自社株を誰に遺すか──経営者の遺言の書き方と「相続させる」株式の名義書換
この記事の要点 自社株を特定の後継者に渡したいなら、遺言で「どの会社の、どの種類の株式を、何株(または全部)」と特定して書くのが出発点です 後継者が相続人なら「相続させる」と書く遺言が一般的です。この場合、株式に譲渡制限(会社の承認がないと譲渡できない定め)があっても、会社の承認を受けずに株主名簿の名義書換を請求できます(会社法134条4号) 遺言執行者(遺言の内容を実現する役目の人)を遺言で決めておくと、名義の書き換えなどの手続きを進める役を担える場面があります 株主名簿の名義書換は会社の中の手続きで、登記ではありません。亡くなった経営者が取締役・代表取締役だった場合は、役員の変更登記が別に必要です(2週間以内) 株の値段の評価や相続税は税理士、遺留分(最低限の取り分)をめぐるもめごとは弁護士、公正証書遺言の作成は公証人の役割です 経営者が遺言を残さずに亡くなると、自社株は相続人全員で共有する状態(「準共有」)になり、遺産分割がまとまるまで株主としての権利を使うことにも手間がかかります。これを避けるもっとも基本的な備えが、遺言で「誰に」「どの株式を」渡すかを決めておくことです。 ...