問題:
作業規程の準則に定める基準点測量に関する次のア〜オの記述のうち、正しいものはいくつあるか。
ア. 1級基準点測量及び2級基準点測量は、原則として、結合多角方式により行うものとし、やむを得ない場合に限り単路線方式により行うことができる。
イ. 3級基準点測量における新点間の距離は、500メートルを標準とする。
ウ. 計画機関が所有権又は管理権を有する土地以外の土地に永久標識を設置しようとするときは、当該土地の所有者又は管理者から建標承諾書等により承諾を得なければならない。
エ. TS等観測において、水平角観測は1視準1読定、望遠鏡正及び反の観測を1対回とし、距離測定は1視準1読定を1セットとする。
オ. 選点において新点の位置を選定したときは、その位置及び視通線等を地形図に記入して平均図を作成し、これに基づいて選点図を作成して計画機関の承認を得るものとする。
答え:
正しいものは、ア・ウの2つである。
解説:
本問は、作業規程の準則(平成20年国土交通省告示第413号。令和7年3月31日一部改正。以下「準則」という。)第2編第2章「基準点測量」のうち、既知点の種類等(準則22条)、基準点測量の方式(準則23条)、選点(準則26条〜30条。建標承諾書等に関する準則29条を含む。)及びTS等観測の方法(準則37条2項1号)の規定を問うものであり、正しいのはア・ウの2つである。「基準点測量」とは、既知点に基づき、新点である基準点の位置を定める作業をいい(準則21条1項)、1級から4級までの基準点測量に区分される(同条2項)。工程は、作業計画、選点、測量標の設置、観測、計算、品質評価、成果等の整理の順に行う(準則24条)。
ア 正しい。準則23条1項1号は、1級基準点測量及び2級基準点測量は、原則として、結合多角方式により行うものとし、ただし、やむを得ない場合に限り単路線方式により行うことができると定めている。本肢は同号のとおりである。なお、3級基準点測量及び4級基準点測量は、結合多角方式又は単路線方式により行うものとされている(同項2号)。
イ 誤り。準則22条1項の表は、新点間距離を、1級基準点測量1,000メートル、2級基準点測量500メートル、3級基準点測量200メートル、4級基準点測量50メートルとしている。3級基準点測量の新点間距離は200メートルが標準であり、500メートルは2級基準点測量の数値であるから、本肢は誤りである。なお、同表は、既知点間距離を、1級4,000メートル、2級2,000メートル、3級1,500メートル、4級500メートルとしている。
ウ 正しい。準則29条は、計画機関が所有権又は管理権を有する土地以外の土地に永久標識を設置しようとするときは、当該土地の所有者又は管理者から建標承諾書等により承諾を得なければならないと定めている。本肢は同条のとおりである。
エ 誤り。準則37条2項1号ハは、水平角観測は、1視準1読定、望遠鏡正及び反の観測を1対回とすると定めているが、同号ホは、距離測定は、1視準2読定を1セットとすると定めている。距離測定を1視準1読定で1セットとしている点で、本肢は誤りである。なお、同号の表は、距離測定の読定単位を1級から4級までのいずれも1ミリメートル、セット数をいずれも2セットとしている。
オ 誤り。準則30条1項は、新点の位置を選定したときは、その位置及び視通線等を地形図に記入し、選点図を作成するものとし、同条2項は、平均図は、選点図に基づいて作成し、計画機関の承認を得るものとすると定めている。先に作るのは選点図であり、平均図は選点図に基づいて作成するものであるから、作成の順序が逆になっている本肢は誤りである。
ポイント:1級及び2級基準点測量は結合多角方式が原則で、単路線方式はやむを得ない場合に限られ、3級及び4級は結合多角方式又は単路線方式による(準則23条1項)。新点間距離の標準は1級1,000メートル・2級500メートル・3級200メートル・4級50メートルである(準則22条1項)。計画機関が所有権又は管理権を有する土地以外の土地に永久標識を設置するときは建標承諾書等で承諾を得る(準則29条)。選点では選点図を作成し、平均図は選点図に基づいて作成して計画機関の承認を得る(準則30条)。TS等観測では、水平角観測は1視準1読定・正反で1対回、距離測定は1視準2読定で1セットである(準則37条2項1号ハ・ホ)。「選点図が先、平均図が後」「距離は2読定で1セット」と押さえる。
問題:
作業規程の準則に定める基準点測量におけるGNSS観測に関する次のア〜オの記述のうち、誤っているものはいくつあるか。
ア. 観測距離が10キロメートル以上の観測は、1級GNSS測量機により2周波で行う。
イ. 短縮スタティック法は、観測時間20分以上、データ取得間隔15秒以下を標準とし、電子基準点のみを既知点とする場合にも適用することができる。
ウ. GPS・準天頂衛星のみを用いてRTK法により観測する場合の使用衛星数は、4衛星以上を標準とする。
エ. GNSS衛星の最低高度角は、15度を標準とする。
オ. キネマティック法は、固定局及び移動局で同時にGNSS衛星からの信号を受信して初期化に必要な観測を行った後、移動局を複数の観測点に次々と移動して観測を行い、移動局側において即時に基線解析を行う観測方法である。
答え:
誤っているものは、イ・ウ・オの3つである。
解説:
本問は、準則第2編第2章「基準点測量」の観測のうち、GNSS観測の方法(準則37条2項2号)の規定を問うものであり、誤っているのはイ・ウ・オの3つである。「GNSS観測」とは、GNSS測量機を用いて、GNSS衛星からの電波を受信し、位相データ等を記録する作業をいう(準則34条1項)。GNSS測量においては、GPS、準天頂衛星システム及びGLONASSを適用し、準天頂衛星はGPS衛星と同等の衛星として扱うことができ、これらをGPS・準天頂衛星と表記する(準則21条4項)。
ア 正しい。準則37条2項2号イは、観測距離が10キロメートル以上の観測は、1級GNSS測量機により2周波で行うと定めている。本肢は同号イのとおりである。なお、同号イただし書は、2級GNSS測量機を使用する場合には、観測距離を10キロメートル未満になるよう節点を設けて行うことができるとし、同号ロは、観測距離が10キロメートル未満の観測は、2級以上の性能を有するGNSS測量機により1周波で行う(1級GNSS測量機による場合は2周波で行うことができる)としている。
イ 誤り。準則37条2項2号ハの表は、短縮スタティック法の観測時間を20分以上、データ取得間隔を15秒以下とし、3級基準点測量及び4級基準点測量に用いるものとしているが、同表の備考※1は、短縮スタティック法は、電子基準点のみを既知点とする場合には適用しないものとしている。電子基準点のみを既知点とする場合にも適用できるとしている点で、本肢は誤りである。
ウ 誤り。準則37条2項2号ニの表は、使用衛星数を、GPS・準天頂衛星を用いる場合、スタティック法では4衛星以上、短縮スタティック法、キネマティック法、RTK法及びネットワーク型RTK法では5衛星以上とし、GPS・準天頂衛星及びGLONASS衛星を用いる場合、スタティック法では5衛星以上、それ以外の観測方法では6衛星以上としている。GPS・準天頂衛星のみを用いるRTK法は5衛星以上が標準であるから、本肢は誤りである。なお、同表の備考は、GLONASS衛星を用いて観測する場合は、GPS・準天頂衛星及びGLONASS衛星をそれぞれ2衛星以上用いること、スタティック法による10キロメートル以上の観測では、GPS・準天頂衛星を用いる場合は5衛星以上、GPS・準天頂衛星及びGLONASS衛星を用いる場合は6衛星以上とすることを定めている。
エ 正しい。準則37条2項2号チは、GNSS衛星の最低高度角は15度を標準とすると定めている。本肢は同号チのとおりである。
オ 誤り。準則37条2項2号ヌは、キネマティック法を、固定局及び移動局で同時にGNSS衛星からの信号を受信して初期化(整数値バイアスの決定)などに必要な観測を行い、その後、移動局を複数の観測点に次々と移動して観測を行い、それに基づき固定局と移動局の間の基線ベクトルを求める観測方法とし、ただし、初期化及び基線解析は、観測終了後に行うものとしている。キネマティック法の基線解析は観測終了後に行うものであり、移動局側において即時に基線解析を行うのはRTK法である(同号ル)から、本肢は誤りである。
ポイント:GNSS観測は、観測距離10キロメートル以上なら1級GNSS測量機で2周波、10キロメートル未満なら2級以上で1周波が原則である(準則37条2項2号イ・ロ)。短縮スタティック法は観測時間20分以上・データ取得間隔15秒以下で3級及び4級基準点測量に用い、電子基準点のみを既知点とする場合には適用しない(同号ハの表・備考※1)。使用衛星数は、GPS・準天頂衛星のみならスタティック法4衛星以上・その他の方法5衛星以上、GPS・準天頂衛星及びGLONASS衛星を用いるならスタティック法5衛星以上・その他の方法6衛星以上が標準で、スタティック法による10キロメートル以上の観測は、GPS・準天頂衛星のみなら5衛星以上、GLONASS衛星も用いるなら6衛星以上とする(同号ニの表・備考)。最低高度角は15度が標準である(同号チ)。キネマティック法は初期化と基線解析を観測終了後に行い、即時に基線解析を行うのはRTK法である(同号ヌ・ル)。「キネマティックは後で解く、即時に解くのはRTK」と押さえる。
問題:
作業規程の準則に定める地図編集に関する次のア〜オの記述のうち、正しいものはいくつあるか。
ア. 地図編集とは、既成の数値地形図データを基に、編集資料を参考にして、必要とする表現事項を定められた方法によって編集し、新たな数値地形図データを作成する作業をいう。
イ. 基図データは、編集原図データの地図情報レベルと同等又はそれより大きい地図情報レベルのものでなければならない。
ウ. 地図編集は、原則として基図データの地図情報レベルで行うものとする。
エ. 編集資料には、基準点測量成果、数値地形図データ(写真地図データを含む。)、数値写真、数値図化データ等があり、編集資料は、基図データと同様に、内容が新しく、かつ、必要な精度及び信頼性を有するものでなければならない。
オ. 編集原図データを図葉単位で作成する場合は、隣接する図郭の接合部における表示事項及び属性は、図郭線上において座標を一致させるものとする。
答え:
正しいものは、ア・エ・オの3つである。
解説:
本問は、準則第3編第8章「地図編集」の規定(準則331条〜346条)を問うものであり、正しいのはア・エ・オの3つである。地図編集の工程は、作業計画、資料収集及び整理、編集原稿データの作成、数値編集、数値地形図データファイルの作成、品質評価、成果等の整理の順を標準とする(準則335条)。
ア 正しい。準則331条は、「地図編集」とは、既成の数値地形図データを基に、編集資料を参考にして、必要とする表現事項を定められた方法によって編集し、新たな数値地形図データ(以下「編集原図データ」という。)を作成する作業をいうと定めている。本肢は同条のとおりである。なお、「基図データ」とは、編集原図データの骨格的表現事項を含む既成の数値地形図データをいう(準則332条1項)。
イ 誤り。準則332条2項は、基図データは、内容が新しく、かつ、必要な精度を有するもの(同項1号)であり、編集原図データの地図情報レベルと同等又はそれより小さい地図情報レベルのもの(同項2号)でなければならないと定めている。同項2号が求めているのは、基図データの地図情報レベルが編集原図データと同等か、それより数値の小さいものであることである。地図情報レベルは数値地形図データの地図表現精度を表す指標であり(準則105条2項)、数値が小さいほど水平位置の標準偏差の標準も小さい(例えば、地図情報レベル1000は0.70メートル以内、地図情報レベル2500は1.75メートル以内。同条1項)から、数値の小さいレベルは、より精度の高いデータに当たる。「それより大きい」としている点で、本肢は誤りである。
ウ 誤り。準則333条は、地図編集は、原則として編集原図データの地図情報レベルで行うものとすると定めている。基図データの地図情報レベルではないから、本肢は誤りである。
エ 正しい。準則334条1項は、「編集資料」とは、基準点測量成果、数値地形図データ(写真地図データを含む。)、数値写真、数値図化データ及びその他の資料をいうと定め、同条2項は、編集資料は、基図データと同様に、内容が新しく、かつ、必要な精度及び信頼性を有するものでなければならないと定めている。本肢はこれらの規定のとおりである。
オ 正しい。準則342条2項は、編集原図データを図葉単位で作成する場合は、隣接する図郭の接合部における表示事項及び属性は、図郭線上において座標を一致させるものとすると定めている。本肢は同項のとおりである。なお、隣接図との接合は、図郭線上において、相互の表現事項が正しい関係位置となるように行う(同条1項)。
ポイント:地図編集は、既成の数値地形図データ(基図データ)を基に編集資料を参考にして編集し、新たな数値地形図データ(編集原図データ)を作る作業である(準則331条・332条1項)。基図データは内容が新しく必要な精度を持ち、編集原図データと同等又はそれより小さい(精度の高い)地図情報レベルのものでなければならない(準則332条2項・105条)。地図編集は原則として編集原図データの地図情報レベルで行う(準則333条)。編集資料には基準点測量成果・数値地形図データ(写真地図データを含む。)・数値写真・数値図化データ等があり、基図データと同様に新しく精度と信頼性を持つものでなければならない(準則334条)。図葉単位で作る場合、接合部の表示事項と属性は図郭線上で座標を一致させる(準則342条2項)。「基図は同等か細かいレベル、編集は仕上がり(編集原図データ)のレベルで」と押さえる。
出題分野の振り分け
| 問 | 分野 | 主な論点 | 主な根拠 |
|---|---|---|---|
| 第1問 | 基準点測量(方式・選点・TS等観測) | 1級及び2級基準点測量の方式(結合多角方式が原則)、新点間距離(3級200メートル)、建標承諾書等、TS等観測の1対回と距離測定の1セット、選点図と平均図の作成順序 | 作業規程の準則21条〜24条、29条、30条、37条2項1号 |
| 第2問 | GNSS測量(基準点測量におけるGNSS観測) | 観測距離と使用機器・周波数、短縮スタティック法の適用範囲、観測方法別の使用衛星数、最低高度角、キネマティック法とRTK法の違い | 作業規程の準則21条4項、34条1項、37条2項2号 |
| 第3問 | 地図編集 | 地図編集・基図データ・編集資料の意義、基図データの地図情報レベル、地図編集を行う地図情報レベル、図郭線上の接合 | 作業規程の準則105条、331条〜342条 |