土地家屋調査士試験 試験対策 第152回──建物の分割・区分・合併の登記/筆界調査委員と意見聴取等の期日/公道に至るための他の土地の通行権/地図の記録事項/建物の認定・家屋番号・種類・床面積

問題: 建物の分割の登記、建物の区分の登記及び建物の合併の登記に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。 ア. 不動産登記法54条1項は、建物の分割、区分又は合併の登記について、表題部所有者又は所有権の登記名義人が一月以内に申請しなければならない旨を定めており、その申請を怠ったときは同法164条1項の過料の対象となる。 ...

2026年9月22日 · ひぐらしさとし

登記事項証明書交付申請書の書き方──窓口・郵送用の記載例と、よくある書き損じ

この記事の要点 窓口・郵送で使う申請書は、法務局の様式名では「登記事項証明書 登記簿謄本・抄本 交付請求書(不動産用)」。土地と建物は同じ1枚の用紙で請求できる 不動産は住所(住居表示)ではなく「地番」「家屋番号」で書く。いちばん注意したいのはここ 手数料は1通600円(50枚を超える場合は加算あり)。収入印紙を用紙の収入印紙欄に、割印をせずに貼る 郵送で請求するときは、返信用の切手と、返送先の宛先を書いた封筒(またはメモ)を同封する 登記事項証明書(いわゆる登記簿)を法務局の窓口や郵送で請求するときは、所定の用紙に必要事項を書いて提出します。結論から言うと、書く欄はおもに「請求する人」「不動産」「証明書の種類」「手数料(収入印紙)」の4つのまとまりで、つまずきやすいのは「不動産を地番・家屋番号で書く」ところです。 この記事では、法務局が公開している用紙に沿って、欄ごとの埋め方と書き損じやすい点を整理します。 ...

2026年9月22日 · ひぐらしさとし

住所変更登記義務化の「検索用情報の申出」とは──新築・購入時のひと手間と、10月5日から加わる「国籍等」

この記事の要点 検索用情報の申出は、法務局が住基ネットで住所・氏名の変更を確認し、登記を職権で(法務局の側で)書き換えてもらうための事前の届け出です。 家の新築(所有権保存登記)や購入(所有権移転登記)の際は、登記の申請書に検索用情報を書いて同時に申し出ることになっています。すでに名義人の方も、別途単独で申し出ることができ、その費用はかかりません。 2026年10月5日以降に申し出る場合は、氏名・振り仮名・住所・生年月日・メールアドレスに加えて、「国籍等」も申し出る必要があります。 申出を済ませた不動産については、法務省は「住所等変更登記の義務違反に問われることがなくなる」と案内しています(海外にお住まいの方は職権による変更の対象外です)。迷ったらお近くの司法書士にご相談ください。 結論から言うと、「検索用情報の申出」は、引っ越しや結婚で住所・氏名が変わったときの登記を、法務局に自動で追いかけてもらうための登録です。家を新築したり購入したりして登記を申請するときは、その申請書に一緒に書き込むのが基本になっています。 ...

2026年9月22日 · ひぐらしさとし

成年後見を受けると資格や仕事を失う?──『欠格条項』はどう変わったか

この記事の要点 かつては「成年被後見人・被保佐人」であることそのものを理由に、医師や会社役員など多くの資格・職業から一律に排除する規定(欠格条項)が数多くの法律にありました 令和元年(2019年)6月14日公布の法律により、こうした一律の欠格条項は多数の法律から削除され、法律によっては、代わりに「心身の故障により業務を適正に行うことができない者」かどうかを個別に審査する規定が置かれました。見直しの対象となった法律では、「後見を受けているかどうか」という身分だけで一律に排除する仕組みは、基本的になくなっています 会社の取締役については、これとは別の会社法改正により、成年後見人・保佐人の同意を得て本人に代わって就任を承諾する手続き(会社法331条の2)が新設されています 「後見を受けると、今の仕事や資格を失ってしまうのでは」——成年後見の利用をためらう理由として、こうした心配の声を聞くことがあります。かつてはその心配にも根拠がありました。しかし今は、法律の見直しにより状況が変わっています。本記事は、執筆時点(2026年9月)の制度に基づく一般的な解説です。 ...

2026年9月21日 · ひぐらしさとし

「仮処分」とは|仮差押えとの違いと、占有移転禁止の仮処分の仕組み

この記事の要点 仮差押えは「金銭の支払を目的とする債権」を保全する手続きです(民事保全法20条1項)。これに対して仮処分は、物の引渡しや地位の確認など、お金の支払そのもの以外をめぐる場面で使われるのが典型です(同法1条・23条) 仮処分には「係争物に関する仮処分」(23条1項)と「仮の地位を定める仮処分」(23条2項)の2種類があり、要件が異なります 建物の明渡しなどの訴訟前によく使われる「占有移転禁止の仮処分」を執行しておくと、訴訟の途中で占有者が入れ替わっても、改めて訴えを起こし直さずに、執行文の付与を受けて明渡しの強制執行に進めます(同法62条) 執筆時点(2026年9月)の制度に基づく一般的な解説です。 ...

2026年9月21日 · ひぐらしさとし

土地家屋調査士試験 試験対策 第151回──取得時効と登記/共有/相続と対抗要件/職権による表示に関する登記と登記官の調査/地積測量図/調査士の依頼応諾義務/測量士補の資格と登録/地籍調査と14条地図

問題: 不動産の取得時効と登記に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし誤っているものはいくつあるか。 ア. 取得時効の時効期間は、時効の基礎たる事実の開始された時を起算点として計算すべきものであり、時効を援用する者において起算点を選択し、時効完成の時期を早めたり遅らせたりすることはできない。 ...

2026年9月21日 · ひぐらしさとし

地目変更登記の手続き──農地転用が絡むときの順番

この記事の要点 農地を農地でない用途に使うには「①農地法の許可・届出 → ②現況の変更 → ③地目変更登記」の順番で進める。登記は一番最後 農地転用の許可申請・届出の代理は行政書士の業務、地目変更登記の申請代理は土地家屋調査士の独占業務。担当がはっきり分かれている 地目に変更があった日から1か月以内に登記を申請する義務があり(不動産登記法37条1項)、正当な理由なく放置すると過料の対象になり得る(同法164条1項) まずは自分の土地がどの許可・届出の対象になるかを確認するところから始める 農地を宅地に変えて家を建てたい、駐車場にしたい――そんなとき、多くの方が迷うのは「何を先にやればいいのか」という順番です。結論から言うと、地目変更登記は一連の手続きの中で一番最後に来るものであり、農地法の許可・届出より先に登記だけを済ませることはできません。 ...

2026年9月21日 · ひぐらしさとし

相続登記義務化の経過措置、期限まであと半年──2027年3月31日までにやること

この記事の要点 相続登記義務化の経過措置は2027年3月31日が期限。残り半年でやることを順番に整理する ①登記簿で今の名義を確認する→②戸籍を集めて相続人を確定する→③協議がまとまれば相続登記へ→④まとまらない・間に合わないなら相続人申告登記で期限を守る 相続人申告登記は義務を履行したことにはなるが、権利の登記ではないため、その後の遺産分割で不動産を取得した場合は、改めて相続登記が必要になる 相続登記の義務化には、2024年4月より前に発生していた相続(過去の相続)を対象とする経過措置があり、その期限は2027年3月31日です。経過措置そのものの内容はこちらの記事で、3年の期限の数え方(起算日)はこちらの記事で解説していますので、この記事では繰り返しません。 ...

2026年9月21日 · ひぐらしさとし

「公布」と「施行」の違い──法律が『できた日』と『効き始める日』は別【相続登記の条文で解説】

この記事の要点 公布は「法律ができたことを国民に知らせる」こと、施行は「その法律が実際に効き始める」こと。二つの日付は一致しないのが普通です 施行日がいつかは、条文本体ではなく末尾の附則に書かれています。「政令で定める日」と書かれていれば、法律だけ読んでも日付は分かりません 相続登記の義務化は、公布が令和3年(2021年)4月28日、施行が令和6年(2024年)4月1日。3年近いずれがありました ※本記事は執筆時点(2026年9月)の制度に基づく一般的な解説です。 ...

2026年9月20日 · ひぐらしさとし

実印や権利証を盗まれたら──法務局の「不正登記防止申出」でできること・できないこと

この記事の要点 実印・印鑑証明書・登記識別情報(権利証)を盗まれたなど、自分の不動産に身に覚えのない登記をされそうなときは、法務局(登記所)に「不正登記防止申出(ふせいとうきぼうししんで)」をすることができる 申出をしても登記が自動的に止まるわけではない。申出の日から3か月以内にその不動産の登記の申請があったときに、法務局から申出人へ知らせが届き、登記官が申出を相当と認めていた場合には本人確認の調査の対象になる、という仕組み 申出は、原則として本人が法務局の窓口に出頭して行う。印鑑証明書などの添付に加えて、盗難届を出すなど「原因そのものへの手当て」をしているかも確認される 「実印と印鑑証明書が入ったケースごと盗まれた」「権利証の置き場所を他人に知られてしまった」——こうしたとき、真っ先に心配になるのが、知らない間に不動産の名義を書き換えられてしまわないか、ということです。 ...

2026年9月20日 · ひぐらしさとし