共有名義の実家を単独名義に――持分放棄・持分売買・持分贈与の違いと登記手続き

この記事の要点 共有名義の不動産を単独名義にする方法は主に「持分放棄」「持分売買」「持分贈与」の3つで、登記原因と必要な合意が異なる どの方法でも共有者全員の協力(署名・押印・書類提出)が前提になる点は共通 持分放棄・持分贈与では、単独名義になる側に課税関係が生じ得るため、事前に税理士へ確認しておくと安心 相続をきっかけに兄弟姉妹の共有名義になった実家を、そろそろ誰か一人の名義に整理したい――そうした相談は少なくありません。共有名義を単独名義にする方法はいくつかありますが、代表的なのは「持分放棄」「持分売買」「持分贈与」の3つです。それぞれ登記原因や必要な合意、課税関係が異なるため、この記事で違いを整理します。 ...

2026年7月8日 · ひぐらしさとし

家を新築したときの「所有権保存登記」──表題登記との違い・費用・自分でできるかをやさしく解説

この記事の要点 新築した建物の登記は2段階。「どんな建物か」を記録する表題登記(土地家屋調査士の担当)と、「誰のものか」を記録する所有権保存登記(司法書士の担当)に分かれます。 表題登記は所有権を取得した日(通常は建物の完成日)から1か月以内に申請する義務があります(不動産登記法47条)。所有権保存登記は義務ではありませんが、住宅ローンの抵当権をつけるにも売るにも必要です。 所有権保存登記の登録免許税は原則0.4%。新築住宅は0.15%などに軽減される特例があります(期限つき。適用は最新の要件確認を)。 どこまで自分でできるか迷ったら、お近くの司法書士・土地家屋調査士にご相談ください。 念願の家を新築したら、避けて通れないのが「登記」です。ただ、新築建物の登記は2つの登記が組み合わさっているため、少しわかりにくいところがあります。 ...

2026年7月7日 · ひぐらしさとし

借地権の登記とは──「地上権」と「賃借権」の違い、相続・売却時の注意点

この記事の要点 借地に建てた自分の家でも、土地を使う権利は「地上権」または「賃借権」として区別され、扱いが異なる 実務では賃借権が大半で、土地の賃借権そのものを登記しなくても、建物の登記があれば第三者に対抗できる(借地借家法10条) 借地権付きの建物を相続するときは地主の承諾は不要だが、売却(譲渡)するときは原則として地主の承諾が必要 借地契約の内容(普通借地権か定期借地権か等)によって将来の選択肢が変わるため、契約書の確認が重要 「実家の土地は、実は借りている土地だった」「登記簿を見たら、土地の欄に自分の名前がない」——相続や売却の場面で、こうした戸惑いに出会う方は少なくありません。日本では、建物は自分のものでも、その下の土地は地主から借りている、という「借地」の家がまだ多く存在します。 ...

2026年7月6日 · ひぐらしさとし

抵当権は「先に登記した者勝ち」?──複数の抵当権の順位と順位変更登記

結論から言うと、同じ不動産に複数の抵当権が設定されている場合、優先順位は「登記をした順番」で決まります。あとから登記した抵当権者は、先に登記した抵当権者よりも後回しになるのが原則です。ただし、抵当権者どうしが合意すれば、この順位を入れ替える「順位変更登記」という手続きがあります。主なポイントは次のとおりです。 ...

2026年7月5日 · ひぐらしさとし

住宅ローンを借り換えると登記簿はどうなる?──抵当権の抹消登記と設定登記が同時に必要になる理由

住宅ローンを借り換えると、登記簿の上では「今ある抵当権を消す手続き(抹消登記)」と「新しい抵当権を付ける手続き(設定登記)」が、同じ日にほぼ同時に行われます。どちらか一方だけでは済まないのは、旧ローンを完済して抵当権を消す前に新ローンを実行してしまうと、新しい金融機関が担保(抵当権)を確保できない空白の時間ができてしまうためです。この記事では、借り換えのときに登記簿で何が起きているのかを整理します。 ...

2026年7月3日 · ひぐらしさとし

離婚で家の名義を変えるとき──財産分与による不動産登記の手順・税金・2026年からの「5年ルール」

離婚にあたって持ち家を夫婦の一方の名義にするには、**「財産分与」を原因とする所有権移転登記(名義変更)**が必要です。離婚届を出しただけでは、不動産の名義は自動的には変わりません。 ...

2026年6月30日 · ひぐらしさとし

登記原因証明情報とは?──不動産の名義変更に欠かせない「理由を証明する書類」

不動産を売買したり、相続で受け継いだり、贈与を受けたりすると、登記簿(とうきぼ。誰がその不動産を持っているかを国=法務局が記録した帳簿)の名義を書き換える手続きが必要になります。このとき、ほぼ必ず登場するのが**登記原因証明情報(とうきげんいんしょうめいじょうほう)**と呼ばれる書類です。 ...

2026年6月27日 · ひぐらしさとし

法務局の「登記手続案内」の使い方|できること・できないこと・行く前の準備

「相続した土地の名義を、自分で変更してみたい」「抵当権(住宅ローンの担保)の抹消くらいなら自分でできないだろうか」——そう思って調べると、よく目にするのが法務局の「登記手続案内(とうきてつづきあんない)」という言葉です。 ...

2026年6月25日 · ひぐらしさとし

不動産の売買で司法書士は何をしている?──決済当日の流れと所有権移転登記のしくみ

この記事の要点 不動産の売買では代金支払いと同時に登記簿の名義を書き換える所有権移転登記が必要(代金を払っただけでは自動的に変わらない) 決済当日は司法書士が本人・書類を確認し、「登記できる」状態を見届けてから代金を動かす橋渡し役を担う 権利証(登記識別情報)を紛失していても、事前通知・本人確認情報・公証人認証などの代替手段がある マイホームや土地を買うとき、契約から「鍵の受け渡し」までの間に、**決済(けっさい)**と呼ばれる日があります。買主が売買代金を支払い、売主が不動産を引き渡す、いわば取引の山場です。 ...

2026年6月24日 · ひぐらしさとし

残された配偶者が家に住み続けるための「配偶者居住権」──その登記のしくみ

この記事の要点 配偶者居住権は、所有権とは別に、原則として配偶者が亡くなるまで(終身)無償で住み続けられる権利(民法1028条・1030条。期間を区切って定めることもできます) 第三者に対抗するには登記が必要。建物だけに登記し、配偶者と所有者が共同で申請する 登録免許税は建物評価額の0.2%が目安。前提として建物の相続登記(名義変更)が先に必要 「夫が亡くなったあと、長年住んできた家にこのまま住み続けられるのだろうか」――。 ...

2026年6月21日 · ひぐらしさとし