問題:
表見代理に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例の趣旨に照らし誤っているものはいくつあるか。
ア. 夫婦の一方が民法761条に規定する日常の家事に関する代理権の範囲を越えて第三者と法律行為をした場合には、その代理権を基礎として一般的に民法110条の表見代理が成立するから、第三者がその行為について代理権があると信ずべき正当な理由を有するときは、他の一方は、その行為について責任を負う。
イ. 代理人が直接本人の名において権限外の行為をした場合において、相手方がその行為を本人自身の行為と信じたときは、そのように信じたことについて正当な理由がある限り、民法110条の規定の類推により、本人はその責任を負う。
ウ. 他人に代理権を与えた者は、代理権の消滅後にその代理権の範囲内においてその他人が第三者との間でした行為について、代理権の消滅の事実を知らなかった第三者に対しては、その第三者が過失によってその事実を知らなかったときであっても、その責任を負う。
エ. 無権代理人AがBの代理人と称してCと締結した抵当権設定契約をBが追認した後、AがBの代理人と称してDと抵当権設定契約を締結した場合において、Dが、AにBを代理して当該抵当権設定契約をする権限があると信ずべき正当の事由を有するときは、Bは、民法110条及び112条の類推適用により、Aのした抵当権設定契約について責任を負う。
オ. 金融機関が保証人の代理人との間で、代理人を借主とする取引元本極度額の定めのない継続的取引契約上の債務について保証極度額及び保証期間の制限のない連帯保証契約を締結する場合において、代理人が本人の実印を所持していたときは、他に代理権の存在を信ずるに足りる事情がなくても、金融機関には、民法110条にいう代理権があると信ずべき正当な理由がある。
答え:
誤っているものは、ア・ウ・オの3つである。
解説:
本問は、日常の家事に関する代理権と表見代理(民法761条・110条)、代理人が直接本人の名で権限外の行為をした場合(同法110条)、代理権消滅後の表見代理(同法112条)、追認後に無権代理人が新たにした無権代理行為(同法110条・112条)及び正当な理由の有無(同法110条)を問うものであり、誤っているのはア・ウ・オの3つである。民法110条は、「前条第一項本文の規定は、代理人がその権限外の行為をした場合において、第三者が代理人の権限があると信ずべき正当な理由があるときについて準用する。」と定めている。
ア 誤り。民法761条は、「夫婦の一方が日常の家事に関して第三者と法律行為をしたときは、他の一方は、これによって生じた債務について、連帯してその責任を負う。ただし、第三者に対し責任を負わない旨を予告した場合は、この限りでない。」と定めている。最判昭和44年12月18日(民集23巻12号2476頁)の裁判要旨は、「一、民法七六一条は、夫婦が相互に日常の家事に関する法律行為につき他方を代理する権限を有することをも規定しているものと解すべきである。二、夫婦の一方が民法七六一条所定の日常の家事に関する代理権の範囲を越えて第三者と法律行為をした場合においては、その代理権を基礎として一般的に同法一一〇条所定の表見代理の成立を肯定すべきではなく、その越権行為の相手方である第三者においてその行為がその夫婦の日常の家事に関する法律行為に属すると信ずるにつき正当の理由のあるときにかぎり、同条の趣旨を類推して第三者の保護をはかるべきである。」というものである。日常の家事に関する代理権を基礎として一般的に同法110条の表見代理の成立を肯定すべきではなく、第三者が保護されるのは、その行為が当該夫婦の日常の家事に関する法律行為に属すると信ずるにつき正当の理由のあるときに限られるから、本肢は誤りである。
イ 正しい。最判昭和44年12月19日(民集23巻12号2539頁)の裁判要旨は、「代理人が直接本人の名において権限外の行為をした場合において、相手方がその行為を本人自身の行為と信じたときは、そのように信じたことについて正当な理由があるかぎり、民法一一〇条の規定を類推して、本人はその責に任ずるものと解するのが相当である。」というものである。本肢は、この裁判要旨のとおりである。
ウ 誤り。民法112条1項は、「他人に代理権を与えた者は、代理権の消滅後にその代理権の範囲内においてその他人が第三者との間でした行為について、代理権の消滅の事実を知らなかった第三者に対してその責任を負う。ただし、第三者が過失によってその事実を知らなかったときは、この限りでない。」と定めている。第三者が過失によって代理権の消滅の事実を知らなかったときは、同項ただし書により、代理権を与えた者は責任を負わないから、本肢は誤りである。なお、同条2項は、「他人に代理権を与えた者は、代理権の消滅後に、その代理権の範囲内においてその他人が第三者との間で行為をしたとすれば前項の規定によりその責任を負うべき場合において、その他人が第三者との間でその代理権の範囲外の行為をしたときは、第三者がその行為についてその他人の代理権があると信ずべき正当な理由があるときに限り、その行為についての責任を負う。」と定めている。
エ 正しい。最判昭和45年12月24日(民集24巻13号2230頁)の裁判要旨は、「無権代理人甲が乙の代理人と称して丙と締結した抵当権設定契約を乙が追認したのち、甲が乙の代理人と称して丁と抵当権設定契約を締結した場合において、丁が甲に乙を代理して右抵当権設定契約をする権限があると信ずべき正当の事由を有するときは、乙は、民法一一〇条および一一二条の類推適用により、甲のした抵当権設定契約につき責に任じなければならない。」というものである。本肢は、この裁判要旨の甲をA、乙をB、丙をC、丁をDとしたものであり、裁判要旨のとおりである。
オ 誤り。最判昭和45年12月15日(民集24巻13号2081頁)の裁判要旨は、「金融機関が保証人の代理人との間で代理人を借主とする取引元本極度額の定めのない継続的取引契約上の債務につき保証極度額および保証期間の制限のない連帯保証契約を締結するにあたつては、代理人が本人の実印を所持している場合においても、他に代理権の存在を信ずるに足りる事情のないかぎり、本人に対し保証の限度等について照会するなどしてその意思を確かめる義務があり、これを怠つて代理人が実印を所持していたことのみにより代理権があるものと信じたにすぎないときは、いまだ民法一一〇条にいう代理権ありと信ずべき正当の理由がある場合にあたるとはいえない。」というものである。代理人が本人の実印を所持していたことのみにより代理権があると信じたにすぎないときは、同条にいう正当の理由がある場合に当たるとはいえないから、本肢は誤りである。
ポイント:権限外の行為の表見代理は、第三者が代理人の権限があると信ずべき正当な理由があるときに成立する(民法110条)。判例は、同法761条が夫婦相互の日常の家事に関する代理権をも規定しているものと解したうえで、その代理権を基礎として一般的に同法110条の表見代理の成立を肯定すべきではなく、第三者がその行為を当該夫婦の日常の家事に関する法律行為に属すると信ずるにつき正当の理由のあるときに限り、同条の趣旨を類推して第三者の保護をはかるべきであるとする(最判昭44.12.18)。代理人が直接本人の名で権限外の行為をし、相手方が本人自身の行為と信じた場合は、信じたことに正当な理由がある限り同条が類推される(最判昭44.12.19)。代理権消滅後の表見代理は、代理権の消滅の事実を知らなかった第三者に対して成立するが、第三者に過失があるときは成立せず(同法112条1項)、消滅後に代理権の範囲外の行為をしたときは、同項により責任を負うべき場合において、正当な理由があるときに限り責任を負う(同条2項)。無権代理人が本人の代理人と称して締結した抵当権設定契約を本人が追認した後、同じ者が本人の代理人と称して別の相手方と抵当権設定契約を締結した場合において、相手方が権限があると信ずべき正当の事由を有するときは、本人は同法110条・112条の類推適用により責任を負うとされている(最判昭45.12.24)。代理人が本人の実印を所持していたことのみによって代理権があると信じたにすぎないときは、正当の理由があるとはいえないとされた事例がある(最判昭45.12.15)。「一般的に肯定すべきではない」「日常の家事に属すると信ずるにつき」の言い回しと、112条1項ただし書の「過失」を、判例・条文の文言で押さえる。
問題:
共同抵当に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例の趣旨に照らし誤っているものはいくつあるか。
ア. 債権者が同一の債権の担保として数個の不動産につき抵当権を有する場合において、同時にその代価を配当すべきときは、その各不動産の価額に応じて、その債権の負担を按分する。
イ. 債権者が同一の債権の担保として数個の不動産につき抵当権を有する場合において、ある不動産の代価のみを配当すべきときは、抵当権者は、その代価から債権の全部の弁済を受けることができ、この場合において、次順位の抵当権者は、その抵当権者がその代価から弁済を受けた金額の全部を限度として、その抵当権者に代位して他の不動産について抵当権を行使することができる。
ウ. 共同抵当権の目的である甲不動産及び乙不動産が同一の物上保証人の所有に属する場合において、甲不動産の代価のみを配当するときは、甲不動産の後順位抵当権者は、民法392条2項後段の規定に基づき、先順位の共同抵当権者に代位して乙不動産に対する抵当権を行使することができる。
エ. 共同抵当の目的である債務者所有の甲不動産及び物上保証人所有の乙不動産にそれぞれ債権者を異にする後順位抵当権が設定されている場合において、乙不動産が先に競売されて一番抵当権者が弁済を受けたときは、甲不動産の後順位抵当権者は、物上保証人に移転した甲不動産に対する一番抵当権から、乙不動産の後順位抵当権者に優先して弁済を受けることができる。
オ. 甲不動産及び乙不動産の先順位共同抵当権者が、甲不動産には次順位の抵当権が設定されているのに、乙不動産の抵当権を放棄し、甲不動産の抵当権を実行した場合であっても、乙不動産が物上保証人の所有であるときは、先順位抵当権者は、甲不動産の代価から自己の債権の全額について満足を受けることができる。
答え:
誤っているものは、イ・エの2つである。
解説:
本問は、共同抵当における同時配当(民法392条1項)、異時配当と次順位の抵当権者の代位(同条2項)、目的不動産が同一の物上保証人の所有に属する場合の代位、債務者所有の不動産と物上保証人所有の不動産を目的とする共同抵当における後順位抵当権者相互の優劣及び物上保証人所有の不動産の抵当権の放棄に関する判例を問うものであり、誤っているのはイ・エの2つである。
ア 正しい。民法392条1項は、「債権者が同一の債権の担保として数個の不動産につき抵当権を有する場合において、同時にその代価を配当すべきときは、その各不動産の価額に応じて、その債権の負担を按分する。」と定めている。本肢は、同項のとおりである。
イ 誤り。民法392条2項は、「債権者が同一の債権の担保として数個の不動産につき抵当権を有する場合において、ある不動産の代価のみを配当すべきときは、抵当権者は、その代価から債権の全部の弁済を受けることができる。この場合において、次順位の抵当権者は、その弁済を受ける抵当権者が前項の規定に従い他の不動産の代価から弁済を受けるべき金額を限度として、その抵当権者に代位して抵当権を行使することができる。」と定めている。次順位の抵当権者が代位することができるのは、同時に配当したとすれば先順位の抵当権者が他の不動産の代価から弁済を受けるべき金額を限度とするから、その代価から弁済を受けた金額の全部を限度とする本肢は誤りである。なお、同法393条は、「前条第二項後段の規定により代位によって抵当権を行使する者は、その抵当権の登記にその代位を付記することができる。」と定めている。
ウ 正しい。最判平成4年11月6日(民集46巻8号2625頁)の裁判要旨は、「共同抵当権の目的たる甲・乙不動産が同一の物上保証人の所有に属する場合において、甲不動産の代価のみを配当するときは、甲不動産の後順位抵当権者は、民法三九二条二項後段の規定に基づき、先順位の共同抵当権者に代位して乙不動産に対する抵当権を行使することができる。」というものである。本肢は、この裁判要旨のとおりである。
エ 誤り。最判昭和60年5月23日(民集39巻4号940頁)の裁判要旨の一は、「共同抵当の目的である債務者所有の甲不動産及び物上保証人所有の乙不動産にそれぞれ債権者を異にする後順位抵当権が設定されている場合において、乙不動産が先に競売されて一番抵当権者が弁済を受けたときは、乙不動産の後順位抵当権者は、物上保証人に移転した甲不動産に対する一番抵当権から甲不動産の後順位抵当権者に優先して弁済を受けることができる。」というものである。物上保証人に移転した甲不動産に対する一番抵当権から優先して弁済を受けることができるのは、乙不動産の後順位抵当権者であるから、甲不動産の後順位抵当権者が優先するとする本肢は誤りである。なお、最判昭和53年7月4日(民集32巻5号785頁)の裁判要旨の二は、「債務者所有の不動産と物上保証人所有の不動産とを共同抵当の目的として順位を異にする数個の抵当権が設定されている場合において、物上保証人所有の不動産について先に競売がされ、その競落代金の交付により一番抵当権者が弁済を受けたときは、後順位抵当権者は、物上保証人に移転した債務者所有の不動産に対する一番抵当権からの優先弁済権を主張するについて登記又は差押を必要としない。」というものである。
オ 正しい。最判昭和44年7月3日(民集23巻8号1297頁)の裁判要旨は、「甲乙不動産の先順位共同抵当権者が、甲不動産には次順位の抵当権が設定されているのに、乙不動産の抵当権を放棄し、甲不動産の抵当権を実行した場合であつても、乙不動産が物上保証人の所有であるときは、先順位抵当権者は、甲不動産の代価から自己の債権の全額について満足を受けることができる。」というものである。本肢は、この裁判要旨のとおりである。
ポイント:共同抵当の目的不動産の代価を同時に配当するときは各不動産の価額に応じて債権の負担を按分し(民法392条1項)、ある不動産の代価のみを配当するときは、抵当権者はその代価から債権の全部の弁済を受けることができ、次順位の抵当権者は、同時配当の場合に抵当権者が他の不動産の代価から弁済を受けるべき金額を限度として代位することができる(同条2項)。代位によって抵当権を行使する者は、その抵当権の登記に代位を付記することができる(同法393条)。目的不動産が同一の物上保証人の所有に属する場合には、後順位抵当権者は同法392条2項後段により代位することができる(最判平4.11.6)。債務者所有の甲不動産と物上保証人所有の乙不動産の共同抵当で乙不動産が先に競売されたときは、乙不動産の後順位抵当権者が、物上保証人に移転した甲不動産に対する一番抵当権から甲不動産の後順位抵当権者に優先して弁済を受け(最判昭60.5.23)、その優先弁済権の主張に登記又は差押えを要しない(最判昭53.7.4)。乙不動産が物上保証人の所有であるときは、先順位抵当権者が乙不動産の抵当権を放棄しても、甲不動産の代価から債権の全額について満足を受けることができる(最判昭44.7.3)。各判例の事案で、どの不動産が債務者と物上保証人のどちらの所有かを図に描いて押さえる。
問題:
相続回復請求権に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例の趣旨に照らし正しいものはいくつあるか。
ア. 相続回復の請求権は、相続人又はその法定代理人が相続の開始があったことを知った時から5年間行使しないときは、時効によって消滅する。
イ. 共同相続人の一人である甲が、相続財産のうち自己の本来の相続持分を超える部分について他の共同相続人乙の相続権を否定し、その部分もまた自己の相続持分に属すると称してこれを占有管理し、乙の相続権を侵害している場合において、乙がその侵害の排除を求めるときは、共同相続人相互間の争いであるから、民法884条の適用はない。
ウ. 共同相続人相互の間で一部の者が他の者を共同相続人でないものとしてその相続権を侵害している場合において、相続回復請求権の消滅時効を援用しようとする者は、真正共同相続人の相続権を侵害している共同相続人が、当該相続権侵害の開始時点において、他に共同相続人がいることを知らず、かつ、これを知らなかったことに合理的な事由があったことを立証すべきである。
エ. 相続財産である不動産について単独名義で相続の登記を経由した共同相続人の一人甲が、甲の本来の相続持分を超える部分が他の相続人に属することを知っていたために、他の共同相続人に対して相続回復請求権の消滅時効を援用することができない場合には、甲から当該不動産を譲り受けた第三者も、その時効を援用することはできない。
オ. 被相続人Aの相続人Bの相続権をCが侵害している場合において、その後Bが死亡し、DがBを相続したときは、DのCに対する相続回復請求権の20年の期間は、Bの死亡の時から起算される。
答え:
正しいものは、ウ・エの2つである。
解説:
本問は、相続回復請求権の期間制限(民法884条)、共同相続人間の相続権侵害と同条の適用、消滅時効を援用しようとする者が立証すべき事項、相続権を侵害する共同相続人から不動産を譲り受けた第三者による消滅時効の援用及び数次の相続があった場合の20年の期間の起算点を問うものであり、正しいのはウ・エの2つである。
ア 誤り。民法884条は、「相続回復の請求権は、相続人又はその法定代理人が相続権を侵害された事実を知った時から五年間行使しないときは、時効によって消滅する。相続開始の時から二十年を経過したときも、同様とする。」と定めている。5年の期間の起算点は、相続人又はその法定代理人が相続権を侵害された事実を知った時であり、相続の開始があったことを知った時ではないから、本肢は誤りである。
イ 誤り。最大判昭和53年12月20日(民集32巻9号1674頁)の裁判要旨は、「共同相続人の一人甲が、相続財産のうち自己の本来の相続持分を超える部分につき他の共同相続人乙の相続権を否定し、その部分もまた自己の相続持分に属すると称してこれを占有管理し、乙の相続権を侵害しているため、乙が右侵害の排除を求める場合には、民法八八四条の適用があるが、甲においてその部分が乙の持分に属することを知つているとき、又はその部分につき甲に相続による持分があると信ぜられるべき合理的な事由がないときには、同条の適用が排除される。」というものである。共同相続人相互間の争いであっても、乙が侵害の排除を求める場合には同条の適用があるから、本肢は誤りである。ただし、甲においてその部分が乙の持分に属することを知っているとき、又はその部分につき甲に相続による持分があると信ぜられるべき合理的な事由がないときは、同条の適用が排除される。
ウ 正しい。最判平成11年7月19日(民集53巻6号1138頁)の裁判要旨は、「共同相続人相互の間で一部の者が他の者を共同相続人でないものとしてその相続権を侵害している場合において、相続回復請求権の消滅時効を援用しようとする者は、真正共同相続人の相続権を侵害している共同相続人が、当該相続権侵害の開始時点において、他に共同相続人がいることを知らず、かつ、これを知らなかったことに合理的な事由があったことを立証すべきである。」というものである。本肢は、この裁判要旨のとおりである。
エ 正しい。最判平成7年12月5日(集民177号341頁)の裁判要旨は、「相続財産である不動産について単独名義で相続の登記を経由した共同相続人の一人甲が、甲の本来の相続持分を超える部分が他の相続人に属することを知っていたか、又は右部分を含めて甲が単独相続をしたと信ずるにつき合理的な事由がないために、他の共同相続人に対して相続回復請求権の消滅時効を援用することができない場合には、甲から右不動産を譲り受けた第三者も右時効を援用することはできない。」というものである。本肢は、この裁判要旨のうち、甲が本来の相続持分を超える部分が他の相続人に属することを知っていた場合について述べたものであり、裁判要旨のとおりである。
オ 誤り。最判昭和39年2月27日(民集18巻2号383頁)の裁判要旨は、「甲の相続権を乙が侵害している場合、甲の相続人丙の乙に対する相続回復請求権の消滅時効の期間二〇年の起算点は、丙の相続開始の時ではなく、甲の相続開始の時と解すべきである。」というものであり、同判決の参照法条には、民法884条とともに旧民法966条及び993条が掲げられている。本肢のBが裁判要旨の甲に、Bの相続人Dが丙に当たる。また、最判昭和40年5月28日(集民79号213頁)の裁判要旨は、「相続回復請求権の二〇年の時効は、数次の相続が行なわれた場合でも、当初の被相続人死亡の時より起算して二〇年を経過したときに完成する。」というものである。本肢の事案では、20年の期間は当初の被相続人Aの死亡の時から起算されるから、Bの死亡の時から起算されるとする本肢は誤りである。
ポイント:相続回復の請求権は、相続人又はその法定代理人が相続権を侵害された事実を知った時から5年間行使しないとき、又は相続開始の時から20年を経過したときに、時効によって消滅する(民法884条)。共同相続人の一人が本来の相続持分を超える部分について他の共同相続人の相続権を侵害している場合にも同条の適用があるが、侵害者がその部分が他の共同相続人の持分に属することを知っているとき、又は自己に相続による持分があると信ぜられるべき合理的な事由がないときは、同条の適用が排除される(最大判昭53.12.20)。消滅時効を援用しようとする者は、侵害している共同相続人が侵害の開始時点において他に共同相続人がいることを知らず、かつ、知らなかったことに合理的な事由があったことを立証すべきであり(最判平11.7.19)、侵害している共同相続人が時効を援用することができない場合には、その者から不動産を譲り受けた第三者も援用することができない(最判平7.12.5)。20年の期間は、数次の相続が行われた場合でも当初の被相続人の死亡の時から起算する(最判昭39.2.27、最判昭40.5.28)。5年は「侵害を知った時」から、20年は「当初の相続開始の時」から、と起算点を区別して押さえる。
問題:
表示に関する登記の通則及び地番に関する次の記述のうち、不動産登記法、不動産登記令及び不動産登記規則の規定に照らし誤っているものはいくつあるか。
ア. 登記官は、表題部に表示に関する登記をする場合には、法令に別段の定めがある場合を除き、表示に関する登記の登記事項のうち、当該表示に関する登記の登記原因及びその日付並びに登記の年月日のほか、新たに登記すべきものを記録しなければならない。
イ. 土地についての登記の申請において、不動産番号を申請情報の内容としたときは、土地の表題登記を申請する場合等を除き、当該土地の所在する市、区、郡、町、村及び字並びに地番、地目及び地積を申請情報の内容とすることを要しないが、これらの事項が申請を受ける登記所以外の登記所の管轄区域内にある不動産に係る場合には、当該不動産の不動産番号と併せて当該申請を受ける登記所以外の登記所の表示を申請情報の内容としたときに限り、この取扱いが適用される。
ウ. 行政区画又はその名称の変更があった場合には、登記記録に記録した行政区画又はその名称について変更の登記があったものとみなされるが、字又はその名称に変更があった場合には、表題部所有者又は所有権の登記名義人がその変更の登記を申請しなければ、登記記録に記録された字又はその名称は変更されない。
エ. 地番区域は、市、区、町、村、字又はこれに準ずる地域をもって定めるものとされ、地番は、地番区域ごとに起番して定めるものとされている。
オ. 所有権の登記がない建物については、共用部分である旨の登記がある建物であっても、所有者の氏名又は名称及び住所並びに所有者が2人以上であるときはその所有者ごとの持分が、表示に関する登記の登記事項となる。
答え:
誤っているものは、ウ・オの2つである。
解説:
本問は、表題部にする表示に関する登記の記録事項(不動産登記規則89条)、不動産番号と申請情報の一部の省略(同規則90条、不動産登記令6条1項、同規則34条2項〜4項)、行政区画等の変更(同規則92条)、地番区域と地番(不動産登記法35条、同規則97条・98条)及び所有者の氏名等が表示に関する登記の登記事項となる不動産の範囲(同法27条3号)を問うものであり、誤っているのはウ・オの2つである。
ア 正しい。不動産登記規則89条は、「登記官は、表題部に表示に関する登記をする場合には、法令に別段の定めがある場合を除き、表示に関する登記の登記事項のうち、当該表示に関する登記の登記原因及びその日付並びに登記の年月日のほか、新たに登記すべきものを記録しなければならない。」と定めている。本肢は、同条のとおりである。なお、不動産登記法27条は、土地及び建物の表示に関する登記の登記事項として、1号で「登記原因及びその日付」を、2号で「登記の年月日」を掲げている。
イ 正しい。不動産登記規則90条は、「登記官は、法第二十七条第四号の不動産を識別するために必要な事項として、一筆の土地又は一個の建物ごとに番号、記号その他の符号を記録することができる。」と定めている。そして、不動産登記令6条1項は、「次の各号に掲げる規定にかかわらず、法務省令で定めるところにより、不動産を識別するために必要な事項として法第二十七条第四号の法務省令で定めるもの(次項において「不動産識別事項」という。)を申請情報の内容としたときは、当該各号に定める事項を申請情報の内容とすることを要しない。」と定め、1号で同令3条7号に掲げる事項を掲げている。同号は、土地の表示に関する登記又は土地についての権利に関する登記を申請するときの申請情報の内容として、土地の所在する市、区、郡、町、村及び字、地番、地目並びに地積を掲げている。不動産登記規則34条2項は、「令第六条第一項に規定する不動産識別事項は、不動産番号とする。」と定め、同条3項は、「令第六条の規定は、同条第一項各号又は第二項各号に定める事項が申請を受ける登記所以外の登記所の管轄区域内にある不動産に係る場合には、当該不動産の不動産番号と併せて当該申請を受ける登記所以外の登記所の表示を申請情報の内容としたときに限り、適用する。」と定めている。本肢は、これらの規定のとおりである。なお、同条4項は、「令第六条第一項第一号又は第二号の規定にかかわらず、不動産の表題登記を申請する場合、法第七十四条第一項第二号又は第三号に掲げる者が表題登記がない不動産について所有権の保存の登記を申請する場合及び表題登記がない不動産について所有権の処分の制限の登記を嘱託する場合には、令第三条第七号又は第八号に掲げる事項を申請情報の内容としなければならない。」と定めている。
ウ 誤り。不動産登記規則92条1項は、「行政区画又はその名称の変更があった場合には、登記記録に記録した行政区画又はその名称について変更の登記があったものとみなす。字又はその名称に変更があったときも、同様とする。」と定め、同条2項は、「登記官は、前項の場合には、速やかに、表題部に記録した行政区画若しくは字又はこれらの名称を変更しなければならない。」と定めている。字又はその名称に変更があったときも、変更の登記があったものとみなされ、登記官が速やかに表題部に記録した字又はその名称を変更するから、本肢は誤りである。
エ 正しい。不動産登記法35条は、「登記所は、法務省令で定めるところにより、地番を付すべき区域(第三十九条第二項及び第四十一条第二号において「地番区域」という。)を定め、一筆の土地ごとに地番を付さなければならない。」と定めている。そして、不動産登記規則97条は、「地番区域は、市、区、町、村、字又はこれに準ずる地域をもって定めるものとする。」と定め、同規則98条1項は、「地番は、地番区域ごとに起番して定めるものとする。」と定めている。本肢は、これらの規定のとおりである。なお、同条2項は、「地番は、土地の位置が分かりやすいものとなるように定めるものとする。」と定めている。
オ 誤り。不動産登記法27条は、表示に関する登記の登記事項として、3号で「所有権の登記がない不動産(共用部分(区分所有法第四条第二項に規定する共用部分をいう。以下同じ。)である旨の登記又は団地共用部分(区分所有法第六十七条第一項に規定する団地共用部分をいう。以下同じ。)である旨の登記がある建物を除く。)については、所有者の氏名又は名称及び住所並びに所有者が二人以上であるときはその所有者ごとの持分」を掲げている。共用部分である旨の登記がある建物は同号の括弧書により除かれているから、本肢は誤りである。
ポイント:登記官は、表題部に表示に関する登記をするときは、登記原因及びその日付並びに登記の年月日のほか、新たに登記すべきものを記録する(不動産登記規則89条)。不動産番号は、登記官が一筆の土地又は一個の建物ごとに記録することができる符号であり(同規則90条)、これを申請情報の内容としたときは、土地の所在・地番・地目・地積等を申請情報の内容とすることを要しないが(不動産登記令6条1項、同規則34条2項)、他の登記所の管轄区域内の不動産に係るときはその登記所の表示も併せて申請情報の内容とする必要があり(同条3項)、表題登記の申請等ではこの省略は認められない(同条4項)。行政区画又はその名称の変更だけでなく、字又はその名称の変更も変更の登記があったものとみなされ、登記官が速やかに表題部を変更する(同規則92条)。地番区域は市、区、町、村、字又はこれに準ずる地域をもって定め、地番は地番区域ごとに起番する(不動産登記法35条、同規則97条・98条1項)。所有者の氏名等が表示に関する登記の登記事項となるのは所有権の登記がない不動産であり、共用部分又は団地共用部分である旨の登記がある建物は除かれる(同法27条3号)。「字の変更もみなし変更」「共用部分である旨の登記がある建物は除く」の2点を条文で確かめる。
問題:
建物の合体による登記等に関する次の記述のうち、不動産登記法及び不動産登記規則の規定に照らし正しいものはいくつあるか。なお、本問において「合体による登記等」とは、合体後の建物についての建物の表題登記及び合体前の建物についての建物の表題部の登記の抹消をいう。
ア. 表題登記がない甲建物、表題登記がある乙建物(所有権の登記がある建物を除く。)及び所有権の登記がある丙建物が合体して一個の建物となった場合には、合体による登記等の申請と併せて、甲建物の所有者及び乙建物の表題部所有者をそれぞれ合体後の建物の登記名義人とする所有権の登記を申請しなければならない。
イ. 合体前の建物に所有権の登記がある建物がある場合において、登記官は、合体後の建物についての建物の表題登記をしたときは、当該合体後の建物の登記記録の甲区に、合体による所有権の登記をする旨、所有権の登記名義人の氏名又は名称及び住所並びに登記の年月日等を記録しなければならない。
ウ. 合体前の建物に所有権の登記がある建物がある場合において、合体後の建物についての建物の表題登記をするときは、登記官は、合体後の建物の登記記録の表題部に表題部所有者に関する登記事項を記録しなければならない。
エ. 合体前の建物にされている抵当権の登記(抵当証券は発行されていないものとする。)について、合体後の建物について当該抵当権を消滅させることを当該抵当権の登記名義人が承諾したことを証する情報が合体による登記等の申請情報と併せて提供された場合であっても、当該抵当権を目的とする第三者の権利に関する登記があるときは、当該第三者が承諾したことを証する当該第三者が作成した情報又は当該第三者に対抗することができる裁判があったことを証する情報が併せて提供されなければ、当該抵当権が消滅した旨の登記はされない。
オ. 二以上の建物が合体して一個の建物となった後に合体前の表題登記がある建物(所有権の登記がある建物を除く。)の表題部所有者となった者は、当該合体の日から1月以内に、合体による登記等を申請しなければならない。
答え:
正しいものは、ア・イ・エの3つである。
解説:
本問は、合体による登記等と併せてする所有権の登記の申請(不動産登記法49条1項)、合体後の建物の登記記録の記録方法(不動産登記規則120条1項・2項)、合体に伴う権利の消滅の登記(同法50条、同規則120条5項・6項)及び合体後に表題部所有者となった者の申請期間(同法49条4項)を問うものであり、正しいのはア・イ・エの3つである。
ア 正しい。不動産登記法49条1項は、二以上の建物が合体して一個の建物となった場合において、同項各号に掲げるときは、当該各号に定める者は、当該合体の日から1月以内に、合体による登記等を申請しなければならないと定め、同項後段は、「この場合において、第二号に掲げる場合にあっては当該表題登記がない建物の所有者、第四号に掲げる場合にあっては当該表題登記がある建物(所有権の登記がある建物を除く。以下この条において同じ。)の表題部所有者、第六号に掲げる場合にあっては当該表題登記がない建物の所有者及び当該表題登記がある建物の表題部所有者をそれぞれ当該合体後の建物の登記名義人とする所有権の登記を併せて申請しなければならない。」と定めている。そして、同項6号は、「合体前の三以上の建物が表題登記がない建物、表題登記がある建物及び所有権の登記がある建物のみであるとき。」を掲げている。本肢は同号に当たるから、甲建物の所有者及び乙建物の表題部所有者をそれぞれ合体後の建物の登記名義人とする所有権の登記を併せて申請しなければならず、本肢は正しい。
イ 正しい。不動産登記規則120条2項は、「登記官は、前項前段の場合において、表題登記をしたときは、当該合体後の建物の登記記録の甲区に次に掲げる事項を記録しなければならない。」と定め、1号で「合体による所有権の登記をする旨」、2号で「所有権の登記名義人の氏名又は名称及び住所並びに登記名義人が二人以上であるときは当該所有権の登記名義人ごとの持分」、4号で「登記の年月日」を掲げている。同項の「前項前段の場合」とは、同条1項前段の「合体後の建物についての建物の表題登記をする場合において、合体前の建物に所有権の登記がある建物があるとき」である。本肢は、これらの規定のとおりである。
ウ 誤り。不動産登記規則120条1項は、「合体後の建物についての建物の表題登記をする場合において、合体前の建物に所有権の登記がある建物があるときは、合体後の建物の登記記録の表題部に表題部所有者に関する登記事項を記録することを要しない。法第四十九条第一項後段の規定により併せて所有権の登記の申請があった場合についても、同様とする。」と定めている。合体前の建物に所有権の登記がある建物があるときは、合体後の建物の登記記録の表題部に表題部所有者に関する登記事項を記録することを要しないから、本肢は誤りである。
エ 正しい。不動産登記法50条は、「登記官は、所有権等(所有権、地上権、永小作権、地役権及び採石権をいう。以下この款及び第百十八条第五項において同じ。)の登記以外の権利に関する登記がある建物について合体による登記等をする場合において、当該合体による登記等の申請情報と併せて当該権利に関する登記に係る権利の登記名義人(当該権利に関する登記が抵当権の登記である場合において、抵当証券が発行されているときは、当該抵当証券の所持人又は裏書人を含む。)が合体後の建物について当該権利を消滅させることについて承諾したことを証する情報が提供されたとき(当該権利を目的とする第三者の権利に関する登記がある場合にあっては、当該第三者が承諾したことを証する情報が併せて提供されたときに限る。)は、法務省令で定めるところにより、当該権利が消滅した旨を登記しなければならない。」と定めている。そして、不動産登記規則120条5項は、「法第五十条の規定による権利が消滅した旨の登記は、合体による登記等の申請情報と併せて次に掲げる情報の提供がされた場合にするものとする。」と定め、2号で「前号の権利を目的とする第三者の権利に関する登記があるときは、当該第三者が承諾したことを証する当該第三者が作成した情報又は当該第三者に対抗することができる裁判があったことを証する情報」を掲げている。当該抵当権を目的とする第三者の権利に関する登記があるときは、同法50条括弧書及び同規則120条5項2号により、当該第三者が承諾したことを証する当該第三者が作成した情報又は当該第三者に対抗することができる裁判があったことを証する情報が併せて提供されなければ、当該抵当権が消滅した旨の登記はされないから、本肢は正しい。なお、同条6項前段は、「前項の場合における権利が消滅した旨の登記は、付記登記によってするものとする。」と定めている。
オ 誤り。不動産登記法49条4項は、「第一項各号に掲げる場合において、当該二以上の建物(同項第六号に掲げる場合にあっては、当該三以上の建物)が合体して一個の建物となった後に合体前の表題登記がある建物の表題部所有者又は合体前の所有権の登記がある建物の所有権の登記名義人となった者は、その者に係る表題部所有者についての更正の登記又は所有権の登記があった日から一月以内に、合体による登記等を申請しなければならない。」と定めている。合体後に合体前の表題登記がある建物の表題部所有者となった者の申請期間は、その者に係る表題部所有者についての更正の登記があった日から1月以内であり、合体の日から起算するものではないから、本肢は誤りである。
ポイント:合体による登記等は、合体前の建物の登記の状態に応じて不動産登記法49条1項各号に定める者が合体の日から1月以内に申請し、表題登記がない建物又は表題登記がある建物(所有権の登記がある建物を除く。)と所有権の登記がある建物とが合体した場合(同項2号・4号・6号)には、表題登記がない建物の所有者や表題登記がある建物の表題部所有者を登記名義人とする所有権の登記を併せて申請する(同項後段)。合体前の建物に所有権の登記がある建物があるときは、合体後の建物の表題部に表題部所有者に関する登記事項を記録せず、甲区に合体による所有権の登記をする旨等を記録する(不動産登記規則120条1項・2項)。所有権等以外の権利の登記がある建物について合体による登記等をする場合において、その権利の登記名義人が合体後の建物についてその権利を消滅させることを承諾したことを証する情報が提供されたときは、その権利が消滅した旨が登記される(その権利を目的とする第三者の権利に関する登記があるときは、その第三者が承諾したことを証する情報も併せて提供されたときに限る。同法50条)。第三者については、当該第三者が作成した承諾を証する情報又は当該第三者に対抗することができる裁判があったことを証する情報を提供し(同規則120条5項2号)、権利が消滅した旨の登記は付記登記でする(同条6項)。合体後に表題部所有者又は所有権の登記名義人となった者の申請期間は、その者に係る表題部所有者についての更正の登記又は所有権の登記があった日から1月以内である(同法49条4項)。「併せて所有権の登記を申請するのは2号・4号・6号」「申請期間の起算点」を条文で区別する。
問題:
筆界特定の申請に関する次の記述のうち、不動産登記法及び不動産登記規則の規定に照らし誤っているものはいくつあるか。
ア. 筆界特定の申請において明らかにしなければならない「対象土地について筆界特定を必要とする理由」として明らかにすべきものは、筆界特定の申請に至る経緯その他の具体的な事情とされている。
イ. 表題登記がない土地の所有者は、当該土地について表題登記がされるまでは、当該土地とこれに隣接する表題登記がある土地との筆界について、筆界特定の申請をすることができない。
ウ. 地方公共団体が、その区域内の対象土地の所有権登記名義人等のうちいずれかの者の同意を得て筆界特定の申請をする場合には、その同意を得たことを証する当該所有権登記名義人等が作成した情報を法務局又は地方法務局に提供しなければならない。
エ. 申請に係る筆界について民事訴訟の手続により筆界の確定を求める訴えに係る訴訟が係属しているときは、筆界特定登記官は、当該筆界特定の申請を却下しなければならない。
オ. 所有権の登記名義人の相続人が筆界特定の申請をする場合には、その旨及び所有権の登記名義人の氏名又は名称及び住所を筆界特定申請情報の内容とするとともに、相続があったことを証する市町村長、登記官その他の公務員が職務上作成した情報(公務員が職務上作成した情報がない場合にあっては、これに代わるべき情報)を提供しなければならない。
答え:
誤っているものは、イ・エの2つである。
解説:
本問は、筆界特定を必要とする理由として明らかにすべき事項(不動産登記法131条3項4号、不動産登記規則207条1項)、表題登記がない土地の所有者による申請(同法123条1号・5号、131条1項、同規則209条1項4号)、地方公共団体による申請の添付情報(同法131条2項、同規則209条1項7号)、筆界確定訴訟が係属している場合の取扱い(同法132条1項6号、同規則207条3項7号)及び一般承継人による申請の申請情報と添付情報(同規則207条2項3号、209条1項3号)を問うものであり、誤っているのはイ・エの2つである。
ア 正しい。不動産登記法131条3項は、「筆界特定の申請は、次に掲げる事項を明らかにしてしなければならない。」と定め、4号で「対象土地について筆界特定を必要とする理由」を掲げている。そして、不動産登記規則207条1項は、「法第百三十一条第三項第四号に掲げる事項として明らかにすべきものは、筆界特定の申請に至る経緯その他の具体的な事情とする。」と定めている。本肢は、これらの規定のとおりである。
イ 誤り。不動産登記法123条1号は、筆界を、「表題登記がある一筆の土地(以下単に「一筆の土地」という。)とこれに隣接する他の土地(表題登記がない土地を含む。以下同じ。)との間において、当該一筆の土地が登記された時にその境を構成するものとされた二以上の点及びこれらを結ぶ直線をいう。」と定義し、同条5号は、所有権登記名義人等を、「所有権の登記がある一筆の土地にあっては所有権の登記名義人、所有権の登記がない一筆の土地にあっては表題部所有者、表題登記がない土地にあっては所有者をいい、所有権の登記名義人又は表題部所有者の相続人その他の一般承継人を含む。」と定義している。そして、同法131条1項は、「土地の所有権登記名義人等は、筆界特定登記官に対し、当該土地とこれに隣接する他の土地との筆界について、筆界特定の申請をすることができる。」と定めている。本肢の筆界は、表題登記がある一筆の土地とこれに隣接する表題登記がない土地との間のものであり、同法123条1号の筆界に当たる。そして、表題登記がない土地の所有者も所有権登記名義人等に当たるから、表題登記がされる前であっても当該筆界について筆界特定の申請をすることができ、本肢は誤りである。なお、不動産登記規則209条1項は、筆界特定の申請をする場合に提供しなければならない情報として、4号で「申請人が表題登記がない土地の所有者であるときは、当該申請人が当該土地の所有権を有することを証する情報」を掲げている。
ウ 正しい。不動産登記法131条2項は、「地方公共団体は、その区域内の対象土地の所有権登記名義人等のうちいずれかの者の同意を得たときは、筆界特定登記官に対し、当該対象土地の筆界(第十四条第一項の地図に表示されないものに限る。)について、筆界特定の申請をすることができる。」と定めている。そして、不動産登記規則209条1項は、「筆界特定の申請をする場合には、次に掲げる情報を法務局又は地方法務局に提供しなければならない。」と定め、7号で「申請人が法第百三十一条第二項の規定に基づいて筆界特定の申請をする地方公共団体であるときは、その区域内の対象土地の所有権登記名義人等のうちいずれかの者の同意を得たことを証する当該所有権登記名義人等が作成した情報」を掲げている。本肢は、これらの規定のとおりである。
エ 誤り。不動産登記法132条1項は、筆界特定登記官が理由を付した決定で筆界特定の申請を却下しなければならない場合として、6号で「対象土地の筆界について、既に民事訴訟の手続により筆界の確定を求める訴えに係る判決(訴えを不適法として却下したものを除く。第百四十八条において同じ。)が確定しているとき。」を掲げている。却下事由とされているのは判決が確定しているときであり、訴訟が係属しているにとどまるときは同号に当たらず、同項の他の各号にも筆界確定訴訟が係属していることを掲げるものはないから、本肢は誤りである。なお、不動産登記規則207条3項は、筆界特定申請情報の内容とするものとして、7号で「申請に係る筆界について民事訴訟の手続により筆界の確定を求める訴えに係る訴訟(以下「筆界確定訴訟」という。)が係属しているときは、その旨及び事件の表示その他これを特定するに足りる事項」を掲げている。
オ 正しい。不動産登記規則207条2項は、法131条3項5号の法務省令で定める事項として、3号で「申請人が所有権の登記名義人又は表題部所有者の相続人その他の一般承継人であるときは、その旨及び所有権の登記名義人又は表題部所有者の氏名又は名称及び住所」を掲げている。そして、同規則209条1項は、筆界特定の申請をする場合に提供しなければならない情報として、3号で「申請人が所有権の登記名義人又は表題部所有者の相続人その他の一般承継人であるときは、相続その他の一般承継があったことを証する市町村長、登記官その他の公務員が職務上作成した情報(公務員が職務上作成した情報がない場合にあっては、これに代わるべき情報)」を掲げている。本肢は、これらの規定のとおりである。
ポイント:筆界特定の申請では、申請の趣旨、申請人の氏名等、対象土地の所在・地番、筆界特定を必要とする理由等を明らかにし(不動産登記法131条3項)、理由としては申請に至る経緯その他の具体的な事情を明らかにする(不動産登記規則207条1項)。申請をすることができる所有権登記名義人等には、表題登記がない土地の所有者や、所有権の登記名義人又は表題部所有者の一般承継人が含まれ(同法123条5号)、表題登記がない土地の所有者はその所有権を証する情報を、一般承継人は一般承継を証する公務員が職務上作成した情報等を提供する(同規則209条1項3号・4号。一般承継人はその旨等を申請情報の内容とする。同規則207条2項3号)。地方公共団体は、所有権登記名義人等のうちいずれかの者の同意を得て、不動産登記法14条1項の地図に表示されない筆界について申請することができ、同意を得たことを証する当該所有権登記名義人等が作成した情報を提供する(同法131条2項、同規則209条1項7号)。筆界確定訴訟の判決(訴えを不適法として却下したものを除く。)が確定していることは却下事由であるが(同法132条1項6号)、訴訟が係属しているにとどまるときは、その旨等を申請情報の内容とする(同規則207条3項7号)。「係属」と「確定」の違いを条文の文言で押さえる。
問題:
公共嘱託登記土地家屋調査士協会(以下「協会」という。)に関する次の記述のうち、土地家屋調査士法の規定に照らし正しいものはいくつあるか。なお、「調査士」とは土地家屋調査士を、「調査士法人」とは土地家屋調査士法人を、「調査士会」とは土地家屋調査士会を、「官公署等」とは官庁、公署その他政令で定める公共の利益となる事業を行う者をいう。
ア. 協会は、官公署等の依頼を受けて、不動産の表示に関する登記の申請手続についての代理を行うことをその業務とするが、この代理は、不動産の表示に関する登記について必要な土地又は家屋に関する調査又は測量を必要としない申請手続に関するものであっても、その業務として行うことができる。
イ. 協会は、その業務に係る事務を、調査士会に入会している調査士又は調査士法人でない者に取り扱わせてはならない。
ウ. 協会は、その業務について、正当な事由がある場合でなければ、依頼を拒んではならない。
エ. 協会の業務は、その主たる事務所の所在地の調査士会の監督に属し、当該調査士会は、協会の業務の適正な実施を確保するため必要があると認めるときは、いつでも、当該業務及び協会の財産の状況を検査することができる。
オ. 調査士会は、所属の会員が社員である協会に対し、その業務の執行に関し、必要な助言をすることができる。
答え:
正しいものは、イ・ウ・オの3つである。
解説:
本問は、協会の業務の範囲(土地家屋調査士法64条1項)、協会の業務に係る事務を取り扱う者(同条2項)、依頼に応ずる義務の準用(同法65条・22条)、協会の業務の監督(同法64条の2)及び調査士会の助言(同法66条)を問うものであり、正しいのはイ・ウ・オの3つである。
ア 誤り。土地家屋調査士法64条1項は、「協会は、第六十三条第一項に規定する目的を達成するため、官公署等の依頼を受けて、第三条第一項第一号から第三号までに掲げる事務(同項第二号及び第三号に掲げる事務にあつては、同項第一号に掲げる調査又は測量を必要とする申請手続に関するものに限る。)及びこれらの事務に関する同項第六号に掲げる事務を行うことをその業務とする。」と定めている。同法3条1項は、1号で「不動産の表示に関する登記について必要な土地又は家屋に関する調査又は測量」を、2号で「不動産の表示に関する登記の申請手続又はこれに関する審査請求の手続についての代理」を掲げている。協会が業務として行う申請手続についての代理は、同項1号に掲げる調査又は測量を必要とする申請手続に関するものに限られるから、本肢は誤りである。
イ 正しい。土地家屋調査士法64条2項は、「協会は、その業務に係る前項に規定する事務を、調査士会に入会している調査士又は調査士法人でない者に取り扱わせてはならない。」と定めている。本肢は、同項のとおりである。
ウ 正しい。土地家屋調査士法65条は、「第二十二条の規定は協会の業務について、第四十三条第一項、第四十四条及び第四十六条の規定は協会に対する懲戒について、それぞれ準用する。」と定めている(同条後段に読替規定がある。)。そして、同法22条は、「調査士は、正当な事由がある場合でなければ、依頼(第三条第一項第四号及び第六号(第四号に関する部分に限る。)に規定する業務並びに民間紛争解決手続代理関係業務に関するものを除く。)を拒んではならない。」と定めている。協会の業務について同条が準用されるから、本肢は正しい。
エ 誤り。土地家屋調査士法64条の2第1項は、「協会の業務は、その主たる事務所の所在地を管轄する法務局又は地方法務局の長の監督に属する。」と定め、同条2項は、「前項の法務局又は地方法務局の長は、協会の業務の適正な実施を確保するため必要があると認めるときは、いつでも、当該業務及び協会の財産の状況を検査し、又は協会に対し、当該業務に関し監督上必要な命令をすることができる。」と定めている。協会の業務を監督し、業務及び財産の状況を検査するのは、その主たる事務所の所在地を管轄する法務局又は地方法務局の長であって、調査士会ではないから、本肢は誤りである。
オ 正しい。土地家屋調査士法66条は、「調査士会は、所属の会員が社員である協会に対し、その業務の執行に関し、必要な助言をすることができる。」と定めている。本肢は、同条のとおりである。
ポイント:協会は、官公署等の依頼を受けて、土地家屋調査士法3条1項1号から3号までの事務と、これらに関する相談(同項6号)を業務とするが、申請手続についての代理と書類等の作成(同項2号・3号)は、同項1号の調査又は測量を必要とする申請手続に関するものに限られる(同法64条1項)。協会は、その業務に係る事務を、調査士会に入会している調査士又は調査士法人でない者に取り扱わせてはならない(同条2項)。依頼に応ずる義務(同法22条)は協会の業務に準用され(同法65条)、協会の業務は主たる事務所の所在地を管轄する法務局又は地方法務局の長が監督し、その長は業務及び財産の状況の検査や監督上必要な命令をすることができる(同法64条の2)。調査士会は、所属の会員が社員である協会に対し、業務の執行に関して必要な助言をすることができる(同法66条)。「代理は調査又は測量を必要とする申請手続に限る」「監督は法務局又は地方法務局の長、調査士会は助言」を区別して覚える。
問題:
建物図面及び各階平面図に関する次の記述のうち、不動産登記規則及び不動産登記事務取扱手続準則(以下「準則」という。)の規定に照らし誤っているものはいくつあるか。
ア. 附属建物がある建物について建物図面及び各階平面図を作成する場合には、主である建物と附属建物とを別個の建物として、それぞれ建物図面及び各階平面図を作成しなければならない。
イ. 建物図面には、方位、縮尺、敷地の地番及びその形状並びに隣接地の地番を記録しなければならず、附属建物があるときは、主である建物又は附属建物の別及び附属建物の符号も記録しなければならない。
ウ. 各階平面図に各階の平面の形状を記録する場合において、1階以外の階層を表示するときは、1階の位置を表示することを要しない。
エ. 区分建物である建物が一棟の建物の1階以外の部分に存する場合において、その建物(その建物が2階以上である場合にあっては、その1階)の存する階層の形状が一棟の建物の1階の形状と異なるときは、建物図面には、点線をもってその建物が属する一棟の建物の1階の形状を明確にするほか、1点鎖線をもってその階層の形状も明確にするものとされている。
オ. 建物図面は500分の1の縮尺により、各階平面図は250分の1の縮尺により作成しなければならず、建物の状況その他の事情により当該縮尺によることが適当でないときであっても、これと異なる縮尺により作成することはできない。
答え:
誤っているものは、ア・ウ・オの3つである。
解説:
本問は、建物図面及び各階平面図の作成単位(不動産登記規則81条)、建物図面の内容(同規則82条、準則52条2項・3項)、各階平面図の内容(同規則83条、準則53条1項)及び建物図面及び各階平面図の縮尺(同規則82条3項・83条2項)を問うものであり、誤っているのはア・ウ・オの3つである。
ア 誤り。不動産登記規則81条は、「建物図面及び各階平面図は、一個の建物(附属建物があるときは、主である建物と附属建物を合わせて一個の建物とする。)ごとに作成しなければならない。」と定めている。附属建物があるときは、主である建物と附属建物を合わせて一個の建物として建物図面及び各階平面図を作成するから、本肢は誤りである。
イ 正しい。不動産登記規則82条1項は、「建物図面は、建物の敷地並びにその一階(区分建物にあっては、その地上の最低階)の位置及び形状を明確にするものでなければならない。」と定め、同条2項は、「建物図面には、方位、縮尺、敷地の地番及びその形状、隣接地の地番並びに附属建物があるときは主である建物又は附属建物の別及び附属建物の符号を記録しなければならない。」と定めている。本肢は、同項のとおりである。
ウ 誤り。不動産登記規則83条1項は、「各階平面図には、縮尺、各階の別、各階の平面の形状、一階の位置、各階ごとの建物の周囲の長さ、床面積及びその求積方法並びに附属建物があるときは主である建物又は附属建物の別及び附属建物の符号を記録しなければならない。」と定めている。そして、準則53条1項は、「規則第83条第1項の規定により各階平面図に各階の別、各階の平面の形状及び1階の位置、各階ごとの建物の周囲の長さを記録するには、次の例示のようにするものとする。この場合において、1階以外の階層を表示するときは、1階の位置を点線をもって表示するものとする。」と定めている。1階以外の階層を表示するときは、1階の位置を点線をもって表示するから、本肢は誤りである。
エ 正しい。準則52条2項は、「建物が区分建物である場合には、次の例示のように点線をもってその建物が属する一棟の建物の1階の形状も明確にするものとする。この場合において、その建物が1階以外の部分に存するときは、その存する階層を、例えば「建物の存する部分3階」、「建物の存する部分4階、5階」のように記録するものとする。」と定め、同条3項は、「前項後段の場合において、その建物(その建物が2階以上である場合にあっては、その1階)の存する階層の形状が一棟の建物の1階の形状と異なるときは、次の例示のように1点鎖線をもってその階層の形状も明確にするものとする。」と定めている。本肢は、これらの規定のとおりである。
オ 誤り。不動産登記規則82条3項は、「建物図面は、五百分の一の縮尺により作成しなければならない。ただし、建物の状況その他の事情により当該縮尺によることが適当でないときは、この限りでない。」と定め、同規則83条2項は、「各階平面図は、二百五十分の一の縮尺により作成しなければならない。ただし、建物の状況その他の事情により当該縮尺によることが適当でないときは、この限りでない。」と定めている。建物の状況その他の事情により当該縮尺によることが適当でないときは、これらの縮尺によらないことができるから、本肢は誤りである。
ポイント:建物図面及び各階平面図は、附属建物があるときは主である建物と合わせて一個の建物ごとに作成する(不動産登記規則81条)。建物図面は、建物の敷地並びにその1階(区分建物にあっては地上の最低階)の位置及び形状を明確にし、方位、縮尺、敷地の地番及びその形状、隣接地の地番並びに附属建物の別と符号を記録する(同規則82条1項・2項)。区分建物では点線で一棟の建物の1階の形状も明確にし、1階以外の部分に存するときは存する階層を記録し、その階層の形状が一棟の建物の1階の形状と異なるときは1点鎖線でその階層の形状も明確にする(準則52条2項・3項)。各階平面図には、縮尺、各階の別、各階の平面の形状、1階の位置、各階ごとの建物の周囲の長さ、床面積及びその求積方法並びに附属建物の別と符号を記録し(同規則83条1項)、1階以外の階層を表示するときは1階の位置を点線で表示する(準則53条1項)。縮尺は建物図面が500分の1、各階平面図が250分の1であるが、建物の状況その他の事情により適当でないときはこの限りでない(同規則82条3項・83条2項)。どの事項がどちらの図面の記録事項か、どの線種で何を表すかを、規則と準則の文言で区別する。
出題分野の振り分け
| 問 | 分野 | 主な論点 | 主な根拠条文 |
|---|---|---|---|
| 第1問 | 民法(総則・表見代理) | 日常の家事に関する代理権と110条の趣旨の類推、代理人が直接本人の名でした権限外の行為と110条の類推、代理権消滅後の表見代理と第三者の過失、追認後の新たな無権代理行為と110条・112条の類推適用、実印の所持と正当な理由 | 民法110条、112条、761条、最判昭44.12.18、最判昭44.12.19、最判昭45.12.24、最判昭45.12.15 |
| 第2問 | 民法(物権・共同抵当) | 同時配当と負担の按分、異時配当と次順位の抵当権者の代位の限度、同一の物上保証人の所有に属する場合の代位、債務者所有と物上保証人所有の不動産の後順位抵当権者相互の優劣、物上保証人所有の不動産の抵当権の放棄 | 民法392条、393条、最判平4.11.6、最判昭60.5.23、最判昭53.7.4、最判昭44.7.3 |
| 第3問 | 民法(相続・相続回復請求権) | 5年の期間の起算点、共同相続人間の相続権侵害と884条の適用、消滅時効を援用する者の立証事項、相続権を侵害する共同相続人からの譲受人による時効の援用、数次の相続と20年の期間の起算点 | 民法884条、最大判昭53.12.20、最判平11.7.19、最判平7.12.5、最判昭39.2.27、最判昭40.5.28 |
| 第4問 | 不動産登記法・不動産登記令・不動産登記規則(表示に関する登記の通則と地番) | 表題部にする表示に関する登記の記録事項、不動産番号と申請情報の一部の省略(他の登記所の表示・表題登記の申請等の例外)、行政区画・字の変更のみなし変更、地番区域と地番の起番、所有者の氏名等が登記事項となる不動産(共用部分である旨の登記がある建物の除外) | 不動産登記法27条、35条、不動産登記令3条7号、6条1項、不動産登記規則34条2項〜4項、89条、90条、92条、97条、98条 |
| 第5問 | 不動産登記法・不動産登記規則(建物の合体による登記等) | 合体前の三以上の建物の場合に併せて申請する所有権の登記、合体後の建物の甲区の記録事項、表題部所有者に関する登記事項の記録の要否、権利の消滅の登記と第三者の承諾、合体後に表題部所有者となった者の申請期間 | 不動産登記法49条1項・4項、50条、不動産登記規則120条1項・2項・5項・6項 |
| 第6問 | 不動産登記法・不動産登記規則(筆界特定の申請) | 筆界特定を必要とする理由として明らかにすべき事項、表題登記がない土地の所有者による申請、地方公共団体による申請の添付情報、筆界確定訴訟の係属と却下事由(確定判決との違い)、一般承継人による申請の申請情報と添付情報 | 不動産登記法123条1号・5号、131条、132条1項6号、不動産登記規則207条1項・2項3号・3項7号、209条1項3号・4号・7号 |
| 第7問 | 土地家屋調査士法(公共嘱託登記土地家屋調査士協会) | 協会の業務の範囲(調査又は測量を必要とする申請手続に限る代理)、業務に係る事務を取り扱わせることができる者、依頼に応ずる義務の準用、協会の業務の監督と検査、調査士会の助言 | 土地家屋調査士法3条1項、22条、64条、64条の2、65条、66条 |
| 第8問 | 不動産登記規則・準則(建物図面及び各階平面図) | 作成単位(主である建物と附属建物を合わせて一個)、建物図面の記録事項、各階平面図での1階の位置の点線表示、区分建物の建物図面の点線と1点鎖線、縮尺とただし書 | 不動産登記規則81条〜83条、準則52条2項・3項、53条1項 |