この記事の要点

  • 固定資産税は「毎年1月1日時点の登記簿上の所有者」に対して1年分課税される
  • 年の途中で売買しても納税義務者は変わらないため、決済時に日割りで精算するのは商慣習であり、法律上の税金の分割ではない
  • 精算金の法的性質は「売買代金の一部」と理解されており、税額そのものを分けているわけではない

不動産の売買決済の場では、固定資産税・都市計画税を「所有していた期間に応じて」買主と売主で日割り計算し、買主が売主へ精算金を支払う商慣習があります。この精算金を、税金そのものが分割されていると誤解している方が少なくありません。

結論から言うと、これは法律上の税金の分担ではなく、当事者間の合意にもとづく私的な精算です。地方税法上、固定資産税の納税義務者は「賦課期日(毎年1月1日)時点で登記簿等に所有者として登録されている人」と定められています。年の途中で所有権が移転しても、その年の納税義務者は1月1日時点の所有者のままで変わりません。したがって、市区町村(東京23区は都)が買主に対して直接、日割り分の納税を求めることはありません。

では、決済時に日割りで支払われるお金は何かというと、実務上は売買代金の一部を、所有期間に応じた形で調整したものという理解が一般的です。売主が立て替えて納めた1年分の税金のうち、引渡し後の期間に対応する分を、買主が売買代金に上乗せして負担する形をとっているわけです。固定資産税評価額を計算の基礎に使う点は本来の固定資産税と共通しますが、あくまで契約当事者間の取り決めであり、按分の起算日(4月1日起算か1月1日起算か)や端数の扱いは地域の慣行や契約内容によって差があります。

執筆時点(2026年07月)の制度に基づく一般的な解説です。精算金の税務上の扱い(消費税の課税関係等)や具体的な按分方法は、税理士にご確認ください。

まとめ

固定資産税は1月1日時点の所有者に1年分課税される税金であり、決済時の日割り精算金は法律上の税金分割ではなく、売買当事者間の私的な清算です。仕組みを理解しておくと、決済時に精算金の金額や起算日について落ち着いて確認できます。個別の按分方法や税務上の取り扱いについては、お近くの司法書士・税理士にご相談ください。

参考資料

この記事は、次の資料を参照して内容を確認しています(確認日:2026年07月)。

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