登録免許税は収入印紙で納める?──法律上は現金納付が原則というきまりと、印紙に消印をしない理由

この記事の要点 登録免許税の納め方には、現金納付・収入印紙・電子納付があり、法律にはこのほかに「納付受託者」に納付を委託する方法(クレジットカード納付など)も置かれている 法律上の原則は現金納付で、収入印紙による納付は税額が3万円以下の場合など一定の場合に認められた方法として定められている 申請書につづる収入印紙には、割印や消印をしないよう法務局の記載例が案内している 登記の名義変更をするときには、登録免許税という国の税金がかかります。窓口では収入印紙を貼って納める場面をよく見かけるため、「登録免許税は印紙で納めるもの」と思われがちですが、条文のつくりは逆です。結論から言うと、法律上の原則は現金で納めることで、収入印紙による納付は一定の場合に認められた方法として定められています。 ...

2026年8月31日 · ひぐらしさとし

土地家屋調査士試験 試験対策 第130回──筆界特定の定義及び申請/土地家屋調査士の業務範囲/水流に関する相隣関係/基本測量のための土地の立入り等/建物の合併の登記の制限

問題: 筆界特定の定義及び申請に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものはいくつあるか。 ア. 不動産登記法第123条第1号にいう「筆界」とは、表題登記がある一筆の土地とこれに隣接する他の土地との間において、当該一筆の土地が登記された時にその境を構成するものとされた二以上の点及びこれらを結ぶ直線をいい、この場合の「これに隣接する他の土地」には、表題登記がない土地も含まれる。 ...

2026年8月31日 · ひぐらしさとし

ペアローンと離婚──家とローンをどう整理するか、よくある3パターン

この記事の要点 ペアローンの家は夫婦それぞれが別々の住宅ローン契約者になっているため、離婚時は「名義」だけでなく「ローン」も一緒に整理する必要がある 選択肢は大きく分けて①売却して清算②どちらかが住み続ける③共有のまま継続の3パターン 名義やローンを動かす方法は、金融機関の審査や同意が前提になるため、実際に選べるかどうかは個別の事情による 名義変更の登記手続きそのものは別記事で解説している 夫婦でペアローンを組んで購入した自宅は、離婚が決まっても「じゃあどちらかが住んで、名義もそちらに変えればいい」と単純には進みません。ペアローンは夫婦それぞれが別々に住宅ローンを契約している状態のため、家の名義(財産分与)だけでなく、ローンそのものの整理まで考える必要があるからです。 ...

2026年8月31日 · ひぐらしさとし

使用貸借と賃貸借はどう違う?──タダで借りている実家・土地の法律関係

この記事の要点 使用貸借(民法593条)は「無償」で借りる契約、賃貸借(民法601条)は「家賃」を払って借りる契約。この対価の有無が最大の違い 賃貸借(とくに借家)は借地借家法で借主が手厚く保護されるが、使用貸借にはこの保護がなく、貸主の都合で終了しやすい 借主が亡くなったとき、使用貸借は原則として契約が終了する(民法597条3項)が、賃貸借の借りる権利は相続人に引き継がれる 実家や親の土地を無償で使っている場合は、口約束のままにせず、期間や条件を書面で整理しておくことが将来のトラブル防止につながる 「家賃を払っていないから、この関係は法律上どうなっているのか分からない」——親の家や土地を無償で使っている方から、こうした声をよく耳にします。法律上、対価を払わずに物を借りる関係は「使用貸借(しようたいしゃく)」、家賃などの対価を払って借りる関係は「賃貸借(ちんたいしゃく)」と呼ばれ、民法上まったく別の契約として扱われています。見た目は同じ「借りている」状態でも、存続期間の保障や相続時の扱いは大きく異なります。この記事では、使用貸借と賃貸借の違いを、実家や土地を無償で借りているケースを中心に整理します。 ...

2026年8月31日 · ひぐらしさとし

相続の初回相談、聞いた話を同席しなかった家族にどう伝える?──言った言わないを防ぐ共有のしかた

この記事の要点 面談で聞いた「まだ条件付きの話」は、伝言を重ねるうちに「もう決まったこと」に変わってしまいやすい メモは「聞いた要点」「今後すべきこと」「まだ未確定の点」の3つを分けて書き留めると、伝えるときの誤解を減らせる 口頭だけに頼らず資料をそのまま見せる、その場で答えを作らずに持ち帰る、という2つの姿勢が役に立つ 相続の相談に、家族の代表者だけで、あるいは一部の家族だけで行くことは珍しくありません。誰と一緒に行くかを決めた後、実は同じくらい大事なのが、聞いてきた内容を同席しなかった家族へどう伝えるかです。結論から言うと、ここで工夫をしておかないと、「言った」「言っていない」という行き違いが起きやすくなります。この記事では、紛争になったときの言い分の話ではなく、あくまで正確に情報を共有するためのコツとして整理します。 ...

2026年8月30日 · ひぐらしさとし

固定資産税は毎年見直されるの?──3年に1度の『評価替え』と据置年度のしくみ

この記事の要点 固定資産税評価額は原則として3年に1度(基準年度)に見直され(評価替え)、残りの2年間(据置年度)は同じ価格が据え置かれる 据置年度中でも、地目の変換や家屋の増改築など特別の事情があれば例外的に価格が修正されるほか、土地には地価が下落した場合に対応する修正の仕組みもある 相続や売買で登記名義が変わっても評価額や税額がすぐには動かないことがあるのは、評価替えの周期と「賦課期日」という別のルールが関係している 「去年の固定資産税の納税通知書と、今年届いた通知書を見比べたら、評価額の欄がまったく同じ数字だった」というお話や、逆に「特に何もしていないのに評価額が上がっていた」というお話を伺うことがあります。実はどちらも、固定資産税評価額が3年に1度まとめて見直される、という制度の仕組みによるものです。なお、本記事は評価替え・据置年度の一般的なしくみをご説明するものであり、個々の土地・家屋について評価額がどう計算されるか、具体的な税額がいくらになるかといった試算は行いません。あらかじめご了承ください。 ...

2026年8月30日 · ひぐらしさとし

土地家屋調査士試験 試験対策 第129回──登記簿の附属書類の閲覧及び図面の写しの交付/土地家屋調査士の使命及び職責/境界線付近の建築の制限/測量成果・測量記録及び測量標の意義/分筆に伴う権利の消滅の登記

問題: 登記簿の附属書類の閲覧及び写しの交付に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものはいくつあるか。 ア. 政令で定める図面である土地所在図、地積測量図、地役権図面、建物図面及び各階平面図については、何人も、登記官に対し、手数料を納付して、その全部又は一部の写しの交付を請求することができる。 ...

2026年8月30日 · ひぐらしさとし

後継者を決めないまま亡くなると何が起きるか──株式分散の実例と生前にできること

この記事の要点 会社に後継者がいないまま経営者が死亡すると、株式が複数の相続人に分散し、取締役の選任すら決議できなくなることがある 一人会社では取締役がゼロになり、経営者保証・役員貸付金・死亡退職金といった「お金」の整理も同時に降りかかる 生前にできる備えとして、遺言での株式承継先の指定・計画的な生前贈与・種類株式の活用があり、事業承継税制という税の優遇制度も存在する(適用可否は税理士へ) 株式分散の実例は一般化した典型パターンの紹介にとどめる。個別の紛争解決は専門家への相談が必要 「後継者を決めないまま社長に万一のことがあったら、会社はどうなるのか」──多くの中小企業経営者が漠然と抱えながら、後回しにしがちな問いです。 ...

2026年8月30日 · ひぐらしさとし

親の土地に家を建てるとき──「使用貸借」のままだと相続で何が起きるか

この記事の要点 親の土地を無償で借りて家を建てる関係は「使用貸借(しようたいしゃく)」といい、貸主(親)が亡くなっても、それだけで契約が当然に終わるわけではないとされています ただし「終わらない」は「ずっと続く」ではなく、使い道に従って使用・収益をするのに足りる期間が経過すれば、貸主の側から契約を解除できるとされています(民法598条1項) また、貸主が亡くなれば土地そのものは相続財産となり、きょうだいなど他の相続人との遺産分割の対象になり得ます 自分の家が建っている土地を、自分以外の相続人が取得する事態も制度上はあり得るため、早い段階で家族間の話し合いを始めておくことが大切です 「親の土地に家を建てさせてもらっている。地代も家賃も払っていない」——こうした関係は、法律上は「使用貸借(しようたいしゃく)」と呼ばれる契約にあたります。契約書を交わしていなくても、口約束や暗黙の了解だけで成り立っている使用貸借は少なくありません。 ...

2026年8月30日 · ひぐらしさとし

遺言執行者が引き受けるかどうか分からないとき──『相当の期間』を定めて返事を求める催告のしくみ

この記事の要点 遺言書に遺言執行者として名前が書かれていても、その人が引き受けるかどうかは本人の自由で、断ることもできる 返事がないまま止まってしまうときは、相続人などが「相当の期間」を定めて確答を求める催告ができ、期間内に返事がなければ承諾したものとみなされる 承諾したあとは「直ちに」任務を始め、「遅滞なく」相続人へ遺言の内容を通知する義務がある 遺言書に「遺言執行者に指定する」と名前が書かれていても、それだけで手続きが自動的に始まるわけではありません。遺言執行者に指定された人が実際に**引き受ける(就任を承諾する)**かどうかは、本人の意思次第です。承諾する義務はなく、断ることもできます。 ...

2026年8月29日 · ひぐらしさとし