この記事の要点

  • 窓口・郵送で使う申請書は、法務局の様式名では「登記事項証明書 登記簿謄本・抄本 交付請求書(不動産用)」。土地と建物は同じ1枚の用紙で請求できる
  • 不動産は住所(住居表示)ではなく「地番」「家屋番号」で書く。いちばん注意したいのはここ
  • 手数料は1通600円(50枚を超える場合は加算あり)。収入印紙を用紙の収入印紙欄に、割印をせずに貼る
  • 郵送で請求するときは、返信用の切手と、返送先の宛先を書いた封筒(またはメモ)を同封する

登記事項証明書(いわゆる登記簿)を法務局の窓口や郵送で請求するときは、所定の用紙に必要事項を書いて提出します。結論から言うと、書く欄はおもに「請求する人」「不動産」「証明書の種類」「手数料(収入印紙)」の4つのまとまりで、つまずきやすいのは「不動産を地番・家屋番号で書く」ところです。 この記事では、法務局が公開している用紙に沿って、欄ごとの埋め方と書き損じやすい点を整理します。

窓口・郵送・オンライン申請・登記情報提供サービスのどれで取るかという「取り方」の比較は「登記簿(登記事項証明書)の取り方4通り」で解説しています。この記事は、窓口または郵送で請求すると決めたあとの「用紙の書き方」に絞ります。

※以下の記載例に出てくる住所・地番・氏名はすべて架空のものです。

用紙の名前と入手先

検索では「交付申請書」と呼ばれることが多いのですが、法務局の様式の正式な見出しは「登記事項証明書 登記簿謄本・抄本 交付請求書」で、左上に「不動産用」と書かれています(会社・法人の登記事項証明書は別の様式です)。

用紙は、法務局ホームページの「各種証明書請求手続」のページからPDFでダウンロードできます。A4サイズの1枚もので、同じPDFの2ページ目に法務局による記入例が付いています。

土地用・建物用に分かれているわけではありません。 1枚の用紙の中に「土地」「建物」のチェック欄付きの行が交互に並んでおり(土地4行・建物4行の計8行)、1枚で複数の不動産を書き込めるつくりになっています。

欄ごとの書き方

① 請求人(窓口に来られた人)の住所・氏名

用紙のいちばん上の欄は「窓口に来られた人(請求人)」です。住所・フリガナ・氏名を書きます。

  • 住所:〇〇県△△市□□町一丁目2番3号
  • 氏名:△△ 太郎(フリガナも記入)

登記事項証明書は、不動産の所有者でなくても誰でも請求できる手続きです(不動産登記法119条1項)。そのため、家族の不動産の証明書を取りに行く場合でも、書くのは実際に請求する人自身の住所・氏名です。所有者の名前を書く欄ではありません。

② 不動産の欄(種別・所在・地番・家屋番号・通数)

この欄の上には「※地番・家屋番号は、住居表示番号(〇番〇号)とはちがいますので、注意してください。」と印刷されています。この一文が、この用紙でいちばん大事な注意書きです。

欄は左から次のように並んでいます。

欄 書くこと 記載例(架空)
種別 土地か建物のどちらかに✓ ☑土地
郡・市・区 市区町村名 〇〇市
町・村 町村名 △△町
丁目・大字・字 丁目・大字・字 一丁目
地番 土地の地番(建物の場合は建物が建っている土地の地番) 123番4
家屋番号又は所有者 建物の家屋番号 (土地なら空欄)
請求通数 必要な通数 1

法務局の記入例でも、不動産の欄は都道府県名を書かず、市区町村名から書き始めています。

地番・家屋番号の調べ方

地番(土地の番号)と家屋番号(建物の番号)は、郵便物が届く住所(住居表示)とは別の番号です。法務局や登記情報提供サービスの案内では、次のような調べ方が挙げられています。

  • 登記済証(いわゆる権利証)、登記識別情報通知書、登記完了証を見る
  • 固定資産税の納税通知書(課税明細書)を見る
  • 管轄の法務局に備え付けられた地図や、市区町村役場で確認する
  • 住居表示と地番を対照させた住宅地図(通称ブルーマップ。発行されていない地域もあります)を見る
  • 登記情報提供サービスの「地番検索サービス」を使う(提供エリア内に限られ、わかるのは「おおよその地番」です。利用には登記情報提供サービスの利用者登録が必要で、地番検索だけを単独で使うことはできません)

なお、13桁の「不動産番号」がわかっている場合は、地番の欄に不動産番号を書けば、所在・地番・家屋番号の記載を省略できると法務局は案内しています。

通数は、提出先の数に合わせて書きます。1通ごとに手数料がかかるので、必要な数を事前に確認しておきましょう。

③ 共同担保目録の欄

不動産の欄の下に「※共同担保目録が必要なときは、以下にも記載してください。」という欄があります。

共同担保目録とは、1つの借入れの担保として、土地と建物など複数の不動産にまとめて抵当権などが設定されているときに、「ほかにどの不動産が担保に入っているか」を一覧にした記録です。この欄に書かなければ、証明書に共同担保目録の内容は載りません(不動産登記規則197条3項)。

書き方は次のとおりです。

  • 「次の共同担保目録を『種別』欄の番号__番の物件に付ける。」の空欄に、不動産の欄の左端の番号(土地・建物は1〜8)を書く
  • そのうえで、「現に効力を有するもの」「全部(抹消を含む)」「( )第__号」のいずれかに✓を付ける

付けるかどうかの目安は、提出先の指示に従うのが基本です。法務局の案内では、共同担保目録が必要な場合の例として「共同抵当権の他の担保物件について(土地、建物の別、所在等)知りたい場合」が挙げられています。所有者の確認だけが目的で、提出先からの指示もなければ、この欄は空けたままでかまいません。

信託目録について:法務局が公開しているこの用紙(2026年9月確認)には、信託目録の証明を求めるための専用の欄は見当たりませんでした。信託目録の証明を求めること自体は制度上できますが(不動産登記規則193条1項5号)、この用紙のどこにどう書くかは確認できませんでした。信託の登記がある不動産で信託目録が必要な場合は、請求先の法務局に書き方を確認してください。

④ 証明書の種類の欄

用紙の下のほうに「※該当事項の□に✓印をつけ、所要事項を記載してください。」という欄があり、どの種類の証明書がほしいかを選びます。用紙に並んでいる選択肢は次のとおりです。

用紙の選択肢 中身
登記事項証明書・謄本(土地・建物)/専有部分の登記事項証明書・抄本(マンション名 ) 抹消された権利も含む全部の記録(全部事項証明書)。この2行は1つの✓欄を共用しており、マンションなどの一室(専有部分)の証明書がほしいときは、同じ✓欄に✓を付けたうえで2行目の空欄にマンション名を書く
└ ただし、現に効力を有する部分のみ(抹消された抵当権などを省略) 現在効力のある記録だけ(現在事項証明書)
一部事項証明書・抄本(共有者__に関する部分) 指定した共有者に関する部分だけ
所有者事項証明書(所有者・共有者の住所・氏名・持分のみ) 現在の所有者の住所・氏名・持分だけ。その下に「所有者」「共有者__」の小さな✓欄がある
コンピュータ化に伴う閉鎖登記簿 コンピュータ化される前の紙の登記簿
合筆、滅失などによる閉鎖登記簿・記録 合筆や建物の取壊しなどで閉鎖された記録(閉鎖の年月日を書く。年の欄には元号として「昭和・平成」が印字されている)

全部事項・現在事項などの違いと選び方は「登記事項証明書の『全部事項』『現在事項』の違いは?」で詳しく解説しています。用紙の書き方としては、迷ったら「登記事項証明書・謄本(土地・建物)」だけに✓を付ける(=全部事項証明書)のが基本です。「ただし、現に効力を有する部分のみ」にも✓を付けると現在事項証明書になるので、提出先から全部事項を求められている場合は付けないようにします。

⑤ 収入印紙欄

用紙の右側に「収入印紙欄」があります。

  • 手数料は1通600円です(登記手数料令2条1項)。ただし1通の枚数が50枚を超える場合は、50枚までごとに100円が加算されます。担保の設定・抹消が多い不動産や、共同担保目録を付けた場合は枚数が増えることがあります
  • 手数料は収入印紙で納めます(不動産登記法119条4項)。用紙の収入印紙欄に貼って提出します(不動産登記規則203条1項)
  • 用紙には「収入印紙は割印をしないでここに貼ってください。」と印刷されています。自分で消印や割印をしないようにしましょう
  • 現金を添えて請求することはできません

なお、用紙には「(登記印紙も使用可能)」とも印刷されています。以前の登記印紙が手元に残っている場合は使えるという案内ですが、これから用意するなら収入印紙です。

用紙のいちばん下の「交付通数」「交付枚数」「手数料」「受付・交付年月日」の欄は法務局が使う欄で、太枠の外にあるため請求する人は書きません(用紙には「※太枠の中に記載してください。」とあります)。

郵送で請求するときに同封するもの

郵送で請求するときは、記入して収入印紙を貼った用紙に加えて、返信用の切手と、返送先の宛先を書いた封筒またはメモを同封します(法務局の案内による)。送料は郵便切手などで納める決まりで(不動産登記規則204条)、現金を同封することはできません。

返信用に必要な切手の額は、証明書の枚数や通数(重さ)によって変わります。枚数が多くなりそうなときは、送付先の法務局に確認しておくと安心です。

登記事項証明書は、法務省令で定める場合を除き、請求する不動産を管轄する法務局以外の法務局でも請求できます(不動産登記法119条5項)。郵送の場合も、送付先の法務局の住所は法務局ホームページの「管轄のご案内」で確認できます。

よくある書き損じ

1. 住所(住居表示)を地番の欄に書いてしまう もっとも注意したいのがこれです。「一丁目2番3号」は住居表示で、地番とは一致しないことが多くあります。住所をそのまま書くと、目的の不動産が特定できなかったり、別の土地の証明書が出てしまったりすることがあります。前述の方法で地番を調べてから書きましょう。

2. 地番の枝番を書き漏らす 地番は「123番4」のように「番」のあとに続く数字(枝番)まで含めて1つの番号です。「123番」と「123番4」は別の土地を指します。権利証などに書かれているとおり、最後の数字まで書き写しましょう。

3. 建物なのに家屋番号を書かない/地番を家屋番号の欄に書く 建物の証明書を請求するときは、「建物」に✓を付け、家屋番号の欄に家屋番号を書きます。家屋番号は地番とは別の番号として登記されているので、権利証などで確認してから書きます。

4. マンションの部屋番号を書いてしまう マンションなどの一室の証明書を請求するときは、「登記事項証明書・謄本(土地・建物)」と同じ✓欄に✓を付け、その2行目「専有部分の登記事項証明書・抄本(マンション名 )」の空欄にマンション名を書き、建物の欄にはその部屋の家屋番号を書きます。「〇〇号室」という部屋番号は郵便物の宛先に使う番号で、登記上の家屋番号とは別のものです。

5. 土地と建物の両方が必要なのに片方しか書かない 一戸建ての場合、土地と建物は別々の登記記録です。両方の証明書が必要なら、土地と建物をそれぞれの行に書き、それぞれの通数を書きます(手数料もそれぞれにかかります)。

6. 共同担保目録の欄の番号を書き忘れる 共同担保目録の欄は、✓を付けるだけでなく「『種別』欄の番号__番の物件に付ける」の番号まで書く必要があります。どの不動産の証明書に付けるのかがわからなくなるためです。

まとめ

登記事項証明書を窓口や郵送で請求するときは、法務局の「交付請求書(不動産用)」に、請求する人の住所・氏名、不動産の所在と地番・家屋番号、証明書の種類と通数を書き、1通600円分の収入印紙を割印せずに貼って提出します。いちばんの注意点は、不動産を住所ではなく地番・家屋番号で書くことです。郵送なら返信用の切手と宛先を書いた封筒を忘れずに同封しましょう。どの不動産の、どの種類の証明書が必要なのかがはっきりしないときは、提出先に確認するか、お近くの司法書士にご相談ください。

よくある質問

Q. 手数料はいくらかかりますか?

窓口・郵送で請求する場合、登記事項証明書1通につき600円です(1通が50枚を超えると、50枚までごとに100円が加算されます)。土地と建物を1通ずつなら2通分の1,200円です。郵送の場合は、これとは別に返信用の切手代がかかります。オンライン申請なら1通490円(窓口受取)または520円(郵送受取)です(2025年4月1日に改定された現在の額。窓口・郵送で請求する場合の600円は据え置き)。

Q. 記入で特に注意することは? 書き間違えたらどうなりますか?

地番・家屋番号を住所(住居表示)と取り違えないことが最大の注意点です。地番を誤ると、目的の不動産が見つからなかったり、別の不動産の証明書が交付されたりすることがあります。収入印紙には自分で割印をしないこと、郵送なら返信用の切手と封筒を同封することもあわせて確認してください。

Q. 自分で書いて請求できますか? わからないときはどこに相談すればいいですか?

登記事項証明書は誰でも請求できる手続きで、この記事のとおり用紙を埋めれば自分で請求できます。法務局が公開している用紙のPDFには記入例のページも付いているので、あわせて参考にしてください。一方、取得した証明書の読み方や、相続・売買・担保の抹消など次の手続きに進む段階で迷うときは、お近くの司法書士にご相談ください。


【さらに深掘り】証明書の種類の区分と、閉鎖記録・区分建物・請求できる人の整理

ご注意 以下は執筆時点(2026年9月)の法令・通達・実務運用に基づく一般的な解説です。個別事情により判断が分かれる論点を含みます。実務適用は最新情報と個別事情を踏まえ、お近くの司法書士にご相談ください。 ここから先は専門的な内容です。一般の方はここまでの内容で十分です。

規則上の6つの区分

登記事項証明書の記載事項は、不動産登記規則196条1項が次の6つの区分ごとに定めています。交付を請求するときは、このどの区分かを請求情報の内容とすることになっています(同規則193条1項4号)。

規則196条1項 記載される事項(条文の要旨)
1号 全部事項証明書 登記記録に記録されている事項の全部(閉鎖登記記録を除く)
2号 現在事項証明書 登記記録に記録されている事項のうち現に効力を有するもの
3号 何区何番事項証明書 権利部の相当区(甲区・乙区)に記録されている事項のうち請求に係る部分
4号 所有者証明書 現在の所有権の登記名義人の氏名・名称、住所、法人識別事項と、名義人が2人以上のときは各自の持分
5号 一棟建物全部事項証明書 一棟の建物に属するすべての区分建物の登記記録に記録されている事項の全部
6号 一棟建物現在事項証明書 同じく、そのうち現に効力を有するもの

交付請求書の選択肢「所有者事項証明書(所有者・共有者の住所・氏名・持分のみ)」は、記載内容からみて4号の区分に対応するものと考えられます(ただし、その下の「共有者__」の小欄で特定の共有者に絞って請求する場合に、4号・3号のどちらの区分として扱われるかは、条文からは明らかではありません)。4号の証明書には現在の名義人と持分しか載らないため、抵当権などの乙区の登記や、過去の名義の移り変わりは確認できません。

登記手続の準備では、どの区分が向いているか

相続登記や売買・担保の抹消の準備で証明書を取る場面では、区分ごとの「載らないもの」を押さえておくと選びやすくなります。

  • 現在事項証明書(2号)は「現に効力を有するもの」に限られるので、抹消された登記や過去の所有者の記録は載りません。登記名義人の住所・氏名がいつどう変わったか、名義人が何代前の人か、といった経緯をたどりたい場面では、抹消・移転済みの記録も含む全部事項証明書(1号)のほうが向いています
  • 所有者証明書(4号)は、現在の名義人の確認だけが目的なら足りますが、担保の登記が残っているかどうかは分かりません。担保の抹消が必要かどうかの確認には使えないことになります
  • 提出先が区分を指定している場合は、その指定に合わせて取ります

なお、共同担保目録・信託目録の記載は、請求情報でその旨を示さない限り省略されます(不動産登記規則193条1項5号、197条3項)。これはどの区分で請求する場合も同じです。

閉鎖された登記記録の証明書

合筆や建物の取壊しなどで閉鎖された登記記録についても、証明書を請求できます。ただし、規則196条2項が閉鎖登記記録に準用しているのは、1号(全部事項)・3号(何区何番事項)・5号(一棟建物全部事項)の3つだけです。現在事項証明書・所有者証明書・一棟建物現在事項証明書の区分は、閉鎖登記記録については準用の対象に挙げられていません。交付請求書で「合筆、滅失などによる閉鎖登記簿・記録」に✓を付けて閉鎖の年月日を書く欄は、この閉鎖登記記録の請求のためのものです。

マンション(区分建物)で注意すること

一棟全体か、専有部分か マンションでは、一室(専有部分)ごとの証明書のほかに、一棟の建物に属するすべての区分建物の記録をまとめた一棟建物全部事項証明書・一棟建物現在事項証明書という区分があります(規則196条1項5号・6号)。手数料は1通600円で、1通が50枚を超えると50枚までごとに100円が加算されるので(登記手数料令2条1項)、戸数の多い建物で一棟全体の証明書を取ると、枚数と手数料が大きくなることがあります。一室についての手続であれば、専有部分の証明書で足りるかを先に提出先に確認しておくと、無駄がありません。

敷地権の付いた区分建物 区分建物に、専有部分と分離して処分できない登記された敷地利用権(敷地権)があるときは、その敷地権は建物の表示に関する登記事項とされています(不動産登記法44条1項9号)。そして、敷地権について建物の表題部に最初に登記をするときは、登記官が職権で、敷地の土地の登記記録に「敷地権である旨の登記」をします(同法46条)。

そのうえで、敷地権付き区分建物についての所有権や担保権(一般の先取特権・質権・抵当権)に係る登記は、原則として、敷地権についてされた登記としての効力を有するとされています(同法73条1項本文。例外は同項ただし書各号)。このため、敷地権付きのマンションで所有権や抵当権の状況を確認するときは、まず専有部分の登記事項証明書を見るのが基本になります。敷地権である旨の登記がされた土地には、敷地権の移転の登記や敷地権を目的とする担保権の登記は原則としてすることができないとされているため(同法73条2項)、敷地権となった後の敷地の権利の移り変わりは、原則として、土地ではなく専有部分の登記記録で確認することになります。

一方、敷地権の登記がされていない区分建物(敷地の権利が建物とは別に土地の登記記録に登記されている場合)では、敷地の持分は土地の登記記録に記録されます。この場合は、専有部分の証明書だけでなく、敷地の土地の証明書も別に取る必要があります。敷地権の有無は、専有部分の証明書の表題部に敷地権の表示があるかどうかで確認できます。

誰でも請求できることと、その例外的な取扱い

登記事項証明書は「何人も」交付を請求できると定められ(不動産登記法119条1項)、請求情報として求められているのは、請求人の氏名・名称、不動産所在事項または不動産番号、通数、証明書の区分などです(不動産登記規則193条1項)。請求の目的や理由は、この請求情報の項目に含まれていません。

これと対照的なのが、次の2つです。

  • 登記簿の附属書類(申請書類など)の閲覧:政令で定める図面(同条1項の図面)を除く附属書類は、「正当な理由があるとき」に、その理由があると認められる部分に限って閲覧を請求できる仕組みです(不動産登記法121条3項。自己を申請人とする登記に係る附属書類については、登記を申請した者が閲覧を請求できる別の定めがあります〔同条4項〕)。請求の際は、閲覧する部分と正当な理由を請求情報とし、理由を証する書面を提示します(不動産登記規則193条2項4号・3項)
  • 所有不動産記録証明書:自らが所有権の登記名義人として記録されている不動産について請求する仕組みで、相続人その他の一般承継人は被承継人に係るものを請求できます(不動産登記法119条の2第1項・2項)。登記事項証明書と違い、誰でも他人の分を請求できる制度ではありません

また、登記事項証明書でも、登記記録に記録されている自然人の住所が明らかにされることで人の生命・身体に危害を及ぼすおそれがある場合など、法務省令で定める場合に本人から申出があったときは、登記官は証明書にその住所に代わる事項を記載しなければならないとされています(不動産登記法119条6項)。この取扱いがされている不動産では、証明書を取っても名義人の現住所がそのままは載らないことになります。

参考資料

この記事は、次の資料を参照して内容を確認しています(確認日:2026年9月・いずれも一次情報です)。


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