不動産取得税とは──売買・贈与の登記後に届く『納税通知書』の正体

この記事の要点 不動産取得税は売買・贈与・新築などで不動産を取得したときにかかる都道府県税 相続で取得した場合は原則として課税されない(遺産分割協議による取得も含む) 登記の際にその場で徴収されるものではなく、数か月後に納税通知書が届く 不動産の名義変更登記をしたあと、しばらくしてから都道府県の税事務所から「不動産取得税」の納税通知書が届き、驚く方がいます。結論から言うと、これは登記の手続きとは別に、不動産を取得した事実そのものに対して課される都道府県税です。登記が終わったからといって完了するものではなく、法務局から都道府県への通知を経て、後日あらためて課税されるという流れになっています。 ...

2026年7月13日 · ひぐらしさとし

土地家屋調査士試験 試験対策 第81回──表題部所有者の更正の登記/調査士の欠格事由/竹木の枝の切除及び根の切取り/方位角の計算/建物図面と各階平面図の記載事項

問題: 表題部所有者についての更正の登記に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものはいくつあるか。 ア. 不動産の所有者と当該不動産の表題部所有者とが異なる場合においてする当該表題部所有者についての更正の登記は、当該不動産の所有者以外の者は、申請することができない。 ...

2026年7月13日 · ひぐらしさとし

暦年贈与と相続時精算課税──2024年改正後の選び方の入口(計算は税理士へ)

この記事の要点 生前贈与には「暦年贈与」と「相続時精算課税」という2つの制度があり、2024年1月の改正で仕組みが大きく変わった 暦年贈与は死亡前の「加算期間」が3年から7年に延長され、相続時精算課税には新たに年110万円の基礎控除が新設された どちらが向いているかは年齢・財産の状況・贈与の目的によって変わるため、一般的な仕組みはこの記事で押さえつつ、具体的な有利選択や税額計算は税理士に相談するのが安心 不動産を贈与する場合は、税務の選択とあわせて名義変更登記の準備も必要になる 「子や孫に、元気なうちに財産を渡しておきたい」。そう考えたとき、多くの方が耳にするのが「暦年贈与」と「相続時精算課税」という2つの制度です。どちらも生前に財産を贈る際の贈与税のしくみですが、2024年1月の税制改正で内容が大きく変わり、以前の知識のままだと判断を誤りかねません。 ...

2026年7月13日 · ひぐらしさとし

認知症になると預金は凍結される?──本人と家族が「できなくなること」

この記事の要点 認知症そのものではなく、「判断能力が低下したと金融機関が認識すること」が引き金になって、預金の引き出しなどが制限されることがあります 制限がかかると、家族であっても本人名義の口座から自由にお金を引き出せなくなる場合があります 対策には、判断能力があるうちに結ぶ「家族信託」や「任意後見契約」などがあります 判断能力が低下したあとは、家庭裁判所が関与する「法定後見」という制度で財産管理を支える仕組みがあります 制度の使い分けは個別事情によって変わるため、早めにお近くの司法書士にご相談ください 認知症になると、なぜ預金が引き出せなくなるのか 結論から言うと、預金口座は「認知症と診断された瞬間」に自動的に凍結されるわけではありません。実際に制限がかかるのは、窓口でのやり取りなどを通じて金融機関が「本人の判断能力が低下している可能性がある」と気づいたときです。 ...

2026年7月13日 · ひぐらしさとし

相続が始まったら何から?期限のある手続きの優先順位の整理

この記事の要点 相続には「3か月」「4か月」「10か月」「1年」「3年」など、複数の期限がある手続きが並行して存在する どれから手をつけるかは、期限が短いものから確認するのが一般的な考え方 具体的な優先順位は各家庭の事情で変わるため、あくまで確認の目安として使う 本文 身近な人が亡くなったあと、相続にかかわる手続きにはいくつもの期限があります。どれも「知らなかった」では済まされないものばかりですが、期限が短いものから順に確認していくのが基本です。ここでは代表的な期限を整理します。 ...

2026年7月12日 · ひぐらしさとし

戸籍の附票とは?相続登記で「亡くなった方の住所」を証明する書類の基礎

この記事の要点 戸籍の附票は、本籍地の市区町村が管理する「住所の履歴を記録した書類」 相続登記では、登記簿上の住所と戸籍の記載だけでは「同一人物」と確認できないときに附票が必要になる 附票が取得できない場合も、権利証など別の書類で対応できることがある 本文 相続登記の相談で必ずといっていいほど出てくる書類のひとつが「戸籍の附票」です。戸籍謄本と混同されがちですが、役割はまったく違います。 ...

2026年7月12日 · ひぐらしさとし

土地家屋調査士試験 試験対策 第80回──建物の分割の登記/調査士の登録事項の変更の届出/境界線付近の掘削の制限/外分点の座標計算/地図の訂正の申出

問題: 建物の分割の登記に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものはいくつあるか。 ア. 建物の分割の登記は、主である建物とその附属建物として1個の建物として登記されているものを、それぞれ別個の登記記録の建物とする登記である。 ...

2026年7月12日 · ひぐらしさとし

株式交換・株式移転とは──持株会社化で会社をグループ化するときの登記手続き

この記事の要点 株式交換・株式移転は、会社の株式を100パーセント異動させて「完全親会社・完全子会社」の関係をつくる手続き 事業承継やグループ再編の受け皿として持株会社をつくる場面でよく使われる 手続きは株主総会の特別決議→契約書・計画書の作成→効力発生→2週間以内の変更登記という流れ(株式移転は設立登記そのものが効力発生日にあたります) 登記が必要になるのは主に完全親会社側で、完全子会社側は登記事項の変更がないことが多い 税務上の扱いや株主間の対立が絡む場合は、税理士・弁護士への相談が必要になる 「会社をグループ化したい」「複数の会社を1つの持株会社の傘下にまとめたい」というとき、よく使われるのが株式交換と株式移転という手続きです。名前が似ていて紛らわしいのですが、どちらも「ある会社の株式を100パーセント、別の会社(持株会社)に集める」という点で共通しています。この記事では、経営者の方向けに、それぞれの仕組みと登記手続きの流れを整理します。 ...

2026年7月12日 · ひぐらしさとし

『親の預金が使われていた気がする』──相続で疑われる使い込み(使途不明金)への対応の流れ

この記事の要点 使い込みが疑われても、まずは通帳の取引履歴を確認し、事実関係を整理することが出発点 相続人全員が合意すれば、遺産分割の中で使途不明金を「取り込んで」計算し直せる(亡くなった後に処分された分については民法906条の2という仕組みがある) 合意できず解決しない場合は、返還を求める法的手段もあるが、その先は弁護士の領域 相続の場面で、「親の預金が、亡くなる前後に大きく減っていた」「同居していたきょうだいが勝手に引き出していたのでは」という疑いが持ち上がることがあります。結論から言うと、こうした使い込み(使途不明金)の疑いに対しては、①事実関係を確認する、②相続人全員の合意があれば遺産分割の中で調整する、③合意できなければ返還を求める法的手段を検討する、という段階を踏んで対応します。以下、それぞれを順番に整理します。 ...

2026年7月12日 · ひぐらしさとし

法定後見の3類型『後見・保佐・補助』はどう違う?──判断能力の程度で決まる仕組み

この記事の要点 法定後見(ほうていこうけん)は、判断能力が不十分になった方を法律面で支える制度で、本人の状態に応じて「後見・保佐・補助」の3類型に分かれる 分かれ目は、判断能力がどの程度低下しているか。重い順に後見・保佐・補助となり、支援する人の呼び名や権限も変わる どの類型にあたるかは、最終的に家庭裁判所が診断書などをもとに判断する 「親の物忘れが進んできた。成年後見を考えたいが、後見・保佐・補助という言葉が出てきてよく分からない」——こうした声は少なくありません。この3つは別々の制度ではなく、判断能力の程度に応じた法定後見の3つの型です。本記事は、執筆時点(2026年07月)の制度に基づく一般的な解説です。 ...

2026年7月11日 · ひぐらしさとし