問題:

作業規程の準則に定めるレベル等による水準測量のうち、直接水準測量の観測に関する次のア〜オの記述のうち、正しいものはいくつあるか。

ア. 1級水準測量では、視準距離は最大50メートル、標尺目盛の読定単位は0.1ミリメートルを標準とする。

イ. 観測は、簡易水準測量を含め、すべて往復観測とする。

ウ. 標尺は2本1組とし、往路及び復路の観測において標尺を交換するものとし、測点数は偶数とする。

エ. 1日の観測は、固定点で終わることを原則とする。

オ. 新設点の観測は、永久標識の設置後24時間以上経過してから行うものとする。

答え:

正しいものは、ア・ウ・オの3つである。

解説:

本問は、作業規程の準則(平成20年国土交通省告示第413号。令和7年3月31日一部改正。以下「準則」という。)第2編第3章「レベル等による水準測量」のうち、観測の実施(準則64条)の規定を問うものであり、正しいのはア・ウ・オの3つである。準則64条は、観測は水準路線図に基づいて行うものとし(同条1項)、直接水準測量の方法を同条2項各号に、渡海(河)水準測量の方法を同条3項に、新設点の観測の時期を同条4項に定めている。

ア 正しい。準則64条2項1号イの表は、視準距離(レベルと後視又は前視標尺との距離)の最大を、1級水準測量50メートル、2級水準測量60メートル、3級水準測量及び4級水準測量70メートル、簡易水準測量80メートルとし、標尺目盛の読定単位を、1級水準測量0.1ミリメートル、2級水準測量以下1ミリメートルとしている。本肢は同表のとおりである。

イ 誤り。準則64条2項2号は、「観測は、簡易水準測量を除き、往復観測とする。」と定めている。簡易水準測量は往復観測の対象から除かれているから、簡易水準測量を含めすべて往復観測とする本肢は誤りである。

ウ 正しい。準則64条2項3号は、標尺は2本1組とし、往路及び復路の観測において標尺を交換するものとし、測点数は偶数とすると定めている。本肢は同号のとおりである。

エ 誤り。準則64条2項8号は、1日の観測は、水準点で終わることを原則とし、やむを得ず固定点で終わる場合は、観測の再開時に固定点の異常の有無を点検できるような方法で行うものとしている。原則は水準点で終わることであり、固定点で終わるのは例外であるから、本肢は誤りである。なお、固定点は、往復観測を行う水準測量において、水準点間の測点数が多い場合に適宜設け、往路及び復路の観測に共通して使用するものである(同項6号)。

オ 正しい。準則64条4項は、新設点の観測は、永久標識の設置後24時間以上経過してから行うものとすると定めている。同項は、直接水準測量(同条2項)と渡海(河)水準測量(同条3項)の後に置かれ、観測の方法を限定せずに新設点の観測について定めているから、直接水準測量で新設点を観測する場合にも当てはまる。本肢は同項のとおりである。

ポイント:直接水準測量の観測では、視準距離の最大は1級50メートル・2級60メートル・3級及び4級70メートル・簡易80メートル、標尺目盛の読定単位は1級0.1ミリメートル・2級以下1ミリメートルが標準である(準則64条2項1号イ)。観測は簡易水準測量を除き往復観測とし(同項2号)、標尺は2本1組で往路と復路で交換し、測点数は偶数とする(同項3号)。1日の観測は水準点で終わるのが原則で、やむを得ず固定点で終わる場合は再開時に固定点の異常の有無を点検できる方法で行う(同項8号)。新設点の観測は永久標識の設置後24時間以上経過してから行う(同条4項)。「往復観測は簡易水準を除く、1日の終わりは水準点、新設点は24時間待つ」と押さえる。


問題:

作業規程の準則に定める河川測量に関する次のア〜オの記述のうち、誤っているものはいくつあるか。

ア. 距離標の設置間隔は、河川の河口又は幹川への合流点に設けた起点から、河心に沿って200メートルを標準とする。

イ. 水準基標測量は、3級水準測量により行うものとする。

ウ. 水準基標は、水位標に近接した位置に設置するものとし、設置間隔は、5キロメートルから20キロメートルまでを標準とする。

エ. 定期縦断測量は、平地においては4級水準測量により行い、山地においては3級水準測量により行うものとする。

オ. 深浅測量における水深の測定は、音響測深機を用いて行うものとするが、水深が浅い場合は、ロッド又はレッドを用い直接測定により行うものとする。

答え:

誤っているものは、イ・エの2つである。

解説:

本問は、準則第5編第3章「河川測量」のうち、距離標設置測量(663条・664条)、水準基標測量(665条・666条)、定期縦断測量(667条・668条)及び深浅測量(671条・672条)の規定を問うものであり、誤っているのはイ・エの2つである。「河川測量」とは、河川、海岸等の調査及び河川の維持管理等に用いる測量をいい(準則660条1項)、作業計画、距離標設置測量、水準基標測量、定期縦断測量、定期横断測量、深浅測量、法線測量並びに海浜測量及び汀線測量に細分される(準則661条)。

ア 正しい。準則664条2項は、距離標設置間隔は、河川の河口又は幹川への合流点に設けた起点から、河心に沿って200メートルを標準とすると定めている。本肢は同項のとおりである。なお、「距離標設置測量」とは、河心線の接線に対して直角方向の両岸の堤防法肩又は法面等に距離標を設置する作業をいう(準則663条)。

イ 誤り。準則666条1項は、「水準基標測量は、2級水準測量により行うものとする。」と定めている。3級水準測量ではないから、本肢は誤りである。なお、「水準基標測量」とは、定期縦断測量の基準となる水準基標の標高を定める作業をいう(準則665条)。

ウ 正しい。準則666条2項は、水準基標は、水位標に近接した位置に設置するものとし、設置間隔は、5キロメートルから20キロメートルまでを標準とすると定めている。本肢は同項のとおりである。

エ 誤り。準則668条3項は、定期縦断測量は、レベル等による水準測量により、平地においては3級水準測量により行い、山地においては4級水準測量により行うものとしている。平地と山地の等級が逆になっているから、本肢は誤りである。なお、同項ただし書は、地形、地物等の状況によっては、4級水準測量に代えて間接水準測量により行うことができるとしている。また、定期縦断測量の観測の基準とする点は、原則として水準基標とし、観測の路線は、水準基標から出発し、他の水準基標に結合する(同条2項)。

オ 正しい。準則672条1項は、水深の測定は、音響測深機を用いて行うものとし、ただし、水深が浅い場合は、ロッド又はレッドを用い直接測定により行うものとすると定めている。本肢は同項のとおりである。なお、「深浅測量」とは、河川、貯水池、湖沼又は海岸において、水底部の地形を明らかにするため、水深、測深位置又は船位、水位又は潮位を測定し、横断面図データファイルを作成する作業をいう(準則671条)。

ポイント:河川測量の距離標は、河口又は幹川への合流点に設けた起点から河心に沿って200メートルを標準として設置する(準則664条2項)。定期縦断測量の基準となる水準基標の標高は2級水準測量で定め(準則665条・666条1項)、水準基標は水位標に近接して5キロメートルから20キロメートルまでの間隔を標準に設置する(準則666条2項)。定期縦断測量は平地では3級水準測量、山地では4級水準測量で行い(準則668条3項)、深浅測量の水深測定は音響測深機が原則で、浅い場合はロッド又はレッドで直接測定する(準則672条1項)。「距離標200メートル、水準基標は2級、定期縦断は平地3級・山地4級」と押さえる。


問題:

作業規程の準則に定める路線測量に関する次のア〜オの記述のうち、誤っているものはいくつあるか。

ア. 線形決定は、地図情報レベル2500以下の地形図上において、設計条件及び現地の状況を勘案して行うものとする。

イ. 中心線測量において、道路の実施設計における中心点の設置間隔は、50メートルを標準とする。

ウ. 仮BM設置測量は、平地においては3級水準測量、山地においては4級水準測量により行い、仮BMを設置する間隔は0.5キロメートルを標準とする。

エ. 縦断測量は、仮BM又はこれと同等以上の水準点に基づき、平地においては3級水準測量、山地においては4級水準測量により行うものとする。

オ. 縦断面図データファイルを図紙に出力する場合は、横の縮尺は線形地形図の縮尺と同一とし、縦の縮尺は線形地形図の縮尺の5倍から10倍までを標準とする。

答え:

誤っているものは、ア・イ・エの3つである。

解説:

本問は、準則第5編第2章「路線測量」のうち、線形決定(639条・640条)、中心線測量(642条・643条)、仮BM設置測量(645条・646条)及び縦断測量(648条・649条)の規定を問うものであり、誤っているのはア・イ・エの3つである。「路線測量」とは、線状築造物建設のための調査、計画、実施設計等に用いられる測量をいい(準則636条1項)、作業計画、線形決定、中心線測量、仮BM設置測量、縦断測量、横断測量、詳細測量及び用地幅杭設置測量に細分される(準則637条)。

ア 誤り。準則640条1項は、線形決定は、地図情報レベル1000以下の地形図上において、設計条件及び現地の状況を勘案して行うものとすると定めている。地図情報レベルは、数値地形図データの地図表現精度を表す指標であり(準則105条2項)、数値が大きいほど水平位置の標準偏差の標準が大きく(精度が粗く)なり、地図情報レベル1000は縮尺1/1,000、地図情報レベル2500は縮尺1/2,500に相当する(同条1項・3項)。したがって、「1000以下」とは地図情報レベル1000又はこれより精度の高い地形図をいい、本肢のように「2500以下」とすると、準則が定めていない地図情報レベル2500の地形図上での線形決定まで含むことになるから、本肢は誤りである。なお、「線形決定」とは、路線選定の結果に基づき、地形図上で交点(IP)の位置を座標として定め、線形図データファイルを作成する作業をいう(準則639条)。

イ 誤り。準則643条3項の表は、中心点を設置する間隔を、道路では計画調査100メートル又は50メートル、実施設計20メートルとし、河川では計画調査100メートル又は50メートル、実施設計20メートル又は50メートル、海岸では実施設計20メートル又は50メートルとしている。道路の実施設計は20メートルが標準であるから、本肢は誤りである。なお、「中心線測量」とは、主要点及び中心点を現地に設置し、線形地形図データファイルを作成する作業をいう(準則642条)。

ウ 正しい。準則646条1項は、仮BM設置測量は、平地においては3級水準測量により行い、山地においては4級水準測量により行うものとし、同条2項は、仮BMを設置する間隔は、0.5キロメートルを標準とすると定めている。本肢はこれらの規定のとおりである。なお、「仮BM設置測量」とは、縦断測量及び横断測量に必要な水準点(仮BM)を現地に設置し、標高を定める作業をいう(準則645条)。

エ 誤り。準則649条1項は、縦断測量は、中心杭高及び中心点並びに縦断変化点の地盤高及び中心線上の主要な構造物の標高を、仮BM又はこれと同等以上の水準点に基づき、レベル等による水準測量により、平地においては4級水準測量、山地においては簡易水準測量により行うものとすると定めている。平地3級・山地4級は仮BM設置測量の等級であり(準則646条1項)、縦断測量の等級ではないから、本肢は誤りである。

オ 正しい。準則649条10項は、縦断面図データファイルを図紙に出力する場合は、縦断面図の距離を表す横の縮尺は線形地形図の縮尺と同一とし、高さを表す縦の縮尺は、線形地形図の縮尺の5倍から10倍までを標準とすると定めている。本肢は同項のとおりである。

ポイント:路線測量の線形決定は地図情報レベル1000以下(数値が小さいほど精度が高い)の地形図上で行う(準則640条1項・105条)。中心点の設置間隔は、道路が計画調査100メートル又は50メートル・実施設計20メートル、河川が計画調査100メートル又は50メートル・実施設計20メートル又は50メートル、海岸が実施設計20メートル又は50メートルを標準とする(準則643条3項)。仮BM設置測量は平地3級・山地4級の水準測量で、設置間隔は0.5キロメートルを標準とし(準則646条1項・2項)、縦断測量は仮BM等に基づき平地4級・山地簡易水準測量で行う(準則649条1項)。縦断面図の縦の縮尺は線形地形図の縮尺の5倍から10倍までが標準である(同条10項)。「仮BMは平地3級・山地4級、縦断はそれより一段下の平地4級・山地簡易」と押さえる。


出題分野の振り分け

問 分野 主な論点 主な根拠
第1問 水準測量(レベル等による水準測量・直接水準測量の観測) 視準距離の最大と読定単位、往復観測(簡易水準測量を除く)、標尺2本1組の交換と偶数測点、1日の観測の終点(水準点が原則)、新設点の観測時期(設置後24時間以上) 作業規程の準則64条
第2問 応用測量(河川測量) 距離標の設置間隔(200メートル)、水準基標測量の等級(2級)、水準基標の設置位置と間隔、定期縦断測量の等級(平地3級・山地4級)、深浅測量の水深測定方法 作業規程の準則660条〜672条
第3問 応用測量(路線測量) 線形決定の地図情報レベル(1000以下)、中心点の設置間隔(道路の実施設計20メートル)、仮BM設置測量の等級と間隔、縦断測量の等級(平地4級・山地簡易)、縦断面図の縮尺 作業規程の準則105条、636条〜649条