この記事の要点
- 準確定申告とは、亡くなった方に代わって相続人が行う所得税の確定申告のこと
- 期限は死亡日ではなく「相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内」が原則
- 相続放棄(3か月)や相続税申告(10か月)と並行して管理すべき、別枠の期限として扱う必要がある
本文
結論から言うと、亡くなった方が生前に確定申告の対象となる所得を得ていた場合、相続人はその方に代わって「準確定申告」という所得税の申告を行う必要があり、この期限は通常の確定申告よりもかなり短く設定されています。
準確定申告が必要になる典型的なケースとしては、亡くなった方が事業を営んでいた、賃貸不動産を持っていた、給与以外にまとまった所得があった、といった場合が挙げられます。また、医療費控除などで還付を受けられる場合は、申告の義務まではないものの、準確定申告をすることで還付を受けられるとされています。相続人が複数いるときは、原則として相続人全員が連署した1通の申告書を提出する形が想定されていますが、各相続人が個別に申告書を提出することも可能とされており、その場合は他の相続人へ申告内容を通知する必要があるとされています。
期限管理の観点でとくに注意したいのが、起算日の考え方です。準確定申告の期限は「相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内」とされており、これは被相続人の死亡日そのものを起点にするわけではありません。多くの場合は死亡を知った日と死亡日はほぼ同じですが、疎遠だった親族の相続を後になって知ったようなケースでは、起算日がずれる点に留意が必要です。
この4か月という期限は、相続放棄を検討できる期間(原則3か月)より長く、相続税の申告期限(原則10か月)より短い、両者の間に位置する期限です。複数の期限が並行して走る相続手続き全体のなかで、どの手続きから手を付けるべきかの優先順位を整理する際は、この準確定申告の期限も見落とさずに一覧へ組み込んでおくことが大切です。申告先は相続人の住所地の税務署ではなく、亡くなった方の死亡当時の納税地を管轄する税務署になる点も、通常の確定申告と異なります。
執筆時点(2026年07月)の制度に基づく一般的な解説です。なお、対象になるかどうかの判断や具体的な税額計算・申告書の作成は税理士の専門分野になりますので、該当しそうな場合は早めに税理士へご相談ください。
まとめ
準確定申告は、亡くなった方に代わって相続人が行う所得税の申告手続きで、期限は「相続の開始を知った日の翌日から4か月以内」です。相続放棄や相続税申告と期限の長さが異なるため、他の手続きと合わせたスケジュール管理が欠かせません。手続き全体の進め方に迷ったときは、お近くの司法書士にご相談ください。
参考資料
この記事は、次の資料を参照して内容を確認しています(確認日:2026年07月・いずれも一次情報です)。
- 所得税法 第124条・第125条(e-Gov法令検索): https://laws.e-gov.go.jp/law/340AC0000000033
- 所得税法施行令 第263条(e-Gov法令検索): https://laws.e-gov.go.jp/law/340CO0000000096
- 民法 第915条(e-Gov法令検索): https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089
- 相続税法 第27条(e-Gov法令検索): https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000073
- 国税庁タックスアンサー No.2022「納税者が死亡したときの確定申告(準確定申告)」: https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2022.htm