取締役の辞任・解任の登記──辞めたのに登記簿に残ったままのリスクと必要書類

「取締役を辞めたはずなのに、登記簿を見るとまだ名前が載っている」——こうした相談は珍しくありません。取締役が辞任したり、株主総会で解任されたりしても、それだけでは登記簿の記載は自動的に変わりません。別途、法務局へ変更登記を申請して初めて、登記簿の記載も実態に追いつくのです。 ...

2026年7月21日 · ひぐらしさとし

代表取締役の交代の登記──就任・退任のパターン別 必要書類

「社長を交代することになったが、登記に何を用意すればいいのか分からない」——代表取締役の交代は、単に取締役を1人選ぶときとは必要書類の組み合わせが変わります。すでに取締役を新しく選んだときの添付書類については、取締役を新しく選んだときの登記──就任承諾書・本人確認証明書・印鑑証明書はどれが必要?で整理しました。この記事では、そこからさらに一歩進めて、代表取締役が交代する場面に絞り、辞任・任期満了・死亡というパターンごとに必要書類がどう変わるかを整理します。 ...

2026年7月20日 · ひぐらしさとし

株式交換・株式移転とは──持株会社化で会社をグループ化するときの登記手続き

この記事の要点 株式交換・株式移転は、会社の株式を100パーセント異動させて「完全親会社・完全子会社」の関係をつくる手続き 事業承継やグループ再編の受け皿として持株会社をつくる場面でよく使われる 手続きは株主総会の特別決議→契約書・計画書の作成→効力発生→2週間以内の変更登記という流れ(株式移転は設立登記そのものが効力発生日にあたります) 登記が必要になるのは主に完全親会社側で、完全子会社側は登記事項の変更がないことが多い 税務上の扱いや株主間の対立が絡む場合は、税理士・弁護士への相談が必要になる 「会社をグループ化したい」「複数の会社を1つの持株会社の傘下にまとめたい」というとき、よく使われるのが株式交換と株式移転という手続きです。名前が似ていて紛らわしいのですが、どちらも「ある会社の株式を100パーセント、別の会社(持株会社)に集める」という点で共通しています。この記事では、経営者の方向けに、それぞれの仕組みと登記手続きの流れを整理します。 ...

2026年7月12日 · ひぐらしさとし

事業承継とは──会社を後継者に引き継ぐときに必要な手続きの全体像

この記事の要点 事業承継の法務手続きは、大きく「株式(経営権)の承継」と「代表者変更登記」の2本柱 株式の承継方法には、相続・生前贈与・売買の3パターンがあり、それぞれ手続きと必要な準備が異なる 税制優遇(事業承継税制)を使えるかどうかは税理士への確認が必須。制度の存在を知っておくだけでも準備の選択肢が広がる 事業承継とは、会社の経営権(株式)と経営者の地位(代表取締役等の役職)を、現経営者から後継者へ引き継ぐことです。結論から言うと、法務面で必要になるのは主に「株式をどう後継者に移すか」と「代表者変更の登記」の2つです。 ...

2026年7月10日 · ひぐらしさとし

自己株式の取得(金庫株)とは?──手続きの流れと発行済株式総数の変更登記

この記事の要点 会社が自社の株式を買い取ることを「自己株式の取得」(通称・金庫株)といい、株主総会の決議と一定の手続きが必要 取得できる金額には「分配可能額」という上限があり、これを超えると役員が責任を問われることがある 取得しただけでは発行済株式総数は変わらないが、取得した株式を「消却」して発行済株式総数が減った場合は、2週間以内に変更登記が必要(怠ると過料の対象) 事業承継の準備や、株式の譲渡制限を含めた株主構成の整理を考えるとき、「会社が株主から自社の株式を買い取れないか」という相談が出ることがあります。これが自己株式の取得(実務では「金庫株」とも呼ばれます)です。 ...

2026年7月9日 · ひぐらしさとし

合同会社(LLC)をつくるときの登記──株式会社との違い・費用・必要書類の全体像

この記事の要点 合同会社(LLC)の設立にかかる登録免許税は「資本金の0.7%・最低6万円」。株式会社(最低15万円)より安く、定款の認証も不要なので初期費用を抑えやすい。 出資者(社員)がそのまま経営に加わる会社で、決算公告の義務もない。一方で「株式会社」という信用や、株式による資金調達には向かない。 設立の登記は本店所在地を管轄する法務局へ。登記が完了して初めて会社が成立する(会社法579条)。 迷ったら、株式会社と合同会社どちらが合うかも含めて、お近くの司法書士にご相談ください。 会社をつくると聞くと「株式会社」を思い浮かべる方が多いですが、近年は**合同会社(ごうどうがいしゃ、LLC)**を選ぶ起業家も増えています。合同会社は、株式会社にくらべて設立費用が安く、手続きもシンプルなのが特徴です。 ...

2026年7月7日 · ひぐらしさとし

会社の合併・会社分割の登記とは──事業承継・グループ再編で知っておきたい手続きの流れ

この記事の要点 会社をまとめる「合併」と、事業の一部を切り出す「会社分割」は、いずれも登記が必要な組織再編の手続き 合併には吸収合併・新設合併、会社分割には吸収分割・新設分割があり、当事会社の数や登記の内容が異なる 株主総会の特別決議・債権者保護手続き(公告・催告)を経て、効力発生日から2週間以内に登記が必要 契約書の作成段階から法律・税務両面の検討が必要になるため、専門家の関与が実務上一般的 事業承継やグループ内の再編を検討する中小企業の経営者から、「会社をひとつにまとめたい」「事業の一部を切り離して別会社にしたい」という相談が増えています。こうした場面で使われるのが、会社法上の「合併」と「会社分割」という組織再編の手続きです。 ...

2026年7月6日 · ひぐらしさとし

会社の設立日、土日や1月1日でも大丈夫──休日を「会社成立の日」にできる新制度

結論から言うと、2026年2月2日以降は、土日や祝日、年末年始であっても、会社の設立日(会社成立の年月日)として登記できるようになりました。これまでは法務局の休日と重なると、その日を設立日にすることができませんでした。主なポイントは次のとおりです。 ...

2026年7月4日 · ひぐらしさとし

役員変更の登記は「同じ人が続けるとき」も必要──任期満了と『重任』のはなし

「役員は前と同じ顔ぶれだから、登記は何もしなくていい」──これは誤解です。 取締役や監査役には任期があり、任期が満了するたびに、たとえ同じ人がそのまま続投する場合でも「重任(じゅうにん)」という役員変更の登記が必要になります。この登記は変更が生じてから2週間以内に行わなければならず(会社法915条1項)、怠ると過料(100万円以下)の対象になることがあります(会社法976条1号)。さらに長期間放置すると、会社が強制的に解散させられる「みなし解散」につながることもあります。 ...

2026年7月1日 · ひぐらしさとし

取締役を新しく選んだときの登記──就任承諾書・本人確認証明書・印鑑証明書はどれが必要?

「新しく取締役を1人増やすことになった」「家族や役員候補を取締役に迎えたい」——会社を続けていると、こうした場面は意外とよく訪れます。 取締役を新しく選んだら、就任から2週間以内に法務局へ「役員変更の登記」を申請するのが会社法のルールです(会社法915条1項)。このとき多くの方が戸惑うのが、**「結局どの書類を付ければいいの?」**という点です。 ...

2026年6月28日 · ひぐらしさとし