戸籍の「続柄」欄の読み方──実子と養子の記載の違い、相続人確定での注意点

この記事の要点 戸籍の「続柄」欄には、その人が戸籍の筆頭者・父母から見てどのような続き柄にあたるかが記載される 実子は生まれた順に「長男」「二男」等と記載され、普通養子縁組による養子は「養子」「養女」と記載されて区別できる(特別養子は実子と同じ記載になる) 戸籍が作られた時期によって続柄欄の記載ルール自体が変わっている箇所があり、古い戸籍を読むときは注意が必要 本文 結論から言うと、戸籍の「続柄」欄は、その戸籍に記載されている人が戸籍の筆頭者や父母との関係でどの続き柄にあたるかを示す欄で、相続人を確定する作業では「誰が実子で、誰が養子か」を読み分ける手がかりになります。ただし、続柄欄の記載ルールは戸籍が作られた時期によって変わっている部分があるため、古い戸籍を読むときは表面上の記載だけで判断しないことが大切です。 ...

2026年7月24日 · ひぐらしさとし

相続人が海外在住のとき──サイン証明・在留証明と遺産分割協議書への調印

この記事の要点 相続人の中に海外在住の方がいても、遺産分割協議書は他の相続人と同じように作成できる 海外在住者は住民登録がないため印鑑証明書を取得できず、代わりに在外公館(大使館・総領事館)で「サイン証明(署名証明)」を取得する 住民票の代わりには「在留証明書」を使う 在外公館での手続きは予約制・本人出頭が原則で、日本国内より時間がかかることを見込んでおく 協議内容そのものでもめている場合は、司法書士の対応範囲を超えるため弁護士へ相談する場面になる 「相続人の一人が海外に住んでいて、日本の実印も印鑑証明書も持っていない」──こうした相続は珍しくありません。結論から言うと、相続人に海外在住者がいても、遺産分割協議書を作ること自体はできます。ただし、日本国内にいる相続人と同じ方法(実印+印鑑証明書)は使えないため、代わりの手続きが必要になります。この記事では、その代わりの手続きである「サイン証明(署名証明)」と「在留証明」を中心に、海外在住の相続人がいるときの進め方を整理します。 ...

2026年7月24日 · ひぐらしさとし

内縁の妻・事実婚パートナーに相続権はない──遺言・生命保険・生前贈与でできる備え

この記事の要点 内縁の妻・事実婚のパートナーには、法律上の相続権が一切ない(民法890条の「配偶者」は法律上の婚姻届を出した夫婦に限られる) 何も対策をしないまま亡くなると、財産は法律上の相続人(子・親・兄弟姉妹など)に渡り、内縁パートナーには当然には一切渡らない 遺言(遺贈)・死因贈与契約・生命保険の受取人指定・生前贈与など、生前にできる備えは複数ある どの方法にも一長一短があり、ほかの相続人の遺留分や税負担も考えたうえで選ぶ必要がある まずは今の家族関係を整理し、お近くの司法書士に相談して備えを検討するのが第一歩 長年連れ添っていても、婚姻届を出していない「内縁の妻・夫」「事実婚のパートナー」には、法律上の相続権がありません。これは、同居期間の長さや生計をともにしてきた実態とは関係なく決まるルールです。 ...

2026年7月23日 · ひぐらしさとし

再婚家庭の相続──前婚の子・連れ子・養子縁組で相続人の範囲はどう変わる?

この記事の要点 前婚の子(前の配偶者との間に生まれた子)は、同居の有無や交流の有無に関わらず、法律上当然に相続人になる 連れ子(再婚相手が前の関係で授かった子)は、養子縁組をしない限り、どれだけ長く同居していても相続人にはならない 養子縁組(普通養子縁組)をすると、連れ子は実子と同じ割合で相続人になる。ただし実親側の相続権も残る「二重の相続権」を持つ 前婚の子・現在の配偶者との間の子・養子縁組をした連れ子は、原則としてすべて頭割りで法定相続分を分け合う 相続人の範囲があいまいなまま放置せず、確定作業に不安があれば早めにお近くの司法書士にご相談ください 再婚をしている家庭の相続では、「誰が相続人になるのか」の見極めが、初婚同士の家庭よりも複雑になりがちです。結論から言うと、判断の基準は血のつながり、または法律上の親子関係の有無であり、一緒に暮らしていたかどうかではありません。この記事では、前婚の子・連れ子・養子縁組それぞれについて、相続人になるかどうかの制度上の違いを整理します。 ...

2026年7月22日 · ひぐらしさとし

甥・姪が相続人になったときの手続き──代襲相続で戸籍集めと遺産分割協議が大変な理由

この記事の要点 甥・姪が代襲相続人になると、被代襲者(先に亡くなった伯父・伯母の子である自分の親)の出生から死亡までの戸籍も必要になり、通常の相続より戸籍収集の通数が増えやすい 被相続人や他の相続人(いとこにあたる人など)と面識がないことが多く、連絡先の特定や協議への参加そのものにハードルがある 相続登記の申請義務は甥・姪にも及ぶ(3年以内・起算点は「自分が相続人として不動産を取得したことを知った日」) 相続財産に負債がある可能性が見える場合は、相続放棄の期限(3か月)にも注意が必要 手続きの負担が大きいと感じたら、早い段階でお近くの司法書士に相談するのが安全 「伯父(叔父)が亡くなったが、子どももおらず、両親もすでに他界していた。兄弟姉妹である自分の親(伯父の弟や妹)も先に亡くなっているため、自分(甥・姪)が代わりに相続人になった」──こうした連絡を受けて戸惑う方は少なくありません。 ...

2026年7月21日 · ひぐらしさとし

準確定申告とは?相続で見落としやすい「4か月以内」の申告期限

この記事の要点 準確定申告とは、亡くなった方に代わって相続人が行う所得税の確定申告のこと 期限は死亡日ではなく「相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内」が原則 相続放棄(3か月)や相続税申告(10か月)と並行して管理すべき、別枠の期限として扱う必要がある 本文 結論から言うと、亡くなった方が生前に確定申告の対象となる所得を得ていた場合、相続人はその方に代わって「準確定申告」という所得税の申告を行う必要があり、この期限は通常の確定申告よりもかなり短く設定されています。 ...

2026年7月20日 · ひぐらしさとし

認知された子の相続分は?──嫡出子との違いの歴史と戸籍での読み取り方

この記事の要点 婚姻関係にない父母の間に生まれた子でも、父から認知を受ければ法律上の子として相続人になる かつては嫡出子の2分の1とされていた相続分は、最高裁の判断と法改正により嫡出子と同じ扱いになっている 認知の記載は本人の戸籍だけでなく親の戸籍にも残るため、相続人を確定する際は出生まで遡って確認する必要がある 本文 結論から言うと、婚姻関係にない父母の間に生まれた子であっても、父に認知された子は法律上の子として相続人になり、相続分も嫡出子(婚姻関係にある父母の間に生まれた子)と同じです。 ...

2026年7月20日 · ひぐらしさとし

兄弟姉妹が相続人になるとき──戸籍集めが倍になる理由・遺留分がない話

この記事の要点 兄弟姉妹が相続人になるのは「子も親(祖父母等の直系尊属)もいない」場合に限られ、被相続人の父母の代から戸籍を集める必要があるため、戸籍集めの範囲が子や親が相続人の場合より大きく広がる 兄弟姉妹には遺留分(最低限保障された取り分)がないため、遺言があればその内容がそのまま実現しやすい 兄弟姉妹の代襲相続は甥・姪の代までで打ち切られ、それ以上は再代襲しない 亡くなった方に子も親(祖父母等の直系尊属)もいない場合、相続人になるのは兄弟姉妹です。この「家族構成が兄弟姉妹相続人になるケース」には、子や親が相続人になる場合とは異なる特有の注意点が2つあります。戸籍を集める範囲が大きく広がること、そして兄弟姉妹には遺留分がないことです。 ...

2026年7月20日 · ひぐらしさとし

孫に財産を渡す方法──贈与・遺贈・養子縁組の違いと注意点

この記事の要点 孫は、親(祖父母から見た子)が先に亡くなっている場合の代襲相続を除き、そもそも法定相続人ではない 孫に財産を渡す方法は主に「生前贈与」「遺言による遺贈」「養子縁組(相続人化)」の3つで、渡すタイミングや確実性、家族関係への影響がそれぞれ異なる とくに養子縁組は他の相続人の取り分にも影響する重い制度で、税務上も孫養子には固有の取り扱いがある 制度の違いはこの記事で押さえつつ、具体的な税額や「どれが得か」の判断は税理士に、手続きの進め方はお近くの司法書士にご相談ください 「かわいい孫に、生きているうちから何か残してやりたい」「子だけでなく孫にも財産を分けたい」。相続の相談では、こうした声をよく耳にします。ただ、孫は多くの場合、法律上の相続人ではありません。子が健在であれば、祖父母の相続が発生しても、孫は自動的には財産を受け取れないのです。 ...

2026年7月19日 · ひぐらしさとし

おひとりさまの相続準備──相続人がいないと財産はどこへ行く?

この記事の要点 相続人が一人もいなくても、財産がすぐ全額国庫に入るわけではない。まず特別縁故者への財産分与の余地があり、それでも残った分だけが最終的に国庫に帰属する(民法959条) 特別縁故者への分与は家庭裁判所の裁量判断であり、身近な人が自動的に財産を受け取れる保証はない 相続土地国庫帰属法(自分から土地を手放す制度)とは別の制度なので混同しない 生前に遺言書で渡したい相手・団体を指定しておけば、相続人不存在の手続きを経ずに希望どおり財産を渡せる 遺言執行者の指定、死後事務委任契約、任意後見契約を組み合わせると、判断能力の低下から死後の事務まで一貫して備えられる 生涯未婚率の上昇や少子化を背景に、「自分が亡くなったとき、法律上の相続人が一人もいない」という、いわゆるおひとりさまが増えています。配偶者も子もおらず、親や兄弟姉妹もすでに他界している、あるいは疎遠──そうした場合、亡くなった後の財産はどこへ行くのでしょうか。 ...

2026年7月19日 · ひぐらしさとし