この記事の要点

  • 登記情報提供サービスで取得できるのは、登記官の認証文や職印が付かない閲覧用のデータ(PDF)です。登記事項証明書(いわゆる登記簿謄本)の代わりに提出することはできません
  • 料金は1件あたり、不動産の全部事項330円・所有者事項140円・地図や図面360円(2026年9月確認)
  • 使い方は、登録せずにクレジットカードで使う「一時利用」(請求できるのは初回ログインの当日中のみ)と、事前に申し込む「登録利用」(個人は最初のログイン時に登録費用300円)の2通り
  • 不動産は住所(住居表示)ではなく「地番」「家屋番号」で指定する。取得したPDFを表示・保存できる期間は短いので、取ったらすぐ保存する
  • 提出用の証明書が必要なときは、窓口・郵送・オンライン申請で登記事項証明書を取る

登記情報提供サービスは、法務局(登記所)が持っている登記の情報を、インターネットを使って自宅のパソコンやスマートフォンの画面で確認できる有料サービスです。不動産の所有者や担保の登記を、法務局へ出向かずにその場で確かめられます。

ただし、最初に押さえておきたい点があります。このサービスで取れるのは「証明書」ではなく、登記の内容を確認するための閲覧用のデータ(PDF)です。登記官の認証文や職印が付かないため、印刷しても証明書にはならず、提出先から登記事項証明書を求められている場面では使えません。

窓口・郵送・オンライン申請も含めた取り方の比較は「登記簿(登記事項証明書)の取り方4通り」で整理しています。この記事では登記情報提供サービスに絞って、申込みの方法・料金・利用時間・請求の手順と、つまずきやすい点を解説します。料金や利用時間は、2026年9月に運営元と法務省のページで確認した内容です。

登記事項証明書との違い──「閲覧」のためのサービス

登記情報提供サービスは、「電気通信回線による登記情報の提供に関する法律」に基づく制度で、法務大臣の指定を受けた一般財団法人民事法務協会が運営しています(登記情報提供サービス)。この法律は、指定を受けた法人の業務を、登記情報の「電気通信回線による閲覧」をしようとする人から委託を受けて、その人に登記情報を送信することと定めています(同法4条1項)。運営元も、このサービスは「閲覧」と同等のサービスであり、登記事項証明書とは違って証明文や公印などは付かないと説明しています。

取得できる内容は、原則として請求した時点で登記所が持っている登記情報と同じです。違いは「証明」が付いているかどうかにあります。登記事項証明書は、登記官が、請求された登記記録に記録された事項の全部または一部である旨の認証文を付け、作成の年月日と職氏名を記載して職印を押して作るものとされています(不動産登記規則197条1項)。登記情報提供サービスのデータにはこの認証文や職印がないため、運営元も、印刷しても証明書にはならないと案内しています。運営元自身、法人の登録利用を申し込む際に添付する会社の登記事項証明書について、このサービスで取得した登記情報では代わりにならないとしています。

夜間や土日祝日に取得した情報は「いつの時点」の内容か

運営元の案内では、登記所の窓口業務が終わった後の午後5時15分から午後11時までに請求した場合は、その日の登記所の業務が終了した時点の情報になります。土日祝日に請求した場合は、直前の平日の業務が終了した時点の情報です。また、PDFの上部欄外には取得した日時(地図・図面は日付のみ)が表示されますが、平日の午後8時以降に取得した場合は当日の午後8時ごろ、土日祝日に取得した場合は直前の平日の午後8時ごろの日時が表示されます。

行政機関へのオンライン申請で使う「照会番号」

このサービスでは「照会番号」の発行も行っています。行政機関等(国の行政機関や地方公共団体など)へのオンライン申請で、その手続が認めている場合に限り、登記事項証明書を添付する代わりに照会番号を使うことができ、申請を受けた行政機関等がその番号で登記情報を確認する仕組みです。使えるかどうかは手続ごとに異なるので、申請先に確認してください。行政機関等が照会番号で確認できる期間は発行日の翌日から数えて100日間で、1つの照会番号は1回の申請にしか使えません(法務省・運営元の案内)。

照会番号が使える場面を除き、提出先から登記事項証明書を求められているときは、窓口・郵送・オンライン申請のいずれかで証明書を取得してください(前掲の「取り方4通り」の記事で比較しています)。

取れる情報と料金(2026年9月確認)

登記情報提供サービスで取得できる情報と料金(1件あたり)は次のとおりです。

情報の種類 内容 料金
不動産登記情報(全部事項) 土地・建物の登記記録の全部 330円
不動産登記情報(所有者事項) 現在の所有者の氏名・住所と、共有の場合の持分だけ 140円
地図情報 登記所に備え付けられた地図、または地図に準ずる図面(いわゆる公図) 360円
図面情報 土地所在図・地積測量図、地役権図面、建物図面・各階平面図 360円
商業・法人登記情報 会社・法人の登記記録(現存する会社等は履歴事項の全部、閉鎖した会社等は閉鎖事項の全部) 330円
動産譲渡・債権譲渡の登記事項概要ファイル情報 現在事項または閉鎖事項の全部 140円
  • 料金は、国に納める登記手数料と運営元の手数料10円(消費税等込み)を合わせた額で、2026年4月1日からの金額です。たとえば全部事項は、登記手数料320円+手数料10円=330円です(登記手数料令12条、法務省の案内)
  • インターネットの通信費などは料金に含まれません
  • 全部事項には、コンピュータ化された後に抹消された事項も載ります。コンピュータ化された後に閉鎖された登記記録(閉鎖登記簿)も請求できますが、コンピュータ化される前の紙の閉鎖登記簿は対象外なので、管轄の登記所に請求します
  • 全部事項を請求するときは、共同担保目録・信託目録を付けるかどうかを選べます。付けても付けなくても料金は同じです
  • 建物図面・各階平面図は、すべての建物に備え付けられているわけではありません
  • 現在効力のある部分だけを記載した「現在事項証明書」に相当する情報は対象外です。また、情報量が大きすぎるもの(不動産の全部事項・所有者事項は1メガバイト超、地図・図面は3メガバイト超など)や、閉鎖された地図・図面も取得できません。情報量が大きすぎるものは、管轄の登記所に請求すれば登記事項証明書を取得できると案内されています

「所有者事項」は料金が140円と安いものの、載るのは現在の所有者の氏名・住所と持分だけです。抵当権などの担保の登記や、過去に誰から誰へ名義が移ったかを確かめたいときは「全部事項」を選びます(証明書の種類ごとの違いは「登記事項証明書の『全部事項』『現在事項』の違いは?」で整理しています)。

使い方は2通り──「一時利用」と「登録利用」

運営元の案内では、使い方は、申込手続をせずにクレジットカードで一時的に使う「一時利用」と、あらかじめ申込手続をして登録してから使う「登録利用」に分かれます。登録利用には個人・法人・公共機関の区分があります。個人と法人に関する違いは次のとおりです。

一時利用 個人の登録利用 法人の登録利用
事前の申込み 不要(その場でメールアドレス等を登録) ホームページから申込み 書面で申込み(手続に約1か月程度)
登録費用 かからない 300円(最初のログイン時) 740円
支払い方法 クレジットカード(その場で決済) クレジットカード(請求のつど決済) 預金口座からの引き落とし(月ごと)
請求できる期間 初回ログインの当日中のみ 継続して利用できる 継続して利用できる

登録費用は申込み1回につき1回かかるもので、月会費・年会費・更新料はかかりません(運営元の案内)。

一時利用の流れ

  1. 運営元のホームページの「申込方法」から「一時利用 申込」を選び、約款と個人情報の取扱いを確認して同意する
  2. 「一時利用者登録」の画面で、氏名・ログインパスワード・メールアドレスなどを登録する
  3. 届いたメールに書かれた利用者IDとログイン画面のURLを確認し、登録の受付から30分以内にURLをクリックする(過ぎると登録からやり直し)
  4. 利用者IDと登録したパスワードでログインし、登記情報を請求する

一時利用で注意したいのは、登記情報を請求できるのが初回ログインの当日中に限られることです。翌日以降にログインして使えるのはマイページ(利用明細の確認、領収書の印刷など)だけで、新たな請求はできません。必要な不動産は、その日のうちにまとめて請求しておきましょう(取得済みのPDFは、後述の期限内であればマイページから表示・保存できます)。

支払いはクレジットカードで、カード会社の本人認証サービス「EMV3-Dセキュア」の利用登録をしたカードが必要です。使えるのはJCB・VISA・MasterCard・American Express・Diners Clubの5ブランドとその提携カードで、デビットカードやプリペイド式のカードは使えない場合があります。

個人の登録利用の流れ

  1. 運営元のホームページの「個人利用 申込」から約款などに同意し、メールアドレスを登録する
  2. 届いたメールのURLから、支払いに使うクレジットカードの情報を含む必要事項を入力して登録する(メールが届いてから60分以内に完了させる)
  3. 登録が完了すると画面にID番号が表示され、ID番号を記載した登録完了の通知メールも届く
  4. ID番号と自分で設定したパスワードでログインする。最初のログインのときに、登録費用300円がクレジットカードに請求される

利用料金は、登記情報を請求するつどクレジットカードで決済されます。2026年4月27日からは、個人の登録を申し込むとID番号がメールで届き、すぐにログインできるようになりました(それまでは登録完了通知書が郵送されていました)。なお、登録の際にはカードの有効性を確認するために100円の与信照会が行われ、この100円はおよそ60日後に返金されると運営元は案内しています。

法人の登録利用

法人の場合は書面での申込みです。申込書・預金口座振替依頼書・会社の登記事項証明書・会社の実印の印鑑証明書を郵送し、手続には約1か月程度かかります。登録が済むと管理者IDが郵送で届き、実際に請求する人の利用者IDを最大200名分まで作成できます。利用料金は月ごとに集計され、預金口座から引き落とされます。

どちらを選ぶか

一度だけ確認したいなら、登録費用のかからない一時利用で足ります。ただし、一時利用で請求できるのは初回ログインの当日だけなので、日をまたいで何度も使う見込みがあるなら、個人の登録利用のほうが手間がかかりません。

利用できる時間(2026年9月確認)

情報 平日 土日祝日
不動産・商業法人の全部事項、所有者事項、動産・債権譲渡の概要ファイル 午前8時30分〜午後11時 午前8時30分〜午後6時
地図・図面 午前8時30分〜午後9時 利用できない

年末年始(12月29日〜1月3日)と、運営元のホームページ(メンテナンス情報)で利用できない日として案内された日は使えません。また、利用終了の時刻になると、送受信の途中でも接続が切れることがあります。

請求から保存までの流れ(不動産の場合)

ログインしたら「不動産請求」のタブを選び、次のいずれかの方法で不動産を指定します。

  • 所在指定:所在(市区町村・町名など)と、土地なら地番、建物なら家屋番号を入力または選択する
  • 不動産番号指定:13桁の不動産番号と、管轄の登記所を指定する
  • 土地からの建物検索指定:建物が建っている土地(底地)の所在と地番から、その上にある建物の一覧を表示して選ぶ

続いて、請求する種類(全部事項・所有者事項・地図・各種図面)と、全部事項の場合は共同担保目録・信託目録の要否を選んで「確定」し、表示された一覧から「請求」を押します。料金を確認するメッセージで「OK」を押した時点でPDFが作られ、課金されます。課金が確定すると取り消せないので、「OK」を押す前に所在・地番・種類をもう一度確かめましょう。

取得したPDFは、マイページの「表示・保存」ボタンから表示・印刷・保存できます。

よくあるつまずきと対処法

地番・家屋番号がわからない

不動産は、郵便物が届く住所(住居表示)では指定できません。登記で使う「地番」(土地の番号)と「家屋番号」(建物の番号)は、住居表示とは別の番号です。違いは「地番」と「住居表示」はどう違う?登記簿の住所と日常の住所の話で解説しています。住居表示の番号をそのまま地番として入力すると、目的と違う土地を請求してしまうおそれがあり、課金が確定した後は取り消せません。

地番・家屋番号の主な調べ方は次のとおりです。

  • 登記済証(いわゆる権利証)、登記識別情報通知書、固定資産税の課税明細書などを見る
  • ログイン後の不動産の請求画面にある「地番検索サービス」を使う。住宅地図を使って、住居表示からおおよその地番を調べられます。追加料金はかかりませんが、使えるのはサービスの提供エリア内に限られ、地番検索サービスだけを単独で使うこともできません
  • 建物の家屋番号がわからないときは、前述の「土地からの建物検索指定」で、土地の地番から建物を探す
  • 不動産番号と管轄の登記所がわかっていれば、「不動産番号指定」で請求する

地番検索サービスでわかるのはあくまで目安なので、請求の前に権利証や課税明細書などとも照らし合わせておくと安心です。

取得したPDFが後から開けない

取得したPDFを表示・保存できるのは、取得した日と、その翌日以降の平日3日が過ぎるまでです(土日祝日と年末年始は数えません)。この期間内なら追加料金なしで何度でも表示・印刷・保存できますが、期限を過ぎると「期間超過」となって表示も保存もできなくなり、確認しないまま期限が過ぎても料金は取り消されません。期限はマイページの「PDF取得期限」欄に表示されます。取得したら、その場で自分のパソコンなどに保存しておくのが確実です。

また、マイページで「表示・保存」ではなく「請求」ボタンを押すと、新たな請求として扱われ、期限内でも再び料金がかかります。

登記の手続中でエラーになる

その不動産について法務局で登記の手続が進んでいて、窓口でも証明書を発行しない期間は、このサービスでもエラーになり取得できません。このように取得できなかった場合は、料金はかかりません(マイページの表示が「請求済」になっていなければ課金されません)。手続が終われば取得できるようになります。なお、全部事項を共同担保目録付きで請求した場合は、担保に入っている他の不動産で登記の手続中のときにもエラーになることがあり、共同担保目録を「不要」にすると取得できる場合があると案内されています(運営元の操作案内・FAQ)。

パソコン・スマートフォンの環境が合わない

運営元は推奨環境(対応するOSやブラウザなど)を公開していて、利用前にサンプルのPDFが表示・印刷できるかを確認するよう案内しています。スマートフォンでも使えますが、機種によっては使えない場合があるとされています。パソコンでPDFを見るには、運営元が指定するPDF閲覧ソフト(Adobe Acrobat Reader)が必要です。

まとめ

登記情報提供サービスは、登記の内容をインターネットですぐに確認できるサービスですが、取得できるのは登記官の認証文や職印のない閲覧用のデータで、登記事項証明書として提出することはできません。料金は不動産の全部事項で1件330円です(2026年9月確認)。一度だけなら登録のいらない一時利用(請求は初回ログインの当日中のみ)、繰り返し使うなら登録利用が向いています。不動産は地番・家屋番号で指定し、取得したPDFは期限内に保存しておきましょう。取得した登記の内容の読み方や、相続・売買など次の手続の進め方に迷うときは、お近くの司法書士にご相談ください。

よくある質問

Q. 登記情報提供サービスの料金はいくらですか?

1件あたり、不動産の全部事項が330円、所有者事項が140円、地図や図面が360円です(2026年9月確認)。一時利用なら登録費用はかからず、個人の登録利用では最初のログイン時に登録費用300円が1回だけかかります。月会費や年会費はありません。インターネットの通信費は別です。

Q. 取得したPDFを印刷すれば、登記事項証明書の代わりに提出できますか?

できません。登記官の認証文や職印がないため、印刷しても証明書にはなりません。提出先から登記事項証明書を求められたときは、窓口・郵送・オンライン申請のいずれかで取得してください。なお、行政機関等へのオンライン申請では、手続によって「照会番号」を証明書の代わりに使える場合がありますが、使えるかどうかは申請先への確認が必要です。

Q. 自分で使えますか? わからないときはどこに相談すればいいですか?

登記情報提供サービスは、どなたでも利用できると運営元は案内しています。操作方法は、運営元のホームページの案内やヘルプデスク(平日の午前8時30分から午後6時まで。午後5時15分以降は操作方法の問い合わせのみ)で確認できます。取得した登記の内容の読み方や、相続・売買・担保の抹消など次の手続の進め方で迷うときは、お近くの司法書士にご相談ください。


【さらに深掘り】地図・図面情報の法的な位置づけと、登記の電子申請での照会番号

ご注意 以下は執筆時点(2026年9月)の法令・通達・実務運用に基づく一般的な解説です。個別事情により判断が分かれる論点を含みます。実務適用は最新情報と個別事情を踏まえ、お近くの司法書士にご相談ください。 ここから先は専門的な内容です。一般の方はここまでの内容で十分です。

「地図情報」で届くのは14条地図か、地図に準ずる図面(公図)か

地図や図面も、電気通信回線による登記情報の提供に関する法律にいう「登記情報」として提供されています。同法は登記情報のもとになる「登記簿等」に政令で定める帳簿を含めていて、地図・地図に準ずる図面や、土地所在図などの図面が記録されたファイルがこれに当たるとされているためです(同法2条1項、同法施行令6号)。このうち「地図情報」として提供されるのは、不動産登記法14条1項の地図か、同条4項の地図に準ずる図面(いわゆる公図)のどちらかです(運営元の案内)。

14条1項の地図(いわゆる14条地図。法務省は「登記所備付地図」と呼んでいます)は、一筆または二筆以上の土地ごとに作成し、各土地の区画を明確にして地番を表示するものとされ(同条2項)、正確な測量と調査の成果に基づいて作成することとされています(不動産登記規則10条1項)。地図を作るための一筆地測量と地積測定の誤差の限度も、市街地地域、村落・農耕地域、山林・原野地域の別に精度区分で定められていて(同条4項)、地図には精度区分が記録されます(同規則13条1項8号)。

これに対し、地図に準ずる図面は、14条地図が備え付けられるまでの間、これに代えて備え付けることができる図面です(不動産登記法14条4項)。条文も、14条地図は「各土地の区画を明確にし」とするのに対し、地図に準ずる図面は「土地の位置、形状及び地番を表示する」ものとして書き分けています(同条2項・5項)。法務省は、公図には明治期の地租改正の際に作成されたものが多く、現地を復元するほどの精度と正確性は有していないと説明しています。法務局の案内資料によると、公図は土地台帳とともに税務署が管理していた図面で、昭和25年以降に登記所へ移管されたものです。また、土地改良事業や土地区画整理事業の際の測量で作られた比較的新しい図面でも、一定の基準を満たしていないために地図に準ずる図面とされているものがあります。

もっとも、同じ案内資料は、地図に準ずる図面も作成目的や作成時期によっては、筆界を判断する資料として一定の評価・活用ができるとしています。「公図だから当てにならない」と決めつけず、図面の性格の違いを理解して使うことが大切です。

運営元が公開している見本では、地図情報のPDFの下部に「分類」「種類」「精度区分」「座標系番号又は記号」「作成年月日」などの欄があり、14条地図の見本の「分類」欄には「地図(法第14条第1項)」と表示されています。地図情報を取得したら、まずこの欄を確かめておくと、図面の精度を考えるうえでの手がかりになります。

「図面情報」は、主に登記の申請の際に提出された図面

図面情報で取得できる土地所在図・地積測量図・地役権図面・建物図面・各階平面図は、不動産登記令2条2号から6号で定義されている図面で、登記簿の附属書類のうち政令で定める図面とされているものです(不動産登記法121条1項、不動産登記令21条1項)。登記所に備え付けられる地図とは違い、主に、登記の申請の際に添付情報として提出されたものです。どの登記の申請で提出するかは不動産登記令の別表で定められていて、たとえば次のとおりです。

  • 土地の表題登記:土地所在図・地積測量図(別表4項)
  • 地積の変更・更正の登記:地積測量図(別表6項)
  • 分筆の登記:分筆後の土地の地積測量図(別表8項)
  • 建物の表題登記:建物図面・各階平面図(別表12項)
  • 承役地についてする地役権の設定の登記で、地役権設定の範囲が承役地の一部であるとき:地役権図面(別表35項)

このため、こうした図面の提出を伴う登記がされていない土地や建物には、図面がないことがあります。反対に、1筆の土地について分筆が何度も行われている場合などは、1つの土地に複数の図面があることもあります。運営元は、図面は作成された登記事件(事件ID)ごとに管理されているので、事件単位で請求する図面を特定する必要があると案内しています。

地積測量図には、現在の不動産登記規則77条1項により、地積とその求積方法、筆界点間の距離、筆界点の座標値(原則として基本三角点等に基づく測量の成果によるもの。例外は同条2項)、境界標があるときはその表示、測量の年月日などを記録することとされています。ただし、これは平成17年3月7日に施行された同規則のもとでの現在の記録事項で、それより前に提出された地積測量図は当時の規定のもとで作成されたものです。記録されている事項が現在と同じとは限らないため、図面を見るときは測量の年月日(同項10号)も確かめておきましょう。

また、令和8年熊本地震では、地殻変動により、地震の前に作られた地図などの座標値が現在の座標値と異なる可能性があるとして、2026年8月17日から、登記所で交付される地図証明書と、このサービスの地図情報に、地震の発生前の内容である旨を付記する運用が行われています。対象は、国土地理院が基準点の測量成果の公表を停止している市町村に関する地図と、地図に準ずる図面のうち公共座標値が記録されているものです。地積測量図にはこうした付記がされないため、作成年月日を確認したうえで扱うよう案内されています(法務省・運営元の案内。2026年9月確認)。

現地の境界(筆界)の位置や土地の面積を確かめる必要があるときは、地図や図面の写しだけで判断せず、不動産の表示に関する登記について必要な土地や家屋の調査・測量(土地家屋調査士法3条1項1号)などを業務とする土地家屋調査士への相談を検討してください。

登記の電子申請では、照会番号が登記事項証明書の代わりになる

本文では、行政機関等へのオンライン申請で照会番号を使う仕組みを紹介しました。不動産登記の電子申請にも、これに対応する規定があります。不動産登記令11条は、電子申請(電子情報処理組織を使用する方法による申請)で登記事項証明書を併せて提供しなければならないとされている場合について、法務大臣の定めるところに従い、登記事項証明書の提供に代えて、登記官が指定法人(このサービスの運営元)から登記情報の送信を受けるために必要な情報を送信するものと定めています。法務省の案内では、登記情報提供サービスの「照会番号」を、発行日付とあわせて申請情報の「その他事項」欄に記録して申請することで、登記事項証明書の添付を省略できるとされています。

不動産登記で登記事項証明書の提供が求められる例としては、次のようなものがあります(いずれも不動産登記令別表)。

  • 承役地についてする地役権の設定の登記で、要役地が他の登記所の管轄区域内にあるとき:要役地の登記事項証明書(35項。地役権の変更・更正の登記と抹消の登記も同様。36項・37項)
  • 根抵当権の設定の登記をした後、同一の債権の担保として他の不動産に関する権利を目的とする根抵当権の設定の登記と、民法398条の16の登記(同一の債権の担保として数個の不動産につき根抵当権が設定された旨の登記)を申請する場合で、前の登記に他の登記所の管轄区域内にある不動産に関するものがあるとき:前の登記に関する登記事項証明書(56項)

照会番号は、登記情報を請求する際に必要な通数を指定して取得するもので、取得した登記情報のPDFに発行年月日と照会番号(10桁の数字)が表示されます。運営元の案内では、不動産の登記情報を「不動産番号」で指定して請求した場合は照会番号を付けることができず、図面情報には照会番号がありません。電子申請で使う予定があるときは、請求の段階でこれらの点を確認しておく必要があります。

参考資料

この記事は、次の資料を参照して内容を確認しています(確認日:2026年9月・いずれも一次情報です)。

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