問題:
建物の表題登記に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものはいくつあるか。
ア. 新築した建物又は区分建物以外の表題登記がない建物の所有権を取得した者は、その所有権の取得の日から1か月以内に、表題登記を申請しなければならない。
イ. 建物の床面積は、各階ごとに壁その他の区画の中心線で囲まれた部分の水平投影面積により定める。ただし、区分建物にあっては、壁その他の区画の内側線で囲まれた部分の水平投影面積による。
ウ. 建物は、屋根及び周壁又はこれらに類するものを有し、土地に定着した建造物であって、その目的とする用途に供し得る状態にあるものでなければならない。
エ. 建物の種類は、建物の主な用途により、居宅、店舗、共同住宅、事務所等に区分して定めるが、これらの区分のいずれにも該当しない用途の建物については、種類を定めて登記をすることができない。
オ. 建物の表題登記を申請するときは、その申請情報と併せて、建物図面及び各階平面図を提供しなければならない。
答え:
誤っているものは、エの1個である。
解説:
建物の表題登記は、申請義務(不動産登記法47条)、床面積の算定方法、建物の認定、種類の定め方、添付情報が問われる。
ア(正しい)。新築した建物又は区分建物以外の表題登記がない建物の所有権を取得した者は、その所有権の取得の日から1か月以内に、表題登記を申請しなければならない(不動産登記法47条1項)。
イ(正しい)。建物の床面積は、各階ごとに壁その他の区画の中心線で囲まれた部分の水平投影面積により、平方メートルを単位として定める。ただし、区分建物にあっては、壁その他の区画の内側線で囲まれた部分の水平投影面積による(不動産登記規則115条)。
ウ(正しい)。建物は、屋根及び周壁又はこれらに類するものを有し、土地に定着した建造物であって、その目的とする用途に供し得る状態にあるものでなければならない(不動産登記規則111条)。
エ(誤り)。建物の種類は、建物の主な用途により、居宅、店舗、寄宿舎、共同住宅、事務所等に区分して定め、これらの区分に該当しない建物については、これに準じて定めるものとされている(不動産登記規則113条1項)。区分のいずれにも該当しない用途の建物であっても、これに準じて種類を定めて登記することができるのであり、種類を定めて登記をすることができないとする点が誤りである。
オ(正しい)。建物の表題登記を申請するときは、その申請情報と併せて、建物図面及び各階平面図を提供しなければならない(不動産登記令別表)。
問題:
土地家屋調査士の登録に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものはいくつあるか。
ア. 調査士となる資格を有する者が調査士となるには、日本土地家屋調査士会連合会に備える土地家屋調査士名簿に、登録を受けなければならない。
イ. 土地家屋調査士名簿の登録は、日本土地家屋調査士会連合会が行う。
ウ. 調査士の登録を受けようとする者は、その事務所を設けようとする地を管轄する法務局又は地方法務局の長に対し、直接、登録の申請をしなければならない。
エ. 調査士は、土地家屋調査士名簿に登録を受けた事項に変更(所属する土地家屋調査士会の変更を除く。)が生じたときは、遅滞なく、所属する土地家屋調査士会を経由して、連合会にその旨を届け出なければならない。
オ. 連合会は、登録を申請した者が心身の故障により調査士の業務を行うことができないと認めたときは、その登録を拒否しなければならない。この場合においては、登録審査会の議決に基づいてしなければならない。
答え:
誤っているものは、ウの1個である。
解説:
調査士の登録は、登録の意義、登録の主体、登録申請の経路、変更の登録、登録の拒否の手続が問われる。
ア(正しい)。調査士となる資格を有する者が調査士となるには、日本土地家屋調査士会連合会に備える土地家屋調査士名簿に、登録を受けなければならない(土地家屋調査士法8条1項)。
イ(正しい)。土地家屋調査士名簿の登録は、日本土地家屋調査士会連合会が行う(土地家屋調査士法8条2項)。
ウ(誤り)。調査士の登録を受けようとする者は、その事務所を設けようとする地を管轄する法務局又は地方法務局の管轄区域内に設立された土地家屋調査士会を経由して、連合会に登録申請書を提出しなければならない。法務局又は地方法務局の長に対して直接申請するのではない(土地家屋調査士法9条1項)。直接申請するとする点が誤りである。
エ(正しい)。調査士は、土地家屋調査士名簿に登録を受けた事項に変更(所属する土地家屋調査士会の変更を除く。)が生じたときは、遅滞なく、所属する土地家屋調査士会を経由して、連合会にその旨を届け出なければならない(土地家屋調査士法14条)。なお、所属する土地家屋調査士会自体を変更するとき(他の法務局又は地方法務局の管轄区域内への事務所移転)は、変更の登録の申請を要する(同法13条)。
オ(正しい)。連合会は、登録を申請した者が心身の故障により調査士の業務を行うことができないと認めたときは、その登録を拒否しなければならない。この場合においては、連合会に置かれる登録審査会の議決に基づいてしなければならない(土地家屋調査士法10条1項、62条)。
問題:
境界線付近の建築等に関する民法の規定について、次のアからオまでの記述のうち、誤っているものはいくつあるか。
ア. 建物を築造するには、境界線から50センチメートル以上の距離を保たなければならない。
イ. 前記アの規定に違反して建築をしようとする者があるときは、隣地の所有者は、その建築を中止させ、又は変更させることができる。ただし、建築に着手した時から1年を経過し、又はその建物が完成した後は、損害賠償の請求のみをすることができる。
ウ. 境界線から1メートル未満の距離において他人の宅地を見通すことのできる窓又は縁側(ベランダを含む。)を設ける者は、目隠しを付けなければならない。
エ. 境界線から50センチメートルの距離を保つべき旨を定める民法の規定と異なる慣習があるときであっても、民法の規定が優先して適用され、その慣習に従うことはできない。
オ. 境界線から1メートル未満の距離を測るには、窓又は縁側の最も隣地に近い点から垂直線によって境界線に至るまでを測定して算出する。
答え:
誤っているものは、エの1個である。
解説:
境界線付近の建築の制限(民法234条)、目隠し(民法235条)、慣習による修正(民法236条)が問われる。調査士の実務でも、境界をめぐる相隣関係の理解は重要である。
ア(正しい)。建物を築造するには、境界線から50センチメートル以上の距離を保たなければならない(民法234条1項)。
イ(正しい)。前記アの規定に違反して建築をしようとする者があるときは、隣地の所有者は、その建築を中止させ、又は変更させることができる。ただし、建築に着手した時から1年を経過し、又はその建物が完成した後は、損害賠償の請求のみをすることができる(民法234条2項)。
ウ(正しい)。境界線から1メートル未満の距離において他人の宅地を見通すことのできる窓又は縁側(ベランダを含む。)を設ける者は、目隠しを付けなければならない(民法235条1項)。
エ(誤り)。第234条又は第235条の規定と異なる慣習があるときは、その慣習に従う(民法236条)。民法の規定が優先して適用され慣習に従うことはできないとする点が誤りである。
オ(正しい)。前記ウの距離(境界線から1メートル)は、窓又は縁側の最も隣地に近い点から垂直線によって境界線に至るまでを測定して算出する(民法235条2項)。
問題:
平面直角座標系における境界点A、B、C、Dの座標値が次の表のとおりであるとき、これらの点を順に結んで囲まれる四角形ABCDの面積として最も近いものはどれか。なお、関数電卓を使用してよい。
| 点 | X座標(m) | Y座標(m) |
|---|---|---|
| A | 10.00 | 20.00 |
| B | 30.00 | 10.00 |
| C | 50.00 | 40.00 |
| D | 20.00 | 50.00 |
ア. 850.00 m²
イ. 900.00 m²
ウ. 950.00 m²
エ. 1000.00 m²
オ. 1800.00 m²
答え:
最も近いものは、イ(900.00 m²)である。
解説:
各境界点の座標値が分かっているときは、座標法(座標による面積計算)によって面積を求める。点 $i$ の座標を $(x_i,\ y_i)$ とすると、$n$ 個の点を順に結んで囲まれる多角形の面積 $S$ は次式で求められる。
$$S = \frac{1}{2}\left| \sum_{i=1}^{n} x_i,(y_{i+1} - y_{i-1}) \right|$$
ここで、点は A→B→C→D の順に並んでいるものとし、$y_{i+1}$・$y_{i-1}$ は前後の点の Y 座標である(最初の点の一つ前は最後の点 D、最後の点の一つ後は最初の点 A とする)。各点について $x_i,(y_{i+1} - y_{i-1})$ を計算する。
$$A:\ 10.00 \times (10.00 - 50.00) = 10.00 \times (-40.00) = -400.00$$ $$B:\ 30.00 \times (40.00 - 20.00) = 30.00 \times 20.00 = 600.00$$ $$C:\ 50.00 \times (50.00 - 10.00) = 50.00 \times 40.00 = 2000.00$$ $$D:\ 20.00 \times (20.00 - 40.00) = 20.00 \times (-20.00) = -400.00$$
これらを合計する。
$$\sum x_i,(y_{i+1} - y_{i-1}) = -400.00 + 600.00 + 2000.00 - 400.00 = 1800.00$$
したがって面積 $S$ は次のとおりである。
$$S = \frac{1}{2} \times |1800.00| = 900.00 \ \text{m}^2$$
合計値 $1800.00$ は面積の2倍(倍面積)であり、これを面積そのものと取り違えてオ(1800.00 m²)を選ばないよう注意したい。面積は $900.00,\text{m}^2$ である。
問題:
筆界特定制度に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものはいくつあるか。
ア. 筆界特定とは、一筆の土地及びこれに隣接する他の土地について、筆界の現地における位置を特定することをいい、新たに筆界を創設することを含まない。
イ. 土地の所有権の登記名義人等は、筆界特定登記官に対し、その土地とこれに隣接する他の土地との筆界について、筆界特定の申請をすることができる。
ウ. 筆界特定の事務は、対象土地の所在地を管轄する法務局又は地方法務局がつかさどる。
エ. 筆界について民事訴訟(境界確定訴訟)の確定判決があったときは、その判決と抵触する範囲において、筆界特定はその効力を失う。
オ. 筆界特定の手続が終了した後は、何人も、筆界特定書の写しの交付を請求することはできない。
答え:
誤っているものは、オの1個である。
解説:
筆界特定制度(不動産登記法123条以下)は、筆界特定の意義、申請権者、管轄、確定判決との関係、記録の公開が問われる。
ア(正しい)。筆界特定とは、一筆の土地及びこれに隣接する他の土地について、筆界の現地における位置を特定すること(その位置を特定することができないときは、その位置の範囲を特定すること)をいう(不動産登記法123条2号)。既に存在する筆界を明らかにする手続であり、新たに筆界を創設するものではない。
イ(正しい)。土地の所有権の登記名義人等は、筆界特定登記官に対し、その土地とこれに隣接する他の土地との筆界について、筆界特定の申請をすることができる(不動産登記法131条1項)。
ウ(正しい)。筆界特定の事務は、対象土地の所在地を管轄する法務局又は地方法務局がつかさどる(不動産登記法124条1項)。なお、筆界特定の申請自体は、筆界特定登記官に対してする(同法131条1項)。
エ(正しい)。筆界特定がされた場合において、当該筆界について民事訴訟(境界確定訴訟)の確定判決があったときは、その判決と抵触する範囲において、筆界特定はその効力を失う(不動産登記法148条)。筆界特定は行政上の手続であり、最終的な筆界の確定は裁判所の判決によることを示している。
オ(誤り)。何人も、登記官に対し、手数料を納付して、筆界特定書等の写しの交付を請求することができる(不動産登記法149条1項)。何人も交付を請求することはできないとする点が誤りである。
出題分野の振り分け
| 問 | 出題分野 |
|---|---|
| 第1問 | 不動産登記法(建物の表題登記・床面積) |
| 第2問 | 土地家屋調査士法(調査士の登録) |
| 第3問 | 民法(相隣関係・境界線付近の建築) |
| 第4問 | 測量計算(座標法による面積計算) |
| 第5問 | 不動産登記法(筆界特定制度) |