問題:

建物の滅失の登記に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものはいくつあるか。

ア. 建物が滅失したときは、表題部所有者又は所有権の登記名義人は、その滅失の日から1か月以内に、建物の滅失の登記を申請しなければならない。

イ. 建物の滅失の登記の申請を怠ったときは、過料に処せられることがある。

ウ. 建物の滅失の登記の申請情報には、建物の滅失を証する情報を併せて提供しなければならない。

エ. 登記官が建物の滅失の登記をしたときは、当該建物の登記記録は閉鎖される。

オ. 建物の滅失の登記は、その敷地である土地の地目の変更を伴うため、土地の地目に関する変更の登記を同時に申請しなければならない。

答え:

誤っているものは、オの1個である。

解説:

建物の滅失の登記(不動産登記法57条)は、申請義務・申請期間・添付情報・登記記録の閉鎖が問われる。

ア(正しい)。建物が滅失したときは、表題部所有者又は所有権の登記名義人は、その滅失の日から1か月以内に、建物の滅失の登記を申請しなければならない(不動産登記法57条)。

イ(正しい)。表題登記がある建物の滅失の登記を申請する義務がある者が、その申請を怠ったときは、10万円以下の過料に処せられることがある(不動産登記法164条1項)。

ウ(正しい)。建物の滅失の登記を申請するときは、その登記原因を証する情報として、建物の滅失を証する情報を提供しなければならない。取壊証明書などがこれにあたる。

エ(正しい)。登記官が建物の滅失の登記をしたときは、当該建物の登記記録を閉鎖する(不動産登記規則144条1項)。

オ(誤り)。建物の滅失と、その敷地である土地の地目とは別個の事柄であり、建物の滅失の登記が当然に土地の地目の変更を伴うものではない。土地の地目の変更の登記を同時に申請しなければならないとする点が誤りである。


問題:

土地家屋調査士の使命及び義務に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものはいくつあるか。

ア. 調査士は、不動産の表示に関する登記及び土地の筆界を明らかにする業務の専門家として、不動産に関する権利の明確化に寄与し、もって国民生活の安定と向上に資することを使命とする。

イ. 調査士は、正当な事由がある場合でなければ、依頼(筆界特定の手続についての代理に関するもの等を除く)を拒むことができない。

ウ. 調査士は、法務省令の定めるところにより、業務に関する帳簿を備え、かつ、関係書類を保存しなければならない。

エ. 調査士であった者は、調査士でなくなった後は、業務上取り扱った事件について知り得た秘密を漏らしても、秘密保持義務違反を問われることはない。

オ. 調査士となる資格を有する者が調査士となるには、日本土地家屋調査士会連合会に備える土地家屋調査士名簿に登録を受けなければならない。

答え:

誤っているものは、エの1個である。

解説:

調査士の使命(土地家屋調査士法1条)、依頼に応ずる義務、帳簿・書類の保存義務、秘密保持義務、登録が問われる。

ア(正しい)。調査士は、不動産の表示に関する登記及び土地の筆界を明らかにする業務の専門家として、不動産に関する権利の明確化に寄与し、もって国民生活の安定と向上に資することを使命とする(土地家屋調査士法1条)。令和元年改正で新設された使命規定である。

イ(正しい)。調査士は、正当な事由がある場合でなければ、依頼(筆界特定の手続についての代理及び民間紛争解決手続代理関係業務に関するものを除く)を拒むことができない(土地家屋調査士法22条)。

ウ(正しい)。調査士は、法務省令の定めるところにより、業務に関する帳簿を備え、かつ、関係書類を保存しなければならない(土地家屋調査士法21条)。

エ(誤り)。調査士又は調査士であった者は、正当な事由がある場合でなければ、その業務上取り扱った事件について知ることのできた秘密を他に漏らしてはならない(土地家屋調査士法24条の2)。秘密保持義務は調査士でなくなった後も継続するから、漏らしても義務違反を問われることはないとする点が誤りである。

オ(正しい)。調査士となる資格を有する者が調査士となるには、日本土地家屋調査士会連合会に備える土地家屋調査士名簿に登録を受けなければならない(土地家屋調査士法8条1項)。


問題:

取得時効と土地の境界に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものはいくつあるか。

ア. 所有権の取得時効は、20年間、所有の意思をもって、平穏かつ公然と他人の物を占有することによって完成し、占有の開始の時に善意であり、かつ、過失がなかったときは、その期間は10年となる。

イ. 時効によって土地の所有権を取得した者は、その占有を開始した時にさかのぼって所有権を取得する。

ウ. 取得時効によって隣地の一部の所有権を取得した場合には、その取得した範囲に合わせて、登記記録上の筆界(公法上の境界)も当然に移動する。

エ. 筆界特定とは、新たに筆界を定めるものではなく、現地における筆界の位置を特定する手続である。

オ. 隣接する土地の所有者同士が現地の境界について合意をしても、それによって筆界が変更されるわけではない。

答え:

正しいものは、ア・イ・エ・オの4個である。

解説:

取得時効(民法162条)と、私法上の境界である所有権界と公法上の境界である筆界との区別が問われる。

ア(正しい)。所有権の取得時効は、20年間、所有の意思をもって、平穏かつ公然と他人の物を占有することによって完成する(民法162条1項)。占有開始の時に善意かつ無過失であったときは、その期間は10年となる(同条2項)。

イ(正しい)。時効の効力は、その起算日にさかのぼる(民法144条)。したがって、時効によって土地の所有権を取得した者は、占有を開始した時にさかのぼって所有権を取得する。

ウ(誤り)。筆界(公法上の境界)は、一筆の土地が登記された際にその区画として定まった公的な境界であり、当事者間の合意や取得時効によって移動するものではない。取得時効によって動くのは所有権の範囲(所有権界=私法上の境界)であって、筆界そのものが当然に移動するわけではない。筆界も当然に移動するとする点が誤りである。

エ(正しい)。筆界特定とは、新たに筆界を定めるものではなく、筆界の現地における位置を特定する手続である(不動産登記法123条以下)。既に存在する筆界を明らかにする制度である点に注意する。

オ(正しい)。筆界は公法上の境界であるから、隣接土地の所有者同士が現地の境界について合意(いわゆる筆界確認)をしても、それによって筆界が変更されるわけではない。合意で動かし得るのは所有権界である。


問題:

ある三角形の土地について、3辺の長さがそれぞれ $a = 13.00,\text{m}$、$b = 14.00,\text{m}$、$c = 15.00,\text{m}$ であった。この土地の面積として最も近いものはどれか。なお、関数電卓を使用してよい。

ア. 84.00 m²

イ. 90.00 m²

ウ. 105.00 m²

エ. 168.00 m²

オ. 210.00 m²

答え:

最も近いものは、ア(84.00 m²)である。

解説:

3辺の長さがすべて分かっている三角形の面積は、ヘロンの公式によって求める。3辺を $a,\ b,\ c$、半周長を $s = \dfrac{a+b+c}{2}$ とすると、面積 $S$ は次式で求められる。

$$S = \sqrt{s,(s-a),(s-b),(s-c)}$$

まず半周長 $s$ を求める。

$$s = \frac{13.00 + 14.00 + 15.00}{2} = \frac{42.00}{2} = 21.00$$

次に、$s-a,\ s-b,\ s-c$ を求める。

$$s - a = 21.00 - 13.00 = 8.00$$ $$s - b = 21.00 - 14.00 = 7.00$$ $$s - c = 21.00 - 15.00 = 6.00$$

これらをヘロンの公式に代入する。

$$S = \sqrt{21.00 \times 8.00 \times 7.00 \times 6.00} = \sqrt{7056.00} = 84.00 \ \text{m}^2$$

したがって面積は $84.00,\text{m}^2$ である。$210.00$(=$s \times 10$ など)や $105.00$(=$\frac{1}{2} \times 14 \times 15$ と誤って底辺・高さに当てはめたもの)といった値を選ばないよう、3辺がそろっているときはヘロンの公式を用いることを確実にしたい。


問題:

地図及び地図に準ずる図面に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものはいくつあるか。

ア. 登記所には、地図及び建物所在図を備え付けるものとする。

イ. 地図は、一筆又は二筆以上の土地ごとに作成し、各土地の区画を明確にし、地番を表示するものである。

ウ. 地図を備え付けるまでの間、これに代えて、地図に準ずる図面を備え付けることができる。

エ. 地図に準ずる図面は、地図と同様に現地復元能力を有し、筆界を高い精度で現地に復元することができる。

オ. 地図及び地図に準ずる図面は、電磁的記録に記録することができる。

答え:

誤っているものは、エの1個である。

解説:

地図及び地図に準ずる図面(不動産登記法14条)は、その備付け・内容・性質が問われる。

ア(正しい)。登記所には、地図及び建物所在図を備え付けるものとする(不動産登記法14条1項)。

イ(正しい)。地図は、一筆又は二筆以上の土地ごとに作成し、各土地の区画を明確にし、地番を表示するものである(不動産登記法14条2項)。

ウ(正しい)。地図を備え付けるまでの間、これに代えて、地図に準ずる図面を備え付けることができる(不動産登記法14条4項)。旧土地台帳附属地図(いわゆる公図)がこれにあたる。

エ(誤り)。不動産登記法14条1項の地図は、現地復元能力を有し、筆界を現地に復元することができる精度が求められる。これに対し、地図に準ずる図面(公図)は、土地のおおよその位置・形状を示すにとどまり、現地復元能力を有しないのが一般である。地図に準ずる図面が地図と同様に現地復元能力を有するとする点が誤りである。

オ(正しい)。地図及び地図に準ずる図面は、電磁的記録に記録することができる(不動産登記法14条6項)。


出題分野の振り分け

出題分野
第1問 不動産登記法(建物の滅失の登記)
第2問 土地家屋調査士法(使命・依頼に応ずる義務・秘密保持)
第3問 民法・不動産登記法(取得時効と筆界)
第4問 測量計算(ヘロンの公式による面積計算)
第5問 不動産登記法(地図及び地図に準ずる図面)