この記事の要点

  • 婚姻関係にない父母の間に生まれた子でも、父から認知を受ければ法律上の子として相続人になる
  • かつては嫡出子の2分の1とされていた相続分は、最高裁の判断と法改正により嫡出子と同じ扱いになっている
  • 認知の記載は本人の戸籍だけでなく親の戸籍にも残るため、相続人を確定する際は出生まで遡って確認する必要がある

本文

結論から言うと、婚姻関係にない父母の間に生まれた子であっても、父に認知された子は法律上の子として相続人になり、相続分も嫡出子(婚姻関係にある父母の間に生まれた子)と同じです。

たとえば、亡くなったAさんの相続人を確定するために出生から死亡までの戸籍を遡って集めていたところ、Aさんが生前に認知した子Bがいることが戸籍から判明した、という架空の例で考えてみます。母との親子関係は出産の事実によって当然に生じますが、婚姻関係にない父との親子関係は、父が認知をして初めて法律上のものになります。認知には、父が市区町村役場に届け出る方法や遺言による方法(任意認知)のほか、認知してもらえない場合に子の側から裁判所に認知を求める方法(裁判認知)があり、父の死後であっても一定期間内であれば認知を求める手続きが可能とされています。

ここで実務上のポイントになるのが、認知の記載の残り方です。認知の事実は、認知された子自身の戸籍の身分事項欄だけでなく、認知をした父の戸籍の身分事項欄にも記載されます。そのため、被相続人の出生から死亡までの戸籍を切れ目なく集めるという相続人確定の基本作業のなかで、本人の現在の戸籍だけを見て終わらせてしまうと、過去の戸籍に記載された認知の事実を見落とし、相続人の範囲を誤ってしまうおそれがあります。

相続分の扱いについては、歴史的な経緯があります。かつての民法には、婚姻関係にない父母の間に生まれた子の相続分を嫡出子の2分の1とする規定がありましたが、この規定については最高裁判所が平成25年に、法の下の平等に反し合理的な理由を欠くとの判断を示しました。これを受けて同年の民法改正でこの規定は削除され、現在は嫡出子か否かにかかわらず、法定相続分の計算上、同じ順位の子はみな同じ割合の相続分を持つ扱いになっています。

執筆時点(2026年07月)の制度に基づく一般的な解説です。

まとめ

認知された子は、法律上の子として嫡出子と同じ相続分を持ちます。ただし認知の事実は本人だけでなく親の戸籍にも記載が残るため、相続人の範囲を正確に確定するには、出生から死亡までの戸籍を丁寧に遡って確認することが欠かせません。ご自身の家族関係で認知や養子縁組が絡む可能性がある場合は、お近くの司法書士にご相談ください。

参考資料

この記事は、次の資料を参照して内容を確認しています(確認日:2026年07月・いずれも一次情報です)。

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