この記事の要点

  • 不動産の売買契約書は印紙税の課税対象文書で、契約金額に応じて税額が段階的に決まる
  • 印紙税は登録免許税・不動産取得税とは別の税金で、契約書という「文書」に対して課される
  • 電子データでやり取りする電子契約は、課税文書に該当しないとされている

不動産の売買契約を結ぶとき、契約書に収入印紙を貼っている場面を見たことがある方は多いと思います。これは「印紙税」という税金で、登録免許税不動産取得税とは別物です。印紙税は不動産そのものを取得したことにではなく、契約書という「文書」を作成したことに対して課される国税です(印紙税法別表第一)。

不動産の売買契約書は、この課税文書のひとつにあたります。税額は契約書に記載された契約金額(売買代金)に応じて段階的に定められており、金額が大きくなるほど税額も上がる仕組みです。不動産の売買契約書・工事請負契約書については、租税特別措置法により本則より軽減された税率が時限的に適用されており、対象となる契約書の範囲や適用期限は改正のたびに見直されています。

印紙税は、契約書を作成した契約当事者に納税義務があります。売買契約書を2通作成して売主・買主がそれぞれ保管する場合は、双方が納税義務者となり、実務では折半して負担することが多いようです。印紙を貼らなかった場合や金額が不足していた場合は、あとから過怠税というペナルティが課されることがあるため注意が必要です。

近年は、契約内容をPDFなどの電子データでやり取りする「電子契約」も増えていますが、紙の契約書を作成しない電子契約は印紙税の課税文書に該当しないとされています。同じ売買契約でも、紙で作成するか電子データでやり取りするかで印紙税の要否が変わり得る点は、意外と知られていません。

執筆時点(2026年07月)の制度に基づく一般的な解説です。

まとめ

不動産の売買契約書には印紙税がかかり、税額は契約金額に応じて決まります。登録免許税・不動産取得税とは別の税金であること、電子契約では課税文書に該当しないとされていることを押さえておくと、契約時に慌てずに済みます。具体的な契約書に必要な印紙税額や軽減措置の適用可否は、税理士にご確認ください。

参考資料

この記事は、次の資料を参照して内容を確認しています(確認日:2026年7月)。

あわせて読みたい