この記事の要点

  • 補正(ほせい)とは、登記申請に直せる不備があるとき、法務局(登記官)の指示に従って、決められた期間内に訂正すること。不備があっても、すべてがそのまま却下になるわけではない
  • よくある指摘は、大きく「添付書類の不足・不一致」「不動産や当事者の表示のずれ」「登録免許税の計算違い」の3系統に分かれる
  • 申請書と添付書類、登記記録の3つを事前に突き合わせておくと、補正の多くは未然に防げる

「登記を申請したのに、法務局から『補正してください』と連絡が来た」——これは決して珍しいことではありません。補正とは、申請書類に直せる不備があったときに、法務局の指示に従ってそれを訂正する手続きのことです。

なぜ補正が起きるのか

不動産登記法25条は、申請に不備があれば登記官は申請を却下しなければならない、と定めています。ただし同条は続けて、その不備が補正することができるものである場合、登記官が定めた期間内に申請人が直せば却下しない、としています。つまり補正は、「直せる不備なら、いきなり却下せずに直す機会を与える」仕組みです。

補正が起きる根っこは、申請情報・添付書類・登記記録(登記簿の記録内容)の3つが、細部まで一致していないと登記できないという点にあります。ほんの小さなズレでも登記官はそのままでは登記できず、指摘という形になります。

窓口でよくある3つのパターン

1. 添付書類の不足・不一致 印鑑証明書の有効期限(作成後3か月以内とされる場面が多い)が切れている、住所を証明する書類が足りない、委任状の押印が漏れている、といった指摘です。名義変更の理由を示す登記原因証明情報の記載が不十分で直しを求められることもあります。

2. 不動産や当事者の表示のずれ 申請書に書いた不動産の地番・家屋番号・床面積が登記記録と一致しない、氏名や住所を誤記している、といったケースです。特に、登記記録上の住所と現在の住所が違う場合、名義変更の前提として先に住所変更の登記が必要になることがあります。

3. 登録免許税の計算違い 税率の当てはめ違い、評価額の取り違え、軽減措置の要件を満たしていないのに軽減税率で計算した、納付額が足りない、といった指摘です。登録免許税は登記の入り口で必ずチェックされる項目です。

補正の実務的な流れ

実務では、登記官から電話などで補正の連絡が入り、期間内に不足書類の追加や訂正を行えば、そのまま登記が完了するのが一般的とされています。期間内に直せない、あるいはそもそも補正では直せない不備であれば却下となり、いったん申請を取り下げて出し直すこともあります。補正自体はよくあることですが、その分だけ完了までに時間がかかるため、事前の突き合わせで防げるものは防いでおくのが安全です。

まとめ

補正は「直せる不備を、期間内に直せば却下されない」という救済の仕組みで、多くは添付書類・表示・登録免許税のいずれかに関する指摘です。とはいえ手戻りは手間も時間もかかり、権利の登記では完了の遅れが不利に働く場面もあります。申請書と書類の準備に不安があるときは、お近くの司法書士にご相談ください。

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