土地家屋調査士試験 試験対策 第174回──公序良俗と不法原因給付/占有者と回復者の関係/遺言の効力と解釈/建物の分割の登記と権利の処理/地図・地図に準ずる図面・建物所在図/相隣関係(枝の切取り・設備の設置)/土地家屋調査士の懲戒/建物の認定と床面積

問題: 公序良俗及び不法原因給付に関する次の記述のうち、判例の趣旨に照らし誤っているものはいくつあるか。 ア. 法律行為が公序に反することを目的とするものであるとして無効になるかどうかは、その法律行為に基づく履行が請求された時点の公序に照らして判断すべきである。 ...

2026年10月14日 · ひぐらしさとし

会社を作ったあと1年以内にやること──登記以外の届出と、最初の役員任期の数え方

この記事の要点 設立登記が終わったら、税務署・都道府県や市区町村・年金事務所などへの届出が続きます。法人設立届出書は設立の日以後2か月以内(法人税法148条1項)など、届出ごとに期限が違います 最初の事業年度が終わると、定時株主総会での計算書類の承認と、決算公告が待っています(会社法438条2項・440条1項) 取締役の任期は「選任後」2年(非公開会社は定款で最長10年)以内に終わる最後の事業年度に関する定時株主総会の終結の時まで(会社法332条1項・2項)。設立したばかりの会社では、2年たたないうちに満了が来ることがあります 役員・本店・目的など登記した事項が変わったら、2週間以内に変更登記が必要です(会社法915条1項) 税務の届出は税理士、社会保険・労働保険は社会保険労務士、登記は司法書士と、相談先が分かれます。まずは届出の一覧と、自社の定款(事業年度・任期)を手元で確かめましょう 結論からお伝えします。会社は設立の登記をした日に成立します(会社法49条)が、手続きはそこで終わりではありません。設立後の最初の1年には、大きく分けて次の3つがやってきます。 ...

2026年10月14日 · ひぐらしさとし

相続人申告登記を自分で申し出る手順──申出書の書き方・添付書類・費用がかからない理由

この記事の要点 相続人申告登記の申出は、①戸籍の証明書を集める→②申出書を作る→③不動産の所在地を管轄する法務局に出す→④完了の通知書を受け取る、の4ステップで進みます 申出書に書くのは、亡くなった方の氏名と相続開始の日、申出人の住所・氏名、連絡先、添付書類、不動産の表示などです。押印は不要とされています 添付する戸籍は「申出人が登記上の所有者の相続人であること」が分かる範囲で足りるとされていますが、数次相続(相続が二重三重に重なっている状態)などでは範囲が広がります 登録免許税はかかりません。申出はWebブラウザの「かんたん登記・供託申請」からもできます 戸籍の範囲の判断に迷う、相続人が多い、相続が何代も重なっているといった場合は、お近くの司法書士にご相談ください 相続人申告登記は、法務局に「自分は登記上の所有者の相続人です」と申し出ることで、相続登記の申請義務を果たしたものとみなしてもらう手続です(不動産登記法76条の3第1項・第2項)。結論から言うと、亡くなった方と申出人の関係がシンプルな相続であれば、法務省が公開している申出書の様式と記載例に沿って、ご自身で申し出ることも想定された手続になっています。 ...

2026年10月14日 · ひぐらしさとし

相続の相談中に専門用語が分からないとき──その場で聞き返してよいこと、聞き方のコツ

この記事の要点 相談中に分からない言葉が出てきたら、その場で聞き返してかまわない。意味がずれたまま答えると、事実の確認が食い違うおそれがある 聞き方のコツは「言葉をそのまま繰り返して尋ねる」「自分の言葉で言い直して確かめる」「自分の家族に当てはめてもらう」の3つ 被相続人・法定相続人・登記名義人・遺産分割協議など、相続の相談でよく出る言葉の言い換えを知っておくと、聞き取りやすくなる 相続の相談では、ふだん使わない言葉がいくつも出てきます。「話の腰を折るのは悪い」「こんなことも知らないのかと思われたくない」と、分からないまま聞き流してしまう方もいるかもしれません。結論から言うと、分からない言葉はその場で聞き返してかまいません。 ...

2026年10月13日 · ひぐらしさとし

相続した不動産を売ったときの「取得費加算の特例」とは──納めた相続税の一部を、売却益の計算で差し引ける制度(租税特別措置法39条)

この記事の要点 相続税額がある人が、相続した財産を一定の期間内に売ると、納めた相続税のうちその財産に対応する部分を「取得費」に加えて、売却益(譲渡所得)を計算できる(租税特別措置法39条1項) 期間は「相続開始の翌日から、相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日まで」。申告期限は原則として相続の開始を知った日の翌日から10か月以内なので、おおむね相続開始から3年10か月が目安 相続税額がない人(基礎控除の範囲内で相続税がかからなかった人など)は対象外。使うには確定申告で特例を受ける旨を書き、計算明細書などを添付するのが原則 相続した不動産を売って利益が出ると、売った相続人に所得税・住民税(譲渡所得の税金)がかかることがあります。一方で、その不動産にはすでに相続税もかかっています。このように「相続税」と「売ったときの税金」の両方がかかる場面で、納めた相続税の一部を売却益の計算で差し引けるのが 相続財産を譲渡した場合の取得費加算の特例 です。以下は、執筆時点(2026年10月)の制度に基づく一般的な解説です。 ...

2026年10月13日 · ひぐらしさとし

土地家屋調査士試験 試験対策 第173回──無権代理/抵当権に基づく物上代位/遺産共有と遺産分割の対象/地目・地積の変更及び更正の登記/建物の表題部の更正の登記/筆界調査委員による事実の調査と立入調査/土地家屋調査士法人の代表と社員の責任/地図等の訂正の申出

問題: 無権代理に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例の趣旨に照らし誤っているものはいくつあるか。 ア. 代理権を有しない者が他人の代理人として契約をした場合において、相手方は、契約の時において代理権を有しないことを知っていたときであっても、本人に対し、相当の期間を定めて、その期間内に追認をするかどうかを確答すべき旨の催告をすることができ、本人がその期間内に確答をしないときは、追認を拒絶したものとみなされる。 ...

2026年10月13日 · ひぐらしさとし

取締役になれない人とは?──会社法の欠格事由と、在任中に成年後見が始まった取締役の扱い

この記事の要点 取締役になれない人(欠格事由)は会社法331条1項に定められています。現在の条文に挙がっているのは「法人」と「一定の罪を犯して刑に処せられた人」で、成年被後見人・被保佐人は含まれていません 成年被後見人が取締役に就任するには、成年後見人が本人の同意を得たうえで、本人に代わって就任を承諾する必要があります(会社法331条の2第1項) 一方、在任中の取締役が後見開始の審判を受けると、会社との委任の関係が終わり、取締役を退任します(会社法330条・民法653条3号)。保佐・補助の開始では退任しません 退任したら2週間以内に退任の登記が必要です(会社法915条1項)。この退任は「後任が決まるまで務め続ける」仕組みの対象外なので、人数が足りなくなるなら後任選びを急ぐ必要があります 成年後見制度を見直す改正法が公布されていますが、成年後見の見直しの部分は2026年10月時点では未施行です。この記事は現在の条文で説明しています 経営者の方に知っておいてほしいのは、「取締役になれない人」と「取締役を続けられなくなる場面」は、条文上は別の話だということです。 ...

2026年10月13日 · ひぐらしさとし

相続登記が終わったら次にやること──固定資産税の名義・火災保険・賃貸契約・売却の準備

この記事の要点 相続登記が終わると、登記所から市区町村へ通知が届き、固定資産税の課税台帳の名義は登記をもとに切り替わる仕組みになっている(地方税法382条) ただし固定資産税は毎年1月1日時点の状況で決まるため、新しい名義人あての納税通知書になるのは、登記後に迎える1月1日を基準とする年度から 火災保険は登記で自動的に切り替わらない。契約者・被保険者などの名義や引き落とし口座を、保険会社・代理店に連絡して確認する 人に貸している物件は、貸主の立場も相続で引き継がれる。借主・管理会社への連絡を忘れずに 売却を考えるなら、登記後に届いた書類の保管、共有者どうしの意思確認、仲介は不動産会社・税金は税理士への相談を早めに 相続登記が終わると、ひと区切りついた気持ちになります。ただ、不動産の名義が変わったことで、まわりの手続きにも見直しが必要なものが出てきます。結論からいうと、固定資産税の名義は登記をもとに市区町村の側で切り替わる仕組みですが、火災保険や賃貸借契約、売却の準備は、名義を引き継いだ方が自分で動く必要があります。 ...

2026年10月13日 · ひぐらしさとし

相続人が一人だけのときの相続手続き──遺産分割協議が要らない分、何をどの順番で進めるか

この記事の要点 「相続人が一人」と言えるのは、亡くなった方の戸籍を出生から死亡までたどり(親や兄弟姉妹が相続人になる場合は親の戸籍なども)、ほかに相続人がいないと確かめてから。前の結婚で生まれた子・認知した子・養子が見つかれば、相続人が増えたり、相続人だと思っていた人が相続人でなくなったりする 遺言がなく相続人が一人なら遺産分割協議は不要。ただし相続放棄・限定承認の3か月、準確定申告の4か月、相続税申告の10か月、相続登記の3年という期限は、当てはまる場合にはそのまま残る 協議の成立を待つ必要がないため、相続すると決めたあとは、戸籍などがそろえば相続登記の準備を進められる 相続人が一人だけの場合、相続人全員で遺産の分け方を話し合う遺産分割協議は必要ありません。そのぶん手続きは軽くなりますが、期限のある手続きがなくなるわけではありません。結論から言うと、①本当に一人かを戸籍で確かめる、②遺言の有無を確かめる、③財産と借金を調べ、3か月以内に相続するかどうかを決める、④税金の期限を確認する、⑤相続登記を申請する、という順番で進めるのが基本です。 ...

2026年10月12日 · ひぐらしさとし

帰化した人が亡くなったときの相続の戸籍──帰化前の婚姻・認知・子の出生などの経過は日本の戸籍ではたどれない

この記事の要点 帰化した人の日本の戸籍は、帰化の届出を受けて記載されたところから始まり、帰化する前の身分関係の経過(前の婚姻や離婚、認知、帰化前に生まれた子など)は原則としてたどれない 帰化後に亡くなった人の相続は日本の法律によるが、相続人を確かめるには帰化前の身分関係を示す本国の公的書類とその翻訳文が必要になることがある 相続登記で書類がそろわないときにどう補うかは、提出先の法務局の取扱いによる 相続の手続きでは、亡くなった人の「出生から死亡まで」の戸籍を集めて相続人を確かめるのが基本です。ところが、亡くなった人が帰化して日本の国籍を取得した人だった場合、日本の戸籍だけでは出生までさかのぼれません。日本の戸籍は帰化したところから始まっているためです。なお、本記事は執筆時点(2026年10月)の制度に基づく一般的な解説です。 ...

2026年10月12日 · ひぐらしさとし