改製原戸籍の読み方──「はらこせき」で手が止まったら見るポイント

この記事の要点 改製原戸籍は「戸籍事項欄 → 筆頭者・戸主 → 各人の身分事項欄」の順に見ると読みやすくなります。最初に見るのは名前ではなく日付です。 線が引かれて消してある記載こそ読んでください。 その線は「この人はこの戸籍から抜けました」という印で、消された内容自体は有効な情報です。 改製のときに新しい戸籍へ書き写されるのは、決められた事項だけです。すでに終わった婚姻・養子縁組などは書き写されません(戸籍法施行規則39条1項)。だから改製原戸籍を見ないと相続人が漏れます。 手数料の標準額は改製原戸籍謄本1通750円(実際の額は各市区町村の条例によります)。 読めない、つながっているか分からない、と感じたらお近くの司法書士にご相談ください。 この記事は「読み方」の話です 結論から書きます。改製原戸籍(かいせいげんこせき)は、上から順に読もうとすると必ず迷子になります。見る順序を決めて、日付から入るのが早道です。 ...

2026年7月30日 · ひぐらしさとし

亡くなった方の財産がどこにあるか分からない|手がかりになる書類と、そこから分かること

この記事の要点 財産の所在は「手元の書類」と「亡くなった方あての郵便物」からたどれることが多い 通帳の引き落とし記録は、保険や不動産など別の財産の存在に気づく手がかりになる 手がかりが少なくても、不動産については一覧で調べられる制度がある 「親が亡くなったが、どこに何があるのか分からない」という状態から相続手続きが始まることは珍しくありません。結論から言えば、まずは手元にある書類と、亡くなった方あてに届く郵便物を種類ごとに分けてみるところからで十分です。以下は、ご自身の手元でできる範囲の確認方法です。 ...

2026年7月29日 · ひぐらしさとし

相続税の基礎控除とは──「3,000万円+600万円×法定相続人の数」の意味と数え方

この記事の要点 相続税には「遺産に係る基礎控除額」という枠があり、その額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で計算される(相続税法15条1項) 人数の数え方には独自のルールがあり、相続放棄をした人も「放棄がなかったもの」として数に含める 養子は、実子がいる場合は1人まで、実子がいない場合は2人までしか人数に算入できない 「うちは相続税がかかるのか」を考えるときの入口が基礎控除という枠です。相続税は、亡くなった方の財産すべてにいきなり課される税金ではなく、一定額までは課税されない部分が設けられています。相続税法ではこれを「遺産に係る基礎控除額」と呼びます。 ...

2026年7月29日 · ひぐらしさとし

戸籍の附票の使いどころ──登記簿の住所がつながらないとき、行方のわからない相続人を探すとき

この記事の要点 戸籍の附票は「住所の履歴」を証明する書類で、市区町村をまたいだ転居も一枚で追えるのが強み 使いどころは大きく2つ。登記簿の住所と今の住所がつながらないときの住所変更登記と、行方のわからない相続人の住所をたどるとき 附票でも追えないときは、家庭裁判所の不在者財産管理人(民法25条)や失踪宣告(民法30条)が受け皿になる 戸籍の附票(こせきのふひょう)は、「住所の履歴をたどるための書類」です。使う場面はいろいろありますが、実際によく効くのは次の2つに絞られます。 ...

2026年7月29日 · ひぐらしさとし

遺産分割協議書と遺産分割協議証明書──1通に全員が押すか、1人1通ずつ出すか

この記事の要点 中身の合意は同じ。違いは「1通の紙に全員が署名押印する(協議書)」か、「相続人が1人1通ずつ同じ内容を証明する(協議証明書)」かという書面の作り方だけ 相続登記では、相続人全員分がそろえば、どちらの方式でも使えるのが実務の扱い 相続人が多い・遠方に散っている・郵送で持ち回ると何か月もかかる、というときは協議証明書が向いている ただし全員分そろわないと使えない点は両方式で同じ。1人でも欠ければ、その分け方どおりの登記も預貯金の解約もできない 相続の手続きを進めていると、「遺産分割協議書」という言葉と並んで、「遺産分割協議証明書」という書類が出てくることがあります。名前がよく似ていて、司法書士から「今回は協議証明書の形で作りましょう」と言われても、何がどう違うのか分かりにくいものです。 ...

2026年7月29日 · ひぐらしさとし

遺留分侵害額請求の「1年」はいつから数える?──起算日と期限の数え方

この記事の要点 遺留分侵害額請求の期限は、「相続の開始」と「遺留分を侵害する贈与または遺贈があったこと」の両方を知った時から1年です(民法1048条前段) それを知らないままでも、相続開始の時から10年を経過すると同じく消滅します(民法1048条後段) 期間は初日を数に入れず、1年後の応当する日の前日に満了します(民法140条・143条2項) 期限を過ぎると、請求できなくなります 遺留分(いりゅうぶん=一定の相続人に保障された最低限の取り分)が侵害されているとき、その分に相当するお金の支払いを請求できる権利があります(民法1046条1項)。2019年7月1日以降に開始した相続からは、財産そのものを取り戻す「遺留分減殺請求」ではなく、金銭の支払いを求める「遺留分侵害額請求」という形に改められました(制度の全体像はこちらの記事で整理しています)。 ...

2026年7月28日 · ひぐらしさとし

転籍があると戸籍の記載は引き継がれない──相続で古い戸籍まで必要になる理由

この記事の要点 転籍とは本籍地を移すことで、他の市町村に移すと転籍先で新しい戸籍が作られる 新しい戸籍には、すでにその戸籍から抜けている人(除籍された人)の記載が引き継がれない そのため、転籍後の戸籍だけを見ても相続人が分からず、出生まで遡って戸籍を集める必要がある 本文 他の市町村へ転籍すると、その戸籍からすでに抜けた人の記載は、新しく作られる戸籍に引き継がれません。相続手続きで「いま手元にある戸籍だけでは足りない」と言われるのは、これが理由のひとつです。 ...

2026年7月28日 · ひぐらしさとし

戸籍の広域交付とは──本籍地に行かずに最寄りの窓口で戸籍をまとめて集める

この記事の要点 令和6年3月1日から、本籍地でない市区町村の窓口でも戸籍証明書を請求できる「広域交付」が始まりました(戸籍法120条の2)。 請求できるのは本人・配偶者・直系尊属(父母、祖父母など)・直系卑属(子、孫など)に限られ、兄弟姉妹の戸籍は広域交付では請求できません。 郵送での請求も、代理人による請求もできません。 請求できる方ご本人が市区町村の戸籍担当窓口に出向き、顔写真付きの本人確認書類を示す必要があります。 コンピュータ化されていない一部の戸籍・除籍は広域交付では出てきません。 「これで全部そろう」とは限らない点が最大の注意点です。 司法書士などが職務上請求で戸籍を集める場面では、広域交付は使えません。ご自身で集める場合と専門家に依頼する場合とで、たどる道筋が違います。 本籍地に行かなくても、戸籍がまとめて取れるようになりました 結論から書きます。令和6年3月1日から、本籍地が遠方でも、お住まいや勤務先の最寄りの市区町村の窓口で、戸籍証明書をまとめて請求できるようになりました。これを「広域交付」と呼びます。根拠は戸籍法120条の2で、令和元年法律第17号による改正が同日に施行されたものです(法務省民事局「戸籍法の一部を改正する法律について(令和6年3月1日施行)」)。 ...

2026年7月28日 · ひぐらしさとし

戸籍のフリガナ、届出期限は終わりました──通知どおりで確定した後に間違いに気づいたら

この記事の要点 戸籍の氏名の振り仮名の届出期間は、令和8年(2026年)5月25日ですでに終了している 届出をしなかった場合は、本籍地の市区町村長が、通知した振り仮名のとおりに戸籍へ記載する 市区町村長によって記載された振り仮名は、一度に限り、家庭裁判所の許可を得ずに変更の届出ができる 記載された振り仮名が自分の認識と違うと気づいたら、まず本籍地の市区町村の戸籍窓口に相談する 「戸籍にフリガナが記載されるらしい」という案内を見た記憶はあるけれど、結局どうなったのか分からないままになっている方もいるかもしれません。結論から言うと、この届出の受付期間は令和8年(2026年)5月25日をもってすでに終了しています。「これから届け出よう」というタイミングは過ぎており、今戸籍に載っている(あるいはこれから載る)振り仮名は、原則として本籍地の市区町村から通知された内容がそのまま確定する仕組みになっています。 ...

2026年7月27日 · ひぐらしさとし

生命保険金の請求にも期限がある?相続で見落としやすい『3年』の消滅時効

この記事の要点 生命保険金は受取人固有の財産で、原則として遺産分割の対象外だが、保険金を請求する権利そのものには消滅時効がある 消滅時効の期間は「行使することができる時から3年」(保険法95条1項) 遺産分割や相続放棄の判断に気を取られ、保険金請求そのものが後回しになりやすい点に注意が必要 本文 結論から言うと、生命保険金は受取人固有の財産であるため、原則として遺産分割の対象にはなりませんが、保険金を請求する権利そのものには保険法上の消滅時効があり、いつまでも請求できるわけではありません。 ...

2026年7月24日 · ひぐらしさとし