土地家屋調査士試験 試験対策 第134回──建物の表題部の変更の登記/調査士法人の解散及び合併/継続的給付を受けるための設備の設置権/基本測量の測量標の保全/地図の記録事項及び地図等の訂正

問題: 建物の表題部の変更の登記に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものはいくつあるか。 ア. 不動産登記法第44条第1項各号(第2号及び第6号を除く。)に掲げる登記事項について変更があったときは、表題部所有者又は所有権の登記名義人(共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がある建物の場合にあっては、所有者)は、当該変更があった日から1月以内に、当該登記事項に関する変更の登記を申請しなければならない。 ...

2026年9月4日 · ひぐらしさとし

リースバックとは──自宅を売っても住み続けるしくみと注意点

この記事の要点 リースバックは「自宅を売って現金を得る売買契約」と「売った家を借りて住み続ける賃貸借契約」の2つの契約を同時に結ぶ仕組み 登記簿の甲区は所有者が買主に書き換わり、自分は賃借人という扱いになる。賃借人であること自体は登記簿に載らないのが通常 住み続けられる期間は、賃貸借契約が定期借家か普通借家かで大きく変わる 買戻し特約の有無・賃料の見直しルールなど、契約書で確認すべき事項がある 個別の契約条件の有利不利や「契約すべきか」の判断は、この記事では扱わない リースバックとは、自宅などの不動産を売却して代金を受け取りながら、売却先から改めてその家を借りて住み続ける仕組みです。「売る」と「借りる」という性質の異なる2つの契約を組み合わせている点が特徴で、まとまった現金を得たいが住み続けたいというニーズに応える方法として知られています(国土交通省「住宅のリースバックに関するガイドブック」令和4年6月24日公表)。 ...

2026年9月4日 · ひぐらしさとし

親からの住宅資金援助と登記──持分をどう入れるかで贈与になる話(税額は税理士へ)

この記事の要点 親から住宅資金の援助を受けて家を買うとき、出資した金額と登記簿上の持分にずれがあると、その差額分について贈与を受けたものとみなされ得ます(相続税法9条・みなし贈与) 持分の決め方には主に3つの型があります。①出資額どおりの割合で持分を入れる ②親も共有者として登記に加わる ③親からの贈与として整理し、子の単独名義にする 共有名義にする場合、持分の割合は登記申請の時点で確定させる必要があります。あとから直すには別途の登記が必要で、当初の登記が実体と食い違っていたのか、その後に持分が動いたのかによって、更正の登記か持分の移転の登記かが分かれます。無償で持分を移す場合は、あらためて贈与の問題が生じ得ます 「住宅取得等資金の贈与税の非課税」という特例(租税特別措置法70条の2)もありますが、要件や非課税限度額の当てはめは税理士の判断が必要です 出資額と持分をどう合わせるか迷ったら、登記を申請する前に一度お近くの司法書士にご相談ください 親から住宅資金の援助を受けてマイホームを購入するとき、意外と見落とされやすいのが「出したお金の割合」と「登記簿に書く持分の割合」を一致させる、という点です。この2つがずれていると、ずれた分の金額について贈与を受けたとみなされ、贈与税の課税対象になり得ます。結論から言えば、出資額と持分は揃えるのが原則で、揃えられない・揃えたくない事情がある場合は、持分の決め方そのものを最初から設計しておく必要があります。本記事では、その仕組みと、持分の決め方の3つの型、それぞれの登記のかたちを整理します。税額の計算や特例の適用可否といった具体的な当てはめは、税理士の領域になるため触れません。 ...

2026年9月4日 · ひぐらしさとし

相続の相談前に「家族構成メモ」を手書きで用意すると話が早い理由──書く項目と、分からなくてもいいこと

この記事の要点 相談前に用意すると役に立つのは、正式な図ではなく亡くなった方を中心に家族の名前を並べただけの手書きメモで十分 書く項目の目安は、配偶者/子/先に亡くなった人/(子がいなければ)親・兄弟姉妹/再婚・養子縁組・認知の有無/連絡が取れない人 分からないところは空欄のままでよい。戸籍を取り寄せて相続人を確定するのは司法書士側の仕事で、メモはその出発点になる 相続の相談に行く前に、紙一枚に家族の名前を書き出しておくと、初回相談の話は目に見えて早く進みます。用意するのは、きれいに整った図である必要はまったくありません。亡くなった方を真ん中に置いて、配偶者と子の名前を線でつないだだけの走り書きで十分です。 ...

2026年9月3日 · ひぐらしさとし

住宅用家屋証明書とは──登録免許税が軽くなる書類の基礎(誰が・どこで・いつ取る)

この記事の要点 住宅用家屋証明書は、マイホームの登記にかかる登録免許税を軽い税率にするために、登記申請書に添付する書類です 発行するのは税務署でも法務局でもなく、その家屋がある市区町村(役所の資産税課・税務課など)です 軽減は自動では受けられません。登記を申請する前に証明書を用意しておく必要があります マイホームを新築したり買ったりすると、所有権の登記や住宅ローンの抵当権の登記をすることになり、国に**登録免許税(とうろくめんきょぜい)を納めます。一定の要件を満たす「自分が住むための家」については、この税率が本来より軽くなる仕組みがあり、その軽減を受けるための入場券にあたるのが住宅用家屋証明書(じゅうたくようかおくしょうめいしょ)**です。 ...

2026年9月3日 · ひぐらしさとし

土地家屋調査士試験 試験対策 第133回──筆界特定の手続/公共嘱託登記土地家屋調査士協会/付合及び加工/測量業者の登録及び監督/建物の種類・構造及び床面積

問題: 筆界特定の手続に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものはいくつあるか。 ア. 筆界特定の申請があったときは、筆界特定登記官は、遅滞なく、法務省令で定めるところにより、その旨を公告し、かつ、対象土地の所有権登記名義人等であって筆界特定の申請人以外のもの及び関係土地の所有権登記名義人等に通知しなければならない。ただし、当該申請を却下すべき場合は、この限りでない。 ...

2026年9月3日 · ひぐらしさとし

住宅ローンを滞納するとどうなる──競売までの時系列と任意売却の入口

この記事の要点 滞納から競売までは、督促・催告 → 期限の利益の喪失 → 保証会社の代位弁済 → 一括請求 → 競売の申立て、という順で段階を踏んで進むのが一般的です 競売の開始決定が出ると、登記簿の甲区(所有権の欄)に「差押」が入り、乙区の抵当権は代位弁済をした保証会社へ移ります。登記簿を見れば手続がどこまで進んだかが分かります 任意売却は競売より高く売れる可能性がある一方、債権者の同意が必要で、売っても残った借金(残債)が消えるわけではありません 返済の交渉や債務整理は弁護士、抵当権抹消や名義の登記は司法書士と、相談先が分かれます 住宅ローンを滞納すると、ある日突然家を失うわけではありません。滞納から競売による明渡しまでには、督促・催告、期限の利益の喪失、保証会社の代位弁済、一括請求、競売の申立て、差押えの登記、期間入札、売却許可、代金納付、明渡しという段階があり、それぞれに数週間から数か月の時間がかかります。そして、その進み具合の多くは登記簿(登記事項証明書)に記録されます。 ...

2026年9月3日 · ひぐらしさとし

実家に同居してきた子の相続──住み続けたい相続人と他の相続人の調整

この記事の要点 親と実家に同居してきた子には、配偶者居住権にあたる法定の居住権制度はありません。配偶者居住権は、その名のとおり配偶者のための制度です ただし裁判例には、被相続人の許諾を得て同居していた相続人について、遺産分割が終わるまでの間は無償で使い続けられる関係が推認されると判断したものがあります 住み続けたい場合の調整は、遺産分割の話し合いの中で行うのが基本です(現物分割・代償分割・換価分割・共有) 代償金をどう用意するか、長年の同居や介護を寄与分(民法904条の2)としてどう位置づけるかが論点になりやすく、相続開始から10年の期間制限にも注意が必要です 相続人どうしで意見が対立している場合は弁護士へ。名義変更(相続登記)の手続きについては、お近くの司法書士にご相談ください 結論から──「同居していた」だけで住み続けられる権利は生じません まず結論です。実家に何十年同居していても、その事実だけで「その家に住み続ける権利」が法律上あたえられるわけではありません。実家(建物と土地)は相続財産に含まれ、他の相続人と分け合う対象になります。 ...

2026年9月3日 · ひぐらしさとし

実家を取り壊したら1か月以内に「建物滅失登記」──相続した家を解体するときの期限

この記事の要点 登記されている建物を取り壊したときは、取り壊した日(滅失した日)から1か月以内に建物滅失登記を申請する義務がある 期限内に申請しないと過料の対象になり得る 未登記の建物には建物滅失登記そのものが不要で、自治体への届出だけで足りる場合がある 本文 相続した実家が古くなり、住む人もいないまま取り壊しを決めるケースは珍しくありません。ここで見落とされやすいのが、建物を取り壊したあとの「建物滅失登記」という手続きです。取り壊し工事そのものは業者が進めてくれますが、その後の登記手続きは所有者側で対応する必要があり、しかも期限が定められています。 ...

2026年9月2日 · ひぐらしさとし

戸籍に出てくる「戸主」とは?──家督相続と、いまの相続との違い

この記事の要点 古い戸籍には「戸主」「前戸主」という記載が出てくることがあり、これは家制度のもとで一家の代表者とされた人を指す かつては「家督相続」という制度があり、戸主の地位や財産は、原則として一人の相続人に単独で引き継がれる仕組みだった 家督相続は、昭和22年(1947年)5月3日=日本国憲法の施行日以降に開始した相続には適用されなくなっており、相続がいつ開始したかによって適用される制度が変わる(ただし、切り替わりの前後については経過規定による例外も置かれている) 本文 数次相続が絡む案件で、被相続人の出生まで戸籍を遡っていくと、明治・大正・昭和初期に編製された戸籍にたどり着くことがあります。そこに記載されている「戸主(こしゅ)」「前戸主」という文字を見て、いまの戸籍にはない言葉に戸惑う方は少なくありません。この記事では、戸主とは何か、そして戸主制度と結びついていた「家督相続」という古い相続の仕組みについて整理します。 ...

2026年9月2日 · ひぐらしさとし