この記事の要点
- 法律が定める申請の方法は「オンライン」と「書面の提出」の2つ。書面の提出には窓口への持参と郵送があるため、実際の出し方は3通りになる
- 受付は、申請の情報が法務局(登記所)に届いたときにされる。オンラインで送信できる時間帯と、登記所で受付がされる時間帯は別物
- 郵送は書留郵便など記録が残る方法で送り、封筒の表面に不動産登記の申請書が入っている旨を明記する決まりがある
不動産の登記申請書は、どこにどうやって出せばよいのでしょうか。結論から言えば、法律が定める申請の方法は「オンライン」と「書面を提出する方法」の2つで、書面を提出する方法の中に窓口への持参と郵送があります。つまり実際の出し方は3通りです。
なお、この記事は執筆時点(2026年8月)の制度に基づく一般的な解説です。
法律上は2つ、実務では3通り
登記の申請は、①法務省令で定めるところにより電子情報処理組織を使用する方法(いわゆるオンライン申請)、②申請情報を記載した書面を提出する方法、のいずれかで行うこととされています(不動産登記法18条1号・2号)。
②の「書面を提出する」には、管轄の登記所の窓口に持っていく方法と、郵送する方法の両方が含まれます。窓口と郵送は、法律の建て付けの上では同じ「書面申請」で、違うのは届け方だけ、ということになります。
受付はいつされるのか
登記官は、申請情報が登記所に提供されたときに、申請の受付をしなければならないとされています(同法19条1項)。受付がされると、受付の年月日と受付番号が記録されます(不動産登記規則56条1項)。
つまり受付の基準は「登記所に届いたかどうか」です。窓口なら提出したとき、郵送なら申請書が登記所に届いたとき、オンラインなら送信した情報が登記所のシステムに届いたときが、その出発点になります。同じ不動産に複数の申請が出たときの順番については、登記の受付番号とは?もあわせてご覧ください。
ここで注意したいのが、オンラインの「送信できる時間」と「受付がされる時間」が違うことです。登記・供託オンライン申請システムの利用可能時間は、平日は8時30分から23時まで、休日は8時30分から18時まで(12月29日から1月3日までの年末年始を除く)と案内されています。一方で、同システムのよくある質問では、登記所での受付時間は従来どおり平日の17時15分までである旨が示されています。夜間に送信ができても、その日のうちに受付がされるとは限らない、ということです。
郵送についても、登記所の業務時間の終了後や休日に届いた分は次の開庁日の扱いになるものと考えられますが、具体的な処理は登記所ごとの運用によるところがあるため、期限が迫っている場合は事前の確認が必要です(※要確認)。
郵送で出すときの決まり
申請書と添付書面を送るときは、書留郵便か、信書便のうち引受けと配達の記録を行うものによることとされています(同規則53条1項)。記録の残らない普通郵便で送る方法は、この規定では認められていません。
また、申請書と添付書面を入れた封筒の表面には、不動産登記申請書が在中する旨を明記することとされています(同条2項)。実務では封筒に「不動産登記申請書在中」と書き添える形が一般的です。規則が求めているのは「在中する旨」が表面から分かるようにすることですので、細かな書き方や書く位置は各法務局の案内に沿うことになります。
登記が終わった後の書類(登記完了証や登記識別情報通知など)を郵送で受け取りたいときは、あらかじめ返送用の封筒と切手を同封するよう案内されることが多いようです。ただし、同封の要否・封筒の大きさ・書留の種類などの具体的な案内は管轄の登記所によって差があり得ますので、送る前に管轄の登記所の案内を確認してください(※要確認)。
なお、書面で申請した人は、登記が完了するまでの間、申請書と添付書面の受領証の交付を請求することができます(同規則54条1項)。この場合は、申請書と同じ内容を記載した書面をあわせて提出する必要があります(同条2項)。
オンラインで出すときの前提
オンライン申請では、申請人・その代表者・代理人が、申請情報に電子署名を行わなければならないとされています(不動産登記令12条1項)。個人であればマイナンバーカードに搭載された電子証明書などを使うことになり、カードの取得と読み取りの環境(カードリーダーや対応スマートフォン)が前提になります。登記・供託オンライン申請システムの手続案内でも、不動産登記の申請は電子署名が必須と示されています。
もうひとつ知っておきたいのが、いわゆる特例方式です。オンラインで申請する場合でも、添付情報(登記識別情報を除く)が紙の書面に記載されているときは、当分の間、その書面を登記所に提出する方法で添付情報を提供することができるとされています(不動産登記令附則5条1項)。この方法をとるときは、その旨も申請情報の内容にします(同条2項)。申請そのものはオンラインで送り、戸籍や印鑑証明書などの紙の書類は別に持参または郵送する、という組み合わせです。
また、申請用総合ソフトで作成した申請書に二次元バーコード(QRコード)を付けて印刷し、書面として提出する方法も案内されています。同システムの手続案内では、不動産登記の申請について電子署名を「必須」としたうえで、「QRコード(二次元バーコード)付き書面申請書」はその対象から除くと案内されています。書面そのものを登記所に提出する点では、窓口・郵送と同じ書面の提出による申請です。
どの方法でも審査と税額は同じ
出し方が3通りあっても、登記官が行う審査の内容や、納める登録免許税の額そのものが変わるわけではありません。書類の不足や記載の誤りがあれば補正を求められますし、直せない不備があれば取下げや却下という結末になる点も共通です。詳しくは登記申請の『補正』とは?と登記申請の『取下げ』と『却下』はどう違う?をご覧ください。
なお、オンライン申請では、登録免許税をインターネットバンキング・モバイルバンキング・ATMで電子納付できると案内されています。ただし、利用する金融機関側が電子納付に対応していて、あらかじめ金融機関での手続が済んでいることが前提になり、納付できる時間帯も金融機関のシステムの利用時間によりますので、この点は利用する金融機関の案内で確認してください。
まとめ
登記申請の出し方は、窓口への持参・郵送・オンライン申請の3通りです。受付の基準はいずれも「登記所に届いたとき」で、オンラインは送信できる時間と受付がされる時間が別である点、郵送は書留郵便など記録の残る方法と封筒への明記が求められる点が、それぞれの注意どころです。
どの方法を選ぶかは、急ぎ具合、集める書類の形(紙か電子か)、電子証明書を用意できるかによって変わります。期限のある登記や、複数の申請を続けて出す必要がある場合など、出し方の選択が結果に影響しそうなときは、お近くの司法書士にご相談ください。
参考資料
この記事は、次の資料を参照して内容を確認しています(確認日:2026年8月)。
- 不動産登記法 第18条・第19条(e-Gov法令検索): https://laws.e-gov.go.jp/law/416AC0000000123
- 不動産登記令 第12条・附則第5条(e-Gov法令検索): https://laws.e-gov.go.jp/law/416CO0000000379
- 不動産登記規則 第53条・第54条・第56条(e-Gov法令検索): https://laws.e-gov.go.jp/law/417M60000010018
- 登記・供託オンライン申請システム「ご利用可能時間」(トップページ): https://www.touki-kyoutaku-online.moj.go.jp/
- 登記・供託オンライン申請システム FAQ「申請(請求)データの送信」(登記所での受付時間の記載あり): https://www.touki-kyoutaku-online.moj.go.jp/faq/faq_120.html
- 登記・供託オンライン申請システム「不動産登記手続」(電子署名の要否): https://www.touki-kyoutaku-online.moj.go.jp/toukinet/fudosan/fudosan.html
- 登記・供託オンライン申請システム「電子納付による手数料等のお支払いについて」(登録免許税の電子納付方法): https://www.touki-kyoutaku-online.moj.go.jp/cautions/charge/charge.html