成年後見人が『できないこと』とは──医療同意・身元保証・自宅の売却で知っておきたい限界

この記事の要点 成年後見人は本人の財産管理や契約を広く代理できるが、「何でもできる」わけではなく、法律上できないことがある 医療への同意、本人の身元保証、婚姻などの身分行為は、後見人が本人に代わって行うことはできない 本人が住む自宅の売却など、影響の大きい行為には家庭裁判所の許可が必要 「成年後見人になれば、本人のことは何でも代わりに決められる」——そう思われがちですが、実際には後見人にも「できないこと」があります。本記事は、執筆時点(2026年07月)の制度に基づく一般的な解説です。後見・保佐・補助の違いについては、法定後見の3類型『後見・保佐・補助』はどう違う?もあわせてご覧ください。 ...

2026年7月15日 · ひぐらしさとし

貸したお金や未払い代金には時効がある|何年で消える? 時効を止める方法

この記事の要点 貸したお金や未払い代金は、一定期間放っておくと「消滅時効」で相手に支払いを断られることがある 多くの債権は、原則として「知った時から5年」または「行使できる時から10年」で時効になる(民法166条1項) 時効は、相手の承認・裁判上の請求・催告といった方法で止められるが、口頭で催促しただけでは確実には止まらない 友人に貸したお金や、取引先の未払い代金――「そのうち払ってくれるだろう」と待っているうちに、法律上は回収しにくくなってしまうことがあります。これが「消滅時効(しょうめつじこう)」です。この記事では、時効の期間と、進行を止める方法の枠組みを一般向けに整理します。 ...

2026年7月15日 · ひぐらしさとし

「善意」と「悪意」は良い悪いではない──法律用語としての意味をやさしく解説

この記事の要点 法律でいう「善意」「悪意」は、良い心・悪い心のことではない 「善意」=ある事情を知らないこと、「悪意」=ある事情を知っていること 不動産や取引のトラブルでは、この「知っていたか・知らなかったか」で結論が変わる場面がある 法律の条文や司法書士・弁護士の説明に、「善意の第三者」「悪意の占有者」といった言葉が出てくることがあります。日常の感覚では、善意は「親切な気持ち」、悪意は「悪だくみ」を思い浮かべますが、法律の世界での意味はまったく違います。結論から言うと、善意=ある事情を知らないこと、悪意=ある事情を知っていることを指します。良い・悪いという道徳の話ではなく、「知っていたかどうか」という事実の問題です。 ...

2026年7月14日 · ひぐらしさとし

『登記識別情報』と『登記完了証』はどう違う?──登記後に届く書類の見分け方

この記事の要点 登記が終わると複数の書類が返ってくるが、なかでも「登記識別情報通知」と「登記完了証」は役割がまったく違う 登記識別情報通知は昔の「権利証」にあたるもので、新しく名義人になった人だけに通知される12桁の符号 登記完了証は「登記が終わりました」というお知らせで、権利を証明する書類ではない 不動産の登記(名義の書き換えなど)が完了すると、法務局からいくつかの書類が返ってきます。このとき混同されやすいのが「登記識別情報通知(とうきしきべつじょうほうつうち)」と「登記完了証(とうきかんりょうしょう)」です。結論から言えば、大切に保管すべきは登記識別情報通知のほうで、登記完了証は手続きが終わったことのお知らせにあたります。 ...

2026年7月14日 · ひぐらしさとし

相続の初回相談、家族の誰と行けばいい?──代表者だけ・全員同席の考え方

この記事の要点 初回相談に誰と行くかに決まりはなく、代表者だけでも、相続人全員でもかまわない 他の相続人が同席すると、かえって本音や不安を話しにくくなることがある 迷ったら、まず代表者が個別に相談し、聞いた内容を他の相続人へ共有する流れが無難なことが多い 相続の相談に行くとき、「自分ひとりで行っていいのか」「相続人全員を連れて行くべきか」と迷う方は少なくありません。実は、初回相談に誰と行くかについて決まったルールはありません。どちらの形でも相談自体は可能です。 ...

2026年7月13日 · ひぐらしさとし

不動産取得税とは──売買・贈与の登記後に届く『納税通知書』の正体

この記事の要点 不動産取得税は売買・贈与・新築などで不動産を取得したときにかかる都道府県税 相続で取得した場合は原則として課税されない(遺産分割協議による取得も含む) 登記の際にその場で徴収されるものではなく、数か月後に納税通知書が届く 不動産の名義変更登記をしたあと、しばらくしてから都道府県の税事務所から「不動産取得税」の納税通知書が届き、驚く方がいます。結論から言うと、これは登記の手続きとは別に、不動産を取得した事実そのものに対して課される都道府県税です。登記が終わったからといって完了するものではなく、法務局から都道府県への通知を経て、後日あらためて課税されるという流れになっています。 ...

2026年7月13日 · ひぐらしさとし

相続が始まったら何から?期限のある手続きの優先順位の整理

この記事の要点 相続には「3か月」「4か月」「10か月」「1年」「3年」など、複数の期限がある手続きが並行して存在する どれから手をつけるかは、期限が短いものから確認するのが一般的な考え方 具体的な優先順位は各家庭の事情で変わるため、あくまで確認の目安として使う 本文 身近な人が亡くなったあと、相続にかかわる手続きにはいくつもの期限があります。どれも「知らなかった」では済まされないものばかりですが、期限が短いものから順に確認していくのが基本です。ここでは代表的な期限を整理します。 ...

2026年7月12日 · ひぐらしさとし

戸籍の附票とは?相続登記で「亡くなった方の住所」を証明する書類の基礎

この記事の要点 戸籍の附票は、本籍地の市区町村が管理する「住所の履歴を記録した書類」 相続登記では、登記簿上の住所と戸籍の記載だけでは「同一人物」と確認できないときに附票が必要になる 附票が取得できない場合も、権利証など別の書類で対応できることがある 本文 相続登記の相談で必ずといっていいほど出てくる書類のひとつが「戸籍の附票」です。戸籍謄本と混同されがちですが、役割はまったく違います。 ...

2026年7月12日 · ひぐらしさとし

法定後見の3類型『後見・保佐・補助』はどう違う?──判断能力の程度で決まる仕組み

この記事の要点 法定後見(ほうていこうけん)は、判断能力が不十分になった方を法律面で支える制度で、本人の状態に応じて「後見・保佐・補助」の3類型に分かれる 分かれ目は、判断能力がどの程度低下しているか。重い順に後見・保佐・補助となり、支援する人の呼び名や権限も変わる どの類型にあたるかは、最終的に家庭裁判所が診断書などをもとに判断する 「親の物忘れが進んできた。成年後見を考えたいが、後見・保佐・補助という言葉が出てきてよく分からない」——こうした声は少なくありません。この3つは別々の制度ではなく、判断能力の程度に応じた法定後見の3つの型です。本記事は、執筆時点(2026年07月)の制度に基づく一般的な解説です。 ...

2026年7月11日 · ひぐらしさとし

敷金が返ってこないときの手続き|少額訴訟・支払督促・民事調停の違い

賃貸住宅を退去したのに敷金(しききん・入居時に大家さんへ預けるお金)がなかなか返ってこない――そんなとき、話し合いのほかに裁判所を使う手続きがいくつか用意されています。この記事では、代表的な「少額訴訟」「支払督促」「民事調停」の三つが、それぞれどういう場面向けの制度なのかを整理します。 ...

2026年7月11日 · ひぐらしさとし