自筆の遺言書を見つけたら勝手に開けてはいけない──家庭裁判所の「検認」とは

亡くなった方の遺品を整理していたら、引き出しの奥から「遺言書」と書かれた封筒が出てきた──。そんなとき、まずやってはいけないのが「その場で封を切って中を読むこと」です。 ...

2026年6月26日 · ひぐらしさとし

「死因贈与」と「遺贈」はどう違う?──生前に『あげる約束』をするときの注意点

この記事の要点 死因贈与は「契約」(あげる人ともらう人の合意が必要)、遺贈は遺言による「単独行為」(もらう人の同意は不要) 税金は原則どちらも相続税の対象。ただし不動産取得税は死因贈与のほうが課税されやすい 不動産があれば、死因贈与は生前のうちに「仮登記」で備えられる。具体的な進め方はお近くの司法書士や税理士へ 「私が死んだら、この家はおまえにあげる」。 ...

2026年6月17日 · ひぐらしさとし

「相続させる」と「遺贈する」はどう違う?──遺言の書き方ひとつで手続きが変わる

この記事の要点 「相続させる」は相続人だけに使える書き方、「遺贈する」は相続人以外にも財産を渡せる書き方 名義変更(登記)は「相続させる」なら受け取る人ひとりで申請できるが、「遺贈」は原則として他の相続人(または遺言執行者)との共同申請(相続人への遺贈は2023年からひとりで申請可) 遺言で不動産を受け取ったら、対抗要件(民法899条の2)の問題があるため早めに登記まで済ませる 遺言書を作るとき、財産を誰かに引き継がせる書き方には、大きく分けて二つの言い回しがあります。「長男に自宅を相続させる」と書く方法と、「長男に自宅を遺贈する」と書く方法です。 ...

2026年6月8日 · ひぐらしさとし

遺言執行者──選任から、銀行・登記・税務まで「何ができるのか」

この記事の要点 遺言執行者は「遺言の内容を実現する人」で、就任には承諾が必要、就任後は相続人への通知・財産目録の作成・執行・報告の義務を負う 認知や推定相続人の廃除は遺言執行者でなければできない手続き(遺贈の履行も、執行者がいる場合は執行者のみが行う) 遺留分の対応や訴訟は弁護士、相続税の申告は税理士と、専門領域が分かれる 遺言を書いた、あるいは書いてもらった。ところが、いざ亡くなったあとに「これ、誰がどう動かすの?」と立ち止まる方が少なくありません。預金を解約するのは誰か。不動産の名義を変えるのは誰か。相続人全員でいちいち印鑑をもらわなければいけないのか。 ...

2026年5月30日 · ひぐらしさとし

相続人への遺贈は一人で登記できる──令和5年4月施行・遺贈登記の単独申請化

この記事の要点 令和5年4月施行の不動産登記法63条3項により、相続人への遺贈は受遺者が単独で登記申請できる 相続人以外への遺贈は従来通り共同申請(遺言執行者または相続人全員との共同)のまま 相続人への遺贈による取得も相続登記の申請義務化(3年以内・10万円以下の過料)の対象 「遺贈する」と書かれた遺言で、長男が直面した壁 亡くなったお父さんが、こんな遺言を残していたとします。 ...

2026年5月19日 · ひぐらしさとし

遺言執行者って何をする人?──遺言を確実に実現する「実行係」の決め方

この記事の要点 遺言執行者は、遺言の内容を実際に実現する「実行係」。未成年者・破産者以外なら誰でもなれる 遺贈・認知・推定相続人の廃除がある場合、遺言執行者の指定は事実上必須 誰を選ぶか・報酬の決め方などは、お近くの司法書士にご相談ください 「遺言を書いた」だけで安心していませんか?実は、書かれた内容を実際に動かす人——遺言執行者(いごんしっこうしゃ)——を決めておくかどうかで、相続手続きの進みやすさは大きく変わります。 ...

2026年5月9日 · ひぐらしさとし

自筆証書遺言と公正証書遺言、どちらを選ぶべきか|要件・費用・検認・訴訟リスクを徹底比較

この記事の要点 確実性を重視するなら公正証書遺言、手軽さとコストを重視するなら自筆証書遺言(法務局保管制度の併用がおすすめ) 自筆証書遺言は要件を一つでも欠くと無効になるリスクがあるが、公正証書遺言は公証人が関与するためほぼ起こらない 検認の要否・費用・遺言能力争いへの強さが選択の分かれ目になる 「遺言を書こうと思うが、自分で書く方法と公証役場で作る方法、どちらがよいのか」――この質問は、遺言相談の現場で最も多く寄せられるものの一つです。結論から言えば、確実性を重視するなら公正証書遺言、手軽さとコストを重視するなら自筆証書遺言(できれば法務局保管制度を併用)、というのが実務上の一般的な整理です。 ...

2026年5月3日 · ひぐらしさとし

自筆の遺言書を法務局に預けられる——遺言書保管制度とは

この記事の要点 自筆証書遺言を法務局に預けられる制度。家庭裁判所の検認が不要になる 費用は保管申請時に1通3,900円のみ。その後の保管料はかからない 法務局は形式面しか確認しない。内容が法的に有効かどうかは自分で(できれば専門家に)確認が必要 「遺言書を書いたはいいけれど、自分が亡くなった後に家族が見つけてくれるだろうか」「書き直したらどれが最新版かわからなくなりそう」——そんな不安を持つ方は少なくありません。 ...

2026年4月28日 · ひぐらしさとし

遺留分侵害額請求とは?──2019年改正で「現物返還」から「金銭請求」へ

この記事の要点 遺留分(最低限の取り分)があるのは配偶者・子・直系尊属のみ。兄弟姉妹にはない 割合は原則2分の1(直系尊属のみが相続人の場合は3分の1) 2019年7月1日以降の相続では「現物の返還」ではなく「金銭の支払い」を請求する権利になった(民法1046条)。時効は相続開始と遺留分侵害を知ったときから1年 遺留分って何ですか? 親が亡くなって遺言書を開けてみたら、「財産はすべて長男に」と書いてあった──。こんなとき、他のきょうだいや配偶者は黙って受け入れるしかないのでしょうか。 ...

2026年4月27日 · ひぐらしさとし

配偶者が「家に住み続ける権利」を守るために──配偶者居住権という選択肢

この記事の要点 配偶者居住権を使うと、自宅の「居住権」と「所有権」を分けて相続でき、配偶者は住み続けながら現金も受け取りやすくなる 取得には遺言または遺産分割協議が必要。第三者に対抗するには登記が必須(民法1031条2項) 配偶者が亡くなると自動的に消滅し、他人に譲渡することはできない 夫(または妻)を亡くしたあと、「これからもこの家に住み続けられるのだろうか」と不安に思う方は少なくありません。 ...

2026年4月26日 · ひぐらしさとし