この記事の要点

  • 家の引渡しを受けると、売買契約書・重要事項説明書・代金や諸費用の領収書・住宅ローンの契約書類・建築確認の書類などが手元に残ります
  • マイホームを買った個人について、これらの書類の保存年数を一律に定めた法律の規定は見当たりません。法律で保存が義務づけられている例としては、認定長期優良住宅の記録などがあります
  • それでも、少なくともその家を売るまで残しておくのが基本です。売るときの税金(譲渡所得)の計算や、次の買主への説明で使うことがあるためです
  • 登記識別情報通知(いまの「権利証」)は、ほかの書類とは分けて保管します
  • 書類は一つのファイルにまとめ、保管場所を家族にも伝えておくと、相続のときにも役立ちます

家の引渡しが終わると、たくさんの書類が手元に残ります。結論から言うと、購入のときの書類は、少なくともその家を売るまで、ひとまとめにして保管しておくのが基本です。法律で「何年保管しなさい」と決められている書類は多くありませんが、売るときの税金の手続きや、次の買主への説明の場面で、何年もたってから必要になることがあるからです。

なお、登記が終わったあとに法務局から届く「登記識別情報通知」と「登記完了証」の違いは「登記識別情報」と「登記完了証」はどう違う?で、登記識別情報通知の保管のしかた・使う場面・なくしたときの手続きは相続登記の完了後に届くもので詳しく説明しています(相続登記の記事ですが、登記識別情報の扱いは売買で家を買った場合も同じです)。この記事では、家を買う場面に特有の書類に絞って整理します。

引渡しのあとに手元に残る書類の一覧

家を買ったときに手元に残る主な書類と、保管の目安は次のとおりです。物件や取引の内容によって、受け取る書類は変わります。

書類 どんな書類か 後で使う主な場面 保管の目安
売買契約書(新築の注文住宅なら工事請負契約書) 代金・引渡しの条件・特約など、取引の約束を書いた書類 売るときの税金の手続き、住宅ローン控除の最初の確定申告、不具合が見つかったときの確認 少なくとも、売った年の確定申告が済むまで
重要事項説明書 契約の前に、宅地建物取引士から説明を受けた物件の内容を書いた書類 売るときに物件の内容を確かめる資料 売買契約書とセットで、売るまで
領収書(代金・仲介手数料・登記費用など) 実際にいくら支払ったかを示す書類 売るときの税金(譲渡所得)の計算の資料 少なくとも、売った年の確定申告が済むまで
住宅用家屋証明書の写し・登記費用の明細 登記のときに使った書類の控えや、費用の内訳 どの軽減を受けて登記をしたか、費用をいくら払ったかを後から確かめる手がかり 領収書とセットで、売るまで
住宅ローンの契約書類(金銭消費貸借契約書・抵当権設定契約書の控え・返済予定表など) 借入れの条件と、家と土地を担保にした約束の控え 返済中の条件の確認、借換え、完済後の手続き 少なくとも、完済後の抵当権の抹消の手続きが終わるまで
建築確認の書類(確認済証・検査済証・設計図書など) 建物が建築のルールに沿って計画・完成したことを示す書類や図面 売るときの説明、増改築やリフォームの相談 建物を持っているあいだ(売るときは買主に引き継ぐことも)
登記識別情報通知 いまの「権利証」にあたる、登記の合いかぎ 売る・担保に入れるときの登記 不動産を持っているあいだ(ほかの書類とは分けて保管)

この表の「保管の目安」は、法律で決まった年数ではありません。次の章で、その違いを確認しておきます。

「法律で保存が決まっている書類」と「残しておくのが望ましい書類」は別

法律で保存が義務づけられている例

マイホームを買った人に、法律が書類の保存を義務づけている例として、認定長期優良住宅の記録があります。長期優良住宅の普及の促進に関する法律11条1項は、長期優良住宅建築等計画の認定を受けた人(認定計画実施者)に、認定長期優良住宅の建築と維持保全(点検や修繕など)の状況に関する記録を作成し、保存しなければならないと定めています。

買った家が認定長期優良住宅であれば、購入時に受け取った書類で、ご自身がこの認定を受けた立場(認定計画実施者)に当たるかどうかを確かめておきましょう。わからない場合は、売主や、購入を仲介した不動産会社に確認してください。

それ以外の多くの書類は「自分のために残す」もの

一方、売買契約書・重要事項説明書・領収書・住宅ローンの契約書類などについて、買主である個人に「何年保存しなさい」と一律に定めた法律の規定は見当たりません。これらは、法律上の義務というより、将来の手続きで困らないように、自分のために残しておく書類です。

そのため、「何年たったら捨ててよい」という決まった答えはありません。この記事では、後で使う場面から逆算して「少なくとも売るまで」を目安としています。

売るときまで残しておく3つの理由

理由1:売るときの税金(譲渡所得)の計算で使う

家を売って利益が出たときは、所得税の譲渡所得(じょうとしょとく)の申告が関わります。所得税法は、譲渡所得の金額を、売った金額から取得費(しゅとくひ)と、売るためにかかった費用などを差し引いて計算すると定めています(所得税法33条3項)。そして取得費は、「その資産の取得に要した金額並びに設備費及び改良費の額の合計額」と定められています(同法38条1項)。

つまり、買ったときにいくら払ったか、その後に設備や改良にいくら使ったかを示す書類が、売るときの税金の計算の資料になります。購入の契約書や領収書を売るまで残しておく、いちばん大きな理由がこれです。

ただし、どの支払いが取得費に含まれるか(購入後のリフォームの費用が「設備費・改良費」に当たるかどうかを含めて)、建物の取得費をどう計算するかといった具体的な判断は、税金の専門分野です。売ることを考え始めたら、手元の書類を持って税理士や税務署に相談してください。

また、国税庁の案内(タックスアンサーNo.3270)では、相続で取得した土地や建物を売った場合の取得費は、亡くなった方がその土地建物を買い入れたときの購入代金や購入手数料などを基に計算するとされています。あなたが買ったときの書類は、将来その家を相続した家族が売るときにも使われることがある、ということです。相続した家を売る流れは相続した実家を売りたいときで紹介しています。

理由2:次の買主に、建物の書類が残っているかを説明する

中古の建物(既存の建物)の売買では、宅地建物取引業者(不動産会社)が契約の前に買主へ行う重要事項の説明に、設計図書や点検記録など、建物の建築と維持保全の状況に関する書類の保存の状況が含まれています(宅地建物取引業法35条1項6号の2ロ)。対象になる書類として、国土交通省令は、建築確認の申請書や確認済証、完了検査の検査済証、建物状況調査の報告書、建設住宅性能評価書などを挙げています(宅地建物取引業法施行規則16条の2の3)。

これは、売主に書類の保存を義務づけるものではありません。ただ、将来あなたが家を売るときには、これらの書類が「残っているか・残っていないか」が、次の買主への説明事項になるということです。確認済証や検査済証は、建物が建築のルールに沿って計画され(建築基準法6条1項)、工事の完了後の検査で適合が確認された(同法7条5項)ことを示す書類なので、建物を持っているあいだは手放さないのが安心です。

理由3:住宅ローン控除や、不具合が見つかったときの確認で使う

  • 住宅ローン控除の最初の確定申告:新築住宅についての国税庁の案内(タックスアンサーNo.1211-1)では、控除を受ける最初の年分の確定申告書に、家屋の売買契約書や工事請負契約書の写しなど、取得対価の額を明らかにする書類を添付するとされています。控除が使えるか、どんな書類が必要かは、税務署や税理士に確認してください
  • 新築住宅の不具合:新築住宅の売買では、売主は、買主に引き渡した時(売主がその住宅を請負人から引き渡されていた場合は、その引渡しの時)から10年間、構造耐力上主要な部分や雨水の浸入を防止する部分の瑕疵(かし=欠陥)について責任を負うと定められています(住宅の品質確保の促進等に関する法律95条1項。注文住宅の請負人については同法94条1項)。万一の不具合に備えて、契約書や引渡しの日がわかる書類は、少なくともこの10年間は確実に残しておくことをおすすめします
  • 住宅ローンの契約書類:返済中の条件の確認や借換えの相談で使います。完済したときは金融機関から抵当権の抹消に必要な書類が渡されるのが一般的なので、その手続きが終わるまでは一緒に保管しておきましょう(完済後の手続きは住宅ローン完済後の抵当権抹消登記を自分でやる方法をご覧ください)

書類ごとの保管のポイント

売買契約書と重要事項説明書はセットで

重要事項説明書は、宅地建物取引業法35条1項にもとづいて、契約が成立するまでの間に宅地建物取引士から説明を受け、交付される書面です。買主の承諾があれば、書面の代わりに電子データで提供されることもあります(同条8項)。電子データで受け取った場合は、パソコンの買い替えなどで失わないよう、ファイルの保存先を決めておきましょう。

書類に書かれた内容(法令上の制限や設備の状況など)の意味がわからないときは、書類を作成した不動産会社に確認するのが確実です。

領収書は「何に払ったか」がわかる形で

物件の代金のほか、仲介手数料、司法書士に支払った登記費用、契約書に貼った印紙の代金など、購入に関わって支払ったお金の領収書は、まとめて保管しておきます。どれが売るときの税金の計算に関係するかの判断は、先ほどのとおり税理士・税務署の領分です。判断は後で専門家に任せ、捨てずに残しておくのが安全です。

登記費用の内訳(登録免許税・実費・報酬)は家を買うときの登記費用の内訳で整理しています。

住宅用家屋証明書の写し・登記関係の控え

住宅用家屋証明書は、建物や住宅ローンの登記で登録免許税の軽減を受けるために、登記の申請書に添える書類です(租税特別措置法施行規則25条・25条の2・27条。住宅用家屋証明書とは)。司法書士から写しや登記費用の明細を受け取った場合は、領収書と一緒に保管しておくと、どの軽減を受けて登記をしたか、費用をいくら払ったかを後から確かめる手がかりになります。

登記識別情報通知は、ほかの書類と分けて

登記識別情報通知は、売る・担保に入れるといった次の登記で使う、いわば「登記の合いかぎ」です。符号が見えないように隠された部分は使うときまで開けず、ほかの書類のファイルとは別の封筒に入れて保管します。保管のしかたと、なくしたときの代わりの手続きは、相続登記の完了後に届くものと権利証(登記識別情報)をなくしたらで説明しています。

保管のしかた──ひとまとめにして、家族にも場所を伝える

  • 一つのファイルにまとめる:「購入時の書類」として、契約書・重要事項説明書・領収書・建築確認の書類などを一か所に。住宅ローンの書類は、返済中は取り出すことがあるので、仕切りを分けておくと便利です
  • リフォームの書類も同じファイルへ:取得費には設備費・改良費も含まれると定められています(所得税法38条1項)。リフォームの費用がこれに当たるかどうかは税理士・税務署の判断になりますが、その判断の資料になるので、購入後のリフォームなどの契約書や領収書も、同じファイルに加えていきましょう
  • 保管場所を家族に伝える:先ほどのとおり、購入時の書類は相続した家族が売るときにも使われることがあります。どこにしまってあるかを、家族にも伝えておくと安心です
  • 登記識別情報通知だけは別の場所に:ほかの書類と一緒に持ち出したり、コピーして渡したりしないよう、分けて保管します

これは執筆時点(2026年10月)の制度に基づく一般的な解説です。

まとめ

家を買ったあとに手元に残る書類のうち、法律で保存が義務づけられているものとしては認定長期優良住宅の記録などがありますが、売買契約書などの保存年数を一律に定めた規定は見当たりません。それでも、売買契約書・重要事項説明書・領収書・建築確認の書類などは、売るときの税金(譲渡所得)の計算や、次の買主への説明で使うことがあるため、少なくともその家を売るまで、ひとまとめにして残しておくのが基本です。住宅ローンの書類は完済後の手続きが終わるまで、登記識別情報通知はほかの書類と分けて、不動産を持っているあいだ保管しましょう。税金の計算は税理士・税務署へ、契約書の内容は不動産会社へ、登記の書類のことはお近くの司法書士にご相談ください。

よくある質問

Q. 書類の保管や、なくした書類の確認に費用はかかりますか?

書類を保管すること自体に費用はかかりません。登記の内容(名義人や抵当権など)は、法務局で登記事項証明書を取れば確かめられ、窓口や郵送で請求する場合の手数料は1通600円です(登記手数料令2条1項)。登記識別情報通知をなくして、次の登記で代わりの本人確認の手続きをとる場合は、方法によって公証人の手数料や司法書士の報酬がかかります。

Q. 何年たったら捨ててもいいですか? 捨ててしまうとどうなりますか?

マイホームを買った個人について、売買契約書などの保存年数を一律に定めた法律の規定は見当たらず、「何年たったら捨ててよい」という決まった答えもありません。売る前に捨ててしまうと、売るときの税金の計算で買ったときの金額などを書類で示しにくくなったり、次の買主に建物の書類の有無を説明する場面で困ったりするおそれがあります。売ったあとの書類をいつまで残すかは、税理士や税務署に確認してください。

Q. 保管は自分でできますか? どこに相談すればいいですか?

保管はご自身でできます。迷ったときの相談先は、内容によって分かれます。売るときの税金や住宅ローン控除のことは税理士・税務署、契約書や重要事項説明書の内容は取引をした不動産会社、建築確認の書類が見当たらないときは建物を建てた会社などが相談先です。登記識別情報通知の扱いや、売却・住宅ローン完済にともなう登記のことは、お近くの司法書士にご相談ください。


【さらに深掘り】購入時の書類と登記の内容が、売却・ローン完済の登記で果たす役割

ご注意 以下は執筆時点(2026年10月)の法令・通達・実務運用に基づく一般的な解説です。個別事情により判断が分かれる論点を含みます。実務適用は最新情報と個別事情を踏まえ、お近くの司法書士にご相談ください。 ここから先は専門的な内容です。一般の方はここまでの内容で十分です。

本文では「売るまで残す」という保管の目安を整理しました。ここでは、購入のときに受け取った書類や、そのときにされた登記の内容が、将来の売却や住宅ローン完済の登記で条文上どう扱われるかを確認します。登記識別情報をなくした場合の手続(事前通知・本人確認情報など。不動産登記法23条)は、相続登記の完了後に届くものと権利証(登記識別情報)をなくしたらで扱っているため、ここでは繰り返しません。

売るときの登記で問われる2点──登記識別情報と、登記記録上の住所

売買による所有権の移転の登記は、買主(登記権利者)と売主(登記義務者)が共同して申請するのが原則です(不動産登記法〔以下「法」〕60条)。将来あなたが売る側になると、あなたは登記義務者として、申請情報と併せて自分の登記識別情報を提供することになります(法22条本文)。

ここで押さえておきたいのは、提供するのは、購入のとき(新築で所有権の保存の登記をした場合はその登記のとき)に通知された登記識別情報だという点です。登記識別情報は「その登記をすることによって申請人自らが登記名義人となる場合」に通知されるもので(法21条)、すでに登記名義人である人が住所の表示を改める住所変更の登記は、これに当たりません。住所変更の登記をしても、手元の登記識別情報が新しいものに置き換わるわけではない、ということです。なお、住所変更の登記は登記名義人が単独で申請でき(法64条1項)、登記名義人が登記識別情報を提供しなければならない登記を定めた不動産登記令8条1項にも掲げられていないため、住所変更の登記の申請で登記識別情報を提供する必要はありません。

もう一つは住所です。申請情報の内容である登記義務者の氏名・住所が登記記録と合致しないことは、申請の却下事由とされています(法25条7号)。購入後に引っ越していて、登記記録の住所が購入時のままであれば、売却による所有権の移転の登記の前提として、住所変更の登記を申請しておく必要があります。

さらに2026年4月1日からは、所有権の登記名義人に、住所などの変更があった日から2年以内に変更の登記を申請することが義務づけられています(法76条の5。正当な理由なく怠ったときは5万円以下の過料=法164条2項)。施行日より前の変更も対象で、その場合は2028年3月31日までに申請が必要とされています(民法等の一部を改正する法律〔令和3年法律第24号〕附則5条7項、法務省「住所等変更登記の義務化について」)。売る予定があるかどうかにかかわらず、変更から2年以内という期限で申請義務がかかる点に注意が必要です。同じ日から、登記官が職権で住所などの変更の登記をする仕組みも始まっています(所有者が個人の場合は、本人の申出があるときに限られます=法76条の6)。手続と必要書類、職権による変更の仕組みは住所変更登記の義務化で説明しています。

住宅ローンの抵当権──その登記識別情報は金融機関に通知されている

住宅ローンを利用して買った場合は、所有権の登記のほかに、金融機関を抵当権者とする抵当権の設定の登記がされます。この抵当権の登記で登記名義人となるのは金融機関なので、抵当権についての登記識別情報は金融機関に通知されます(法21条)。買主の手元に届く登記識別情報通知は、所有権についてのものです。

ローンを完済しても、抹消の登記を申請しない限り、抵当権の登記は登記記録に残ります(登記は、法令に別段の定めがある場合を除き、当事者の申請または官庁・公署の嘱託がなければすることができない=法16条1項)。抵当権の抹消の登記は、抵当権者である金融機関が登記義務者(法2条13号)、所有者が登記権利者となって共同で申請するのが原則で(法60条)、提供するのは登記義務者である金融機関の登記識別情報です(法22条本文。古い抵当権では登記済証の場合もあります=法附則7条)。完済のときに金融機関から渡される書類に、通常これが含まれているのはこのためで、所有権の登記識別情報通知を抹消の申請のために持ち出す必要はありません。金融機関から渡される書類の内訳と注意点は、住宅ローン完済、そのあとが肝心で整理しています。

登記事項証明書でわかること・わからないこと

購入時の書類を失くしても、登記記録に記録されている事項は、登記事項証明書で確かめられます(法119条1項)。ただし、登記記録に載るのは法律が定める登記事項に限られ、購入時の書類の内容がすべて写っているわけではありません。

確かめたいこと 登記事項証明書で 条文上の位置づけ
所有者の氏名・住所、共有の場合の持分 わかる 権利に関する登記の登記事項(法59条4号)
登記原因(「売買」など)とその日付、申請の受付年月日・受付番号 わかる 同上(法59条2号・3号)
抵当権の債権額・債務者・利息の定め、抵当権者 わかる 担保権・抵当権の登記の登記事項(法83条1項1号・2号、88条1項1号、59条4号)
売買代金、仲介手数料・登記費用などの諸費用 わからない 登記事項とされていない
登記識別情報(符号そのもの) わからない 登記事項とされていない
重要事項説明の内容、建築確認の書類(確認済証・検査済証など) わからない 登記事項とされていない

とくに、売買代金が登記事項に含まれていないことは、本文の「売るときの税金(譲渡所得)」の話につながります。取得費(所得税法38条1項)の資料は登記記録からは得られず、手元の契約書や領収書が頼りになります。具体的な計算は、税理士・税務署にご確認ください。

法務局に残る申請書類と図面の扱い

登記の申請書や添付書類(登記原因を証する情報=法61条など)は「登記簿の附属書類」として法務局に保存され、権利に関する登記の申請情報とその添付情報の保存期間は、受付の日から30年間です(不動産登記規則28条10号)。これらの書類について法律が定めているのは閲覧で、自分が申請人となった登記の附属書類は閲覧を請求でき(法121条4項)、それ以外は正当な理由があると認められる部分に限って閲覧を請求できます(同条3項)。写しの交付を請求できる附属書類は、土地所在図・地積測量図・地役権図面・建物図面・各階平面図に限られています(法121条1項、不動産登記令21条1項)。

つまり、法務局に残る申請書類は、売買契約書や領収書の代わりに写しを取り寄せられるものではなく、保存期間にも限りがあります。購入時の書類を自分で保管しておく理由は、この点からも確認できます。

一方、法務局に提出されている建物図面・各階平面図は、写しの交付を請求できます(保存期間は原則として永久=不動産登記規則28条13号)。もっとも、建物の表題登記などの表示に関する登記の申請手続や、そのための調査・測量、図面などの書類の作成は土地家屋調査士の業務です(土地家屋調査士法3条1項)。図面の内容や建物の現況との違いについては、土地家屋調査士にご相談ください。

整理

  • 売るとき:提供するのは購入時(保存の登記をした場合はそのとき)に通知された登記識別情報。住所が変わっていれば、前提として住所変更の登記が必要(2026年4月からは変更から2年以内の申請義務)
  • ローンを完済したとき:抹消の登記で提供するのは金融機関の登記識別情報。手元の所有権の登記識別情報通知は持ち出さない
  • 後から確かめられるのは登記事項まで:代金・諸費用・建築確認の書類は、手元の書類にしか残らない

参考資料

この記事は、次の資料を参照して内容を確認しています(確認日:2026年10月・いずれも一次情報です)。

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