土地家屋調査士試験 試験対策 第144回──共用部分である旨の登記/筆界特定制度/境界線付近の掘削の制限/地図及び地図に準ずる図面/表題部所有者の更正の登記

問題: 共用部分である旨の登記及び団地共用部分である旨の登記に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。 ア. 共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記は、当該登記をする建物の表題部所有者又は所有権の登記名義人以外の者は、申請することができない。 ...

2026年9月14日 · ひぐらしさとし

墓じまいの手続き──「改葬許可」の流れと必要書類

この記事の要点 墓じまい(改葬)をするときは、「墓地、埋葬等に関する法律」に基づき、市区町村長の許可(改葬許可)を受ける行政手続きが必要です 許可の申請先は、これから移す先ではなく「現在お墓がある市区町村」です 必要書類は「受入証明書」「埋蔵(埋葬)証明書」「改葬許可申請書」が基本的な組み合わせです 詳しい様式や必要な部数は市区町村ごとに異なるため、着手前に窓口へ確認しておくと手戻りを防げます 「墓じまい」をするとき、お墓の引っ越し先を決めるだけでは手続きは終わりません。今のお墓に納められているご遺骨を別の場所(新しいお墓や納骨堂、樹木葬など)に移すには、「墓地、埋葬等に関する法律」(以下「墓埋法」)に基づいて、市区町村長の許可(改葬許可)を受ける必要があります。これは家族や寺院・霊園との話し合いだけで完結するものではなく、公的な許可を要する行政手続きです。 ...

2026年9月14日 · ひぐらしさとし

登記簿の面積と実測が違う──「縄伸び・縄縮み」と地積更正登記

この記事の要点 登記簿に記載された土地の面積(地積)と、実際に測った面積(実測)が食い違うことは珍しくない 主な原因は明治時代の地租改正までさかのぼる測量誤差で、こうした食い違いは「縄伸び・縄縮み」と呼ばれる 登記簿の地積を実測に合わせて直す手続きが「地積更正登記」で、土地家屋調査士が担当する分野 地積測量図が法務局に備え付けられているかどうかで、売買時の実務対応が変わる 地積更正登記の相談先は土地家屋調査士。登記や名義に関わるその他の相談は、お近くの司法書士へ 登記簿(登記事項証明書)に書かれている土地の面積と、実際にメジャーや測量機器で測った面積が一致しない――このようなケースは、決して珍しいものではありません。原因の多くは、今から100年以上前の測量にさかのぼります。 ...

2026年9月14日 · ひぐらしさとし

保佐人の同意が必要な行為とは?──民法13条が定める10種類をやさしく解説

この記事の要点 保佐開始の審判を受けた本人(被保佐人)は、日常の買い物などは自分でできますが、借金や不動産の売買など重要な行為をするときは保佐人の同意が必要です 同意が必要な行為は民法13条1項に10種類が列挙されており、家庭裁判所の審判でこれ以外の行為にも範囲を広げることができます 保佐人が正当な理由なく同意しないときは、家庭裁判所に「同意に代わる許可」を求める仕組みがあります 結論からお伝えします。保佐制度は、判断能力が「著しく不十分」な方(本人=被保佐人)について、日常生活に関する行為は本人の自由に任せつつ、財産や生活に重大な影響を与える一部の行為だけを保佐人のチェック(同意)にかける仕組みです。法定後見の3類型(後見・保佐・補助)の違いは法定後見の3類型『後見・保佐・補助』はどう違う?で解説していますが、この記事では保佐に絞って、具体的にどの行為に同意が必要になるのかを見ていきます。なお、保佐人には、この記事で扱う同意権とは別に、家庭裁判所の審判によって特定の法律行為について本人に代わって行う代理権が与えられることもあります(民法876条の4第1項)。同意権と代理権は別の仕組みであり、本記事で取り上げるのは同意権に限られます。 ...

2026年9月13日 · ひぐらしさとし

裁判の途中で示談がまとまったら|訴訟上の和解(裁判上の和解)の効力の基礎

この記事の要点 訴訟が続いている途中でも、裁判所は当事者に和解を試みることができ、双方が合意すれば「訴訟上の和解」(裁判上の和解)が成立する 成立した和解は裁判所書記官が作成する電子調書に記録され、その記録は確定判決と同一の効力を持ち、相手が守らなければ強制執行に進める根拠(債務名義)になる 訴えを起こす前に合意内容を固めておく「即決和解」とは、成立する場面(訴訟の途中か、訴え提起前か)が異なる別の制度 訴訟を起こしても、判決まで争い抜く事件ばかりではありません。審理が進む途中で当事者双方の言い分が歩み寄り、話し合いで決着がつくことも少なくありません。このように、訴訟が裁判所に係属している間に当事者双方の合意によって手続きを終わらせる仕組みが「訴訟上の和解」(裁判上の和解)です。 ...

2026年9月13日 · ひぐらしさとし

土地家屋調査士試験 試験対策 第143回──土地の表示に関する登記の登記事項/土地家屋調査士の業務範囲/水流に関する相隣関係/基本測量のための土地の立入り等/建物所在図の記録事項

問題: 土地及び建物の表示に関する登記の登記事項に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものはいくつあるか。 ア. 土地及び建物の表示に関する登記に共通する登記事項として、登記原因及びその日付、登記の年月日のほか、所有権の登記がない不動産(共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がある建物を除く。)については、所有者の氏名又は名称及び住所並びに所有者が二人以上であるときはその所有者ごとの持分を記録するものとされている。 ...

2026年9月13日 · ひぐらしさとし

司法書士に頼めること全リスト──登記だけではない業務の全体像

この記事の要点 司法書士の業務は司法書士法第3条で定められており、登記・供託の代理だけでなく、裁判所提出書類の作成や、140万円以下の簡易裁判所での訴訟代理(認定司法書士)まで含まれる 成年後見についても、申立書類の作成に関わったり、家庭裁判所から選任されて後見人等に就任したりする形で関わる制度がある 相談先を迷ったときは、まず「何を頼みたいか」を整理し、お近くの司法書士に確認するのが近道 「司法書士って、名義変更(登記)をお願いする人でしょう?」というイメージを持っている方は多いのではないでしょうか。たしかに不動産や会社の登記は司法書士の代表的な業務ですが、司法書士法が定める業務範囲は、実はそれだけにとどまりません。 ...

2026年9月13日 · ひぐらしさとし

所在が分からない区分所有者がいても集会決議を進められる制度とは──マンション管理組合の新しい選択肢

この記事の要点 区分所有者の所在等が分からない場合に、裁判所の手続を経て、その区分所有者を集会決議の母数(分母)から除外できる制度が、区分所有法(建物の区分所有等に関する法律)の改正(令和7年法律第47号・2025年〔令和7年〕5月30日公布)で新設され、2026年(令和8年)4月1日から施行されています。 対象になるのは「所在等が分からない」区分所有者に限られます。連絡がつきにくい・返事がないというだけでは足りません。 似た場面の制度として、土地そのものを対象にする「所有者不明土地管理制度」がありますが、対象や仕組みが異なります。 具体的な申立ての進め方や、自分の管理組合で使えるかどうかの判断は個別事情によって変わるため、検討段階になったらお近くの司法書士にご相談ください。 マンションの管理組合の集会決議は、原則として区分所有者全員を母数(分母)にして、賛成した人数・議決権の割合で成立・不成立が決まります。しかし、相続や転居が繰り返されるうちに「誰が今の区分所有者か分からない」「区分所有者は分かっているが連絡が取れない」という住戸が出てくると、その人も母数に含めたままでは、賛成の割合が事実上どうやっても足りなくなってしまうことがあります。この状態に対応するため、区分所有者の所在等が不明な場合に、裁判所の手続を経て、その区分所有者を集会決議の母数から除外できる制度が新しく設けられました。 ...

2026年9月13日 · ひぐらしさとし

「〜の規定にかかわらず」と「〜を妨げない」の違い──条文が「別ルール」と「両立」を示す言い回し【相続の条文で解説】

この記事の要点 「〜の規定にかかわらず」は、別の条文が定めた原則を脇に置いて、この条文の決め方に切り替える言い回しです。ただし書が同じ項の中で例外を作るのに対し、こちらは別の規定を名指しして、その原則を上書きします 同じ「かかわらず」でも、「〜かどうかにかかわらず」は上書きではなく「どちらであっても区別しない」という意味で、読み方が変わります 「〜を妨げない」は、この条文の定めがあっても、別の権利や手続きはそのまま使える、という両立の確認です。「〜できる」と新しく権利を与える文とは役割が違います 条文の一つの項の中にある「本文」と「ただし書」の関係は、「ただし書」「本文」「前段・後段」「柱書」とはで整理しました。今回は、別の規定を名指しして原則と例外の関係を示す言い回しを取り上げます。相続と登記の条文を例に、実際の文言で見ていきます(執筆時点(2026年9月)の制度に基づく一般的な解説です)。 ...

2026年9月12日 · ひぐらしさとし

登記の『更正』と『変更』はどう違う?──窓口で見分けるときの実務の目安

この記事の要点 「更正登記」と「変更登記」はどちらも登記の内容を直す手続きだが、直す理由がまったく違う。登記した時点ですでに誤りや抜けがあった場合が更正登記、登記した後に事実が変わった場合が変更登記 登記名義人の氏名・住所についての更正登記・変更登記は、どちらも登記名義人本人が単独で申請できる 権利の内容にかかわる更正登記・変更登記は、利害関係を持つ第三者の承諾が取れるかどうかで、登記のされ方(付記登記か主登記か)が変わる 登記の内容を直す手続きというと、「更正登記」と「変更登記」のどちらの言葉を使えばよいのか迷う方は少なくありません。結論から言うと、この二つは法律上、直す理由によってはっきり区別されています。不動産登記法2条は、変更の登記を「登記事項に変更があった場合に当該登記事項を変更する登記」(15号)、更正の登記を「登記事項に錯誤又は遺漏があった場合に当該登記事項を訂正する登記」(16号)と定義しています。 ...

2026年9月12日 · ひぐらしさとし