この記事の要点
- 不動産取得税は売買・贈与・新築などで不動産を取得したときにかかる都道府県税
- 相続で取得した場合は原則として課税されない(遺産分割協議による取得も含む)
- 登記の際にその場で徴収されるものではなく、数か月後に納税通知書が届く
不動産の名義変更登記をしたあと、しばらくしてから都道府県の税事務所から「不動産取得税」の納税通知書が届き、驚く方がいます。結論から言うと、これは登記の手続きとは別に、不動産を取得した事実そのものに対して課される都道府県税です。登記が終わったからといって完了するものではなく、法務局から都道府県への通知を経て、後日あらためて課税されるという流れになっています。
不動産取得税がかかる典型的な場面は、売買・贈与・交換・新築・増改築です。一方で、相続による所有権移転登記については、原則として不動産取得税は課税されません(地方税法73条の7)。遺産分割協議で法定相続分と異なる分け方をした場合でも、相続人が相続によって取得したものであれば非課税の扱いは変わりません。これは、相続が本人の意思による「取得」というより、包括的な権利承継としての性格を持つためです。ただし、相続人以外の方が特定遺贈で取得した場合や、死因贈与による取得は贈与として課税の対象になるため、個別の判断が必要になります。
課税の基準となるのは、実際の売買代金や贈与時の時価ではなく、固定資産税評価額です。同じ評価額を基準にする点は登録免許税と共通していますが、不動産取得税は都道府県税事務所が別途課税するものであり、売買の決済・登記の場で司法書士が代わりに納めることはできません。住宅用家屋や宅地については軽減措置が設けられている場合もありますが、適用要件や軽減額は個々の事情によって異なります。
執筆時点(2026年07月)の制度に基づく一般的な解説です。
まとめ
不動産取得税は、売買・贈与・新築などで不動産を取得した際に都道府県から課される税金で、登記完了後しばらくしてから納税通知書という形で届きます。相続による取得は原則非課税である点、課税標準が固定資産税評価額である点を押さえておくと、通知書が届いたときに慌てずに済みます。軽減措置の適用可否や具体的な税額については、税理士にご確認ください。
参考資料
この記事は、次の資料を参照して内容を確認しています(確認日:2026年07月)。
- 地方税法 第73条の7第1号(相続による不動産の取得の非課税=包括遺贈・相続人への遺贈を含む)(e-Gov法令検索): https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000226
- 地方税法 第73条の21第1項(固定資産課税台帳登録価格による課税標準となるべき価格の決定)(e-Gov法令検索): https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000226