問題:
虚偽表示及び民法94条2項の類推適用に関する次の記述のうち、判例の趣旨に照らし誤っているものはいくつあるか。
ア. 甲が乙の承諾の下に乙名義で不動産を競落し、丙が善意で乙からこれを譲り受けた場合には、甲は、丙に対して、登記の欠缺を主張して当該不動産の所有権の取得を否定することはできない。
イ. 土地の仮装譲受人がその土地上に建物を建築してこれを他人に賃貸した場合には、その建物の賃借人は、民法94条2項に規定する第三者に当たるから、仮装譲渡人は、土地の仮装譲渡の無効をもって善意の建物の賃借人に対抗することができない。
ウ. 未登記建物の所有者が、その建物が固定資産課税台帳上他人の所有名義で登録されていることを知りながら、これを明示又は黙示に承認していた場合には、その所有者は、民法94条2項の類推適用により、その名義人が所有権を有しないことを善意の第三者に対抗することができない。
エ. 不動産について売買の予約がされていないのに、相通じてその予約を仮装して所有権移転請求権保全の仮登記をした場合において、外観上の仮登記権利者がほしいままにその仮登記に基づいて所有権の移転の本登記をしたときは、外観上の仮登記義務者は、その本登記の無効をもって善意の第三者に対抗することができず、その第三者に過失があるかどうかは問わない。
オ. 不動産の所有者Xから不動産の賃貸に係る事務等を任されていたAが、Xから交付を受けた登記済証、印鑑登録証明書等を利用してA名義の不実の所有権の移転の登記をした場合において、Xが、合理的な理由なく登記済証を数か月間にわたってAに預けたままにし、Aの言うままに印鑑登録証明書を交付した上、AがXの面前で登記申請書にXの実印を押捺したのにその内容を確認することなく漫然とこれを見ていたなどの事情の下では、Xは、Aから当該不動産を買い受けた善意無過失のYに対し、Aが当該不動産の所有権を取得していないことを主張することができない。
答え:
誤っているものは、イ・エの2つである。
解説:
本問は、虚偽表示の無効と第三者(民法94条)、同条2項の第三者と登記の欠缺、同項の第三者に当たらない者及び同項の類推適用等に関する判例を問うものであり、誤っているのはイ・エの2つである。民法94条1項は、「相手方と通じてした虚偽の意思表示は、無効とする。」と定め、同条2項は、「前項の規定による意思表示の無効は、善意の第三者に対抗することができない。」と定めている。
ア 正しい。最判昭和44年5月27日(民集23巻6号998頁)の裁判要旨は、「甲が乙の承諾のもとに乙名義で不動産を競落し、丙が善意で乙からこれを譲り受けた場合においては、甲は、丙に対して、登記の欠缺を主張して右不動産の所有権の取得を否定することはできない。」というものである。本肢は、この裁判要旨のとおりである。なお、同判決の参照法条には、民法94条2項とともに同法177条が掲げられている。同条は、「不動産に関する物権の得喪及び変更は、不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)その他の登記に関する法律の定めるところに従いその登記をしなければ、第三者に対抗することができない。」と定めている。
イ 誤り。最判昭和57年6月8日(集民136号57頁)の裁判要旨は、「土地の仮装譲受人からその建築にかかる右土地上の建物を賃借した者は、民法九四条二項所定の第三者にはあたらない。」というものである。土地の仮装譲受人から、その者が建築した建物を賃借した者は、民法94条2項の第三者に当たらないから、本肢は誤りである。
ウ 正しい。最判昭和48年6月28日(民集27巻6号724頁)の裁判要旨は、「未登記建物の所有者は、その建物が固定資産課税台帳上他人の所有名義で登録されていることを知りながら、これを明示または黙示に承認していた場合には、民法九四条二項の類推適用により、右名義人が所有権を有しないことを善意の第三者に対抗することができない。」というものである。本肢は、この裁判要旨のとおりである。なお、最判昭和45年4月16日(民集24巻4号266頁)の裁判要旨は、「未登記建物の所有者が、その建物につき家屋台帳上他人の所有名義で登録されていることを知りながら、これを明示または黙示に承認した場合には、その所有者は、右台帳上の名義人から権利の設定を受けた善意の第三者に対し、民法九四条二項の類推適用により、右名義人がその所有権を有しなかつたことをもつて、対抗することができない。」というものである。
エ 誤り。最判昭和43年10月17日(民集22巻10号2188頁)の裁判要旨は、「不動産について売買の予約がされていないのにかかわらず、相通じて、その予約を仮装して所有権移転請求権保全の仮登記手続をした場合において、外観上の仮登記権利者がほしいままに右仮登記に基づき、所有権移転の本登記手続をしたときは、外観上の仮登記義務者は、右本登記の無効をもつて善意無過失の第三者に対抗することができないと解すべきである。」というものであり、同判決の参照法条には、民法94条2項及び同法110条が掲げられている。外観上の仮登記義務者が本登記の無効を対抗することができないのは善意無過失の第三者であるから、第三者に過失があるかどうかは問わないとする本肢は誤りである。なお、民法110条は、「前条第一項本文の規定は、代理人がその権限外の行為をした場合において、第三者が代理人の権限があると信ずべき正当な理由があるときについて準用する。」と定めている。
オ 正しい。最判平成18年2月23日(民集60巻2号546頁)の裁判要旨は、「不動産の所有者であるXから当該不動産の賃貸に係る事務や他の土地の所有権移転登記手続を任せられていた甲が,Xから交付を受けた当該不動産の登記済証,印鑑登録証明書等を利用して当該不動産につき甲への不実の所有権移転登記を了した場合において,Xが,合理的な理由なく上記登記済証を数か月間にわたって甲に預けたままにし,甲の言うままに上記印鑑登録証明書を交付した上,甲がXの面前で登記申請書にXの実印を押捺したのにその内容を確認したり使途を問いただしたりすることなく漫然とこれを見ていたなど判示の事情の下では,Xには,不実の所有権移転登記がされたことについて自らこれに積極的に関与した場合やこれを知りながらあえて放置した場合と同視し得るほど重い帰責性があり,Xは,民法94条2項,110条の類推適用により,甲から当該不動産を買い受けた善意無過失のYに対し,甲が当該不動産の所有権を取得していないことを主張することができない。」というものである。本肢は、この裁判要旨の甲をAとして、その事情を要約したものであり、裁判要旨の結論のとおりである。
ポイント:相手方と通じてした虚偽の意思表示は無効であり、その無効は善意の第三者に対抗することができない(民法94条)。他人の承諾の下にその他人名義で不動産を競落した者は、その他人から善意で譲り受けた者に対し、登記の欠缺を主張して所有権の取得を否定することができない(最判昭44.5.27)。他方、土地の仮装譲受人からその者が建築した建物を賃借した者は、同条2項の第三者に当たらない(最判昭57.6.8)。未登記建物の所有者が台帳上の他人名義の登録を知りながら明示又は黙示に承認していた場合には、同項の類推適用により、善意の第三者に対抗することができない(家屋台帳につき最判昭45.4.16、固定資産課税台帳につき最判昭48.6.28)。これに対し、仮装の仮登記に基づいてほしいままに本登記がされた場合には、本登記の無効を善意無過失の第三者に対抗することができないとされ(最判昭43.10.17。参照法条は同法94条2項・110条)、所有者に不実の登記について自ら積極的に関与した場合等と同視し得るほど重い帰責性があるとされた事案では、同法94条2項・110条の類推適用により、善意無過失の買主に対し、名義人が所有権を取得していないことを主張することができないとされた(最判平18.2.23)。どの判例が「善意」の第三者とし、どの判例が「善意無過失」の第三者としているかを、事案とセットで押さえる。
問題:
根抵当権に関する次の記述のうち、民法の規定に照らし誤っているものはいくつあるか。
ア. 根抵当権の担保すべき不特定の債権の範囲は、債務者との特定の継続的取引契約によって生ずるものその他債務者との一定の種類の取引によって生ずるものに限定して定めなければならないから、手形上又は小切手上の請求権を根抵当権の担保すべき債権とすることはできない。
イ. 元本の確定前において根抵当権の担保すべき債権の範囲の変更をするには、後順位の抵当権者その他の第三者の承諾を得ることを要しないが、根抵当権の極度額の変更は、利害関係を有する者の承諾を得なければ、することができない。
ウ. 元本の確定前に根抵当権者から債権を取得した者は、その債権について根抵当権を行使することができないが、元本の確定前に債務者のために弁済をした者は、根抵当権を行使することができる。
エ. 担保すべき元本の確定すべき期日の定めがない場合において、根抵当権者が担保すべき元本の確定を請求したときは、担保すべき元本は、その請求の時から2週間を経過することによって確定する。
オ. 元本の確定後において現に存する債務の額が根抵当権の極度額を超えるときは、他人の債務を担保するためその根抵当権を設定した者は、その極度額に相当する金額を払い渡し又は供託して、その根抵当権の消滅請求をすることができる。
答え:
誤っているものは、ア・ウ・エの3つである。
解説:
本問は、根抵当権の担保すべき債権の範囲(民法398条の2)、被担保債権の範囲の変更と極度額の変更(同法398条の4・398条の5)、元本の確定前の被担保債権の譲渡等(同法398条の7)、元本の確定請求(同法398条の19)及び根抵当権の消滅請求(同法398条の22)を問うものであり、誤っているのはア・ウ・エの3つである。
ア 誤り。民法398条の2第2項は、「前項の規定による抵当権(以下「根抵当権」という。)の担保すべき不特定の債権の範囲は、債務者との特定の継続的取引契約によって生ずるものその他債務者との一定の種類の取引によって生ずるものに限定して、定めなければならない。」と定めている。しかし、同条3項は、「特定の原因に基づいて債務者との間に継続して生ずる債権、手形上若しくは小切手上の請求権又は電子記録債権(電子記録債権法(平成十九年法律第百二号)第二条第一項に規定する電子記録債権をいう。次条第二項において同じ。)は、前項の規定にかかわらず、根抵当権の担保すべき債権とすることができる。」と定めている。手形上又は小切手上の請求権も根抵当権の担保すべき債権とすることができるから、本肢は誤りである。なお、同条1項は、「抵当権は、設定行為で定めるところにより、一定の範囲に属する不特定の債権を極度額の限度において担保するためにも設定することができる。」と定めている。
イ 正しい。民法398条の4第1項は、「元本の確定前においては、根抵当権の担保すべき債権の範囲の変更をすることができる。債務者の変更についても、同様とする。」と定め、同条2項は、「前項の変更をするには、後順位の抵当権者その他の第三者の承諾を得ることを要しない。」と定めている。他方、同法398条の5は、「根抵当権の極度額の変更は、利害関係を有する者の承諾を得なければ、することができない。」と定めている。本肢は、これらの規定のとおりである。なお、同法398条の4第3項は、「第一項の変更について元本の確定前に登記をしなかったときは、その変更をしなかったものとみなす。」と定めている。
ウ 誤り。民法398条の7第1項は、「元本の確定前に根抵当権者から債権を取得した者は、その債権について根抵当権を行使することができない。元本の確定前に債務者のために又は債務者に代わって弁済をした者も、同様とする。」と定めている。元本の確定前に債務者のために弁済をした者も根抵当権を行使することができないから、本肢は誤りである。
エ 誤り。民法398条の19第2項は、「根抵当権者は、いつでも、担保すべき元本の確定を請求することができる。この場合において、担保すべき元本は、その請求の時に確定する。」と定めている。根抵当権者が確定を請求したときは、担保すべき元本は請求の時に確定するから、本肢は誤りである。請求の時から2週間を経過することによって確定するのは、根抵当権設定者が請求した場合であり、同条1項は、「根抵当権設定者は、根抵当権の設定の時から三年を経過したときは、担保すべき元本の確定を請求することができる。この場合において、担保すべき元本は、その請求の時から二週間を経過することによって確定する。」と定めている。また、同条3項は、「前二項の規定は、担保すべき元本の確定すべき期日の定めがあるときは、適用しない。」と定めている。
オ 正しい。民法398条の22第1項は、「元本の確定後において現に存する債務の額が根抵当権の極度額を超えるときは、他人の債務を担保するためその根抵当権を設定した者又は抵当不動産について所有権、地上権、永小作権若しくは第三者に対抗することができる賃借権を取得した第三者は、その極度額に相当する金額を払い渡し又は供託して、その根抵当権の消滅請求をすることができる。この場合において、その払渡し又は供託は、弁済の効力を有する。」と定めている。本肢は、同項のとおりである。
ポイント:根抵当権の担保すべき不特定の債権の範囲は、債務者との特定の継続的取引契約又は一定の種類の取引によって生ずるものに限定して定めるのが原則であるが、特定の原因に基づいて継続して生ずる債権、手形上若しくは小切手上の請求権又は電子記録債権は、その限定にかかわらず担保すべき債権とすることができる(民法398条の2第2項・3項)。元本の確定前の被担保債権の範囲・債務者の変更には後順位の抵当権者その他の第三者の承諾を要しないが、極度額の変更には利害関係を有する者の承諾を要する(同法398条の4第1項・2項、398条の5)。元本の確定前に債権を取得した者や、債務者のために又は債務者に代わって弁済をした者は、根抵当権を行使することができない(同法398条の7第1項)。確定期日の定めがないとき、根抵当権設定者は設定の時から3年を経過すれば確定を請求でき、元本は請求の時から2週間の経過で確定するが、根抵当権者はいつでも請求でき、元本は請求の時に確定する(同法398条の19)。元本の確定後に現に存する債務の額が極度額を超えるときは、他人の債務を担保するため根抵当権を設定した者や、抵当不動産について所有権、地上権、永小作権若しくは第三者に対抗することができる賃借権を取得した第三者は、極度額に相当する金額を払い渡し又は供託して消滅請求をすることができる(同法398条の22第1項)。「承諾が要るのは極度額の変更」「2週間がかかるのは設定者からの請求」の2点を条文で区別する。
問題:
公正証書遺言及び秘密証書遺言の方式に関する次の記述のうち、民法の規定に照らし正しいものはいくつあるか。
ア. 公正証書によって遺言をするには、証人2人以上の立会いがあること及び遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授することを要し、その公正証書は、公証人法の定めるところにより作成するものとされている。
イ. 口がきけない者が公正証書によって遺言をする場合には、遺言者は、公証人及び証人の前で、遺言の趣旨を自書して口授に代えなければならず、通訳人の通訳により申述して口授に代えることはできない。
ウ. 秘密証書によって遺言をするには、遺言者が、その証書に署名し、印を押し、その証書を封じて封印しなければならないが、その封印に用いる印章は、証書に用いた印章と同一のものであることを要しない。
エ. 秘密証書による遺言は、公証人がその証書を提出した日付及び遺言者の申述を封紙に記載しなかったために民法970条に定める方式に欠けるものであっても、同法968条に定める方式を具備しているときは、自筆証書による遺言としてその効力を有する。
オ. 口がきけない者が秘密証書によって遺言をする場合において、遺言者が、その証書は自己の遺言書である旨並びにその筆者の氏名及び住所を封紙に自書して民法970条1項3号の申述に代えたときは、公証人は、その旨を封紙に記載して、同項4号に規定する申述の記載に代えなければならない。
答え:
正しいものは、ア・エ・オの3つである。
解説:
本問は、公正証書遺言の方式(民法969条)、口がきけない者の公正証書遺言の方式の特則(同法969条の2)、秘密証書遺言の方式(同法970条)、方式に欠ける秘密証書遺言の効力(同法971条)及び口がきけない者の秘密証書遺言の方式の特則(同法972条)を問うものであり、正しいのはア・エ・オの3つである。
ア 正しい。民法969条1項は、「公正証書によって遺言をするには、次に掲げる方式に従わなければならない。」と定め、1号で「証人二人以上の立会いがあること。」を、2号で「遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授すること。」を掲げている。そして、同条2項は、「前項の公正証書は、公証人法(明治四十一年法律第五十三号)の定めるところにより作成するものとする。」と定めている。本肢は、これらの規定のとおりである。なお、同条3項は、「第一項第一号の証人については、公証人法第三十条に規定する証人とみなして、同法の規定(同法第三十五条第三項の規定を除く。)を適用する。」と定めている。
イ 誤り。民法969条の2第1項は、「口がきけない者が公正証書によって遺言をする場合には、遺言者は、公証人及び証人の前で、遺言の趣旨を通訳人の通訳により申述し、又は自書して、前条第一項第二号の口授に代えなければならない。」と定めている。口がきけない者は、遺言の趣旨を通訳人の通訳により申述して口授に代えることもできるから、本肢は誤りである。なお、同条2項は、「公証人は、前項に定める方式に従って公正証書を作ったときは、その旨をその証書に記載し、又は記録しなければならない。」と定めている。
ウ 誤り。民法970条1項は、「秘密証書によって遺言をするには、次に掲げる方式に従わなければならない。」と定め、1号で「遺言者が、その証書に署名し、印を押すこと。」を、2号で「遺言者が、その証書を封じ、証書に用いた印章をもってこれに封印すること。」を掲げている。封印は証書に用いた印章をもってしなければならないから、本肢は誤りである。なお、同項は、3号で「遺言者が、公証人一人及び証人二人以上の前に封書を提出して、自己の遺言書である旨並びにその筆者の氏名及び住所を申述すること。」を、4号で「公証人が、その証書を提出した日付及び遺言者の申述を封紙に記載した後、遺言者及び証人とともにこれに署名し、印を押すこと。」を掲げ、同条2項は、「第九百六十八条第三項の規定は、秘密証書による遺言について準用する。」と定めている。また、令和8年法律第45号(民法等の一部を改正する法律)により、同法970条1項は、1号が「遺言者が、その証書に署名すること。」、2号が「遺言者が、その証書に封をすること。」、4号が「公証人が、その証書を提出した日付及び遺言者の申述を封紙に記載した後、これに印を押し、遺言者及び証人とともにこれに署名すること。」と改められ(自筆証書遺言について定める同法968条も、遺言者の押印を要しない形に改められる。)、遺言者の押印と証書に用いた印章による封印は方式から外れることになるが、これらの改正規定は、公布の日(令和8年6月24日)から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日から施行されるものである。令和8年度の試験の解答に当たり適用すべき法令等は、令和8年4月1日現在において施行されているもの(同日が施行日とされているものを含む。)とされているから、本肢は、本解説のとおり現行の規定によって判断することになる。
エ 正しい。民法971条は、「秘密証書による遺言は、前条に定める方式に欠けるものがあっても、第九百六十八条に定める方式を具備しているときは、自筆証書による遺言としてその効力を有する。」と定めている。公証人が証書を提出した日付及び遺言者の申述を封紙に記載しなかったときは、同法970条1項4号の方式に欠けることになるが、同法968条に定める方式を具備しているときは、同法971条により自筆証書による遺言としてその効力を有するから、本肢は正しい。なお、同法968条1項は、「自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならない。」と定めている。
オ 正しい。民法972条1項は、「口がきけない者が秘密証書によって遺言をする場合には、遺言者は、公証人及び証人の前で、その証書は自己の遺言書である旨並びにその筆者の氏名及び住所を通訳人の通訳により申述し、又は封紙に自書して、第九百七十条第一項第三号の申述に代えなければならない。」と定め、同条3項は、「第一項の場合において、遺言者が封紙に自書したときは、公証人は、その旨を封紙に記載して、第九百七十条第一項第四号に規定する申述の記載に代えなければならない。」と定めている。本肢は、これらの規定のとおりである。なお、同条2項は、「前項の場合において、遺言者が通訳人の通訳により申述したときは、公証人は、その旨を封紙に記載しなければならない。」と定めている。
ポイント:公正証書遺言は、証人2人以上の立会いと遺言の趣旨の公証人への口授を要し、公正証書は公証人法の定めるところにより作成する(民法969条1項・2項)。口がきけない者は、公正証書遺言では遺言の趣旨を、秘密証書遺言では自己の遺言書である旨並びに筆者の氏名及び住所を、通訳人の通訳による申述又は自書によって、口授又は申述に代える(同法969条の2第1項、972条1項。秘密証書遺言で封紙に自書したときは、公証人がその旨を封紙に記載して申述の記載に代える。同条3項)。秘密証書遺言は、遺言者の署名・押印、証書に用いた印章による封印、公証人1人及び証人2人以上の前での封書の提出と申述、公証人による日付と申述の封紙への記載及び遺言者・証人とともにする署名・押印を要し(同法970条1項)、これらの方式に欠けるものがあっても、自筆証書遺言の方式(同法968条)を具備していれば自筆証書遺言としての効力を有する(同法971条)。「封印は証書に用いた印章で」「口がきけない者は通訳又は自書のどちらでもよい」の2点を条文の文言で確かめる。
問題:
建物の表題登記の申請に関する次の記述のうち、不動産登記法の規定に照らし正しいものはいくつあるか。
ア. 区分建物でない建物を新築したAから、当該建物の表題登記がされる前に当該建物を買い受けたBは、その所有権の取得の日から1月以内に、当該建物の表題登記を申請しなければならない。
イ. 表題登記がある建物(区分建物を除く。)に接続して区分建物が新築された場合において、当該表題登記がある建物の表題部所有者Cが既に死亡しているときは、当該区分建物の所有者Dは、Cの相続人に代わって、当該表題登記がある建物についての表題部の変更の登記を申請することはできない。
ウ. 区分建物である建物を新築してその所有権を取得した者が、正当な理由がないのに、その所有権の取得の日から1月以内に当該建物の表題登記の申請を怠ったときは、10万円以下の過料に処せられる。
エ. 区分建物でない建物を新築したAが、その表題登記を申請しないまま死亡した場合には、Aの相続人Bは、不動産登記法47条2項の規定により、Aを表題部所有者とする当該建物についての表題登記を申請することができる。
オ. 表題登記がない建物(区分建物を除く。)に接続して区分建物が新築されて一棟の建物となった場合における当該区分建物についての表題登記の申請は、当該区分建物が属することとなった一棟の建物に属する他の区分建物についての表題登記の申請と併せてしなければならない。
答え:
正しいものは、ア・ウ・オの3つである。
解説:
本問は、建物の表題登記の申請義務(不動産登記法47条1項)、区分建物の新築者の一般承継人による表題登記の申請(同条2項)、区分建物についての建物の表題登記の申請方法(同法48条1項・3項・4項)及び申請を怠った場合の過料(同法164条1項)を問うものであり、正しいのはア・ウ・オの3つである。
ア 正しい。不動産登記法47条1項は、「新築した建物又は区分建物以外の表題登記がない建物の所有権を取得した者は、その所有権の取得の日から一月以内に、表題登記を申請しなければならない。」と定めている。Bは、区分建物以外の表題登記がない建物の所有権を取得した者に当たるから、その所有権の取得の日から1月以内に表題登記を申請しなければならず、本肢は正しい。
イ 誤り。不動産登記法48条3項は、「表題登記がある建物(区分建物を除く。)に接続して区分建物が新築された場合における当該区分建物についての表題登記の申請は、当該表題登記がある建物についての表題部の変更の登記の申請と併せてしなければならない。」と定め、同条4項は、「前項の場合において、当該区分建物の所有者は、当該表題登記がある建物の表題部所有者若しくは所有権の登記名義人又はこれらの者の相続人その他の一般承継人に代わって、当該表題登記がある建物についての表題部の変更の登記を申請することができる。」と定めている。区分建物の所有者Dは、表題部所有者Cの相続人に代わって表題部の変更の登記を申請することができるから、本肢は誤りである。
ウ 正しい。不動産登記法47条1項は、ア記載のとおり、「新築した建物又は区分建物以外の表題登記がない建物の所有権を取得した者」に表題登記の申請義務を課している。同項の「区分建物以外の」は、「又は」の後に置かれて「表題登記がない建物」を限定する文言であり、「新築した建物」には区分建物も含まれるから、区分建物を新築してその所有権を取得した者も、その所有権の取得の日から1月以内に表題登記を申請しなければならない。同条2項が、区分建物である建物を新築した場合において、その所有者について一般承継があったときに、一般承継人も被承継人を表題部所有者とする表題登記を申請することができると定めているのも、区分建物を新築した者が表題登記の申請をする者であることを前提としたものである。そして、同法164条1項は、同法47条1項(同法49条2項において準用する場合を含む。)の規定による申請をすべき義務がある者が正当な理由がないのにその申請を怠ったときは、10万円以下の過料に処すると定めている。本肢は正しい。
エ 誤り。不動産登記法47条2項は、「区分建物である建物を新築した場合において、その所有者について相続その他の一般承継があったときは、相続人その他の一般承継人も、被承継人を表題部所有者とする当該建物についての表題登記を申請することができる。」と定めている。同項は、区分建物である建物を新築した場合についての規定であり、区分建物でない建物を新築した場合には適用されないから、同項の規定によりAを表題部所有者とする表題登記を申請することができるとする本肢は誤りである。
オ 正しい。不動産登記法48条1項は、「区分建物が属する一棟の建物が新築された場合又は表題登記がない建物に接続して区分建物が新築されて一棟の建物となった場合における当該区分建物についての表題登記の申請は、当該新築された一棟の建物又は当該区分建物が属することとなった一棟の建物に属する他の区分建物についての表題登記の申請と併せてしなければならない。」と定めている。本肢は、同項のとおりである。なお、同条2項は、「前項の場合において、当該区分建物の所有者は、他の区分建物の所有者に代わって、当該他の区分建物についての表題登記を申請することができる。」と定めている。
ポイント:新築した建物の所有権を取得した者と、区分建物以外の表題登記がない建物の所有権を取得した者は、その所有権の取得の日から1月以内に表題登記を申請しなければならず(不動産登記法47条1項)、これを正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象となる(同法164条1項)。区分建物の新築者に一般承継があったときに一般承継人が被承継人を表題部所有者として表題登記を申請できるとする規定は、区分建物についてのものである(同法47条2項)。一棟の建物が新築された場合や表題登記がない建物に接続して区分建物が新築された場合は他の区分建物の表題登記と併せて申請し(同法48条1項)、表題登記がある区分建物でない建物に接続して区分建物が新築された場合はその建物の表題部の変更の登記と併せて申請する(同条3項)。区分建物の所有者は、他の区分建物の所有者や、表題登記がある建物の表題部所有者・所有権の登記名義人又はこれらの者の一般承継人に代わって申請することができる(同条2項・4項)。「区分建物以外の」がどの語にかかるか、47条2項が区分建物に限られることを、条文の文言で確かめる。
問題:
分筆の登記の申請において提供する地積測量図及び分筆の登記の記録方法に関する次の記述のうち、不動産登記法、不動産登記規則及び不動産登記事務取扱手続準則(以下「準則」という。)の規定に照らし誤っているものはいくつあるか。
ア. 抵当権の設定の登記がある甲土地から乙土地を分筆する分筆の登記をする場合において、不動産登記法40条の規定により乙土地について当該抵当権が消滅した旨の登記をするときは、登記官は、乙土地の登記記録に当該抵当権の設定の登記を転写した上で、乙土地の登記記録の当該登記についてする付記登記によって当該抵当権が消滅した旨を記録しなければならない。
イ. 分筆の登記を申請する場合において提供する分筆後の土地の地積測量図には、分筆前の土地を図示し、分筆線を明らかにして分筆後の各土地を表示し、これに符号を付さなければならず、その符号は、①②③、(イ)(ロ)(ハ)、ABC等適宜の符号を用いて差し支えない。
ウ. 登記官は、甲土地から乙土地を分筆する分筆の登記をする場合において、甲土地の登記記録の表題部に不動産登記規則101条2項の規定による記録をするときは、地番、地目及び地積のうち変更する事項のみを記録し、所在欄には何らの記録を要しない。
エ. 分筆の登記を申請する場合において、分筆前の土地が広大な土地であって、分筆後の土地の一方がわずかであるなど特別の事情があるときは、分筆後の土地のうち1筆の土地について、その地積を含め、不動産登記規則77条1項5号から8号までに掲げる事項を地積測量図に記録することを便宜省略して差し支えない。
オ. 地上権の設定の登記がある甲土地から乙土地を分筆する分筆の登記をする場合(不動産登記法40条の規定による権利が消滅した旨の登記をする場合を除く。)には、登記官は、乙土地の登記記録の権利部の相当区に当該地上権の登記を転写し、分筆後の甲土地が共にその権利の目的である旨を記録しなければならない。
答え:
誤っているものは、ア・エの2つである。
解説:
本問は、分筆に伴う権利の消滅の登記の記録方法(不動産登記法40条、不動産登記規則104条2項)、分筆後の土地の地積測量図の表示と符号(同規則78条、準則51条1項)、分筆の登記における表題部の記録方法(同規則101条、準則74条1項)、地積測量図の記録事項の便宜省略(準則72条2項、同規則77条1項)及び分筆の登記における権利部の記録方法(同規則102条1項・3項)を問うものであり、誤っているのはア・エの2つである。
ア 誤り。不動産登記法40条は、所有権の登記以外の権利に関する登記がある土地について分筆の登記をする場合において、当該権利の登記名義人が当該権利を分筆後のいずれかの土地について消滅させることを承諾したことを証する情報等が提供されたときは、法務省令で定めるところにより、当該承諾に係る土地について当該権利が消滅した旨を登記しなければならないと定めている。そして、不動産登記規則104条2項は、「甲土地から乙土地を分筆する分筆の登記をする場合において、法第四十条の規定により乙土地について権利が消滅した旨の登記をするときは、分筆後の甲土地の登記記録の当該権利に関する登記についてする付記登記によって乙土地について当該権利が消滅した旨を記録しなければならない。この場合には、第百二条第一項の規定にかかわらず、当該消滅した権利に係る権利に関する登記を乙土地の登記記録に転写することを要しない。」と定めている。乙土地について権利が消滅した旨は、分筆後の甲土地の登記記録の当該権利に関する登記についてする付記登記によって記録し、乙土地の登記記録への転写は要しないから、本肢は誤りである。なお、同条3項は、法40条の規定により分筆後の甲土地について権利が消滅した旨の登記をするときは、分筆後の甲土地の登記記録の当該権利に関する登記についてする付記登記によって分筆後の甲土地について当該権利が消滅した旨を記録し、当該権利に関する登記を抹消する記号を記録しなければならないと定めている。
イ 正しい。不動産登記規則78条は、「分筆の登記を申請する場合において提供する分筆後の土地の地積測量図には、分筆前の土地を図示し、分筆線を明らかにして分筆後の各土地を表示し、これに符号を付さなければならない。」と定めている。そして、準則51条1項は、「規則第78条の規定により地積測量図に付する分筆後の各土地の符号は、①②③、(イ)(ロ)(ハ)、ABC等適宜の符号を用いて差し支えない。」と定めている。本肢は、これらの規定のとおりである。
ウ 正しい。不動産登記規則101条2項は、「登記官は、前項の場合には、甲土地に新たな地番を付し、甲土地の登記記録に、残余部分の土地の表題部の登記事項、何番の土地を分筆した旨及び従前の土地の表題部の登記事項の変更部分を抹消する記号を記録しなければならない。」と定めている。そして、準則74条1項は、「甲土地から乙土地を分筆する分筆の登記をする場合において、規則第101条第2項の規定による記録をするときは、甲土地の登記記録の表題部に、地番、地目及び地積のうち変更する事項のみを記録し(所在欄には、何らの記録を要しない。)、原因及びその日付欄に、変更を要する事項の事項欄の番号を冠記して、「①③何番何、何番何に分筆」(又は「③何番何ないし何番何に分筆」)のように記録するものとする。」と定めている。本肢は、これらの規定のとおりである。なお、同規則101条3項は、登記官は分筆後の甲土地について従前の地番と同一の地番を付すことができ、この場合には甲土地の登記記録の表題部の従前の地番を抹消する記号を記録することを要しないと定めている。
エ 誤り。準則72条2項は、「分筆の登記を申請する場合において提供する分筆後の土地の地積測量図には、分筆前の土地が広大な土地であって、分筆後の土地の一方がわずかであるなど特別の事情があるときに限り、分筆後の土地のうち1筆の土地について規則第77条第1項第5号から第8号までに掲げる事項(同項第5号の地積を除く。)を記録することを便宜省略して差し支えない。」と定めている。不動産登記規則77条1項は、5号で「地積及びその求積方法」、6号で「筆界点間の距離」、7号で「国土調査法施行令第二条第一項第一号に規定する平面直角座標系の番号又は記号」、8号で「基本三角点等に基づく測量の成果による筆界点の座標値」を掲げている。便宜省略の対象から同項5号の地積は除かれているから、その地積を含めて記録を省略して差し支えないとする本肢は誤りである。なお、準則72条1項は、「分筆の登記を申請する場合において、分筆前の地積と分筆後の地積の差が、分筆前の地積を基準にして規則第77条第5項の規定による地積測量図の誤差の限度内であるときは、地積に関する更正の登記の申請を要しない。」と定めている。
オ 正しい。不動産登記規則102条1項は、「登記官は、前条の場合において、乙土地の登記記録の権利部の相当区に、甲土地の登記記録から権利に関する登記(地役権の登記にあっては、乙土地に地役権が存続することとなる場合に限る。)を転写し、かつ、分筆の登記に係る申請の受付の年月日及び受付番号を記録しなければならない。この場合において、所有権及び担保権以外の権利(地役権を除く。)については分筆後の甲土地が共にその権利の目的である旨を記録し、担保権については既にその権利についての共同担保目録が作成されているときを除き共同担保目録を作成し、転写した権利の登記の末尾にその共同担保目録の記号及び目録番号を記録しなければならない。」と定めている。地上権は所有権及び担保権以外の権利(地役権を除く。)に当たるから、本肢は、同項のとおりである。なお、同条3項は、甲土地の登記記録から乙土地の登記記録に所有権以外の権利に関する登記を転写したときは、分筆後の甲土地の登記記録の当該権利に関する登記に、担保権以外の権利(地役権を除く。)については乙土地が共にその権利の目的である旨を記録しなければならないと定めている。
ポイント:分筆後の土地の地積測量図には、分筆前の土地を図示し、分筆線を明らかにして分筆後の各土地を表示し、符号を付す(不動産登記規則78条)。符号は①②③、(イ)(ロ)(ハ)、ABC等適宜のものでよい(準則51条1項)。広大な土地からわずかな土地を分筆するなど特別の事情があるときに限り、分筆後の1筆について同規則77条1項5号から8号までの事項の記録を便宜省略できるが、地積は省略の対象から除かれている(準則72条2項)。分筆の登記では、乙土地について新たな登記記録を作成し(同規則101条1項)、甲土地の登記記録の表題部には変更する事項のみを記録して所在欄には記録を要しない(同条2項、準則74条1項)。権利に関する登記は乙土地の登記記録に転写し(地役権の登記は、乙土地に地役権が存続することとなる場合に限る。)、地上権など所有権及び担保権以外の権利(地役権を除く。)については甲乙両土地が共にその権利の目的である旨を記録する(同規則102条1項・3項)。法40条により乙土地について権利が消滅した旨の登記は、分筆後の甲土地の登記記録の当該権利に関する登記の付記登記でし、乙土地の登記記録には転写しない(同規則104条2項)。どの登記記録に何を記録するかと、便宜省略から除かれる事項を、条文の括弧書まで読んで確かめる。
問題:
筆界特定書並びに筆界特定の通知及び筆界特定手続記録に関する次の記述のうち、不動産登記法及び不動産登記規則の規定に照らし正しいものはいくつあるか。
ア. 筆界特定書において筆界特定の内容を表示する図面上の点の現地における位置は、平面直角座標系の番号又は記号及び基本三角点等に基づく測量の成果による筆界点の座標値によって示すものとされており、近傍に基本三角点等が存しない場合その他の基本三角点等に基づく測量ができない特別の事情がある場合であっても、近傍の恒久的な地物に基づく測量の成果による筆界点の座標値によって示すことはできない。
イ. 対象土地が同一の法務局又は地方法務局の管轄区域内にある二以上の登記所の管轄区域にまたがる場合には、筆界特定登記官は、筆界特定の手続が終了したときは、対象土地の所在地を管轄する各登記所に、それぞれ筆界特定手続記録を送付しなければならない。
ウ. 筆界特定書が電磁的記録をもって作成されている場合において、筆界特定登記官が筆界特定の申請人に対して筆界特定書の内容を通知するときは、電磁的記録をもって作成された筆界特定書の内容を証明した書面を交付する方法によるものとされ、その交付は、送付の方法によりすることができる。
エ. 筆界特定書には、手続番号、対象土地に係る不動産所在事項及び不動産番号、結論、理由の要旨並びに申請人の氏名又は名称及び住所を記録するものとされているが、申請人の代理人があるときであっても、その代理人の氏名又は名称を記録することは要しない。
オ. 何人も、登記官に対し、手数料を納付して、筆界特定書等の写しの交付を請求することができるが、筆界特定書等以外の筆界特定手続記録の閲覧は、請求人が利害関係を有する部分に限られ、その閲覧の請求をするときは、利害関係がある理由を証する書面を提示しなければならない。
答え:
正しいものは、ウ・オの2つである。
解説:
本問は、筆界特定書の図面上の点の位置を示す方法(不動産登記法143条2項、不動産登記規則231条5項)、筆界特定手続記録の送付(同法145条、同規則233条1項・3項)、筆界特定の申請人に対する通知の方法(同法144条1項、同規則232条2項・4項)、筆界特定書の記録事項(同法143条1項、同規則231条1項)及び筆界特定書等の写しの交付と筆界特定手続記録の閲覧(同法149条1項・2項、同規則238条2項・3項)を問うものであり、正しいのはウ・オの2つである。
ア 誤り。不動産登記法143条2項は、「筆界特定書においては、図面及び図面上の点の現地における位置を示す方法として法務省令で定めるものにより、筆界特定の内容を表示しなければならない。」と定めている。そして、不動産登記規則231条5項は、「法第百四十三条第二項の図面上の点の現地における位置を示す方法として法務省令で定めるものは、国土調査法施行令第二条第一項第一号に規定する平面直角座標系の番号又は記号及び基本三角点等に基づく測量の成果による筆界点の座標値とする。ただし、近傍に基本三角点等が存しない場合その他の基本三角点等に基づく測量ができない特別の事情がある場合にあっては、近傍の恒久的な地物に基づく測量の成果による筆界点の座標値とする。」と定めている。特別の事情がある場合には、近傍の恒久的な地物に基づく測量の成果による筆界点の座標値によるから、本肢は誤りである。
イ 誤り。不動産登記法145条は、「前条第一項の規定により筆界特定の申請人に対する通知がされた場合における筆界特定の手続の記録(以下「筆界特定手続記録」という。)は、対象土地の所在地を管轄する登記所において保管する。」と定め、不動産登記規則233条1項は、「筆界特定登記官は、筆界特定の手続が終了したときは、遅滞なく、対象土地の所在地を管轄する登記所に筆界特定手続記録を送付しなければならない。」と定めている。そして、同条3項は、「対象土地が二以上の登記所の管轄区域にまたがる場合(前項に規定する場合を除く。)には、第一項の規定による送付は、法務局又は地方法務局の長が指定する登記所に対してするものとする。この場合には、筆界特定登記官は、当該二以上の登記所のうち法務局又は地方法務局の長が指定した登記所以外の登記所に筆界特定書等の写しを送付しなければならない。」と定めている。筆界特定手続記録は法務局又は地方法務局の長が指定する登記所に送付し、それ以外の登記所には筆界特定書等の写しを送付するから、各登記所にそれぞれ筆界特定手続記録を送付するとする本肢は誤りである。なお、同条2項は、対象土地が二以上の法務局又は地方法務局の管轄区域にまたがる場合の送付先について定めている。
ウ 正しい。不動産登記法144条1項は、「筆界特定登記官は、筆界特定をしたときは、遅滞なく、筆界特定の申請人に対し、筆界特定書の写しを交付する方法(筆界特定書が電磁的記録をもって作成されているときは、法務省令で定める方法)により当該筆界特定書の内容を通知するとともに、法務省令で定めるところにより、筆界特定をした旨を公告し、かつ、関係人に通知しなければならない。」と定めている。そして、不動産登記規則232条2項は、「法第百四十四条第一項の法務省令で定める方法は、電磁的記録をもって作成された筆界特定書の内容を証明した書面を交付する方法とする。」と定め、同条4項は、「法第百四十四条第一項の規定による筆界特定書の写し(第二項の書面を含む。)の交付は、送付の方法によりすることができる。」と定めている。本肢は、これらの規定のとおりである。なお、同法143条3項は、「筆界特定書は、電磁的記録をもって作成することができる。」と定めている。
エ 誤り。不動産登記規則231条1項は、「筆界特定書には、次に掲げる事項を記録するものとする。」と定め、1号で「手続番号」、2号で「対象土地に係る不動産所在事項及び不動産番号(表題登記がない土地にあっては、法第三十四条第一項第一号に掲げる事項及び当該土地を特定するに足りる事項)」、3号で「結論」、4号で「理由の要旨」、5号で「申請人の氏名又は名称及び住所」、6号で「申請人の代理人があるときは、その氏名又は名称」、7号で「筆界調査委員の氏名」、8号で「筆界特定登記官の所属する法務局又は地方法務局の表示」を掲げている。申請人の代理人があるときは、その氏名又は名称も記録するものとされているから、本肢は誤りである。
オ 正しい。不動産登記法149条1項は、「何人も、登記官に対し、手数料を納付して、筆界特定手続記録のうち筆界特定書又は政令で定める図面の全部又は一部(以下この条及び第百五十四条において「筆界特定書等」という。)の写し(筆界特定書等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該記録された情報の内容を証明した書面)の交付を請求することができる。」と定め、同条2項は、「何人も、登記官に対し、手数料を納付して、筆界特定手続記録(電磁的記録にあっては、記録された情報の内容を法務省令で定める方法により表示したもの)の閲覧を請求することができる。ただし、筆界特定書等以外のものについては、請求人が利害関係を有する部分に限る。」と定めている。そして、不動産登記規則238条2項は、筆界特定書等以外の筆界特定手続記録の閲覧の請求をするときは、同法149条2項ただし書の利害関係を有する理由及び閲覧する部分等を請求情報の内容とすると定め、同条3項は、「前項の閲覧の請求をするときは、同項第四号の利害関係がある理由を証する書面を提示しなければならない。」と定めている。本肢は、これらの規定のとおりである。
ポイント:筆界特定書には結論と理由の要旨を記載し(不動産登記法143条1項)、図面と図面上の点の現地における位置を示す方法により筆界特定の内容を表示する(同条2項)。その位置は平面直角座標系の番号又は記号と基本三角点等に基づく筆界点の座標値で示し、特別の事情がある場合は近傍の恒久的な地物に基づく座標値による(不動産登記規則231条5項)。筆界特定書の記録事項には、手続番号、不動産所在事項及び不動産番号、結論、理由の要旨、申請人の氏名等のほか、申請人の代理人の氏名等、筆界調査委員の氏名、筆界特定登記官の所属が含まれる(同条1項)。申請人への通知は筆界特定書の写しの交付(電磁的記録で作成されたときは内容を証明した書面の交付)により、送付の方法によることもできる(同法144条1項、同規則232条2項・4項)。筆界特定手続記録は対象土地の所在地を管轄する登記所で保管し(同法145条)、二以上の登記所にまたがるときは指定された登記所に記録を、他の登記所には筆界特定書等の写しを送付する(同規則233条3項)。筆界特定書等の写しの交付は何人も請求できるが、それ以外の記録の閲覧は利害関係を有する部分に限られ、利害関係がある理由を証する書面を提示する(同法149条、同規則238条3項)。ただし書・括弧書で例外が置かれている箇所を、条文の文言で押さえる。
問題:
土地家屋調査士名簿の登録の申請、登録の拒否及び登録の取消しに関する次の記述のうち、土地家屋調査士法の規定に照らし誤っているものはいくつあるか。なお、「調査士」とは土地家屋調査士を、「調査士会連合会」とは日本土地家屋調査士会連合会をいう。
ア. 調査士となる資格を有する者が土地家屋調査士名簿の登録を受けようとするときは、登録申請書に、登録を受けるべき事項その他法務省令で定める事項を記載し、調査士となる資格を有することを証する書類を添付しなければならない。
イ. 調査士会連合会は、登録の申請をした者が土地家屋調査士法52条1項の規定による入会の手続をとらないことを理由にその登録を拒否しようとするときは、登録審査会の議決に基づいてしなければならず、かつ、あらかじめ、当該申請者にその旨を通知して、相当の期間内に自ら又はその代理人を通じて弁明する機会を与えなければならない。
ウ. 調査士会連合会は、登録の申請を受けた場合において、登録を拒否したときはその旨及びその理由を当該申請者に書面により通知しなければならないが、登録をしたときは、その旨を当該申請者に通知することを要しない。
エ. 調査士が心身の故障により業務を行うことができないおそれがある場合として法務省令で定める場合に該当することとなったときは、その者又はその法定代理人若しくは同居の親族は、遅滞なく、当該調査士が所属する土地家屋調査士会を経由して、調査士会連合会にその旨を届け出るものとする。
オ. 調査士が引き続き2年以上業務を行わないことを理由として調査士会連合会がその登録を取り消した場合には、当該調査士は、当該処分に不服があっても、法務大臣に対して審査請求をすることはできない。
答え:
誤っているものは、イ・ウ・オの3つである。
解説:
本問は、登録申請書の記載事項及び添付書類(土地家屋調査士法9条2項)、登録の拒否と登録審査会の議決・弁明の機会(同法10条)、登録に関する通知(同法11条)、心身の故障のおそれがある場合の届出(同法16条2項)及び登録の取消しに対する審査請求(同法17条・12条1項)を問うものであり、誤っているのはイ・ウ・オの3つである。
ア 正しい。土地家屋調査士法9条2項は、「前項の登録申請書には、前条第一項の規定により登録を受けるべき事項その他法務省令で定める事項を記載し、調査士となる資格を有することを証する書類を添付しなければならない。」と定めている。本肢は、同項のとおりである。なお、同条1項は、「前条第一項の登録を受けようとする者は、その事務所を設けようとする地を管轄する法務局又は地方法務局の管轄区域内に設立された調査士会を経由して、調査士会連合会に登録申請書を提出しなければならない。」と定めている。
イ 誤り。土地家屋調査士法10条1項は、「調査士会連合会は、前条第一項の規定による登録の申請をした者が調査士となる資格を有せず、又は次の各号のいずれかに該当すると認めたときは、その登録を拒否しなければならない。この場合において、当該申請者が第二号又は第三号に該当することを理由にその登録を拒否しようとするときは、第六十二条に規定する登録審査会の議決に基づいてしなければならない。」と定め、1号で「第五十二条第一項の規定による入会の手続をとらないとき。」、2号で「心身の故障により調査士の業務を行うことができないとき。」、3号で「調査士の信用又は品位を害するおそれがあるときその他調査士の職責に照らし調査士としての適格性を欠くとき。」を掲げている。そして、同条2項は、「調査士会連合会は、当該申請者が前項第二号又は第三号に該当することを理由にその登録を拒否しようとするときは、あらかじめ、当該申請者にその旨を通知して、相当の期間内に自ら又はその代理人を通じて弁明する機会を与えなければならない。」と定めている。登録審査会の議決と弁明の機会の付与が必要とされるのは、同条1項2号又は3号に該当することを理由に登録を拒否しようとする場合であり、入会の手続をとらないこと(同項1号)を理由とする場合は含まれないから、本肢は誤りである。
ウ 誤り。土地家屋調査士法11条は、「調査士会連合会は、第九条第一項の規定による登録の申請を受けた場合において、登録をしたときはその旨を、登録を拒否したときはその旨及びその理由を当該申請者に書面により通知しなければならない。」と定めている。登録をしたときも、その旨を当該申請者に書面により通知しなければならないから、本肢は誤りである。
エ 正しい。土地家屋調査士法16条2項は、「調査士が心身の故障により業務を行うことができないおそれがある場合として法務省令で定める場合に該当することとなつたときは、その者又はその法定代理人若しくは同居の親族は、遅滞なく、当該調査士が所属する調査士会を経由して、調査士会連合会にその旨を届け出るものとする。」と定めている。本肢は、同項のとおりである。
オ 誤り。土地家屋調査士法16条1項は、「調査士が次の各号のいずれかに該当する場合には、調査士会連合会は、その登録を取り消すことができる。」と定め、1号で「引き続き二年以上業務を行わないとき。」を掲げている。そして、同法17条は、「第十二条第一項及び第三項の規定は、第十五条第一項又は前条第一項の規定による登録の取消しに準用する。この場合において、第十二条第三項中「第四十六条第二項」とあるのは、「第四十六条第一項」と読み替えるものとする。」と定め、同法12条1項は、「第十条第一項の規定により登録を拒否された者は、当該処分に不服があるときは、法務大臣に対して審査請求をすることができる。」と定めている。同法16条1項の規定による登録の取消しについても同法12条1項が準用され、当該処分に不服があるときは法務大臣に対して審査請求をすることができるから、本肢は誤りである。なお、同法16条3項は、「調査士会連合会は、第一項の規定により登録を取り消したときは、その旨及びその理由を当該調査士に書面により通知しなければならない。」と定めている。
ポイント:登録の申請は、事務所を設けようとする地の調査士会を経由して調査士会連合会に登録申請書を提出して行い、登録申請書には登録を受けるべき事項等を記載して資格を証する書類を添付する(土地家屋調査士法9条)。登録の拒否のうち、心身の故障(10条1項2号)又は適格性の欠如(同項3号)を理由とするものは、登録審査会の議決に基づき、あらかじめ弁明の機会を与えて行う(同条1項後段・2項)。調査士会連合会は、登録をしたときはその旨を、拒否したときはその旨及び理由を、申請者に書面で通知する(同法11条)。拒否された者は法務大臣に審査請求をすることができ(同法12条1項)、この規定は同法15条1項(必要的取消し)と16条1項(2年以上業務を行わないとき・心身の故障による任意的取消し)による登録の取消しにも準用される(同法17条)。心身の故障により業務を行うことができないおそれがある場合には、本人、法定代理人又は同居の親族が届け出るものとされる(同法16条2項)。登録審査会の議決と弁明の機会が「どの号」を理由とする拒否に必要か、通知が「登録したとき」にも必要かを、条文で区別する。
問題:
建物の登記記録の表題部の記録方法に関する次の記述のうち、不動産登記事務取扱手続準則(以下「準則」という。)の規定に照らし正しいものはいくつあるか。
ア. 平家建以外の建物の登記記録の表題部に床面積を記録するときは、各階ごとに床面積を記録しなければならないが、各階の床面積の合計を記録することは要せず、地階があるときは、その床面積は、地上階の床面積の記録の次に記録する。
イ. 建物の登記記録の表題部に床面積を記録する場合において、平方メートル未満の端数がないときは、平方メートル未満の表示をすることを要しない。
ウ. 区分建物である建物が当該建物が属する一棟の建物の3階及び4階に存する場合において、当該区分建物の階数による構造を記録するときは、「4階建」と記録する。
エ. 表題部に附属建物に関する事項を記録する場合において、当該附属建物の種類、構造及び床面積が直前に記録された附属建物の記録と同一のときは、「同上」のように略記することができる。
オ. 附属建物がある建物の表題登記をする場合において、附属建物の新築の日が主たる建物の新築の日と同一であるときは、附属建物の表示欄の原因及びその日付欄の記録を要せず、また、区分建物である建物の表題登記をする場合には、一棟の建物の表示欄の原因及びその日付欄の記録を要しない。
答え:
正しいものは、ア・オの2つである。
解説:
本問は、床面積の記録方法(準則91条)、区分建物の構造の記録方法(準則90条)、附属建物の略記の禁止(準則92条)及び附属建物等の原因及びその日付の記録(準則93条)を問うものであり、正しいのはア・オの2つである。
ア 正しい。準則91条1項は、「平家建以外の建物の登記記録の表題部に床面積を記録するときは、各階ごとに床面積を記録しなければならない。この場合において、各階の床面積の合計を記録することを要しない。」と定め、同条2項は、「地階があるときは、その床面積は、地上階の床面積の記録の次に記録するものとする。」と定めている。本肢は、これらの規定のとおりである。
イ 誤り。準則91条3項は、「床面積を記録する場合において、平方メートル未満の端数がないときであっても、平方メートル未満の表示として、「00」と記録するものとする。」と定めている。平方メートル未満の端数がないときであっても、平方メートル未満の表示として「00」と記録するから、本肢は誤りである。
ウ 誤り。準則90条は、「区分建物である建物が、例えば、当該建物が属する一棟の建物の3階及び4階に存する場合において、その階数による構造を記録するときは、「2階建」のように記録するものとする。」と定めている。一棟の建物の3階及び4階に存する区分建物の階数による構造は「2階建」と記録するから、「4階建」と記録するとする本肢は誤りである。
エ 誤り。準則92条は、「表題部に附属建物に関する事項を記録する場合において、当該附属建物の種類、構造及び床面積が直前に記録された附属建物の記録と同一のときであっても、「同上」のように略記してはならない。」と定めている。本肢は、略記することができるとしている点で誤りである。
オ 正しい。準則93条1項は、「附属建物がある建物の表題登記をする場合において、附属建物の新築の日が主たる建物の新築の日と同一であるときは、附属建物の表示欄の原因及びその日付欄の記録を要しない。」と定め、同条2項は、「区分建物である建物の表題登記をする場合には、一棟の建物の表示欄の原因及びその日付欄の記録を要しない。」と定めている。本肢は、これらの規定のとおりである。なお、同条3項は、「附属建物がある区分建物である建物の表題登記をする場合において、附属建物の新築の日が主たる建物の新築の日と同一であるときは、附属建物の表示欄の原因及びその日付欄の記録を要しない。」と定めている。
ポイント:平家建以外の建物の床面積は各階ごとに記録し、各階の合計の記録は要せず、地階の床面積は地上階の次に記録し、平方メートル未満の端数がないときも「00」と記録する(準則91条)。区分建物の階数による構造は、その区分建物が存する階の数で記録し、一棟の建物の3階及び4階に存するときは「2階建」とする(準則90条)。附属建物の種類、構造及び床面積が直前の附属建物と同一でも「同上」と略記してはならない(準則92条)。附属建物の新築の日が主たる建物の新築の日と同一のときは附属建物の表示欄の原因及びその日付の記録を要せず、区分建物の表題登記では一棟の建物の表示欄の原因及びその日付の記録を要しない(準則93条)。「記録を要しない」ものと「略記してはならない」ものを、準則の文言で区別して覚える。
出題分野の振り分け
| 問 | 分野 | 主な論点 | 主な根拠条文 |
|---|---|---|---|
| 第1問 | 民法(総則・虚偽表示) | 民法94条2項の第三者と登記の欠缺、仮装譲受人が建築した建物の賃借人と第三者、他人名義の台帳登録の承認と94条2項の類推適用、仮装の仮登記に基づく本登記と善意無過失の第三者、重い帰責性と94条2項・110条の類推適用 | 民法94条、110条、177条、最判昭44.5.27、最判昭57.6.8、最判昭48.6.28、最判昭45.4.16、最判昭43.10.17、最判平18.2.23 |
| 第2問 | 民法(物権・根抵当権) | 担保すべき債権の範囲と手形上・小切手上の請求権、被担保債権の範囲の変更と極度額の変更における承諾の要否、元本の確定前の債権の取得者・弁済者による根抵当権の行使、元本の確定請求(設定者と根抵当権者の違い)、根抵当権の消滅請求 | 民法398条の2、398条の4、398条の5、398条の7第1項、398条の19、398条の22第1項 |
| 第3問 | 民法(相続・公正証書遺言と秘密証書遺言の方式) | 公正証書遺言の方式、口がきけない者の公正証書遺言、秘密証書遺言の封印と印章、方式に欠ける秘密証書遺言の自筆証書遺言としての効力、口がきけない者の秘密証書遺言と封紙への自書 | 民法968条1項、969条、969条の2、970条、971条、972条 |
| 第4問 | 不動産登記法(建物の表題登記の申請) | 区分建物でない表題登記がない建物の買主の申請義務、表題登記がある建物に接続して区分建物が新築された場合の代わってする申請(一般承継人)、区分建物の新築者の申請義務と過料、47条2項が区分建物に限られること、表題登記がない建物に接続して区分建物が新築された場合の併せてする申請 | 不動産登記法47条、48条、164条1項 |
| 第5問 | 不動産登記法・不動産登記規則・準則(分筆の登記の地積測量図と記録方法) | 法40条により乙土地について権利が消滅した旨の登記の記録方法、分筆後の土地の地積測量図の表示と符号、甲土地の表題部の記録方法、地積測量図の記録事項の便宜省略(地積は除く)、地上権の登記の転写と共にその権利の目的である旨の記録 | 不動産登記法40条、不動産登記規則77条1項、78条、101条、102条1項・3項、104条2項・3項、準則51条1項、72条、74条1項 |
| 第6問 | 不動産登記法・不動産登記規則(筆界特定書と筆界特定手続記録) | 筆界特定書の図面上の点の位置を示す方法、二以上の登記所にまたがる場合の筆界特定手続記録の送付、電磁的記録で作成された筆界特定書の通知の方法、筆界特定書の記録事項(代理人の氏名等)、筆界特定書等の写しの交付と閲覧 | 不動産登記法143条〜145条、149条、不動産登記規則231条1項・5項、232条2項・4項、233条、238条2項・3項 |
| 第7問 | 土地家屋調査士法(登録の申請・拒否・取消し) | 登録申請書の記載事項と添付書類、登録審査会の議決と弁明の機会が必要な拒否事由、登録・拒否の書面による通知、心身の故障のおそれがある場合の届出、登録の取消しに対する審査請求 | 土地家屋調査士法9条〜12条、16条、17条 |
| 第8問 | 準則(建物の表題部の記録方法) | 床面積の記録方法(各階ごと・合計不要・地階・「00」)、区分建物の階数による構造の記録、附属建物の略記の禁止、附属建物・一棟の建物の原因及びその日付の記録 | 準則90条〜93条 |