問題:
登記事項証明書等の交付について、次の記述のうち誤っているものはいくつあるか。
ア. 何人も、登記官に対し、手数料を納付して、登記事項証明書の交付を請求することができるが、登記記録に記録されている事項の概要を記載した書面の交付を請求することはできない。
イ. 登記事項証明書の交付の請求は、法務省令で定める場合を除き、請求に係る不動産の所在地を管轄する登記所以外の登記所の登記官に対してもすることができる。
ウ. 登記事項証明書の交付を請求する場合の手数料の納付は、常に収入印紙をもってしなければならず、法務省令で定める方法により現金をもって納付することは認められていない。
エ. 登記官は、登記記録に記録されている者(自然人であるものに限る。)の住所が明らかにされることにより人の生命若しくは身体に危害を及ぼすおそれがある場合等において、その者からの申出があったときは、法務省令で定めるところにより、登記事項証明書等に当該住所に代わるものとして法務省令で定める事項を記載しなければならない。
オ. 地図、建物所在図又は地図に準ずる図面の全部又は一部の写しの交付の請求については、登記事項証明書の交付の請求に関する手数料の額・納付方法・請求先登記所の特例を定めた規定は準用されない。
答え: 誤っているものは、ア・ウ・オの3つである。
解説: ア 誤り。不動産登記法119条2項は「何人も、登記官に対し、手数料を納付して、登記記録に記録されている事項の概要を記載した書面の交付を請求することができる。」と規定しており、登記事項証明書(同条1項)とは別に、登記記録に記録されている事項の概要を記載した書面(登記事項要約書)の交付も何人も請求することができる。
イ 正しい。同条5項は「第一項の交付の請求は、法務省令で定める場合を除き、請求に係る不動産の所在地を管轄する登記所以外の登記所の登記官に対してもすることができる。」と規定している。
ウ 誤り。同条4項は「第一項及び第二項の手数料の納付は、収入印紙をもってしなければならない。ただし、法務省令で定める方法で登記事項証明書の交付を請求するときは、法務省令で定めるところにより、現金をもってすることができる。」と規定しており、法務省令で定める方法による請求の場合には現金による納付も認められている。
エ 正しい。同条6項のとおりである。登記記録に記録されている自然人の住所が明らかにされることで生命・身体に危害が及ぶおそれがある場合等に備え、住所に代わる事項を記載する措置が義務付けられている。
オ 誤り。不動産登記法120条3項は「第百十九条第三項から第五項までの規定は、地図等について準用する。」と規定している。119条3項は手数料の額(政令で定める)を、4項は納付方法を、5項は請求先登記所の特例をそれぞれ定めた規定であり、この3つの項がそのまま地図等の写しの交付の請求について準用される。
問題:
土地家屋調査士名簿の登録及び登録の拒否・取消しについて、次の記述のうち誤っているものはいくつあるか。
ア. 調査士となる資格を有する者が調査士となるには、その事務所の所在地を管轄する法務局又は地方法務局に備える土地家屋調査士名簿への登録を受けなければならない。
イ. 登録の申請は、その事務所を設けようとする地を管轄する法務局又は地方法務局の管轄区域内に設立された調査士会を経由して、調査士会連合会に登録申請書を提出してしなければならない。
ウ. 調査士会連合会は、登録の申請をした者が心身の故障により調査士の業務を行うことができないと認めたときは、登録審査会の議決を経ることなく、登録を拒否することができる。
エ. 調査士会連合会は、登録の申請をした者につき、調査士の信用又は品位を害するおそれがあることその他調査士の職責に照らし調査士としての適格性を欠くことを理由にその登録を拒否しようとするときは、あらかじめ当該申請者にその旨を通知して、相当の期間内に自ら又はその代理人を通じて弁明する機会を与えなければならない。
オ. 調査士が引き続き二年以上業務を行わないときは、調査士会連合会は、その登録を取り消さなければならない。
答え: 誤っているものは、ア・ウ・オの3つである。
解説: ア 誤り。土地家屋調査士法8条1項は「調査士となる資格を有する者が調査士となるには、日本土地家屋調査士会連合会(以下「調査士会連合会」という。)に備える土地家屋調査士名簿に、氏名、生年月日、事務所の所在地、所属する土地家屋調査士会その他法務省令で定める事項の登録を受けなければならない。」と規定し、同条2項は「土地家屋調査士名簿の登録は、調査士会連合会が行う。」と規定している。登録を行う機関は法務局又は地方法務局ではなく、調査士会連合会である。
イ 正しい。同法9条1項は「前条第一項の登録を受けようとする者は、その事務所を設けようとする地を管轄する法務局又は地方法務局の管轄区域内に設立された調査士会を経由して、調査士会連合会に登録申請書を提出しなければならない。」と規定している。
ウ 誤り。同法10条1項は、調査士会連合会は登録の申請をした者が調査士となる資格を有せず、又は同項各号(1号:52条1項の入会手続をとらないとき、2号:心身の故障により調査士の業務を行うことができないとき、3号:調査士の信用又は品位を害するおそれがあるときその他調査士の職責に照らし調査士としての適格性を欠くとき)のいずれかに該当すると認めたときは登録を拒否しなければならないとしつつ、「当該申請者が第二号又は第三号に該当することを理由にその登録を拒否しようとするときは、第六十二条に規定する登録審査会の議決に基づいてしなければならない。」と規定している。心身の故障(2号)を理由とする拒否は、登録審査会の議決に基づいてしなければならず、これを経ずに拒否することはできない。
エ 正しい。同条2項は「調査士会連合会は、当該申請者が前項第二号又は第三号に該当することを理由にその登録を拒否しようとするときは、あらかじめ、当該申請者にその旨を通知して、相当の期間内に自ら又はその代理人を通じて弁明する機会を与えなければならない。」と規定しており、3号事由(適格性を欠くこと等)を理由とする拒否についても弁明の機会を与えなければならない。
オ 誤り。同法16条1項は、調査士が「引き続き二年以上業務を行わないとき」又は「心身の故障により業務を行うことができないとき」に該当する場合、調査士会連合会は「その登録を取り消すことができる」と規定している。これは15条1項が定める必要的な取消事由(業務の廃止、死亡、資格を有しないことが判明したとき、5条各号(2号を除く)に該当するに至ったとき)とは異なり、取り消すかどうかが連合会の判断に委ねられた任意的な取消事由であって、「取り消さなければならない」ものではない。もっとも、任意的な取消しであっても連合会が単独で決められるわけではなく、同法16条4項は10条1項後段の規定を準用しているため、この取消しは登録審査会の議決に基づいてしなければならない。
問題:
境界標及び囲障の設置について、次の記述のうち誤っているものはいくつあるか。
ア. 土地の所有者は、隣地の所有者と共同の費用で、境界標を設けることができる。
イ. 境界標の設置及び保存の費用は、相隣者が等しい割合で負担するのが原則であるが、測量の費用は、その土地の広狭に応じて分担する。
ウ. 二棟の建物がその所有者を異にし、かつ、その間に空地があるときに設ける囲障について、当事者間に協議が調わないときは、板塀又は竹垣その他これらに類する材料のものであって、かつ高さ一メートルのものでなければならない。
エ. 相隣者の一人は、規定の高さを増して囲障を設けることは認められているが、規定の材料より良好なものを用いて囲障を設けることは認められていない。
オ. 境界線上に設けた境界標、囲障、障壁、溝及び堀は相隣者の共有に属するものと推定されるが、一棟の建物の一部を構成する境界線上の障壁については、この推定は適用されない。
答え: 誤っているものは、ウ・エの2つである。
解説: ア 正しい。民法223条は「土地の所有者は、隣地の所有者と共同の費用で、境界標を設けることができる。」と規定している。
イ 正しい。同法224条は「境界標の設置及び保存の費用は、相隣者が等しい割合で負担する。ただし、測量の費用は、その土地の広狭に応じて分担する。」と規定している。
ウ 誤り。同法225条2項は「当事者間に協議が調わないときは、前項の囲障は、板塀又は竹垣その他これらに類する材料のものであって、かつ、高さ二メートルのものでなければならない。」と規定しており、高さは二メートルである。一メートルではない。
エ 誤り。同法227条は「相隣者の一人は、第二百二十五条第二項に規定する材料より良好なものを用い、又は同項に規定する高さを増して囲障を設けることができる。ただし、これによって生ずる費用の増加額を負担しなければならない。」と規定しており、材料をより良好なものに変更することと、高さを増すことの両方が認められている(ただし増加費用は自己負担)。材料の変更のみを否定する点が誤りである。
オ 正しい。同法229条は「境界線上に設けた境界標、囲障、障壁、溝及び堀は、相隣者の共有に属するものと推定する。」と規定するが、230条1項は「一棟の建物の一部を構成する境界線上の障壁については、前条の規定は、適用しない。」と規定しており、共有の推定は適用されない。
問題:
測量計画機関及び測量の基準等について、次の記述のうち誤っているものはいくつあるか。
ア. 「測量計画機関」とは、基本測量、公共測量又は基本測量及び公共測量以外の測量を計画する者をいい、測量計画機関が自ら計画を実施する場合には、測量作業機関となることができる。
イ. 「測量作業機関」とは、測量計画機関の指示又は委託を受けて測量作業を実施する者をいう。
ウ. 基本測量及び公共測量における位置は、地理学的経緯度及び平均海面からの高さで表示するものとされており、直角座標、極座標又は地心直交座標によって表示することは認められていない。
エ. 測量の原点は日本経緯度原点及び日本水準原点とされ、離島の測量その他特別の事情がある場合において国土地理院の長の承認を得たときであっても、日本経緯度原点及び日本水準原点以外の原点によることはできない。
オ. 国土交通大臣は基本測量に関する長期計画を定めなければならず、国土地理院の長は、関係行政機関その他の者に対し、基本測量に関する資料又は報告の提出を求めることができる。
答え: 誤っているものは、ア・ウ・エの3つである。
解説: ア 誤り。測量法7条は「この法律において「測量計画機関」とは、前二条に規定する測量を計画する者をいう。測量計画機関が、自ら計画を実施する場合には、測量作業機関となることができる。」と規定している(同条に項の区切りはない)。「前二条」とは同法5条(公共測量)及び6条(基本測量及び公共測量以外の測量)を指す。基本測量の定義は同法4条に別に置かれており、7条が引く「前二条」には含まれない。測量計画機関の定義に基本測量を計画する者を含めている点が誤りである。なお、測量計画機関が自ら計画を実施する場合には測量作業機関となることができるとする後段の部分は条文どおりである。
イ 正しい。同法8条は「この法律において「測量作業機関」とは、測量計画機関の指示又は委託を受けて測量作業を実施する者をいう。」と規定している。
ウ 誤り。同法11条1項1号は「位置は、地理学的経緯度及び平均海面からの高さで表示する。ただし、場合により、直角座標及び平均海面からの高さ、極座標及び平均海面からの高さ又は地心直交座標で表示することができる。」と規定しており、直角座標・極座標・地心直交座標による表示も認められている。
エ 誤り。同項3号は「測量の原点は、日本経緯度原点及び日本水準原点とする。ただし、離島の測量その他特別の事情がある場合において、国土地理院の長の承認を得たときは、この限りでない。」と規定している。離島の測量その他特別の事情がある場合において国土地理院の長の承認を得たときは、日本経緯度原点及び日本水準原点によらないことができる。
オ 正しい。同法12条は「国土交通大臣は、基本測量に関する長期計画を定めなければならない。」と規定し、同法13条は「国土地理院の長は、関係行政機関又はその他の者に対し、基本測量に関する資料又は報告の提出を求めることができる。」と規定している。
問題:
建物の表題登記及び建物の滅失の登記の申請について、次の記述のうち誤っているものはいくつあるか。
ア. 新築した建物又は区分建物以外の表題登記がない建物の所有権を取得した者は、その所有権の取得の日から一月以内に、表題登記を申請しなければならない。
イ. 区分建物である建物を新築した場合において、その所有者について相続その他の一般承継があったときは、相続人その他の一般承継人は、被承継人を表題部所有者とする当該建物についての表題登記を申請することができない。
ウ. 建物が滅失したときは、表題部所有者又は所有権の登記名義人(共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がある建物の場合にあっては、所有者)は、その滅失の日から一月以内に、当該建物の滅失の登記を申請しなければならない。
エ. 建物の表題登記の申請をすべき義務がある者が、正当な理由がないのにその申請を怠ったときであっても、過料に処せられることはない。
オ. 建物の滅失の登記の申請をすべき義務がある者が、正当な理由がないのにその申請を怠ったときは、十万円以下の過料に処せられる。
答え: 誤っているものは、イ・エの2つである。
解説: ア 正しい。不動産登記法47条1項は「新築した建物又は区分建物以外の表題登記がない建物の所有権を取得した者は、その所有権の取得の日から一月以内に、表題登記を申請しなければならない。」と規定している。
イ 誤り。同条2項は「区分建物である建物を新築した場合において、その所有者について相続その他の一般承継があったときは、相続人その他の一般承継人も、被承継人を表題部所有者とする当該建物についての表題登記を申請することができる。」と規定しており、相続人その他の一般承継人も表題登記を申請することができる。
ウ 正しい。同法57条は「建物が滅失したときは、表題部所有者又は所有権の登記名義人(共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がある建物の場合にあっては、所有者)は、その滅失の日から一月以内に、当該建物の滅失の登記を申請しなければならない。」と規定している。
エ 誤り。同法164条1項は「第三十六条、第三十七条第一項若しくは第二項、第四十二条、第四十七条第一項(第四十九条第二項において準用する場合を含む。)、第四十九条第一項、第三項若しくは第四項、第五十一条第一項から第四項まで、第五十七条、第五十八条第六項若しくは第七項、第七十六条の二第一項若しくは第二項又は第七十六条の三第四項の規定による申請をすべき義務がある者が正当な理由がないのにその申請を怠ったときは、十万円以下の過料に処する。」と規定しており、47条1項の規定による表題登記の申請義務違反も過料の対象に含まれている。
オ 正しい。同法164条1項のとおりである。57条の規定による申請義務違反も同項に列挙されており、正当な理由なくこれを怠ったときは十万円以下の過料に処せられる。
出題分野の振り分け
| 問 | 分野 | 根拠条文 |
|---|---|---|
| 第1問 | 不動産登記法(登記事項証明書等の交付) | 不動産登記法119条・120条 |
| 第2問 | 土地家屋調査士法(登録・登録の拒否及び取消し) | 土地家屋調査士法8条・9条・10条・15条・16条 |
| 第3問 | 民法(相隣関係・境界標及び囲障の設置) | 民法223条・224条・225条・227条・229条・230条 |
| 第4問 | 測量法(測量計画機関・測量作業機関・測量の基準・長期計画) | 測量法4条・5条・6条・7条・8条・11条・12条・13条 |
| 第5問 | 不動産登記法(建物の表題登記・建物の滅失の登記・過料) | 不動産登記法47条・57条・164条 |