家を買ったあとに手元に残る書類──売買契約書・重要事項説明書・領収書は、いつまで保管するか

この記事の要点 家の引渡しを受けると、売買契約書・重要事項説明書・代金や諸費用の領収書・住宅ローンの契約書類・建築確認の書類などが手元に残ります マイホームを買った個人について、これらの書類の保存年数を一律に定めた法律の規定は見当たりません。法律で保存が義務づけられている例としては、認定長期優良住宅の記録などがあります それでも、少なくともその家を売るまで残しておくのが基本です。売るときの税金(譲渡所得)の計算や、次の買主への説明で使うことがあるためです 登記識別情報通知(いまの「権利証」)は、ほかの書類とは分けて保管します 書類は一つのファイルにまとめ、保管場所を家族にも伝えておくと、相続のときにも役立ちます 家の引渡しが終わると、たくさんの書類が手元に残ります。結論から言うと、購入のときの書類は、少なくともその家を売るまで、ひとまとめにして保管しておくのが基本です。法律で「何年保管しなさい」と決められている書類は多くありませんが、売るときの税金の手続きや、次の買主への説明の場面で、何年もたってから必要になることがあるからです。 ...

2026年10月19日 · ひぐらしさとし

相続した不動産を売ったときの「取得費加算の特例」とは──納めた相続税の一部を、売却益の計算で差し引ける制度(租税特別措置法39条)

この記事の要点 相続税額がある人が、相続した財産を一定の期間内に売ると、納めた相続税のうちその財産に対応する部分を「取得費」に加えて、売却益(譲渡所得)を計算できる(租税特別措置法39条1項) 期間は「相続開始の翌日から、相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日まで」。申告期限は原則として相続の開始を知った日の翌日から10か月以内なので、おおむね相続開始から3年10か月が目安 相続税額がない人(基礎控除の範囲内で相続税がかからなかった人など)は対象外。使うには確定申告で特例を受ける旨を書き、計算明細書などを添付するのが原則 相続した不動産を売って利益が出ると、売った相続人に所得税・住民税(譲渡所得の税金)がかかることがあります。一方で、その不動産にはすでに相続税もかかっています。このように「相続税」と「売ったときの税金」の両方がかかる場面で、納めた相続税の一部を売却益の計算で差し引けるのが 相続財産を譲渡した場合の取得費加算の特例 です。以下は、執筆時点(2026年10月)の制度に基づく一般的な解説です。 ...

2026年10月13日 · ひぐらしさとし

相続でもらった財産に所得税はかからない?──非課税の理由(所得税法9条)と、それでも所得税が関係する3つの場面

この記事の要点 相続や遺贈で財産を取得しても、その取得自体に所得税はかからない(所得税法9条1項17号)。代わりに相続税の枠組みで扱われる ただし「亡くなった方のその年の所得」「相続した財産を売ったとき」「相続した後に生まれる収入」の3つの場面では、所得税が関係する 具体的な税額や申告の要否は税理士へ、相続した不動産の名義変更(相続登記)はお近くの司法書士へ 結論から言うと、相続や遺贈(遺言で財産をもらうこと)で財産を取得したこと自体に、所得税はかかりません。所得税法9条1項17号は、「相続、遺贈又は個人からの贈与により取得するもの」を非課税所得(所得税を課さない所得)として定めています。もらった財産が現金でも不動産でも株式でも、この点は同じです。 ...

2026年9月11日 · ひぐらしさとし

空き家の3,000万円特別控除──売る前に知る制度の入口(詳細は税理士へ)

この記事の要点 相続した空き家を売って利益が出たとき、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる制度があります(通称「空き家の3,000万円特別控除」、租税特別措置法35条3項) 耐震改修や取り壊し、売却の期限、自治体の確認書など複数の要件があり、当てはまるかどうかの判定・控除額の計算・申告は税理士の分野です 制度を使うかどうかにかかわらず、売る前にはまず相続登記(名義を相続人へ移す手続き)が前提になります 制度の詳しい要件確認や申告については、お近くの税理士にご相談ください 実家などを相続したものの誰も住まず、「そろそろ売却を考えたい」というとき、税金の話でよく耳にするのが「空き家の3,000万円特別控除」です。この記事では、制度がどのようなものかという大枠と、売却に進む前に押さえておきたいポイントを整理します。**要件に当てはまるかどうかの個別判定や、控除額・税額の計算は行いません。**それらは税理士の専門分野であり、実際に売却を検討する段階で必ず税理士にご確認ください。 ...

2026年8月16日 · ひぐらしさとし

相続した実家を売りたいとき──売る前にまず「相続登記」、そして知っておきたい税金の話

相続した実家や土地を売りたいとき、いきなり売買契約に進むことはできません。まず亡くなった方の名義を相続人へ書き換える「相続登記」を済ませることが、売却のスタートラインになります。 ...

2026年6月29日 · ひぐらしさとし