共有名義の実家を単独名義に――持分放棄・持分売買・持分贈与の違いと登記手続き

この記事の要点 共有名義の不動産を単独名義にする方法は主に「持分放棄」「持分売買」「持分贈与」の3つで、登記原因と必要な合意が異なる どの方法でも共有者全員の協力(署名・押印・書類提出)が前提になる点は共通 持分放棄・持分贈与では、単独名義になる側に課税関係が生じ得るため、事前に税理士へ確認しておくと安心 相続をきっかけに兄弟姉妹の共有名義になった実家を、そろそろ誰か一人の名義に整理したい――そうした相談は少なくありません。共有名義を単独名義にする方法はいくつかありますが、代表的なのは「持分放棄」「持分売買」「持分贈与」の3つです。それぞれ登記原因や必要な合意、課税関係が異なるため、この記事で違いを整理します。 ...

2026年7月8日 · ひぐらしさとし

登記原因証明情報とは?──不動産の名義変更に欠かせない「理由を証明する書類」

不動産を売買したり、相続で受け継いだり、贈与を受けたりすると、登記簿(とうきぼ。誰がその不動産を持っているかを国=法務局が記録した帳簿)の名義を書き換える手続きが必要になります。このとき、ほぼ必ず登場するのが**登記原因証明情報(とうきげんいんしょうめいじょうほう)**と呼ばれる書類です。 ...

2026年6月27日 · ひぐらしさとし

不動産の売買で司法書士は何をしている?──決済当日の流れと所有権移転登記のしくみ

この記事の要点 不動産の売買では代金支払いと同時に登記簿の名義を書き換える所有権移転登記が必要(代金を払っただけでは自動的に変わらない) 決済当日は司法書士が本人・書類を確認し、「登記できる」状態を見届けてから代金を動かす橋渡し役を担う 権利証(登記識別情報)を紛失していても、事前通知・本人確認情報・公証人認証などの代替手段がある マイホームや土地を買うとき、契約から「鍵の受け渡し」までの間に、**決済(けっさい)**と呼ばれる日があります。買主が売買代金を支払い、売主が不動産を引き渡す、いわば取引の山場です。 ...

2026年6月24日 · ひぐらしさとし

長く使ってきた土地は自分のものになる?──「時効取得」と不動産の名義変更

この記事の要点 長く自分の物として使い続けた土地・建物は、時効取得(民法162条)で所有権を得られることがある(原則20年、条件がそろえば10年) 期間が過ぎても自動では名義は変わらず、援用(時効の主張)と所有権移転登記が別途必要 登記は原則、相手方(現在の名義人)との共同申請。協力が得られなければ判決による単独申請という道もある 「先代の頃から何十年もうちが使ってきた土地なのに、登記簿を調べたら名義は他人(あるいはとっくに亡くなった人)のままだった」──不動産の手続きをしていると、こうした場面に出会うことがあります。 ...

2026年6月18日 · ひぐらしさとし

「死因贈与」と「遺贈」はどう違う?──生前に『あげる約束』をするときの注意点

この記事の要点 死因贈与は「契約」(あげる人ともらう人の合意が必要)、遺贈は遺言による「単独行為」(もらう人の同意は不要) 税金は原則どちらも相続税の対象。ただし不動産取得税は死因贈与のほうが課税されやすい 不動産があれば、死因贈与は生前のうちに「仮登記」で備えられる。具体的な進め方はお近くの司法書士や税理士へ 「私が死んだら、この家はおまえにあげる」。 ...

2026年6月17日 · ひぐらしさとし

登記簿に残った古い「買戻特約」──2023年から所有者だけで消せるようになりました

この記事の要点 買戻特約は「売った人が代金などを返せば買い戻せる」という約束で、期間は最長10年(定めがなければ5年) 契約の日から10年を経過していれば、所有者ひとりの申請で抹消できる(2023年4月1日施行の不動産登記法69条の2) 登録免許税は抹消登記として不動産1個につき1,000円が目安 「土地を売ろうと思って登記簿(登記事項証明書)を取り寄せたら、何十年も前の『買戻特約(かいもどしとくやく)』という見慣れない登記が残っていた」——。相続した不動産や、昔に公的機関から購入した土地で、こうした古い登記に気づく方は少なくありません。 ...

2026年6月15日 · ひぐらしさとし

仮登記(かりとうき)とは?登記の「順位」を確保する仮のしくみ

この記事の要点 仮登記は、本登記のための条件が整うまで「順位」だけを先に確保しておく仮のしくみ 1号仮登記(権利変動は起きているが手続きが未了)と2号仮登記(将来の請求権を守る)の2タイプがある 仮登記の申請は原則共同申請、抹消は仮登記名義人が単独で申請できる(不動産登記法110条) 不動産の登記簿(登記事項証明書)を見ていたら、「仮登記(かりとうき)」という見慣れない言葉が記載されていた——。あるいは、不動産の売買や贈与の話し合いの中で、司法書士から「いったん仮登記を入れておきましょう」と言われた。そんなときに気になるのが、「仮登記とは何なのか」「ふつうの登記と何が違うのか」という点ではないでしょうか。 ...

2026年6月9日 · ひぐらしさとし

住宅ローンを組むと、登記簿に「抵当権」が加わります──設定登記のしくみ・費用・段取り

この記事の要点 住宅ローンを組むと、購入する家と土地に金融機関の抵当権がつき、公示のために抵当権設定登記を行う 登録免許税は原則0.4%だが、要件を満たす住宅なら住宅用家屋証明書により0.1%に軽減される 完済しても抵当権の登記は自動では消えず、抵当権抹消登記という別の手続きが必要 マイホームを買うとき、多くの方が住宅ローンを利用します。このとき、売買による名義変更(所有権移転登記)と並んで必ず行われるのが、**抵当権設定登記(ていとうけんせっていとうき)**です。聞き慣れない言葉ですが、住宅ローンを組む以上、避けて通れない手続きです。 ...

2026年6月3日 · ひぐらしさとし

不動産の名義変更──売買・贈与・相続・財産分与で必要書類と登録免許税はどう変わる

この記事の要点 不動産の名義変更は「売買・贈与・相続・財産分与」の4類型で、登録免許税・必要書類・申請方法が別物になる 登録免許税は相続がいちばん安く1000分の4、売買は土地が(軽減)1000分の15、贈与・財産分与は1000分の20 相続だけ単独申請、それ以外は相手方との共同申請が必要 「家や土地の名義を変えたい」──そう一言でいっても、その「理由」によって手続きの中身は大きく変わります。家を売却して買主に引き渡した、子どもに贈与した、親が亡くなって受け継いだ、離婚で財産分与を受けた。どれも登記簿上は「所有権移転登記」ですが、必要な書類も、税金も、進め方も別物です。 ...

2026年5月28日 · ひぐらしさとし

家を子や孫に贈る前に──贈与による所有権移転登記の基本

この記事の要点 生前に不動産を子や孫へ譲る場合は贈与による所有権移転登記が必要で、登録免許税は相続の0.4%に対し贈与は2%、さらに不動産取得税もかかる 一括贈与か相続時精算課税か、暦年贈与かで税負担が大きく変わるため、登記の前に税務面の設計を先にするのが安全 贈与税・不動産取得税の目安を知るには、まず固定資産税評価額を確認するのが第一歩 「そろそろ自宅を子どもに譲ろうと思っている」 「孫に土地をプレゼントしたい」 ...

2026年4月19日 · ひぐらしさとし