この記事の要点

  • 住所証明情報とは、売買や相続などで新しく不動産の名義人になる人の住所を証明する書類です。個人なら住民票の写しや戸籍の附票の写しで、印鑑証明書に記載された住所を使うこともできると法務局は案内しています。
  • 申請書に住民票コード(11桁の番号)を書くと、住民票の写しの提出を省略できます(不動産登記令9条・不動産登記規則36条4項)。住民票の写しを出す場合は、マイナンバー(個人番号)の記載がないものを使います。なお、不動産登記令・不動産登記規則は、住所証明情報に印鑑証明書のような「作成後3か月以内」の定めを置いていません(ただし、取った後に引っ越した場合、その書類では今の住所を証明できません)。
  • 2026年10月5日以降に申請する所有権の保存・移転などの登記では、新しく名義人になる個人(その登記の申請人になる人)について、申請書に国籍等を書き、原則としてそれを証する書類も添付することになります(改正後の不動産登記規則158条の39)。日本国籍の方は、本籍地が記載された住民票の写しで住所証明情報と兼ねられると法務省は案内しています。

売買や相続で不動産の名義を変える手続きを調べると、必要書類の欄に「住所証明情報」という言葉が出てきます。結論から言えば、これは新しく名義人になる人の住所を証明する書類のことで、個人の場合は住民票の写しが代表例です。そして、申請書に住民票コードを書けば、その住民票の写しを出さずに済みます。

なお、この記事は執筆時点(2026年9月)の制度に基づく一般的な解説です。

何のために出す書類か

登記記録には、所有者など権利者の氏名と住所が記録されます(不動産登記法59条4号)。そのため、売買や相続による名義変更(所有権の移転の登記)では、不動産登記令が添付情報として「登記名義人となる者の住所を証する市町村長、登記官その他の公務員が職務上作成した情報」を求めています(同令7条1項6号・別表30の項ハ)。所有権の保存の登記や、土地・建物の表題登記でも、新しく所有者として記録される人について同じ種類の情報が求められます(同表4・12・28・29の項など)。

法令の本文では「住所を証する情報」と書かれており、「住所証明情報」という呼び方は、不動産登記規則44条の見出しや法務局の申請書の様式で使われています。

法務局は、この情報を出す理由を、新たに所有権の登記名義人となる人が現に存在する人であることを証明するとともに、登記記録上の住所が実際の住所と異ならないようにするため、と説明しています。

売買の場合、住所証明情報を出すのは買主(新しく名義人になる側)です。売主が出す印鑑証明書はこれとは別の書類で、こちらには「作成後3か月以内」という期限があります(不動産登記令16条3項・18条3項)。印鑑証明書の期限については登記に使う印鑑証明書に有効期限はある?で整理しています。

使える書類と、住民票の写しの注意点

法務局のQ&Aでは、個人の場合は住民票の抄本または戸籍の附票の写しが住所証明情報になるとされ、印鑑登録証明書(印鑑証明書)の住所の記載を使うこともできると案内されています。会社などの法人の場合は、登記事項証明書がこれに当たります。

住民票の写しを使うときは、次の2点に注意が必要です。

  • マイナンバー(個人番号)の記載がないものを使います。法務局は、不動産登記の手続では個人番号を利用できないとして、個人番号の記載がある住民票の写しは添付しないよう案内しています。
  • 法務局の売買の記載例では、申請書に書く買主の住所・氏名は、住民票の写しの記載と一致している必要があるとされています。

期限については、不動産登記令・不動産登記規則とも、住所証明情報に「作成後3か月以内」といった定めを置いていません。法務局が公表している相続登記の必要書類の一覧でも、新しく所有者になる方の住民票の有効期限は「なし」とされています。ただし、期限の定めがなくても、書類を取った後に引っ越した場合は、その書類に載っているのは前の住所なので、今の住所の証明にはなりません。この場合の用意の仕方は、申請前に申請先の法務局へ確認しておくと安心です。

住民票コードを書けば、住民票の写しは出さなくてよい

住民票コードは、住民票に記載される11桁の番号です(住民基本台帳法7条13号、同法施行規則1条)。住民票の記載事項として、マイナンバー(個人番号)とは別に定められている番号です(住民基本台帳法7条8号の2・13号)。

不動産登記令9条は、住所を証する情報を提供すべき場合に「法務省令で定める情報」を申請情報と併せて提供したときは、住所を証する情報を提供しなくてよいと定めています。その「法務省令で定める情報」を定めているのが不動産登記規則36条4項で、住民票コード(法人の場合は会社法人等番号)とされています。法務局の記載例でも、新しく名義人になる人(買主や相続人)の住所の後ろに「(住民票コード12345678901)」のように書く形が示され、住民票コードを記載した場合は住民票の写しを提出する必要はないとされています。

番号を確かめたいときは、住民票の写しを請求する際に、住民票コードの記載を求める必要があります。住民基本台帳法は、特別の請求がない限り、住民票コードなどの記載を省略した写しを交付できると定めているためです(同法12条5項)。

また、オンライン申請で申請人本人の署名用電子証明書を提供したときは、その提供をもって現在の住所を証する情報の提供に代えることができます(不動産登記規則44条1項・43条1項1号)。法務局も、オンライン申請でマイナンバーカードを用いた電子署名を行うことで、住民票の写しや住民票コードの提供を省略できると案内しています。

相続登記では、法定相続情報一覧図で代えられることも

相続登記では、相続人の住所が記載された法定相続情報一覧図の写し(または法定相続情報番号)を提供したときも、住所証明情報の提供に代えることができます(不動産登記規則37条の3第2項。番号を使う場合は、登記官が法定相続情報を確認できるときに限られます)。法務局の記載例は、一覧図の写しに相続人の現在の住所が記載されている場合に代えられる、としています。一覧図に住所を書くかどうかの考え方は、法定相続情報一覧図の作り方で整理しています。

2026年10月5日以降の申請では「国籍等」を証する書類も

2026年10月5日以降に申請する所有権の保存・移転などの登記では、新しく名義人になる個人(その登記の申請人になる人に限ります)について、申請書に書く「検索用情報」(氏名の振り仮名・生年月日など)に「国籍等」が加わり、原則としてそれを証する書類も添付することになります(不動産登記規則158条の39第1項6号・2項。令和8年法務省令第23号による改正)。検索用情報の申出のしくみそのものは、住所変更登記義務化の「検索用情報の申出」とはで解説しています。ここでは、住所証明情報との関係だけを見ておきます。

この書類は住所証明情報とは別のものですが、法務省は、日本国籍の方なら本籍地が記載された住民票の写しや戸籍の附票の写しがこれに当たり、住所証明情報として出す住民票の写しなどで兼ねられる場合は追加の書類は要らない、と案内しています。本籍地の記載も、住民票コードと同じく特別の請求がなければ省略されることがあるため(住民基本台帳法12条5項・7条5号)、住民票の写しを取るときに本籍地の記載を求めておけば、法務省の案内のとおり一通で兼ねられることになります。

住民票コードを書いた場合について、法務省の通達(令和8年9月4日付け法務省民二第872号)は、日本に住所がある日本国籍の方であれば、登記官が住基ネットの情報で日本国籍であることを把握できたときは、国籍を証する書類の提供は要しないとしています。相続登記では、日本国籍の相続人については、相続人であることを示すために出す戸籍の証明書で足りると法務局の記載例は案内しています。一方、前述のオンライン申請の署名用電子証明書で代えられる範囲に、国籍等を証する書類は含まれていません(改正後の不動産登記規則158条の39第3項)。

まとめ

住所証明情報は、売買や相続などで新しく名義人になる人の住所を証明する書類で、個人なら住民票の写しが代表例です。印鑑証明書に記載された住所を使うこともでき、申請書に住民票コードを書けば住民票の写しの提出を省略できます。相続登記では、現在の住所が記載された法定相続情報一覧図で代えられる場合もあります。2026年10月5日以降の申請では、新しく名義人になる個人(その登記の申請人になる人)の国籍等を証する書類も原則として必要になりますが、日本国籍の方なら本籍地が記載された住民票の写しで兼ねられます。どの書類で用意するかは登記の種類や事情によって変わりますので、迷ったときはお近くの司法書士にご相談ください。

参考資料

この記事は、次の資料を参照して内容を確認しています(確認日:2026年9月・いずれも一次情報です)。

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