長く使ってきた土地は自分のものになる?──「時効取得」と不動産の名義変更

この記事の要点 長く自分の物として使い続けた土地・建物は、時効取得(民法162条)で所有権を得られることがある(原則20年、条件がそろえば10年) 期間が過ぎても自動では名義は変わらず、援用(時効の主張)と所有権移転登記が別途必要 登記は原則、相手方(現在の名義人)との共同申請。協力が得られなければ判決による単独申請という道もある 「先代の頃から何十年もうちが使ってきた土地なのに、登記簿を調べたら名義は他人(あるいはとっくに亡くなった人)のままだった」──不動産の手続きをしていると、こうした場面に出会うことがあります。 ...

2026年6月18日 · ひぐらしさとし

登記簿に残った古い「買戻特約」──2023年から所有者だけで消せるようになりました

この記事の要点 買戻特約は「売った人が代金などを返せば買い戻せる」という約束で、期間は最長10年(定めがなければ5年) 契約の日から10年を経過していれば、所有者ひとりの申請で抹消できる(2023年4月1日施行の不動産登記法69条の2) 登録免許税は抹消登記として不動産1個につき1,000円が目安 「土地を売ろうと思って登記簿(登記事項証明書)を取り寄せたら、何十年も前の『買戻特約(かいもどしとくやく)』という見慣れない登記が残っていた」——。相続した不動産や、昔に公的機関から購入した土地で、こうした古い登記に気づく方は少なくありません。 ...

2026年6月15日 · ひぐらしさとし

マンションの登記簿はなぜ一戸建てと違う?──区分建物と「敷地権」のきほん

この記事の要点 マンションは「区分建物」と呼ばれ、登記簿は「一棟の建物全体」+「専有部分(お部屋)」の二段構えで記録される 敷地権付きのマンションは、お部屋(専有部分)と土地の権利(敷地権)を切り離して別々に処分できない(分離処分の禁止) 古いマンションなど「敷地権がない」物件では、建物と土地の登記簿を別々に確認する必要がある マンションを買ったとき、あるいは相続したマンションの登記簿(登記事項証明書)を取り寄せたとき、「一戸建てのときと様子がぜんぜん違う」と戸惑う方は少なくありません。 ...

2026年6月12日 · ひぐらしさとし

仮登記(かりとうき)とは?登記の「順位」を確保する仮のしくみ

この記事の要点 仮登記は、本登記のための条件が整うまで「順位」だけを先に確保しておく仮のしくみ 1号仮登記(権利変動は起きているが手続きが未了)と2号仮登記(将来の請求権を守る)の2タイプがある 仮登記の申請は原則共同申請、抹消は仮登記名義人が単独で申請できる(不動産登記法110条) 不動産の登記簿(登記事項証明書)を見ていたら、「仮登記(かりとうき)」という見慣れない言葉が記載されていた——。あるいは、不動産の売買や贈与の話し合いの中で、司法書士から「いったん仮登記を入れておきましょう」と言われた。そんなときに気になるのが、「仮登記とは何なのか」「ふつうの登記と何が違うのか」という点ではないでしょうか。 ...

2026年6月9日 · ひぐらしさとし

根抵当権とは?──普通抵当権との違いと、事業融資での使われ方

この記事の要点 根抵当権は「特定の1本の借金」ではなく、極度額(上限額)の枠の中で借入れと返済を繰り返せる担保のしくみ 設定登記の登録免許税は極度額の1,000分の4が目安 根抵当権の債務者や根抵当権者に相続が起きたら、6か月以内に合意の登記をしないと元本が確定してしまうため要注意 住宅ローンを組むと、土地や建物の登記簿(登記事項証明書)に「抵当権」という権利が記録されます。これは、返済が滞ったときに金融機関がその不動産を担保にできる権利です。 ...

2026年6月6日 · ひぐらしさとし

住宅ローンを組むと、登記簿に「抵当権」が加わります──設定登記のしくみ・費用・段取り

この記事の要点 住宅ローンを組むと、購入する家と土地に金融機関の抵当権がつき、公示のために抵当権設定登記を行う 登録免許税は原則0.4%だが、要件を満たす住宅なら住宅用家屋証明書により0.1%に軽減される 完済しても抵当権の登記は自動では消えず、抵当権抹消登記という別の手続きが必要 マイホームを買うとき、多くの方が住宅ローンを利用します。このとき、売買による名義変更(所有権移転登記)と並んで必ず行われるのが、**抵当権設定登記(ていとうけんせっていとうき)**です。聞き慣れない言葉ですが、住宅ローンを組む以上、避けて通れない手続きです。 ...

2026年6月3日 · ひぐらしさとし

登記簿(登記事項証明書)の見方──表題部・甲区・乙区は何が書いてある?

相続や不動産の手続きで、「登記事項証明書を取ってきてください」と言われることがあります。法務局の窓口やオンラインで取れる、いわゆる「登記簿(登記簿謄本)」のことです。 ...

2026年5月31日 · ひぐらしさとし

不動産の名義変更──売買・贈与・相続・財産分与で必要書類と登録免許税はどう変わる

この記事の要点 不動産の名義変更は「売買・贈与・相続・財産分与」の4類型で、登録免許税・必要書類・申請方法が別物になる 登録免許税は相続がいちばん安く1000分の4、売買は土地が(軽減)1000分の15、贈与・財産分与は1000分の20 相続だけ単独申請、それ以外は相手方との共同申請が必要 「家や土地の名義を変えたい」──そう一言でいっても、その「理由」によって手続きの中身は大きく変わります。家を売却して買主に引き渡した、子どもに贈与した、親が亡くなって受け継いだ、離婚で財産分与を受けた。どれも登記簿上は「所有権移転登記」ですが、必要な書類も、税金も、進め方も別物です。 ...

2026年5月28日 · ひぐらしさとし

「地番」と「住居表示」はどう違う?登記簿の住所と日常の住所の話

この記事の要点 登記簿に載っているのは「地番」であり、日常の住所である「住居表示」とは別物 不動産の登記手続き(相続・売買・抵当権設定・住所変更登記など)はすべて地番ベースで動く 自分の不動産の地番は、登記事項証明書・固定資産税の納税通知書・権利証などで確認できる 家を持っているかた、相続でこれから手続きをするかたなら、一度は「あれ?うちの登記簿に書いてある住所、いつも使っている住所と違う」と思ったことがあるかもしれません。 ...

2026年5月25日 · ひぐらしさとし

相続した土地に古い抵当権が残っていたら──「休眠担保権」の抹消という手続き

この記事の要点 完済しても抹消登記をしなければ、抵当権は登記簿に残り続ける 相手(抵当権者)と連絡が取れなくても、供託・公示催告・解散会社向けの特別ルートで単独抹消できる まずは登記事項証明書で抵当権の内容(弁済期・抵当権者の種類)を確認するところから 相続で土地を引き継いだとき、登記簿(登記事項証明書)を見て驚くことがあります。「親の代、いや祖父母の代よりさらに前に設定された、見たこともない古い抵当権が残っていた」――そんなケースです。中には、明治時代や大正時代に設定されたものが、そのまま100年近く残っていることもあります。 ...

2026年5月22日 · ひぐらしさとし