登記申請の『取下げ』と『却下』はどう違う?──不備が直せないときの二つの道

この記事の要点 登記の名義変更などで不備が見つかり、補正でも直せないときは、手続きが「取下げ」か「却下」に分かれる 取下げは申請した人が自分から引っ込めること、却下は法務局が「この申請は受け付けられない」と判断すること どちらになるかで、納めた登録免許税の扱いなどが変わることがある 不動産や会社の登記を申請したあと、書類の不備が見つかることがあります。多くはその場での訂正(補正)で直せますが、なかには補正では直しきれない不備もあります。そのときに登場するのが「取下げ(とりさげ)」と「却下(きゃっか)」です。結論から言うと、取下げは申請した側から引っ込めること、却下は法務局が受け付けを認めないと判断することで、同じ「登記できなかった」でも中身が違います。 ...

2026年7月22日 · ひぐらしさとし

土地家屋調査士試験 試験対策 第90回──建物の分割・区分・合併の登記/調査士の秘密保持義務・依頼応諾義務/隣地使用権/ヘロンの公式による面積計算/地役権図面

問題: 建物の分割、区分及び合併の登記に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものはいくつあるか。 ア. 建物の分割の登記、建物の区分の登記及び建物の合併の登記は、いずれも表題部所有者又は所有権の登記名義人以外の者は、申請することができない。 ...

2026年7月22日 · ひぐらしさとし

監査役の任期は4年──取締役と違う任期ルールと変更登記

この記事の要点 監査役の任期は原則4年(取締役は原則2年)。任期の数え方は「選任後4年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで」(会社法336条1項) 非公開会社(株式譲渡制限会社)は、定款の定めによって監査役の任期を最長10年まで伸長できる(会社法336条2項) 監査等委員会設置会社・指名委員会等設置会社は、そもそも監査役を置くことができない(会社法327条4項) 同じ人がそのまま監査役を続ける場合も、任期満了のたびに「重任」の変更登記が必要 変更登記は変更が生じてから2週間以内(会社法915条1項)。放置すると過料の対象になり得る(会社法976条1号) 「監査役は特にすることがないから、任期も取締役と同じでいいだろう」——中小企業の経営の現場では、こうした思い込みをよく見かけます。しかし会社法上、監査役の任期は取締役の任期とは別のルールで決まっており、任期の長さも計算方法も異なります。取締役の任期管理はできていても、監査役の任期だけがうっかり見落とされ、登記懈怠(けたい=申請を怠ること)につながるケースは少なくありません。 ...

2026年7月22日 · ひぐらしさとし

再婚家庭の相続──前婚の子・連れ子・養子縁組で相続人の範囲はどう変わる?

この記事の要点 前婚の子(前の配偶者との間に生まれた子)は、同居の有無や交流の有無に関わらず、法律上当然に相続人になる 連れ子(再婚相手が前の関係で授かった子)は、養子縁組をしない限り、どれだけ長く同居していても相続人にはならない 養子縁組(普通養子縁組)をすると、連れ子は実子と同じ割合で相続人になる。ただし実親側の相続権も残る「二重の相続権」を持つ 前婚の子・現在の配偶者との間の子・養子縁組をした連れ子は、原則としてすべて頭割りで法定相続分を分け合う 相続人の範囲があいまいなまま放置せず、確定作業に不安があれば早めにお近くの司法書士にご相談ください 再婚をしている家庭の相続では、「誰が相続人になるのか」の見極めが、初婚同士の家庭よりも複雑になりがちです。結論から言うと、判断の基準は血のつながり、または法律上の親子関係の有無であり、一緒に暮らしていたかどうかではありません。この記事では、前婚の子・連れ子・養子縁組それぞれについて、相続人になるかどうかの制度上の違いを整理します。 ...

2026年7月22日 · ひぐらしさとし

相続相談は対面・電話・オンラインどれを選ぶ?──それぞれの向き不向きを整理

この記事の要点 相続の相談は対面・電話・オンラインのいずれの方法でも可能で、それぞれ向き不向きがある 資料を広げて確認する相談や複雑な家族関係の整理は対面が向いている ちょっとした確認や遠方に住む方の相談には電話・オンラインが向いている 相続の相談を検討する際、「まずは電話で聞いてみたい」「遠方に住んでいるのでオンラインで相談できないか」と考える方は少なくありません。結論から言うと、相続の相談は対面・電話・オンラインのいずれの方法でも行うことができ、相談したい内容や状況によって向き不向きがあります。 ...

2026年7月21日 · ひぐらしさとし

登録免許税は誰に相談する税金?──税理士ではなく司法書士が案内できる理由

この記事の要点 登録免許税は登記を受けるために納める国税で、司法書士が登記手続きの一環として計算・案内できる税金 所得税や相続税のような「申告」を前提とする税金とは仕組みが異なる ただし相続税・贈与税・不動産取得税など、他の税金の具体的な税額計算は税理士の業務範囲 不動産の名義変更や抵当権設定の登記を依頼した際、司法書士から登録免許税の金額を案内されて「なぜ税理士ではなく司法書士が税金の話をするのか」と疑問に思われる方がいます。結論から言うと、登録免許税は登記を受けるために納める国税であり、その計算・案内は登記手続きの一環として司法書士が行うことができる税金です。 ...

2026年7月21日 · ひぐらしさとし

土地家屋調査士試験 試験対策 第89回──分筆・合筆の登記の制限/認定調査士とADR代理/竹木の枝の切除・根の切取り/座標法による面積計算/地積測量図の記載事項

問題: 分筆及び合筆の登記に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものはいくつあるか。 ア. 分筆又は合筆の登記は、表題部所有者又は所有権の登記名義人以外の者は、申請することができない。 ...

2026年7月21日 · ひぐらしさとし

取締役の辞任・解任の登記──辞めたのに登記簿に残ったままのリスクと必要書類

「取締役を辞めたはずなのに、登記簿を見るとまだ名前が載っている」——こうした相談は珍しくありません。取締役が辞任したり、株主総会で解任されたりしても、それだけでは登記簿の記載は自動的に変わりません。別途、法務局へ変更登記を申請して初めて、登記簿の記載も実態に追いつくのです。 ...

2026年7月21日 · ひぐらしさとし

甥・姪が相続人になったときの手続き──代襲相続で戸籍集めと遺産分割協議が大変な理由

この記事の要点 甥・姪が代襲相続人になると、被代襲者(先に亡くなった伯父・伯母の子である自分の親)の出生から死亡までの戸籍も必要になり、通常の相続より戸籍収集の通数が増えやすい 被相続人や他の相続人(いとこにあたる人など)と面識がないことが多く、連絡先の特定や協議への参加そのものにハードルがある 相続登記の申請義務は甥・姪にも及ぶ(3年以内・起算点は「自分が相続人として不動産を取得したことを知った日」) 相続財産に負債がある可能性が見える場合は、相続放棄の期限(3か月)にも注意が必要 手続きの負担が大きいと感じたら、早い段階でお近くの司法書士に相談するのが安全 「伯父(叔父)が亡くなったが、子どももおらず、両親もすでに他界していた。兄弟姉妹である自分の親(伯父の弟や妹)も先に亡くなっているため、自分(甥・姪)が代わりに相続人になった」──こうした連絡を受けて戸惑う方は少なくありません。 ...

2026年7月21日 · ひぐらしさとし

準確定申告とは?相続で見落としやすい「4か月以内」の申告期限

この記事の要点 準確定申告とは、亡くなった方に代わって相続人が行う所得税の確定申告のこと 期限は死亡日ではなく「相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内」が原則 相続放棄(3か月)や相続税申告(10か月)と並行して管理すべき、別枠の期限として扱う必要がある 本文 結論から言うと、亡くなった方が生前に確定申告の対象となる所得を得ていた場合、相続人はその方に代わって「準確定申告」という所得税の申告を行う必要があり、この期限は通常の確定申告よりもかなり短く設定されています。 ...

2026年7月20日 · ひぐらしさとし