問題: 土地の表題登記及び表示に関する登記の申請等について、次の記述のうち誤っているものはいくつあるか。

ア. 新たに生じた土地又は表題登記がない土地の所有権を取得した者は、その所有権の取得の日から一月以内に、表題登記を申請しなければならない。

イ. 地目又は地積について変更があったときは、表題部所有者又は所有権の登記名義人は、その変更があった日から三月以内に、当該地目又は地積に関する変更の登記を申請しなければならない。

ウ. 地目又は地積について変更があった後に表題部所有者又は所有権の登記名義人となった者は、その者に係る表題部所有者についての更正の登記又は所有権の登記があった日から一月以内に、当該地目又は地積に関する変更の登記を申請しなければならない。

エ. 表示に関する登記は、当事者からの申請がない限り、登記官が職権ですることはできない。

オ. 登記官は、表示に関する登記についての調査のため必要があると認めるときは、時間を問わず、いつでも不動産を検査することができる。

答え: 誤っているものは、イ・エ・オの3つである。

解説: ア 正しい。不動産登記法36条は「新たに生じた土地又は表題登記がない土地の所有権を取得した者は、その所有権の取得の日から一月以内に、表題登記を申請しなければならない。」と規定する。

イ 誤り。不動産登記法37条1項は「地目又は地積について変更があったときは、表題部所有者又は所有権の登記名義人は、その変更があった日から一月以内に、当該地目又は地積に関する変更の登記を申請しなければならない。」と規定しており、期間は一月以内である。三月以内ではない。

ウ 正しい。不動産登記法37条2項のとおりである。地目・地積の変更後に表題部所有者又は登記名義人となった者についても、更正登記又は所有権の登記があった日から一月以内の申請義務が課される。

エ 誤り。不動産登記法28条は「表示に関する登記は、登記官が、職権ですることができる。」と規定しており、当事者からの申請がなくても登記官の職権で表示に関する登記をすることができる。表示に関する登記については、権利に関する登記と比べて登記官の職権による登記が広く認められている点が特徴である。

オ 誤り。不動産登記法29条2項は、登記官が調査のため不動産を検査し、又は関係者に質問等をすることができるのは「日出から日没までの間に限り」と規定している。時間を問わずいつでも検査できるわけではない。


問題: 土地家屋調査士が業務を行い得ない事件について、次の記述のうち誤っているものはいくつあるか。

ア. 調査士は、公務員として職務上取り扱った事件については、依頼者の同意があれば当該事件についての業務を行うことができる。

イ. 土地家屋調査士法22条の2第2項各号に掲げる事件について調査士が行ってはならないのは、調査士法3条1項に規定する業務全般であり、筆界特定手続代理関係業務に限られない。

ウ. 相手方の協議を受けて賛助し、又はその依頼を承諾した事件については、受任している事件の依頼者が同意した場合であっても、当該事件に関する筆界特定手続代理関係業務を行うことはできない。

エ. 受任している事件の相手方からの依頼による他の事件については、受任している事件の依頼者の同意があれば、筆界特定手続代理関係業務を行うことができる。

オ. 調査士は、正当な事由がある場合でなければ依頼を拒んではならないが、民間紛争解決手続代理関係業務に関する依頼は、この応諾義務の対象から除かれている。

答え: 誤っているものは、ア・イの2つである。

解説: ア 誤り。土地家屋調査士法22条の2第1項は「調査士は、公務員として職務上取り扱つた事件及び仲裁手続により仲裁人として取り扱つた事件については、その業務を行つてはならない。」と規定しており、依頼者の同意を理由とする例外は置かれていない。同項に該当する事件は、依頼者の同意の有無にかかわらず業務を行うことができない。

イ 誤り。同法22条の2第2項本文は「調査士は、次に掲げる事件については、第三条第一項第四号から第六号(第四号及び第五号に関する部分に限る。)までに規定する業務(以下「筆界特定手続代理関係業務」という。)を行つてはならない。」と規定しており、行ってはならない業務の範囲は筆界特定手続代理関係業務に限定されている。調査士法3条1項に規定する業務全般が禁止されるわけではない。

ウ 正しい。同項1号(相手方の協議を受けて賛助し、又はその依頼を承諾した事件)は、同項ただし書が同意による例外を認める対象(3号・7号)に含まれていない。したがって依頼者の同意があっても、当該事件についての筆界特定手続代理関係業務を行うことはできない。

エ 正しい。同項3号(受任している事件の相手方からの依頼による他の事件)は、同項ただし書により「受任している事件の依頼者が同意した場合は、この限りでない」とされており、同意があれば筆界特定手続代理関係業務を行うことができる。

オ 正しい。同法22条は「調査士は、正当な事由がある場合でなければ、依頼(第三条第一項第四号及び第六号(第四号に関する部分に限る。)に規定する業務並びに民間紛争解決手続代理関係業務に関するものを除く。)を拒んではならない。」と規定しており、民間紛争解決手続代理関係業務に関する依頼は応諾義務の対象から除外されている。


問題: 囲繞地通行権について、次の記述のうち誤っているものはいくつあるか。

ア. 他の土地に囲まれて公道に通じない土地の所有者は、公道に至るため、その土地を囲んでいる他の土地を通行することができる。

イ. 池沼、河川、水路若しくは海を通らなければ公道に至ることができないときは囲繞地通行権が認められるが、崖があって土地と公道とに著しい高低差があるにとどまるときは、この通行権は認められない。

ウ. 囲繞地通行権に基づく通行の場所及び方法は、通行権を有する者のために必要な範囲であれば足り、他の土地のための損害の程度は考慮する必要がない。

エ. 囲繞地通行権を有する者は、その通行する他の土地の損害に対して償金を支払わなければならないのが原則であるが、通路の開設のために生じた損害を除き、一年ごとにその償金を支払うことができる。

オ. 土地の分割によって公道に通じない土地が生じたときは、その土地の所有者は、公道に至るため他の分割者の所有地のみを通行することができるが、この場合であっても償金を支払うことを要する。

答え: 誤っているものは、イ・ウ・オの3つである。

解説: ア 正しい。民法210条1項のとおりである(公道に至るための他の土地の通行権=囲繞地通行権)。

イ 誤り。民法210条2項は「池沼、河川、水路若しくは海を通らなければ公道に至ることができないとき、又は崖があって土地と公道とに著しい高低差があるときも、前項と同様とする。」と規定しており、崖により著しい高低差がある場合も囲繞地通行権が認められる。

ウ 誤り。民法211条1項は「前条の場合には、通行の場所及び方法は、同条の規定による通行権を有する者のために必要であり、かつ、他の土地のために損害が最も少ないものを選ばなければならない。」と規定しており、通行権者の必要性だけでなく、囲繞地側の損害が最も少ない場所・方法を選ぶことが求められる。

エ 正しい。民法212条のとおりである。同条ただし書は、通路の開設のために生じた損害に対するものを除き、一年ごとに償金を支払うことができるとする。このただし書は、償金の支払義務そのものについての例外ではなく、支払方法(一年ごとの支払を認めるかどうか)についての定めである点に注意を要する。

オ 誤り。民法213条1項は「分割によって公道に通じない土地が生じたときは、その土地の所有者は、公道に至るため、他の分割者の所有地のみを通行することができる。」としたうえで、「この場合においては、償金を支払うことを要しない。」と規定している。210条による通行権が民法212条により償金の支払を要するのに対し、分割によって生じた土地についての213条1項の通行権では償金の支払を要しない点が異なる。


問題: 公共測量の作業規程及び測量成果の提出・審査について、次の記述のうち誤っているものはいくつあるか。

ア. 測量計画機関は、公共測量を実施しようとするときは、作業規程を定め、あらかじめ国土交通大臣の承認を得なければならないが、これを変更しようとするときは改めて承認を得る必要はない。

イ. 公共測量は、国土交通大臣の承認を得た作業規程に基づいて実施しなければならない。

ウ. 国土交通大臣は、作業規程の準則を定めなければならない。

エ. 測量計画機関は、公共測量の測量成果を得たときは、遅滞なく、その写しを国土地理院の長に送付しなければならない。

オ. 国土地理院の長は、測量成果の写しの送付を受けて審査した結果、当該測量成果が十分な精度を有すると認める場合には、測量の精度に関する意見を付すことなく、当該測量の種類、実施の時期及び地域並びに測量計画機関及び測量作業機関の名称のみを公表しなければならない。

答え: 誤っているものは、ア・ウ・オの3つである。

解説: ア 誤り。測量法33条1項は「測量計画機関は、公共測量を実施しようとするときは、(中略)作業規程を定め、あらかじめ、国土交通大臣の承認を得なければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。」と規定しており、変更する場合にも改めて承認が必要である。

イ 正しい。測量法33条2項のとおりである。

ウ 誤り。測量法34条は「国土交通大臣は、作業規程の準則を定めることができる。」と規定している。準則を定めることは国土交通大臣の権限として定められているにとどまり、条文上、その制定が義務付けられているわけではない。

エ 正しい。測量法40条1項のとおりである。

オ 誤り。測量法41条2項は「国土地理院の長は、前項の規定による審査の結果当該測量成果が充分な精度を有すると認める場合においては、測量の精度に関し意見を附して、その測量の種類、実施の時期及び地域並びに測量計画機関及び測量作業機関の名称を公表しなければならない。」と規定しており、測量の精度に関する意見を付したうえで公表する必要がある。意見を付さずに名称等のみを公表するのではない。


問題: 区分建物についての建物の表題登記の申請方法について、次の記述のうち誤っているものはいくつあるか。

ア. 区分建物が属する一棟の建物が新築された場合における当該区分建物についての表題登記の申請は、当該一棟の建物に属する他の区分建物についての表題登記の申請と併せてしなければならない。

イ. アの場合において、当該区分建物の所有者は、他の区分建物の所有者に代わって当該他の区分建物についての表題登記を申請することはできず、当該他の区分建物の所有者が自ら申請しなければならない。

ウ. 表題登記がある建物(区分建物を除く。)に接続して区分建物が新築された場合における当該区分建物についての表題登記の申請は、当該表題登記がある建物についての表題部の変更の登記の申請と併せてしなければならない。

エ. ウの場合において、当該区分建物の所有者は、当該表題登記がある建物の表題部所有者若しくは所有権の登記名義人又はこれらの者の相続人その他の一般承継人に代わって、当該表題登記がある建物についての表題部の変更の登記を申請することができる。

オ. 区分建物についての表題登記の申請を他の区分建物についての表題登記の申請と併せてしなければならないとする規律は、当事者の任意の合意によって排除することができる。

答え: 誤っているものは、イ・オの2つである。

解説: ア 正しい。不動産登記法48条1項のとおりである。区分建物が属する一棟の建物が新築された場合、当該区分建物の表題登記の申請は、他の区分建物の表題登記の申請と併せて(一括して)しなければならない。

イ 誤り。同条2項は「前項の場合において、当該区分建物の所有者は、他の区分建物の所有者に代わって、当該他の区分建物についての表題登記を申請することができる。」と規定しており、他の区分建物の所有者に代わって申請することができる。

ウ 正しい。同条3項のとおりである。

エ 正しい。同条4項のとおりである。

オ 誤り。不動産登記法48条1項は、区分建物についての表題登記の申請を他の区分建物についての表題登記の申請と併せて「しなければならない」と定めている。この定めについて、当事者の合意による例外を認める規定は置かれていない。したがって、当事者が任意に合意しても、この申請方法の定めを排除することはできない。


出題分野の振り分け

分野 根拠条文
第1問 不動産登記法(表示に関する登記の要件・手続) 不動産登記法28条・29条・36条・37条
第2問 土地家屋調査士法(業務を行い得ない事件) 土地家屋調査士法22条・22条の2
第3問 民法(相隣関係・囲繞地通行権) 民法210条・211条・212条・213条
第4問 測量法(公共測量の作業規程・測量成果) 測量法33条・34条・40条・41条
第5問 不動産登記法(区分建物の表題登記) 不動産登記法48条