登記簿の「信託目録」の読み方──家族信託された不動産を売る・相続するときに見る欄

この記事の要点 信託目録とは、信託された不動産について、委託者・受託者・受益者や、信託の目的・管理方法・終了の事由などを記録した登記簿の一部です 登記事項証明書は、請求のときに信託目録の証明を求めないと、信託目録の記載が省かれます(手数料は窓口・郵送の書面請求で1通600円) 受託者から不動産を買う・担保に取るときは、受託者の処分の権限にかかわる定め(信託財産の管理方法・その他の信託の条項)を見ます 受益者や委託者が亡くなったときは、信託の終了の事由・受益者の定め・残余財産を受け取る人の定めを順に見ます 読み方に迷うときや、目録の記録が今の状況と合わないときは、お近くの司法書士に確認しましょう 信託目録とは、家族信託などで信託財産になった不動産について、「誰が、誰のために、どんな目的で、どう管理し、いつ終わるのか」を記録した、登記簿の一部です。甲区(所有者の欄)を見ると名義人は受託者になっていて、その名義が信託によるものであることは甲区の記録から分かりますが、信託の中身は、信託目録を見て初めて分かります。 ...

2026年10月26日 · ひぐらしさとし

登記事項証明書はどこで・誰が取れる?──管轄に関係なく全国の法務局で、本人以外でも取れる理由

この記事の要点 登記事項証明書(いわゆる登記簿謄本)は、不動産の所在地を管轄する法務局でなくても、全国どこの法務局でも請求できる(不動産登記法119条5項) 所有者本人でなくても、誰でも請求できる(同法119条1項「何人も」)。請求する人が自分の名前で請求するので、所有者からの委任状は要らない 手数料は窓口・郵送で1通600円、オンライン請求は490円(窓口受取)または520円(郵送受取)。いずれも1通50枚を超えると加算あり ただし、コンピュータ化される前の紙の閉鎖登記簿の謄本は119条5項の対象外で、法務局の案内では、保管している法務局への窓口・郵送請求となっている。登記の申請書などの附属書類の閲覧にも別の要件がある 取った証明書を手続きにどう使うか迷ったら、お近くの司法書士へ 「実家の土地は遠方にあるけれど、近くの法務局で登記簿を取れますか」「親の家の登記簿を、子どもの私が取っても大丈夫ですか」。どちらも、よくある疑問です。 ...

2026年9月25日 · ひぐらしさとし

登記情報提供サービスの使い方──登記事項証明書との違い・料金・一時利用と登録利用

この記事の要点 登記情報提供サービスで取得できるのは、登記官の認証文や職印が付かない閲覧用のデータ(PDF)です。登記事項証明書(いわゆる登記簿謄本)の代わりに提出することはできません 料金は1件あたり、不動産の全部事項330円・所有者事項140円・地図や図面360円(2026年9月確認) 使い方は、登録せずにクレジットカードで使う「一時利用」(請求できるのは初回ログインの当日中のみ)と、事前に申し込む「登録利用」(個人は最初のログイン時に登録費用300円)の2通り 不動産は住所(住居表示)ではなく「地番」「家屋番号」で指定する。取得したPDFを表示・保存できる期間は短いので、取ったらすぐ保存する 提出用の証明書が必要なときは、窓口・郵送・オンライン申請で登記事項証明書を取る 登記情報提供サービスは、法務局(登記所)が持っている登記の情報を、インターネットを使って自宅のパソコンやスマートフォンの画面で確認できる有料サービスです。不動産の所有者や担保の登記を、法務局へ出向かずにその場で確かめられます。 ...

2026年9月24日 · ひぐらしさとし

登記事項証明書交付申請書の書き方──窓口・郵送用の記載例と、よくある書き損じ

この記事の要点 窓口・郵送で使う申請書は、法務局の様式名では「登記事項証明書 登記簿謄本・抄本 交付請求書(不動産用)」。土地と建物は同じ1枚の用紙で請求できる 不動産は住所(住居表示)ではなく「地番」「家屋番号」で書く。いちばん注意したいのはここ 手数料は1通600円(50枚を超える場合は加算あり)。収入印紙を用紙の収入印紙欄に、割印をせずに貼る 郵送で請求するときは、返信用の切手と、返送先の宛先を書いた封筒(またはメモ)を同封する 登記事項証明書(いわゆる登記簿)を法務局の窓口や郵送で請求するときは、所定の用紙に必要事項を書いて提出します。結論から言うと、書く欄はおもに「請求する人」「不動産」「証明書の種類」「手数料(収入印紙)」の4つのまとまりで、つまずきやすいのは「不動産を地番・家屋番号で書く」ところです。 この記事では、法務局が公開している用紙に沿って、欄ごとの埋め方と書き損じやすい点を整理します。 ...

2026年9月22日 · ひぐらしさとし

隣の空き家が倒れそうなとき、苦情はどこに?──相談先と使える制度の整理

この記事の要点 隣の空き家が危険な状態のとき、最初の相談先は市区町村の空き家担当窓口です。空家等対策特別措置法にもとづき、市区町村が所有者への助言・指導や勧告などを行う仕組みがあります 空き家の所有者(名義人)は、法務局で登記事項証明書を取れば手がかりがつかめます。手数料を払えば誰でも取得できます 所有者が分からない場合や、分かっていても管理してもらえない場合には、裁判所に管理人を選んでもらう民法上の管理制度(所有者不明建物管理制度・管理不全建物管理制度)が使える可能性があります 実際に被害が出た・出そうな場合の損害賠償請求や差止め、所有者との交渉は、弁護士に相談するのが確実です 「どの窓口に何を相談するか」をまず整理するのが、解決への近道です 台風のたびに、隣の空き家の屋根材が飛んでこないか不安になる。壁が傾いてきて、いつ倒れてもおかしくない──。そんなとき、「苦情はどこに言えばいいのか」「そもそも誰に言えばいいのか」が分からず、悩んでいる方は少なくありません。 ...

2026年8月27日 · ひぐらしさとし

実家の登記簿を取ってみよう──帰省中にできる「実家の健康診断」5つのチェック

この記事の要点 帰省中に実家の登記事項証明書(登記簿)を1通取れば、名義・共有・担保は短時間で点検できる(私道の持分とほかの不動産の有無は、別に証明書を取って確かめます) 見るのは5か所──①名義は今も親のままか ②いつの間にか共有になっていないか ③完済した抵当権が残っていないか ④私道の持分が漏れていないか ⑤ほかにも名義の不動産がないか 名義が親や祖父母のままなら、相続で取得したことを知った日から3年以内に登記を申請する義務があります(不動産登記法76条の2第1項) 費用は登記事項証明書が1通600円(オンライン申請なら490円から)、所有不動産記録証明書が1通1,600円(オンライン申請なら1,470円から。いずれも登記手数料令) 気になる点が見つかったら、名義のことは司法書士、境界や面積のことは土地家屋調査士へ 帰省で実家に戻る機会があるなら、登記事項証明書(登記簿)を取って、5か所だけ目を通しておくことをおすすめします。名義・共有・担保という、あとになって手続きが必要だと分かりやすいポイントは、実家の宅地・建物の証明書1通でおおよその見当がつきます。残る私道の持分とほかの不動産の有無は、別に証明書を取ることになりますが、その必要に気づくきっかけになるのも、やはりこの1通です。 ...

2026年8月11日 · ひぐらしさとし

家族信託と不動産登記──信託すると登記簿はどうなる?

この記事の要点 不動産を家族信託の対象にすると、名義を受託者に移す登記と、信託の内容を公示する「信託目録」の登記が同時に必要になる 登記事項証明書を見ると、権利部(甲区)に受託者の名義、信託目録に委託者・受託者・受益者や信託の目的が記載される 名義が受託者に移っても、信託目録によって「これは信託財産であり、受託者が自由に処分できる財産ではない」ことが公示される 信託が終了すると、信託登記の抹消と、あらためて所有権移転登記(帰属権利者への名義変更)が必要になる 家族信託で不動産を信託財産にすると、登記簿(登記事項証明書)にはどのような変化が生じるのでしょうか。結論から言うと、名義が委託者から受託者に移るとともに、「この不動産は信託財産である」ということを示す信託目録が新たに登記されます。単なる名義変更とは異なり、登記簿を見ただけで信託財産であることが分かる仕組みになっています。 ...

2026年7月16日 · ひぐらしさとし