この記事の要点
- 戸籍の「続柄」欄には、その人が戸籍の筆頭者・父母から見てどのような続き柄にあたるかが記載される
- 実子は生まれた順に「長男」「二男」等と記載され、普通養子縁組による養子は「養子」「養女」と記載されて区別できる(特別養子は実子と同じ記載になる)
- 戸籍が作られた時期によって続柄欄の記載ルール自体が変わっている箇所があり、古い戸籍を読むときは注意が必要
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結論から言うと、戸籍の「続柄」欄は、その戸籍に記載されている人が戸籍の筆頭者や父母との関係でどの続き柄にあたるかを示す欄で、相続人を確定する作業では「誰が実子で、誰が養子か」を読み分ける手がかりになります。ただし、続柄欄の記載ルールは戸籍が作られた時期によって変わっている部分があるため、古い戸籍を読むときは表面上の記載だけで判断しないことが大切です。
まず基本のルールとして、実子は生まれた順に「長男」「二男」「三男」(女子であれば「長女」「二女」「三女」)と記載されます。これに対して、普通養子縁組によって戸籍に入った子は、実子の生まれた順とは関係なく「養子」「養女」と記載されます。同じ戸籍に実子と普通養子が並んで記載されていても、この続柄欄の表記を見れば、その人が実子として生まれたのか、養子縁組で戸籍に入ったのかを区別できます。ただし、特別養子縁組の場合は、続柄欄に「養子」とは記載されず、実子と同じく「長男(長女)」等と記載されます。縁組の事実は、続柄欄ではなく身分事項欄(民法817条の2による裁判が確定した旨の記載)で確認することになります。養子縁組と相続では普通養子と特別養子で扱いが異なる場面を扱っていますが、いずれの場合も、続柄欄と身分事項欄の記載を手がかりに戸籍上の関係を正確に押さえることが出発点になります。
もうひとつ、相続人確定の実務で注意したいのが、戸籍が作られた時期による記載ルールの違いです。婚姻関係にない父母の間に生まれた子について、かつては続柄欄に出生順を示さず一律「男」「女」とだけ記載する扱いがとられていました。この扱いは平成16年11月1日から改められ、それ以降に出生の届出がされた子については、婚姻関係にない父母の間に生まれた子も「長男(長女)」「二男(二女)」等と記載されるようになりました。この場合の順番は、母が産んだ婚姻関係にない子どうしの中での出生の順によります(既存の戸籍についても、本人等からの申出により記載を改めることができるとされています)。そのため、被相続人の出生まで遡って古い戸籍を確認していく過程で、続柄欄に「男」「女」とだけ記載されている箇所を見つけた場合は、単なる記載の省略ではなく、その子が届出当時どのような立場で戸籍に記載されたかを示すサインである可能性がある、という前提で丁寧に読み進める必要があります。なお、こうした記載の違いと相続分の扱いは別の話で、現在の相続分の考え方については認知された子の相続分で整理しています。
執筆時点(2026年07月)の制度に基づく一般的な解説です。続柄欄の記載だけで身分関係のすべてが分かるわけではなく、離縁・認知等の詳しい経緯は身分事項欄も併せて確認する必要があります。
まとめ
戸籍の続柄欄は、実子か養子か、また戸籍が作られた時期による記載ルールの違いを読み解くための手がかりになる欄です。古い戸籍の続柄欄の読み方に迷ったときや、相続人の範囲について判断がつかないときは、お近くの司法書士にご相談ください。
参考資料
この記事は、次の資料を参照して内容を確認しています(確認日:2026年07月・いずれも一次情報です)。
- 法務省「戸籍における嫡出でない子の父母との続柄欄の記載の変更について」(平成16年11月1日からの記載変更・既存戸籍の申出による更正): https://www.moj.go.jp/MINJI/minji66.html
- 民法 第817条の2(特別養子縁組の成立)(e-Gov法令検索): https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089