問題: 不動産登記法上の地図及び地図に準ずる図面に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものはいくつあるか。
ア.登記所には、地図及び建物所在図を備え付けるものとされている。
イ.地図は、一筆又は二筆以上の土地ごとに作成し、各土地の区画を明確にし、地番を表示するものとされている。
ウ.地図が備え付けられるまでの間、これに代えて、地図に準ずる図面を備え付けることができる。
エ.地図に準ずる図面は、各土地の区画を現地において復元することができる精度をもって明確にするものでなければならない。
オ.地図及び建物所在図は、電磁的記録に記録することができる。
答え: 誤っているものは、エの1つである。
解説: ア・イは不動産登記法14条1項・2項。登記所には地図及び建物所在図を備え付け、地図は各土地の区画を明確にして地番を表示する。
ウは同条4項。地図が備え付けられるまでの間は、これに代えて地図に準ずる図面(いわゆる公図など)を備え付けることができる。
オは同条6項。地図等は電磁的記録に記録することができる。
エは誤り。同条5項は、地図に準ずる図面について「各土地の位置、形状及び地番を表示する」と定めるにとどまる。現地復元能力(現地において区画を復元できる精度)が求められるのは14条1項の地図であり(不動産登記規則10条参照)、地図に準ずる図面にはその精度までは要求されない。
問題: 土地家屋調査士法人に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものはいくつあるか。
ア.土地家屋調査士法人の社員は、土地家屋調査士でなければならない。
イ.土地家屋調査士法人は、社員が一人であっても設立することができる。
ウ.土地家屋調査士法人は、その主たる事務所の所在地において設立の登記をすることによって成立する。
エ.土地家屋調査士法人がその業務に関し依頼者に対して負担することとなった債務を、その法人の財産をもって完済することができないときは、各社員が連帯して弁済する責任を負う。
オ.土地家屋調査士法人の社員は、自己又は第三者のために、その法人の業務の範囲に属する業務を自由に行うことができる。
答え: 正しいものは、ア・イ・ウ・エの4つである。
解説: アは土地家屋調査士法28条1項。社員資格は土地家屋調査士に限られる。
イは令和元年の法改正で創設された、いわゆる一人法人。社員が一人でも調査士法人を設立できる(令和2年8月1日施行)。
ウは設立の登記により成立する(持分会社型)。
エは社員の無限連帯責任。土地家屋調査士法人には合名会社に関する規定が多く準用され、法人の財産で完済できないときは各社員が連帯して責任を負う。
オは誤り。社員は競業が制限されており(会社法594条の準用)、その全社員の承認を受けなければ、自己又は第三者のために法人の業務の範囲に属する取引をすることはできない。
問題: 令和3年の民法改正で新設された、継続的給付を受けるための設備の設置権等(民法213条の2)に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものはいくつあるか。
ア.土地の所有者は、他の土地に設備を設置しなければ電気、ガス又は水道水の供給その他これらに類する継続的給付を受けることができないときは、必要な範囲内で、他の土地に設備を設置することができる。
イ.設備の設置又は使用の場所及び方法は、他の土地又は他人が所有する設備のために損害が最も少ないものを選ばなければならない。
ウ.他の土地に設備を設置し、又は他人が所有する設備を使用しようとする者は、あらかじめ、その目的、場所及び方法を他の土地等の所有者及び使用者に通知しなければならない。
エ.他の土地に設備を設置する者は、その土地に生じた損害に対して償金を支払う必要はない。
オ.他人が所有する設備を使用する者は、その設備の使用を開始するために生じた損害に対して償金を支払えば足り、その設備の修繕及び維持に要する費用を負担することを要しない。
答え: 誤っているものは、エ・オの2つである。
解説: ア・イ・ウは民法213条の2第1項〜第3項。継続的給付を受けるための設備設置権・設備使用権が認められ、場所・方法は損害が最も少ないものを選び(同条2項)、あらかじめ他の土地等の所有者等に通知しなければならない(同条3項)。令和3年改正・令和5年4月1日施行。
エは誤り。同条5項により、他の土地に設備を設置する者は、その土地の損害に対して償金を支払わなければならない(1年ごとの定期払が認められる)。
オは誤り。同条6項により、他人が所有する設備を使用する者は、使用開始のために生じた損害に対する償金を支払うほか、設備の修繕・維持等に要する費用を、その利益を受ける割合に応じて負担しなければならない。
問題: 平面直角座標系において、既知点Aの座標が $X_A = 500.00,\text{m}$、$Y_A = 300.00,\text{m}$ である。点Aから新点Bへの方向角が $123^\circ00'00’’$、AB間の平面距離が $60.000,\text{m}$ であるとき、新点Bの座標 $(X_B,\ Y_B)$ として最も近いものを求めよ。($\cos 123^\circ = -0.54464$、$\sin 123^\circ = 0.83867$ とする。)
答え: $X_B = 467.32,\text{m}$、$Y_B = 350.32,\text{m}$。
解説: 放射法による新点座標は、既知点座標に座標の増分(緯距・経距)を加えて求める。方向角を $T_{AB}$、平面距離を $S$ とすると、
$$X_B = X_A + S \cos T_{AB}, \qquad Y_B = Y_A + S \sin T_{AB}$$
数値を代入する。
$$X_B = 500.00 + 60.000 \times (-0.54464) = 500.00 - 32.68 = 467.32,\text{m}$$
$$Y_B = 300.00 + 60.000 \times 0.83867 = 300.00 + 50.32 = 350.32,\text{m}$$
よって新点Bの座標は $(467.32,\ 350.32)$ である。方向角は座標系のX軸(北)方向を基準に右回りに測るため、座標の増分はX方向が $S\cos T$、Y方向が $S\sin T$ となる点に注意する(土地家屋調査士試験では関数電卓の持込みが認められている)。
問題: 2個以上の建物が合体して1個の建物となった場合の登記(建物の合体による登記等。不動産登記法49条)に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものはいくつあるか。
ア.建物が合体して1個の建物となったときは、合体後の建物についての建物の表題登記及び合体前の建物についての建物の表題部の登記の抹消その他の登記を申請しなければならない。
イ.合体による登記等の申請は、合体があった日から1か月以内にしなければならない。
ウ.合体による登記等の申請をすべき義務がある者がその申請を怠ったときは、過料に処せられることがある。
エ.合体前の建物に抵当権の登記があったときは、合体後の建物の登記記録には当該抵当権が当然に消滅した旨が記録される。
オ.表題登記がない建物と表題登記がある建物とが合体した場合にも、合体後の建物については建物の表題登記を申請する。
答え: 誤っているものは、エの1つである。
解説: ア・イは不動産登記法49条1項。合体により1個の建物となったときは、合体後の建物の表題登記と合体前の建物の表題部の登記の抹消等を、合体の日から1か月以内に申請しなければならない。
ウは申請義務違反に対する過料(不動産登記法164条)。表示に関する登記の申請義務を怠ると、10万円以下の過料の対象となりうる。
オは正しい。合体前の建物の登記の有無に応じて申請内容は変わるが、合体後の建物については建物の表題登記を申請する。
エは誤り。合体前の建物に存した抵当権等の所有権以外の権利は、合体後の建物に存続し、合体後の建物の登記記録に職権で移記される。当然に消滅するわけではない。
出題分野
| 問 | 分野 | 論点 |
|---|---|---|
| 第1問 | 不動産登記法 | 地図及び地図に準ずる図面(不動産登記法14条) |
| 第2問 | 土地家屋調査士法 | 土地家屋調査士法人(社員資格・一人法人・責任・競業) |
| 第3問 | 民法 | 継続的給付を受けるための設備の設置権等(民法213条の2・令和3年改正) |
| 第4問 | 測量計算 | 放射法による新点の座標計算 |
| 第5問 | 不動産登記法 | 建物の合体による登記等(不動産登記法49条) |