問題:

測量法に定める公共測量の手続に関する次のア〜オの記述のうち、正しいものはいくつあるか。

ア. 公共測量は、基本測量又は公共測量の測量成果に基づいて実施しなければならない。

イ. 測量計画機関は、公共測量を実施しようとするときは、観測機械の種類、観測法、計算法等を定めた作業規程を定め、あらかじめ、国土地理院の長の承認を得なければならない。

ウ. 測量計画機関は、公共測量を実施しようとするときは、あらかじめ、目的、地域及び期間並びに精度及び方法を記載した計画書を提出して、国土地理院の長の技術的助言を求めなければならない。

エ. 公共測量を実施する者は、当該測量において設置する測量標に、公共測量の測量標であること及び測量作業機関の名称を表示しなければならない。

オ. 測量計画機関は、公共測量の測量成果を得たときは、遅滞なく、その写しを国土交通大臣に送付しなければならない。

答え:

正しいものは、ア・ウの2つである。

解説:

本問は、公共測量を実施するときに測量計画機関がとるべき手続(測量法32条、33条1項、36条、37条1項、40条1項)を問うものであり、正しいのはア・ウの2つである。各手続の相手方が「国土交通大臣」か「国土地理院の長」か、表示するのが「測量計画機関」の名称か「測量作業機関」の名称かが問われている。

ア 正しい。測量法32条は、「公共測量は、基本測量又は公共測量の測量成果に基いて実施しなければならない。」と定めている。本肢は同条のとおりである。

イ 誤り。測量法33条1項は、測量計画機関は、公共測量を実施しようとするときは、当該公共測量に関し観測機械の種類、観測法、計算法その他国土交通省令で定める事項を定めた作業規程を定め、あらかじめ、「国土交通大臣」の承認を得なければならないと定めている(変更しようとするときも同様)。承認をするのは国土地理院の長ではないから、本肢は誤りである。なお、公共測量は、この承認を得た作業規程に基づいて実施しなければならず(同条2項)、国土交通大臣は作業規程の準則を定めることができる(同法34条)。

ウ 正しい。測量法36条は、測量計画機関は、公共測量を実施しようとするときは、あらかじめ、「目的、地域及び期間」(1号)及び「精度及び方法」(2号)を記載した計画書を提出して、国土地理院の長の技術的助言を求めなければならないと定めている(計画書を変更しようとするときも同様)。本肢は同条のとおりである。作業規程の承認(国土交通大臣・33条)と計画書についての技術的助言(国土地理院の長・36条)とで、相手方が異なる点に注意する。なお、地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律(令和8年法律第27号)による改正により、令和8年12月3日から、同条に、国土地理院の長は前項の求めがあったときは技術的助言を行うものとし、測量計画機関は技術的助言を受けた後でなければ公共測量を実施してはならない旨の2項が加えられ、実施の公示に関する36条の2が新設される。本肢の内容(改正前の36条、改正後の36条1項)は、この改正の前後で変わらない。

エ 誤り。測量法37条1項は、公共測量を実施する者は、当該測量において設置する測量標に、公共測量の測量標であること及び「測量計画機関」の名称を表示しなければならないと定めている。表示するのは測量作業機関の名称ではないから、本肢は誤りである。

オ 誤り。測量法40条1項は、測量計画機関は、公共測量の測量成果を得たときは、遅滞なく、その写を「国土地理院の長」に送付しなければならないと定めている。送付先は国土交通大臣ではないから、本肢は誤りである。送付を受けた国土地理院の長は、すみやかにこれを審査して、測量計画機関にその結果を通知しなければならない(同法41条1項)。

ポイント:公共測量は、基本測量又は公共測量の測量成果に基づいて実施する(測量法32条)。測量計画機関は、公共測量の実施前に、作業規程を定めて国土交通大臣の承認を得(同法33条1項)、目的・地域・期間・精度・方法を記載した計画書を提出して国土地理院の長の技術的助言を求める(同法36条)。設置する測量標には公共測量の測量標であること及び測量計画機関の名称を表示し(同法37条1項)、測量成果を得たときは遅滞なくその写しを国土地理院の長に送付する(同法40条1項)。「作業規程の承認は国土交通大臣、計画書の助言と成果の送付は国土地理院の長」と押さえる。


問題:

作業規程の準則に定める空中写真測量における対空標識の設置に関する次のア〜オの記述のうち、誤っているものはいくつあるか。

ア. 対空標識を基準点等に直接設置できない場合は、基準点等から偏心して設置し、偏心距離及び偏心角を測定して偏心計算を行う。

イ. 対空標識板の色は、黒色を標準とし、状況により白色又は黄色とする。

ウ. 対空標識の設置に当たっては、対空標識の各端点において、天頂からおおむね45度以上の上空視界を確保する。

エ. 対空標識を樹上に設置する場合は、付近の樹冠より50センチメートル程度高くする。

オ. 設置した対空標識は、撮影作業完了後も、次回以降の撮影に備えてそのまま残しておくものとする。

答え:

誤っているものは、イ・オの2つである。

解説:

本問は、作業規程の準則(平成20年国土交通省告示第413号。令和7年3月31日一部改正。以下「準則」という。)第3編第4章第4節「対空標識の設置」(175条〜180条)の規定を問うものであり、誤っているのはイ・オの2つである。「対空標識の設置」とは、同時調整及び数値図化において基準点、水準点、標定点等(基準点等)の写真座標を測定するため、基準点等に一時標識を設置する作業をいう(準則175条)。

ア 正しい。準則177条1項は、対空標識を基準点等に直接設置できない場合は、基準点等から偏心して設置するものとしている。この場合は、偏心点に標杭を設置し、これを中心として対空標識板を取り付ける(同条2項)。そして、準則178条は、基準点等から偏心して対空標識を設置した場合は、偏心距離及び偏心角を測定し、偏心計算を行うものとしている。本肢はこれらの規定のとおりである。

イ 誤り。準則176条1項4号は、「対空標識板の色は白色を標準とし、状況により黄色又は黒色とする。」と定めている。標準は白色であり、黒色ではないから、本肢は誤りである。なお、対空標識の基本の形状はA型及びB型とされている(同項3号)。

ウ 正しい。準則176条2項2号は、対空標識の設置に当たって留意する事項として、対空標識の各端点において、天頂からおおむね45度以上の上空視界を確保することを掲げている。本肢は同号のとおりである。

エ 正しい。準則176条2項4号は、樹上に設置する場合は、付近の樹冠より50センチメートル程度高くすることを掲げている。本肢は同号のとおりである。

オ 誤り。準則176条3項は、設置した対空標識は、撮影作業完了後、速やかに現状を回復するものとしている。撮影作業完了後もそのまま残しておくとする本肢は誤りである。なお、撮影作業終了後は、直ちに数値写真上に対空標識が写っているかどうかを確認しなければならない(準則179条1項)。

ポイント:対空標識は、同時調整及び数値図化で基準点等の写真座標を測定するために基準点等に設置する一時標識である(準則175条)。基本の形状はA型及びB型、標識板の色は白色が標準で状況により黄色又は黒色とし(準則176条1項3号・4号)、各端点で天頂からおおむね45度以上の上空視界を確保し、樹上では付近の樹冠より50センチメートル程度高くする(同条2項2号・4号)。直接設置できなければ偏心して設置し、偏心距離及び偏心角を測定して偏心計算を行う(準則177条・178条)。撮影作業終了後は直ちに写っているかを確認し(準則179条1項)、撮影作業完了後は速やかに現状を回復する(準則176条3項)。「色は白が標準、終わったら現状回復」と押さえる。


問題:

作業規程の準則に定める用地測量に関する次のア〜オの記述のうち、誤っているものはいくつあるか。

ア. 復元測量とは、境界確認に先立ち、地積測量図等に基づき境界杭の位置を確認し、亡失等がある場合は復元するべき位置に仮杭(復元杭)を設置する作業をいう。

イ. 復元杭の設置等を行う場合は、関係権利者への事前説明を実施したうえで、原則として関係権利者の立会いを得て行うものとする。

ウ. 境界測量は、近傍の4級基準点以上の基準点に基づき、放射法等により行うものとし、見通し障害等によりやむを得ない場合であっても、補助基準点を設置してそれに基づいて行うことはできない。

エ. 境界点間測量は、境界測量等を終了した時点で、隣接する境界点間等の距離を全辺について現地で測定し、計算で求めた距離と比較して精度を確認する作業である。

オ. 面積計算は、境界測量の成果に基づき、原則として三斜法により行うものとする。

答え:

誤っているものは、イ・ウ・オの3つである。

解説:

本問は、準則(作業規程の準則)第5編第4章「用地測量」のうち、復元測量(689条・690条)、境界測量(693条・694条)、境界点間測量(698条・699条)及び面積計算(700条・701条)の規定を問うものであり、誤っているのはイ・ウ・オの3つである。「用地測量」とは、土地及び境界等について調査し、用地取得等に必要な資料及び図面を作成する作業をいい(準則680条)、作業計画、資料調査、復元測量、境界確認、境界測量、境界点間測量、面積計算、用地実測図データファイルの作成及び用地平面図データファイルの作成に細分される(準則681条)。

ア 正しい。準則689条は、「復元測量」とは、境界確認に先立ち、地積測量図等に基づき境界杭の位置を確認し、亡失等がある場合は復元するべき位置に仮杭(以下「復元杭」という。)を設置する作業をいうと定めている。本肢は同条のとおりである。

イ 誤り。準則690条5項は、復元杭の設置等を行う場合は、関係権利者への事前説明を実施するものとし、この場合、原則として関係権利者による立会いは行わないものとしている。原則として立会いを得て行うとする本肢は誤りである。関係権利者の立会いの上で境界点を確認するのは、復元測量の次の工程である境界確認である(準則692条1項)。

ウ 誤り。準則694条1項は、境界測量は、近傍の4級基準点以上の基準点に基づき、放射法等により行うものとし、ただし、見通し障害等によりやむを得ない場合は、補助基準点を設置し、それに基づいて行うことができると定めている。やむを得ない場合であっても補助基準点を設置して行うことはできないとする本肢は誤りである。なお、「境界測量」とは、現地において境界点を測定し、その座標値を求める作業をいう(準則693条)。

エ 正しい。準則698条は、「境界点間測量」とは、境界測量等において隣接する境界点間の距離を、TS等を用いて測定し精度を確認する作業をいうと定めている。そして、準則699条1項は、境界点間測量は境界測量、用地境界仮杭設置又は用地境界杭設置を終了した時点で行うものとし、同条2項は、隣接する境界点間又は境界点と用地境界点との距離を全辺について現地で測定し、計算した距離と比較を行うものとしている。本肢はこれらの規定のとおりである。

オ 誤り。準則700条は、「面積計算」とは、境界測量の成果に基づき、各筆等の取得用地及び残地の面積を算出し面積計算書を作成する作業をいうと定め、準則701条1項は、「面積計算は、原則として座標法により行うものとする。」と定めている。原則は座標法であり、三斜法ではないから、本肢は誤りである。

ポイント:用地測量は、作業計画→資料調査→復元測量→境界確認→境界測量→境界点間測量→面積計算→用地実測図・用地平面図の各データファイルの作成の順に細分される(準則681条)。復元測量は境界確認に先立って境界杭の位置を確認し、亡失等があれば復元杭を設置する作業で(準則689条)、復元杭の設置等では関係権利者への事前説明を行い、原則として立会いは行わない(準則690条5項)。境界測量は近傍の4級基準点以上の基準点に基づき放射法等により行い、やむを得ない場合は補助基準点を設置できる(準則694条1項)。境界点間測量は全辺の距離を現地で測定して計算値と比較し(準則699条2項)、面積計算は原則として座標法による(準則701条1項)。「復元測量は原則立会いなし、立会いは境界確認、面積は座標法」と押さえる。


出題分野の振り分け

問 分野 主な論点 主な根拠
第1問 測量法(公共測量) 測量成果に基づく実施、作業規程の承認(国土交通大臣)、計画書についての技術的助言(国土地理院の長)、測量標への表示(測量計画機関の名称)、測量成果の写しの送付先(国土地理院の長) 測量法32条、33条1項、36条、37条1項、40条1項
第2問 写真測量(空中写真測量・対空標識の設置) 対空標識の偏心と偏心計算、標識板の色(白色が標準)、上空視界(天頂からおおむね45度以上)、樹上設置の高さ、撮影作業完了後の現状回復 作業規程の準則175条〜179条
第3問 応用測量(用地測量) 復元測量の定義、復元杭設置時の立会いの要否、境界測量の基準点と補助基準点、境界点間測量の方法、面積計算の方法(座標法) 作業規程の準則680条〜701条