司法書士への相談予約、電話やメールで何を伝えればいい?──当日を有効に使うための事前連絡

この記事の要点 予約の段階では、相談の目的をひとことで、不動産のおおよその所在地、亡くなった方との関係、期限が迫っている事情の有無、同席する人を伝えておくと、当日の話が早く進む 相手方や他の相続人の名前を聞かれることがある理由の一つとして、利益相反(すでに相手側の相談・依頼を受けていないか)の確認が考えられる 予約の時点で細かな個人情報まで伝える必要はないことが多い。詳しい事情は当日の面談で話せばよい 司法書士事務所に相談を予約するときは、「何の相談か」と「急ぐ事情があるか」の2点を中心に、いくつかの情報を短く伝えておくと、当日の時間を有効に使えます。予約の電話やメールは事情を詳しく説明する場ではありません。事務所の側が当日の準備をするための、最低限の手がかりを渡す場だと考えると気が楽になります。 ...

2026年9月27日 · ひぐらしさとし

相続税の2割加算とは──対象になる人・ならない人(孫・孫養子・兄弟姉妹・甥姪)

この記事の要点 相続や遺贈で財産を取得した人が、亡くなった方の配偶者・一親等の血族(父母・子)のいずれでもないときは、その人の相続税額に2割が加算される(相続税法18条1項) 孫は原則として対象だが、親(亡くなった方の子)の死亡などにより代襲相続人となった孫は対象外。孫養子は、代襲相続人でもある場合を除いて対象になる(同条2項) 兄弟姉妹、甥・姪(代襲相続人として相続する場合を含む)、遺言で財産を受け取った知人など配偶者・一親等の血族以外の人は対象になる。分かれ目は相続人かどうかではなく続柄 相続税には、財産を受け取った人と亡くなった方(被相続人)との続柄によって、税額が2割増しになる仕組みがあります。「相続税額の2割加算」と呼ばれるもので、相続税法18条に定められています。 ...

2026年9月27日 · ひぐらしさとし

法務局に預けた遺言書は何年保管される?──原本は死亡から50年、画像などのデータは150年

この記事の要点 法務局に預けた遺言書の原本は遺言者の死亡の日から50年、遺言書の画像などを記録したデータは150年が経過した後に、廃棄・消去できると定められている その間、相続人などは遺言書情報証明書の交付や閲覧を請求でき、保管されているかどうかは遺言書保管事実証明書で確かめられる 保管期間が長いからといって、相続登記の申請義務(3年以内)などの期限が延びるわけではない 法務局(遺言書保管所)に預けた自筆証書遺言は、遺言者が亡くなったあとも長く残ります。法律と政令は、原本については遺言者の死亡の日から50年、画像などを記録したデータについては150年が経過した後は、廃棄・消去できると定めています。 ...

2026年9月26日 · ひぐらしさとし

離縁した養子は相続人になる?──戸籍の離縁の記載の見方と、養子の子の代襲相続

この記事の要点 離縁すると、養子(その配偶者や子・孫を含む)と養親側との親族関係は終わる(民法729条)。離縁した後に養親が亡くなっても、元養子は相続人にならない。一方、離縁より前に養親が亡くなっていれば、その相続では相続人になっている 離縁は養親と養子の双方の身分事項欄に記載される(戸籍法施行規則35条3号)。戸籍では「離縁の日付」と「養親の死亡の日付」の前後を読み比べる 養子の子が代襲相続人になるのは、原則として、縁組の後に生まれ、かつ離縁がされていない場合(縁組の前に生まれた子は代襲相続人にならない。民法887条2項ただし書) 結論から言うと、離縁した元養子が養親の相続人になるかどうかは、離縁と養親の死亡のどちらが先に起きたかで決まります。 ...

2026年9月26日 · ひぐらしさとし

任意後見契約はやめられる?──効力が生じる前と後で違う解除の方法

この記事の要点 任意後見監督人が選ばれる前なら、本人・任意後見受任者のどちらからでも、公証人の認証を受けた書面によって、いつでも解除できる(任意後見契約に関する法律9条1項) 任意後見監督人が選ばれた後は、本人・任意後見人のどちらからの解除も、正当な事由がある場合に限り、家庭裁判所の許可を得て行う(同条2項) 家庭裁判所が任意後見人をやめさせる「解任」(同法8条)は、当事者の意思で契約をやめる「解除」とは別の仕組み 任意後見契約は、結んだあとでもやめる(解除する)ことができます。ただし、その方法は、家庭裁判所が「任意後見監督人」を選任する前か後かで大きく変わります。選任の前は比較的簡単な手続きで解除できますが、選任の後は家庭裁判所の許可が必要になります。本記事は、執筆時点(2026年9月)の制度に基づく一般的な解説です。 ...

2026年9月25日 · ひぐらしさとし

簡易裁判所の「司法委員」とは|民事裁判に市民が関わる仕組みと、和解の場面での役割

この記事の要点 司法委員は、簡易裁判所の民事訴訟で、裁判所が必要と認めるときに、和解を試みる場面での補助や、審理に立ち会って意見を述べる役割を担う(民事訴訟法279条1項) 司法委員は裁判官ではなく、述べる意見はあくまで参考意見。判断をするのは裁判官で、和解に応じるかどうかを決めるのは当事者 毎年あらかじめ地方裁判所が選任しておいた人の中から、事件ごとに裁判所が指定する仕組みで、法律の専門資格は求められていない 簡易裁判所の民事訴訟では、裁判官と当事者のほかに「司法委員」と呼ばれる人が手続きに加わることがあります。結論からいうと、司法委員は法律の専門家に限らず広く市民の中から選ばれ、和解の話し合いの補助や審理への立会いを通じて裁判官を助ける立場の人で、裁判官そのものではありません。この記事では、その仕組みを条文に沿って整理します。 ...

2026年9月25日 · ひぐらしさとし

「以前・以後」と「前・後」の違い──その日を含むかどうかで読み分ける【民法・不動産登記法の条文で解説】

この記事の要点 「以前」「以後」は、基準となる日(時点)そのものを含む 「前」「後」は、基準となる日を含まない 「以降」も意味は「以後」と同じくその日を含むが、法令の条文では「以後」が基本形 法律の条文には、「〜以前」「〜以後」「〜前」「〜後」といった時間の区切りがよく出てきます。日常会話では「以前」も「前」もほとんど同じ意味で使いますが、条文では基準となる日や時点そのものを含むかどうかが、きっちり書き分けられています。結論から言うと、「以前」「以後」は基準の日を含み、「前」「後」は含みません。 ...

2026年9月24日 · ひぐらしさとし

登記の「住所証明情報」とは?──新しく名義人になる人の住民票・印鑑証明書と、住民票コードで省略できる場合

この記事の要点 住所証明情報とは、売買や相続などで新しく不動産の名義人になる人の住所を証明する書類です。個人なら住民票の写しや戸籍の附票の写しで、印鑑証明書に記載された住所を使うこともできると法務局は案内しています。 申請書に住民票コード(11桁の番号)を書くと、住民票の写しの提出を省略できます(不動産登記令9条・不動産登記規則36条4項)。住民票の写しを出す場合は、マイナンバー(個人番号)の記載がないものを使います。なお、不動産登記令・不動産登記規則は、住所証明情報に印鑑証明書のような「作成後3か月以内」の定めを置いていません(ただし、取った後に引っ越した場合、その書類では今の住所を証明できません)。 2026年10月5日以降に申請する所有権の保存・移転などの登記では、新しく名義人になる個人(その登記の申請人になる人)について、申請書に国籍等を書き、原則としてそれを証する書類も添付することになります(改正後の不動産登記規則158条の39)。日本国籍の方は、本籍地が記載された住民票の写しで住所証明情報と兼ねられると法務省は案内しています。 売買や相続で不動産の名義を変える手続きを調べると、必要書類の欄に「住所証明情報」という言葉が出てきます。結論から言えば、これは新しく名義人になる人の住所を証明する書類のことで、個人の場合は住民票の写しが代表例です。そして、申請書に住民票コードを書けば、その住民票の写しを出さずに済みます。 ...

2026年9月24日 · ひぐらしさとし

司法書士の見積書の読み方──報酬と実費の違い、受け取ったら確認したい点

この記事の要点 見積書は大きく「報酬(司法書士の手数料)」と「実費(登録免許税・証明書の手数料・郵送費など)」に分かれる。まずこの2つを分けて読む 報酬は各司法書士が依頼者との合意で決めるもので、全国一律の報酬基準はない 受け取ったら「どの手続きが含まれるか」「書類取得の代行は含まれるか」「追加費用が出るのはどんなときか」「登録免許税は確定額か概算か」を確認する 司法書士に相続登記などを頼もうとすると、依頼の前に見積書を受け取ることがあります。ただ、項目がいくつも並んでいて、どこをどう読めばよいのか戸惑う方も少なくありません。この記事では、見積書の内訳の読み方と、受け取ったときに確認しておきたい点を整理します。執筆時点(2026年9月)の一般的な解説です。 ...

2026年9月23日 · ひぐらしさとし

固定資産税の課税明細書の見方──登記や相続の準備で使う欄はどこ?

この記事の要点 課税明細書には、土地なら所在・地番・地目・地積・価格、建物なら所在・家屋番号・種類・構造・床面積・価格が書かれている 「価格(評価額)」と「課税標準額」は別の数字。登記でかかる登録免許税の計算のもとになるのは「価格」のほう 登記されていない建物が載っていることがあり、相続の準備で見落としに気づく手がかりになる 毎年春ごろに市町村から届く固定資産税の納税通知書には、一般に「課税明細書」という一覧が同封されています。結論から言えば、登記や相続の準備では、この明細書のうち「所在・地番/家屋番号」と「価格(評価額)」の欄が特に役立ちます。以下は、執筆時点(2026年9月)の制度に基づく一般的な解説です。 ...

2026年9月23日 · ひぐらしさとし