この記事の要点

  • 書面で登記を申請した人は、登記が完了するまでの間、申請書と添付書面の「受領証」の交付を請求できる
  • 受領証は、法務局が申請書類を受け付けたことを示すもので、登記が終わったことや、申請どおりに権利を取得したことを証明するものではない
  • オンライン申請では受領証は交付されず、受付を含む処理状況は申請用総合ソフト上に掲示されると案内されている

登記の申請書を法務局に出すと、書類一式は法務局の手元に残ります。「出した証拠が何も残らないのでは」と心配になる方もいるかもしれません。結論から言えば、書面で申請した場合は、申請書と添付書面を受け付けたことの証明として「受領証」を請求できます。ただし、受領証が示すのは「受け付けた」ことまでで、「登記が終わった」ことではありません。

なお、この記事は執筆時点(2026年10月)の制度に基づく一般的な解説です。

請求できる人と、請求できる時期

書面申請をした申請人は、申請に係る登記が完了するまでの間、申請書及びその添付書面の受領証の交付を請求することができるとされています(不動産登記規則54条1項)。

ここでいう「書面申請」は、申請書を登記所に提出する方法による申請をいいます(同規則1条4号)。登記の申請の方法は、電子情報処理組織を使う方法(オンライン申請)と、申請情報を記載した書面を提出する方法の二つと定められています(不動産登記法18条)。そのうえで同規則は、申請書と添付書面を「送付する」ときの方法として書留郵便などを定めています(同規則53条)。郵送はオンライン申請ではなく、申請書という書面を登記所に届ける方法ですから、条文の組み立てからすると、窓口に持参する場合も、書留郵便などで送付する場合も、書面申請にあたると読めます。出し方の違いは登記申請は窓口・郵送・オンラインのどれで出す?で整理しています。

請求できるのは「登記が完了するまでの間」に限られます。登記が終わったあとに受け取る書類は、受領証とは別のものです。

受領証はどうやって作られるのか

受領証の交付を請求する申請人は、申請書の内容と同一の内容を記載した書面を提出しなければなりません(同規則54条2項本文)。申請人が二人以上いるときは、その書面の申請人の記載は、申請書の筆頭に記載した者の氏名又は名称と、その他の申請人の人数を記載すれば足りるとされています(同項ただし書)。

請求があると、登記官は、提出された書面に申請の受付の年月日と受付番号、それに登記官の職氏名(職名と氏名)を記載し、職印を押して受領証を作成したうえで交付します(同条3項)。つまり受領証は、申請する側が用意した「申請書と同じ内容の書面」に、法務局が受付の記録を書き入れたものです。受付番号が何を意味するかは登記の『受付番号』とは?をご覧ください。

受領証で証明できること・できないこと

受領証で確かめられるのは、その申請書と添付書面が、記載された受付の年月日・受付番号で法務局に受け付けられた、という事実です。

一方で、受け付けられた申請は、そのあと登記官の審査を受けます。申請に不備があっても、それが直せるものであれば、登記官が定めた期間内に補正すれば却下されませんが、補正されなければ、登記官は理由を付した決定で申請を却下しなければならないとされています(不動産登記法25条)。また、申請人の側から、登記が完了する前に申請を取り下げることもできます(不動産登記規則39条)。ですから受領証は、登記が完了したことや、申請どおりに権利を取得したことを証明するものではありません。申請の内容に問題がないことのお墨付きでもありません。

オンライン申請の場合

法務局が公開しているQ&Aでは、オンラインによる申請がされたときは、申請が受け付けられたことを含め、処理状況に関する情報は申請用総合ソフト上に掲示されることになっているため、受領証は交付されないと案内されています。受領証は、書面で申請した場合のしくみです。

具体的な請求の仕方は管轄の法務局へ

同一内容の書面をどのような形で用意すればよいか、窓口でいつ申し出ればよいか、郵送で申請する場合に受領証をどう受け取るか(返信用の封筒が要るかなど)といった具体的な取扱いは、申請先となる管轄の法務局にご確認ください。

まとめ

書面で登記を申請した場合は、登記が完了するまでの間、申請書と添付書面の受領証を請求できます。受領証は、申請する側が用意した申請書と同じ内容の書面に、登記官が受付の年月日・受付番号などを書き入れて作るもので、オンライン申請では交付されません。

受領証が証明するのは「申請書類を受け付けた」ことまでで、登記の完了や権利の取得を証明するものではない点に注意が必要です。申請の出し方や、申請後に手元に残しておくべき書類について迷うときは、お近くの司法書士にご相談ください。

参考資料

この記事は、次の資料を参照して内容を確認しています(確認日:2026年10月・いずれも一次情報です)。

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