です
  • ……ひとつの条の中の段落。第2項以降に「2」「3」と算用数字が振られます。第1項には番号が付かないため、条文を読むときは「番号のない最初の段落=第1項」と数えます
  • ……「次に掲げる事項」のように列挙するときの単位。「一」「二」「三」と漢数字で表されます
  • イ・ロ・ハ……号の中をさらに細かく分けるときに使います。たとえば会社法107条2項では、号の下に「イ」「ロ」「ハ」…と細目が並んでいます

引用するときは「民法第213条の2第1項」のように、条(枝番号を含む)→項→号の順につなげて書きます。

「の2」は枝番号──独立した条文

本題の「の2」です。「第213条の2」は「にひゃくじゅうさんじょうに」と読み、これ全体でひとつの条名です。実際の民法で確かめてみましょう。

  • 民法213条……土地を分割したために公道へ出られない土地が生じた場合の通行権の規定。第1項・第2項があります
  • 民法213条の2……電気・ガス・水道などのライフラインを引き込むための「設備の設置権等」の規定。これ自体に第1項から第7項まであります

つまり「民法213条第2項」と「民法213条の2」は、テーマも中身も違う別の条文です。しかも「民法213条の2第5項」のように、枝番号の条にもさらに項が付きます。番号を読み違えると、まったく別の規定を見てしまうことになります。

この213条の2と213条の3は、令和3年(2021年)の民法改正で新しく設けられ、2023年4月から施行されている規定です。内容に興味のある方は、ライフラインを隣地に通せる「設備設置権」の記事で詳しく解説しています。

なぜ枝番号を使うのか──番号をずらさないため

改正で新しい条文を途中に挿入するとき、もし後ろの条文を全部繰り下げて番号を振り直すと、その法律の中の「第○条の規定による」という引用も、ほかの法律や契約書からの引用も、全部ずれてしまいます。そこで、既存の番号は動かさず、間に「の2」「の3」という枝番号の条を挟むのです。

逆に、条文を廃止するときも、番号を詰めずに「削除」という表示だけを残すことがあります。民法には現在も「第三十八条から第八十四条まで 削除」という表示が残っています。中身はなくなっても条番号の枠を空けたまま残しておけば、後ろの条文番号が変わらずに済むからです。

まとめ

「第213条の2」の「の2」は枝番号で、独立したひとつの条。「第2項」とは別物です。条・項・号の階層と枝番号の読み方を知っておくと、条文の調べ物での行き違いをぐっと減らせます。もっとも、条文が読めることと、それが自分のケースに当てはまるかは別の問題で、実際の適用は個別の事情によって変わります。具体的なお悩みは、お近くの司法書士など専門家にご相談ください。

参考資料

この記事は、次の資料を参照して内容を確認しています(確認日:2026年8月)。

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