登録免許税は収入印紙で納める?──法律上は現金納付が原則というきまりと、印紙に消印をしない理由

この記事の要点 登録免許税の納め方には、現金納付・収入印紙・電子納付があり、法律にはこのほかに「納付受託者」に納付を委託する方法(クレジットカード納付など)も置かれている 法律上の原則は現金納付で、収入印紙による納付は税額が3万円以下の場合など一定の場合に認められた方法として定められている 申請書につづる収入印紙には、割印や消印をしないよう法務局の記載例が案内している 登記の名義変更をするときには、登録免許税という国の税金がかかります。窓口では収入印紙を貼って納める場面をよく見かけるため、「登録免許税は印紙で納めるもの」と思われがちですが、条文のつくりは逆です。結論から言うと、法律上の原則は現金で納めることで、収入印紙による納付は一定の場合に認められた方法として定められています。 ...

2026年8月31日 · ひぐらしさとし

登記申請は窓口・郵送・オンラインのどれで出す?──3つの出し方と受付のタイミング

この記事の要点 法律が定める申請の方法は「オンライン」と「書面の提出」の2つ。書面の提出には窓口への持参と郵送があるため、実際の出し方は3通りになる 受付は、申請の情報が法務局(登記所)に届いたときにされる。オンラインで送信できる時間帯と、登記所で受付がされる時間帯は別物 郵送は書留郵便など記録が残る方法で送り、封筒の表面に不動産登記の申請書が入っている旨を明記する決まりがある 不動産の登記申請書は、どこにどうやって出せばよいのでしょうか。結論から言えば、法律が定める申請の方法は「オンライン」と「書面を提出する方法」の2つで、書面を提出する方法の中に窓口への持参と郵送があります。つまり実際の出し方は3通りです。 ...

2026年8月27日 · ひぐらしさとし

登記書類の「捨印」って何?押す・押さないの実務の傾向

この記事の要点 捨印(すていん)とは、書類の欄外にあらかじめ押しておく訂正用の印のことで、法令が押印を義務づけている制度ではなく、実務上の慣行として広まったもの 登記の委任状などで求められる場面があるのは、軽微な字句の誤りをその都度作成者に押印し直してもらわずに直せるようにするため 捨印を求めるかどうか・どこまで訂正の範囲を認めるかは、事務所や場面によって扱いに差があり、近年はオンライン申請の広がりで紙の書類そのものが減ってきた面もある 登記の委任状や契約書に署名押印するとき、「念のため、こちらにも捨印をお願いします」と言われた経験がある方は少なくないと思います。捨印とは、書類の欄外にあらかじめ押しておく、訂正のための印のことです。誤字や記載漏れが見つかったとき、その捨印を使って二字削除・三字加入のように訂正すれば、作成者に改めて押印をもらいに行かなくても直せる、という便宜のための仕組みです。 ...

2026年8月23日 · ひぐらしさとし

登記事項証明書の『全部事項』『現在事項』の違いは?──窓口・オンライン請求で選ぶときの目安

この記事の要点 登記事項証明書には「全部事項証明書」「現在事項証明書」「一部事項証明書」「閉鎖事項証明書」など複数の種類があり、記載される範囲が異なる 銀行融資や登記申請の添付書類では、抹消済みの権利まで載る「全部事項証明書」を求められることが多い 種類の選び方より間違いが多いのは不動産の特定で、住所(住居表示)ではなく地番・家屋番号で請求しないと、目的の不動産の証明書にならない 本文 不動産の登記事項証明書を法務局の窓口やオンラインで請求すると、申請書に証明書の「種類」を選ぶ欄がある。ここで何を選べばよいか迷う人は多いが、結論から言うと、用途がはっきりしない場合や提出先の指定がない場合は「全部事項証明書」を選んでおくのが無難である。 ...

2026年8月19日 · ひぐらしさとし

実家の相続登記に権利証は必要?──「上申書」が登場するのは住所がつながらないとき

この記事の要点 相続による所有権移転の登記は相続人が単独で申請できる登記なので、亡くなった方の権利証(登記済証)は原則として添付書類にならない 実務で上申書が使われるのは「権利証が見つからないから」ではなく、登記簿上の住所と戸籍の本籍がつながらず、戸籍上の被相続人と登記上の所有者が同じ人だと示せないとき 上申書は法令に定められた添付書類ではなく登記官の判断を補う書面で、何をどこまで求めるかは登記所によって差がある 古い実家の名義を相続人に変えようとして、「権利証が見つからないのですが、登記できますか」とご心配になる方は少なくありません。結論から申し上げると、相続登記の場面では、亡くなった方の権利証は原則として必要ありません。それでも実務で「上申書(じょうしんしょ)」という書面が登場することがあるのですが、それは権利証の紛失そのものが理由ではありません。 ...

2026年8月15日 · ひぐらしさとし

登記の『連件申請』とは?──同じ不動産で複数の登記を続けて出すしくみ

この記事の要点 連件申請とは、同じ不動産について二つ以上の登記を、前後の順番がわかるようにして同時に申請する扱いの実務上の呼び名 前の登記で名義人になる人が後の登記で権利を渡す側になるときは、後の登記に必要な登記識別情報を「提供されたものとみなす」定め(不動産登記規則67条)があり、前の登記の完了を待たずに申請できる 前の申請が取下げ・却下になると、後の申請もそのままでは登記できなくなるため、書類は最初に一度でそろえておく必要がある 不動産の売買や相続の手続きで、司法書士から「この登記とこの登記を連件(れんけん)で出します」と言われることがあります。結論から言えば、「連件申請」とは、同じ不動産について複数の登記の申請を、どちらが先でどちらが後かをはっきりさせたうえで同時に法務局へ出す扱いのことです。なお、これは実務で使われている呼び名で、不動産登記法・不動産登記令・不動産登記規則の条文に「連件」という言葉が出てくるわけではありません。 ...

2026年8月11日 · ひぐらしさとし

登記が完了するまでどれくらいかかる?──登記完了予定日と処理期間の見方

この記事の要点 申請から完了までの見込みは、各法務局がホームページで「登記完了予定日」として公表している 予定日はあくまで目安で、申請が集中したときや申請に不備(補正)があるときは、翌日以降にずれることがある 完了までの間は、登記識別情報通知や登記完了証はまだ手元に届かない 法務局に登記を申請すると、その場で登記簿が書き換わるわけではありません。申請を受け付けたあと、登記官が内容を審査して、はじめて登記が完了します。では、どれくらい待つのか。結論から言えば、その見込みは各法務局が「登記完了予定日」として公表しており、自分の管轄の法務局のホームページで確認できます。 ...

2026年8月7日 · ひぐらしさとし

不動産の登記はどこの法務局に出す?──管轄のきまりと、間違えたときの扱い

この記事の要点 不動産の登記の申請は、その不動産の所在地を管轄する法務局(登記所)に出すのが原則 離れた場所に不動産が複数あるときは、管轄する法務局ごとに分けて申請することになる 管轄に属しない申請は却下の対象で、実際には取り下げて出し直すという取扱いが一般的とされる 「相続した実家の名義を変えたいのですが、近所の法務局でできますか」。窓口でよく出る質問です。結論から言えば、登記の申請を出す先は、申請する人の住まいではなく、その不動産がある場所で決まります。 ...

2026年8月3日 · ひぐらしさとし

登記に使う印鑑証明書に有効期限はある?──3か月以内が要る場面・要らない場面

この記事の要点 不動産登記で「作成後3か月以内」の印鑑証明書が求められるのは、売買や贈与、抵当権の抹消のように、不動産の名義人が「渡す側(登記義務者)」として申請する場面などで、その名義人が出す分です(不動産登記令16条3項・18条3項)。 相続登記で遺産分割協議書に添える相続人の印鑑証明書について、不動産登記令は3か月以内という制限を置いていません。 ただし銀行の相続手続や他の窓口では、それぞれの決まりで期限を求められることがあります。登記の話とは別枠です。 「印鑑証明書は3か月以内のものを」——手続きの案内でよく見かける言い方です。ところが相続登記では「何年も前の印鑑証明書でも大丈夫」と言われることがあり、どちらが本当なのか混乱しやすいところです。結論から言えば、どちらも正しく、場面が違います。 ...

2026年7月30日 · ひぐらしさとし

登記の『受付番号』とは?──同じ日に複数の申請が出たときの順番の決まり方

この記事の要点 受付番号は、法務局が登記の申請を受け付けた順に付ける番号で、1年ごとに振り直される 同じ不動産について複数の権利の登記の申請があったときは、受付番号の順序に従って登記が行われる 申請の前後が明らかでないときは同時に申請されたものとみなされ、同じ受付番号が付けられる 登記事項証明書(登記簿)には「令和〇年〇月〇日受付第〇〇号」という記載が並んでいます。この「第〇〇号」が受付番号です。結論から言えば、受付番号は法務局が申請を受け付けた順に付ける通し番号で、同じ不動産に複数の申請があったときの処理の順番を決める目印になります。 ...

2026年7月26日 · ひぐらしさとし